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カルバード共和国

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カルバード共和国 Republic of Calvard

基本情報
カルバード共和国
Republic of Calvard
カルバード共和国の位置
黄緑色は係争地のクロスベル州
略名 共和国、カルバード
国章 三つ葉のクローブ
国歌 ホワイトクローブの誓い
位置 ゼムリア大陸西部及び中央部
首都 首都イーディス
政府
元首 カルバード共和国第22代大統領
サミュエル・ロックスミス(1196-1207)
第23代大統領
ロイ・グラムハート(1207-)
代表 -
建国 七耀暦1100年
登場作品 【空】FC・SC・3rd
【零】【碧】
【閃】I・II・III・IV【創】
【黎】
【暁】
関連組織 カルバード共和国軍
黒月
ヴェルヌ社
カルバード共和国(-きょうわこく、Republic of Calvard)はゼムリア大陸西部及び中央部に位置する共和制国家である。
大陸最大規模の国土と人口を有する大国であり、大陸西部においてはエレボニア帝国と並び二大国として国際的に認識されている。空の軌跡FCより登場し、カルバード共和国編である黎の軌跡では物語の舞台となった。



名称

「革命によって、王政を打ち倒して成立した共和制国家」という成り立ちから、現実のフランス共和国をモチーフにしていることが作中各所(地名や固有名詞におけるフランス語)で窺える他、政治的・文化的な背景では「移民を受け入れて拡大した民主主義の大国」であるアメリカ合衆国的な要素も多々取り込まれている。

他にもカルバート共和国の地名や関連名称などの固有名詞には、恒星の名が用いられる事も多かった。

歴史

七耀暦以前

七耀暦以前の古代ゼムリア文明は現カルバード共和国領内でも繁栄していたと推測され、七耀暦1202年には共和国領内にて巨大な像が出土している。
七耀暦1188年頃に、共和国北西部のヴィシー郡クレイユ村近隣の巨石遺跡から、古代ゼムリア文明時代の物と思われる全高10アージュ程の像が出土。その後、七耀教会が回収した。

王政時代

中世においては王政のカルバード王国により統治されており、西方のクロスベルの地を巡って西の大国エレボニア帝国と幾度となく衝突していた。
王政時代末期、大陸東部の巨大国家神聖皇国イスカの崩壊による東方人移民の流入、エレボニア帝国のクロスベル併合、国内の大飢饉、王国の財政破綻など様々な問題から末期的状態に陥り、《カルバード民主革命》による王政の打倒へと繋がる。
七耀暦1100年5月にシーナ・ディルクとその同志らに率いられた《革命解放軍》が王国の主要都市の一つであったイーディスで決起。イーディス市街戦に勝利を収めると王国各地で革命に呼応した蜂起が発生し、同年12月に王都オラシオンが陥落。カルバード王国は滅亡した。

民主化革命による共和国成立

七輝暦1100年、民主化革命によって王政が打倒され、共和制に移行。民主国家《カルバード共和国》が建国される。
革命による建国前後の時代、革命勢力(後の共和国政府)によって数々の非合法的な活動や工作が行われた事が知られている。
民主化運動の影の功労者に大陸を動かした女性著名人として名高いシーナ・ディルクという人物がいる。
また王政時代後半より徐々に国内に増え始めた、カルバードの更に東側であるゼムリア大陸東部からの移民である東方人の勢力が革命に大きな役割を果たした。

革命直後、エレボニア帝国貴族領邦軍の侵攻を受ける。恐らく王政を打破した革命勢力に対して武力による干渉戦争を起こしたものと推測される。

1100年代初頭、新体制による社会改革によって国力を飛躍的に増大させた共和国は、エレボニア帝国統治下のクロスベル州の領有権を主張し、帝国との間に全面戦争が勃発。
1134年、共和国と帝国の両国の政治的妥協による合意の下、係争地であったクロスベルは両国の共同委託統治の自治州化。両国を宗主国としたクロスベル自治州の発足。
以後、エレボニア帝国との間に全面戦争こそ発生はしなかったが、小規模な武力衝突は度々発生した。

《導力革命》後

共和国における導力革命は、導力革命の父であるクロード・エプスタイン博士の三高弟の一人ラトーヤ・ハミルトン博士を中心に工学都市バーゼルから始まった。中世からの伝統的な学術機関であったバーゼル理科大学とバーゼル市の工房職人らによって後に共和国最大の企業にして導力器メーカーとなるヴェルヌ社が作られる。
エプスタイン博士の主導で共和国首都イーディスに観測施設《トリオンタワー》が建設される。

1187年、共和国領海内にて客船《エテルナ号》が沈没。リベール王国の王太子、ユーディス殿下夫妻も犠牲となった。

1192年、エレボニア帝国によるリベール王国侵攻(《百日戦役》)が勃発。想定を遥かに上回る帝国軍の進軍速度によって、早期にリベールのほぼ全土が占領された為、共和国は有効な手段を講じるタイミングを失い、友好国であり事実上の同盟国であったリベールを結果的に見捨てる形となってしまう。
帝国軍に対するリベールの反抗作戦が開始された後は、共和国は様々な手段で帝国を妨害し、国際社会で帝国の侵略行為を非難声明を発表すると共に、国境沿いに共和国軍を展開させてリベール側での参戦となる軍事介入を示唆した。これらの共和国の動きは《七耀教会》や《遊撃士協会》の勧告と共に帝国側への圧力となり、講和への下地となったとされている。
(もっとも、この時点で既に帝国=リベール間では《ハーメルの悲劇》の一件の隠蔽を条件とした停戦・講和が合意されていたと思われる)

1190年代後半、カルト教団《D∴G教団》による凶悪事件が共和国内で頻発するが、政界上層部の弱みを握る教団に対して共和国政府は有効な対応に動くことはできなかった。
1196年、共和国議会共和党議員であったサミュエル・ロックスミスが共和国大統領選挙にて第22代大統領に選出。ロックスミス政権は1207年までの10年以上に渡る長期政権となった。
1198年、遊撃士協会を中心した各国の捜査機関が合同で《D∴G教団》の殲滅作戦を行う。共和国内を蝕んでいた教団は一掃される。

1199年、エレボニア帝国による帝国東部国境のガレリア要塞へ大量破壊兵器《列車砲》を配備によって、共和国=帝国間の緊張が深刻化。クロスベル自治州を挟んで両国が大規模な軍事演習を頻繁に行うなどの示威行動が活発化した。

1202年〜1203年(空の軌跡FC・SC・the 3rd)
1203年、共和国は帝国リベールと共に三か国間の《不戦条約》を締結。帝国の列車砲配備により緊張が高まっていたクロスベル問題は一時沈静化した。(空の軌跡SC 第3章)

1204年(零の軌跡・碧の軌跡・閃の軌跡・II)
1204年6月、エレボニア帝国との係争地の一つである《ノルド高原》の共和国軍基地が、帝国の反体制テロ組織《帝国解放戦線》に雇われた傭兵団による砲撃を受ける。同様の攻撃を受けた帝国側のノルド高原ゼンター門駐留の帝国軍第三機甲師団との間で局地的な武力衝突の危機となるものの、共和国=帝国両国の政府による外交取引によって軍事衝突は回避される。(閃の軌跡 第3章)

8月、クロスベル自治州にて開催された《西ゼムリア通商会議》にサミュエル・ロックスミス共和国大統領が共和国の国家元首として出席。同月31日の会期2日目においてテロ組織反移民政策主義》の襲撃を受けるものの、共和国政府からの依頼を受けた黒月貿易公司クロスベル支社によってテロリストは身柄を拘束される。(碧の軌跡 第2章)
10月24日、一方的な独立を宣言し、共和国の在クロスベル資産を凍結したクロスベル自治州(自称・クロスベル独立国)政府に対し最後通牒を送り、同日16時にエレボニア帝国と協調して共和国軍はクロスベルへの軍事介入を行うものの、クロスベル側の反撃により失敗。(碧の軌跡 第4章)

1205年1月、エレボニア帝国によるクロスベル侵攻・占領(クロスベル戦役)を受けて、共和国政府は帝国を激しく非難。共和国軍は空挺機甲師団を投入しクロスベルの奪還を図るも悉く失敗に終わる。(閃の軌跡II)
以後、両国関係は近年で最悪のものとなり、クロスベルやノルド高原といった国境地帯(係争地)において軍事衝突が頻発。共和国政府は在エレボニア帝国大使を本国に召還。

3月9日、共和国軍第二空挺機甲師団《カノープス》、エレボニア帝国領クロスベル州となったタングラム丘陵にて帝国軍第九機甲師団《シュナイゼル》大隊及び帝国領クロスベル総督府所属の機甲兵部隊《リゼルヴァー》と交戦。
帝国総督府の臨時武官《灰色の騎士リィン・シュバルツァーの搭乗する《灰の騎神》ヴァリマールに圧倒され、撤退する。(閃の軌跡II 外伝)

1205年〜(閃の軌跡III・IV)
1205年秋、エレボニア帝国のノーザンブリア自治州侵攻(《北方戦役》)とその後の帝国領への併合に対して、共和国政府は帝国を一貫して非難した。

著しい軍備拡張とそれを背景に周辺諸国の併呑を続ける帝国との国力の差は日に日に大きくなり、国内情勢においても大きな問題を抱える共和国は厳しい立場に置かれる。
特に帝国の軍備拡張の目的が共和国との全面戦争であることは理解に容易く、共和国は帝国の戦争計画、特にその開戦予定日を把握すべく様々な手段を講じた。
一例として、帝国東部にて共和国政府の情報機関である中央情報省帝国軍情報局の間で繰り広げられた諜報戦や共和国軍特殊部隊《ハーキュリーズ》の帝都ヘイムダルへの潜入が挙げられる。(閃の軌跡III 第2章 第4章)

クロスベル戦線の戦況から読み取れる通り、1205年3月の時点で既に共和国軍は軍事技術の差から帝国軍に劣勢であり、特に帝国が動員を開始し国家総力戦体制を整えた1206年夏の時点では、開戦すれば敗戦は必至との判断がなされていた。

そんな緊迫した情勢下で行われた大統領選挙で現職サミュエル・ロックスミス大統領が野党《愛国同盟》のロイ・グラムハート候補に敗北し、半年後の政権交代が確実となった。与党共和党と政権基盤は不安定化し、着実に開戦へと突き進む帝国に対し、共和国は有効的な対策を講じる事は出来なかった。

共和国の一縷の希望のなったのは、帝国の反政府軍ヴァイスラント決起軍を主宰するミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン公女の計画し、共和国のみならず大陸諸国へと水面下で打診された対帝国包囲網の構築であり、任期残り少ないロックスミス大統領はその政治生命と共和国の命運を賭けてこの計画に乗ることとなる。

国境の緩衝空域を飛行する戦艦《パンタグリュエル》に各国首脳を招いた会合にて、共和国はリベール王国レミフェリア公国、その他の大陸諸州、帝国内の反体制派らと共に対帝国包囲網《千の陽炎(ミル=ミラージュ)》作戦に合意。

この合意により連合軍の最高司令官はリベール王国軍カシウス・ブライト中将が指名され、共和国軍の指揮権が他国の軍人に委ねられることとなったが、既に単独で帝国と戦っても勝機が存在しない共和国にとっては受け入れざるを得ない条件であった。

9月1日正午、共和国領内への侵攻を開始した帝国軍を迎え撃つ形で戦端が開かれる。
翌2日、開戦を主導した帝国宰相ギリアス・オズボーンの死により帝国軍と連合軍の間で停戦が合意。
2日間といえども共和国が帝国と全面的に交戦した事実は変わらず、最小限に抑えることは出来たが軍民双方に被害が出た。

停戦合意後、帝国軍の撤退したクロスベル州(この時点では帝国領)への共和国軍の進駐に関してリベール王国やレミフェリア公国などから自制を求められ、共和国政府はこれを了承した。
この共和国政府の決定に伴い、クロスベル州は結果的に実質的な再独立を手にする事となったが、帝国臨時政府の撤退命令を無視した旧クロスベル総督府治安維持部隊(《衛士隊》)が武装蜂起し、クロスベル州を占拠した。
事件は帝国軍の一部隊が引き起こした事から、その収拾は帝国政府に委ねられたが、停戦直後の国際情勢に配慮して直接的な介入が困難な状況下で交渉は長引き、占拠事件は長期化する。

共和国に対する帝国の開戦事由となった皇帝暗殺未遂事件帝都における事件について、共和国が無関与であることが帝国側から公表されると国内世論は沸騰する。
ロックスミス政権は国内世論を上手く抑えて帝国との賠償交渉をまとめ、天文学的と評される額の賠償金を帝国が支払うことで合意。

1207年〜(創の軌跡・黎の軌跡)
前与党にして伝統的保守政党である共和党を総選挙で地滑り的に下し、政権与党の座についた《愛国同盟》のロイ・グラムハートが第23代共和国大統領に就任。
グラムハート政権は帝国との賠償交渉により手に入れた賠償金を原資に、一部ではバラマキとも評される大胆な経済政策を行い、共和国に”かつてない繁栄”と表現される歴史的な好景気を到来させた。

また前年より3か月半に渡って長期化するクロスベル州における旧帝国軍部隊の武装占拠事件に対して、共和国軍の軍事介入が示唆されていたが、2月14日に旧クロスベル警察及び警備隊によってクロスベル市は解放された。

その後、クロスベル州の今後について関係国間で協議が行われ、クロスベル州の自治州としての再独立が決定。
旧宗主国である帝国のクロスベルに対する主権放棄に併せる形で、共和国もクロスベルに対する主権と宗主国としての権利を放棄し、七耀教会総本山のアルテリア法国が宗主国となる新しい自治州として再独立案に賛同する。


地理

共和国西部では国境の大部分をエレボニア帝国と接している他、キュレー河を境に属州クロスベル州(係争地)と、南西部ではリベール王国とも国境を接している。北西部ではエレボニア帝国との係争地である《ノルド高原》、レミフェリア公国オレド自治州と接している。

一方で共和国東部は、北東部は自由都市圏と呼ばれる都市国家が割拠する地域と接し、南東部ではシーリーン砂漠を経てエルザイム公国と接している。
共和国東部の国境地帯の殆どは天山山脈イシュガル山脈といった二つの大山脈が聳えており、国境を超えた先の状況は判然としない。
また、二つの大山脈は大陸中部と東部の地理的な境界とされ、山脈の合間に位置する龍來は大陸東部への玄関口とされる。

政治

『自由・平等・友愛』を掲げる共和国の法規範《共和国憲章》の下、共和国の行政権は共和国大統領を行政府の長とする共和国政府が担い、立法権を民選議会である共和国議会が担う。
自由主義・民主主義的な政治体制が根付いている。

共和国の建国以後、幅広く移民を受け入れており、特に東方人の移民が多い。
移民の受け入れによる人口規模の拡大に伴う国力の成長は、エレボニア帝国と対立する上での共和国の優勢な点ではあるが、同時に人種差別などの移民問題という大きな内政問題を抱え込む結果となった。
1204年8月の《西ゼムリア通商会議》では、反移民を掲げるテロ組織《反移民政策主義》によるロックスミス大統領襲撃事件を引き起こし、同年10月の共和国経済の大混乱に乗じて共和国全土の規模で暴動が起きる騒擾事態となった。

1190年代後半の《D∴G教団》によって起こされた数々の凶悪事件において共和国は最大の被害者であった。
この事件の解決には共和国出身の高名な遊撃士ジン・ヴァセックも関わっている。

共和国の人口は1202年時点でリベール王国の5倍とされている。

情報機関として大統領直属の《ロックスミス機関》が設立された後、共和国政府の官庁として《中央情報省》(CID:Central Intelligence Division)に引き継がれた。

外交

共和国の外交戦略から切っても切り離せない存在であるのは、西に位置する隣国エレボニア帝国であり、帝国とは西ゼムリアの覇権を巡って争う二大国の関係にある。
共和国の建国以前より続くクロスベル問題を始め、両国の各地での領有権争いは度々直接戦火を交える戦争へと発展しており、両国の関係は非常に悪い。

もう一つの隣国であるリベール王国は共和国にとって友好国であり、事実上の同盟国でもある。1192年のエレボニア帝国によるリベール侵攻(《百日戦役》)以後は、拡大・強大化する帝国への備えもあり共和国とリベールの関係は更に深まった。
但し、リベールは二大国間の争いに関しては中立的な立場を国是として維持しており、数々の国際問題においても必ずしも共和国の立場を支持している訳ではない。

一方で共和国より東側に位置する諸国とも関係は深く、大陸中東部のエルザイム公国とは旧王政時代より文化や技術・学問といった様々な面で交流が盛んな歴史的な友好国である。

1202年、リベール王国アリシア2世女王によって提案され、共和国、帝国リベールの3カ国間で結ばれた《不戦条約》では、『問題解決に武力を用いない』事が明記され、一触即発の状態にまで悪化していた帝国との対立を一時的に沈静化の方向へ改善させた。
1204年、クロスベル自治州の提案で開催された《西ゼムリア通商会議》ではエレボニア帝国と共に宗主国としてクロスベルへ更なる圧力を掛けるに至った。両宗主国の圧力はクロスベルを追い詰めてしまい、結果的にクロスベル独立を掲げたディーター・クロイス市長を中心とする、クロスベル独立運動に火を付けてしまう。

1205年のエレボニア帝国によるクロスベル侵攻・占領(クロスベル戦役)以後、帝国との関係は近年で最悪のものとなり、数十年ぶりの両国の全面戦争も時間の問題となった。

1206年の《ヨルムンガンド戦役》の停戦合意によって、長年の宿敵でもあった帝国から賠償金を得た上で、共和国を圧倒する巨大な軍備を有していた帝国に対して軍縮協定を受諾させた事は共和国にとって大きな外交的勝利となり、実質的に大陸西部の主導権を獲得した。
翌1207年のグラムハート政権成立後、増大する国力を背景に更なる軍備拡張を推し進め、共和国は大陸西部のみならず大陸東部を含めた”ゼムリア大陸全土”を主導すると宣言するに至った。

少なくともリベール王国エレボニア帝国エルザイム公国との間には正式な外交関係が存在し、リベール王国では王都グランセルの北街区に、エレボニア帝国では帝都ヘイムダルサンクト地区カルバード共和国大使館が所在する。

また、共和国首都イーディス五区・オーベル地区にはリベール王国大使館とエルザイム公国大使館が所在する。

軍事

(詳細は別項カルバード共和国軍を参照)
共和国の国防は国家正規軍であるカルバード共和国軍によって担われる。
大陸西部の覇権を巡って争う二大国の軍隊として、共和国軍は総兵力約80万(1206年)とエレボニア帝国軍と並び大陸でも最大級の規模・実力を誇る。一方で、1202年頃には優秀な空軍を有するリベール王国軍と比較すると空軍は『張子の虎』という批評もあった。

地方行政区分

共和国の地方行政区分として、州(Province)と郡(Arrondissement)といった区分がなされている他、首都イーディスとその近郊を”首都圏”と呼称している。

  • 首都圏
  • オージュ州(共和国南西部)
  • Province the Saint-Trois(サントロワ州・共和国北東部)
  • Province de LeMay(ルメイ州・共和国南部)
  • ヴィシー郡(共和国北西部)

主要都市

共和国の首都。エレボニア帝国帝都ヘイムダルと同規模か、少し劣る規模の大都市とされる。
その人口は79万人と大陸西部では2番目の大都市。

  • アルタイル市
共和国西部、クロスベル自治州との国境沿いに位置する都市。
大河キュレー河に面する港湾都市であると共に、大陸横断鉄道の駅を有する等、共和国の西の玄関としての性格も有する。
晴れた日にはクロスベル市超高層ビルディングオルキスタワー》を望むことができ、お披露目以降、アルタイル市の観光客は増加した。
焼き栗が土産の名物とされる。

市の近郊には、1190年代後半に幼児誘拐・人身売買等で大陸中に悪名をとどろかしたカルト教団《D∴G教団》の”ロッジ”という教団施設が存在した。
クロスベル市までの所要時間は鉄道で35分。

共和国領内の大都市。
共和国編の「黎の軌跡」以前では、東方人街と呼ばれた。
その名の通り住民には東方系移民が多く、東方系料理の三ツ星レストランも所在する。
共和国の闇社会に多大な影響力を持つ《黒月》の本拠地が置かれる。
1203年には、《黒月》と猟兵団《赤い星座》の間で市街戦の形相となる大規模な抗争が発生する等、治安はお世辞にも良いとは言えない。

小説《賭博師ジャック》の舞台となった。

  • アンカーヴィル
共和国領内の都市。
山間部に位置する為、真夏でも冷涼な気候だが、「それなりの数」の企業が所在し、都市の規模は大きい。
また山間に向かって白い街並みの市街地が広がる一方、大河に面した港や市場なども存在する。
共和国首都までは長距離バスが出ている。

小説《陽溜まりのアニエス》の舞台となった。

主要都市一覧

都市名 地方行政区分 位置 人口 備考
首都イーディス 首都圏 中央部 約790,000人 首都
煌都ラングポート ルメイ州 南部 約550,000人 共和国第二の都市
旧王都オラシオン サントロワ州 北東部 約280,000人 共和国第三の都市

その他の都市一覧

都市名 地方行政区分 位置 備考
アルタイル市 不明 西部
アンカーヴィル市 不明 中央部
遊興都市サルバット 不明 南東部
工学都市バーゼル オージュ州 南西部
温泉郷・龍萊 不明 東部 東部国境
マルテ市 不明 南東部
ディジョン市 ルメイ州? 南東部
ボーメ市 サントロワ州? 北東部
メッセルダム市 不明 北部
クレイユ村 ヴィシー郡 北西部

経済

大陸西部から中央部に跨る広大な国土と膨大な人口、導力器メーカーとして名高いヴェルヌ社の存在から、共和国はその経済規模も大陸最大規模だと考えられる。
大規模な株式市場先物市場が存在したが、1204年10月に一方的に独立を宣言したクロスベル自治州による共和国の在外資産凍結に端を発した大恐慌によって共和国経済は大混乱に陥った。

また1201年にも共和国の相場は大暴落しており、国内外の資産家に多大な影響を与えた。

七耀暦1207年に成立したグラムハート政権の大胆な経済政策の下、共和国は歴史的好景気を迎え、同年には大陸最大の経済規模を誇るに至った。

産業

共和国の産業は詳しくは明らかになっていないものの、ヴェルヌ社の製造する導力器製品は諸外国に輸出されている。
また、伝統的な工芸品なども有名である他、溶剤として製造業に利用されるガソリンをリベール王国へ輸出している事から、大規模な油田と石油化学工場を国内に有していると考えられる。

主な企業

共和国の巨大総合技術メーカー。
帝国ラインフォルト社と双璧をなす武器・兵器開発の老舗として有名。導力革命以後、様々な製品の研究・開発を行っている。
C・エプスタイン博士の三高弟の1人である、L・ハミルトン博士が顧問を務めていた。

共和国の闇社会を牛耳る巨大犯罪組織。
《長老》達によって運営されている。

  • 九龍グループ
《黒月》の表向きの企業。移民系資本最大のグループ企業。傘下に九龍銀行や九龍ホテルなどを有する。

  • タイレル通信
共和国の報道機関
西ゼムリア通商会議》にクロスベル市へ記者を派遣していた。

  • イートン通信社
アンカーヴィルのローカル誌を発行する新聞社
サンセット通り近くに所在する。

  • バンク・オブ・イーディス《BoE》
共和国最大の銀行。

  • 大陸横断鉄道公社
大陸横断鉄道を運営する国際的公社。共和国首都イーディスに本社を置く。

  • カルバード鉄道
共和国の国内の鉄道路線を運営する鉄道会社。

交通

共和国では導力車が交通の主流となっており、西ゼムリア諸国の中においても導力車の普及率が最も高い。
これは共和国を代表する導力器メーカーであるヴェルヌ社が、世界で初めて導力車を開発した老舗としての技術力を有し、また系列傘下の《四大ライセンシー》と呼ばれる導力車製造専門企業群が共和国国内の導力車市場において競争の中で発展していることと無関係ではないと思われる。

鉄道

国際路線である《大陸横断鉄道》が共和国の国土を東西に横断している他、国内路線としての《カルバード鉄道》が首都イーディスと国内主要都市を結んでいる。

また、首都イーディスには《イーディス市営地下鉄》が各街区を結び、首都市民の足となっている他、古都オラシオンの市内では導力トラムが運行されている。

航空

国内主要都市には空港が存在し、定期飛行船も運行されている。

海運

共和国南部はテティス海に面しており、リベール王国やその更に西のエレボニア帝国との海上交易路となっている。
共和国より西側の国々にとっては東方文化の玄関口としても知られ、多くの東方由来の品々を舶来品として西方へ送った。

国民

共和国は様々な民族移民の受け入れによって拡大してきた国家であり、現在進行形で大陸東部から移民が流入している。また、共和国生まれの市民の中でも移民にルーツを持つ市民が多く、東方系民族中東系民族以外にも、大陸西部の諸外国からの移民も存在する。

代表的な民族として東方人が挙げられ、王政時代末期の頃から不毛化する大陸東部より多くの人々が共和国領へと移民しており、民主化革命にも革命勢力の一角に関わった民族であった。
過去の経緯から東方人は民族的な同胞意識が強く、共和国国内では東方人街、共和国の宗主権下のクロスベル自治州ではクロスベル市東通りなどが代表的なエスニックタウンである。

またカルバード土着の民族(便宜的にカルバード人とする)と移民の民族の間で移民問題が表面化しており、《反移民政策主義》という反政府組織は共和国の内外でテロ事件を起こしている。

宗教

大陸西部の諸国と同じく多くの国民が、七耀教会が崇めている《空の女神》を信仰している。
但し、大陸東部及び中東部からにルーツを持つ移民が多い共和国では大陸の東部様式の七耀寺院も多く、それらの東方式寺院では《翼の女神》や《天上聖母》を信仰する。(空の女神と同一視されているが、礼拝や教義の様式にいくつかの差異がある)

教育

諸外国と同じくほぼ全ての子供が、七耀教会または七耀寺院]の初等教育機関である「日曜学校」と呼ばれる枠組みにて教育を受けるものと思われる。
他、首都イーディスには共和国きっての名門校アラミス高等学校が存在し、同校は共和国の各界で活躍するエリートを数多く輩出している。

高等教育機関としては工学都市バーゼルに所在するバーゼル理科大学古都オラシオンオラシオン大学が存在する。また、かつての王政時代にはイーディスに王立大学が存在した。

文化

食文化

大陸西部から中央部にまで及ぶ共和国の国土は広大であり、内包する食文化は数多い。
共和国西部から首都イーディスの位置する大陸西部の伝統的な西方料理が主流であるが、南部の煌都ラングポートは大陸最大の東方人街を有す共和国第二の都市であり煌都式の東方料理の中心地である。また、中東部のエルザイム公国に近い遊興都市サルバッドでは中東系市民が多く伝統的な中東料理が供される。

他にも共和国北東部の古都オラシオンでは、旧王政時代の伝統を製菓の分野に生かすクインシー社が存在する。

文学

賭博師ジャック》とその続編《賭博師ジャックII》は共和国の東方人街(おそらく煌都ラングポート)を舞台にした小説である。
またクロスベル自治州で出版された《陽溜まりのアニエス》も共和国のアンカーヴィル市を舞台にしている。

音楽

共和国では伝統的にシャンソンが人気のある音楽分野であるが、近年は諸外国から様々な様式の音楽を取り入れ、首都イーディスなどの若者の間で人気を博している。

大陸中東部に近い共和国南東部では伝統的な民族音楽も聴くことができる。

祝祭日

毎年12月3日は共和国の革命記念日であり、《革命記念祭》が催され、全土で祝日となる。

スポーツ

導力車を用いたスポーツレースが人気を博しており、共和国内の都市には娯楽施設としてレース場が建設され、人気を博している。
首都イーディスの12区はグランサーキットと呼ばれる大規模なレース施設である。

カルバード共和国に関係のあるキャラクター

キャラクター/カルバード共和国
ヴァン・アークライド(裏解決屋)
アニエス・クローデルアラミス高等学校所属)
フェリ・アルファイド(猟兵団クルガ戦士団所属)
アーロン・ウェイ
リゼット・トワイニング(マルドゥック総合警備会社所属)
カトル・サリシオン(バーゼル理科大学所属)
ジュディス・ランスター(女優)
ベルガルド・ゼーマン
エレイン・オークレール正遊撃士カルバード共和国遊撃士協会所属》)
ルネ・キンケイド(共和国政府中央情報省所属)
ジン・ヴァセック正遊撃士カルバード共和国遊撃士協会所属》)
キリカ・ロウランリベール王国遊撃士協会ツァイス支部窓口、共和国政府ロックスミス機関》室長)
エルザ・コクラン(駐リベール大使・共和国政府外交官 王都グランセル・カルバード共和国大使館)
ドージェ(商人・共和国出身 リベール王国ヴォルフ砦)
ウォルター議員(共和国議会議員)
リカーダ夫人(ウォルター議員の妻)
ベニチオ(参事官・共和国政府外交官 王都グランセル・カルバード共和国大使館)
ヤクモ(駐在官・共和国政府外交官 王都グランセル・カルバード共和国大使館)
ファラ(職員・共和国政府外交官 王都グランセル・カルバード共和国大使館)
レン・ブライト(アラミス高等学校所属)
ロイド・バニングス(共和国在住経験有)
リン正遊撃士遊撃士協会クロスベル支部所属)
マーロウ(共和国臨検官、クロスベル駅駐在)
サミュエル・ロックスミス(大統領・カルバード共和国国家元首
ユーリ(カルバード共和国国籍、《ハイブラッズ》のリーダー)
レジー(カルバード共和国国籍、《ハイブラッズ》のメンバー)
サイクス(カルバード共和国国籍、《ハイブラッズ》のメンバー)
パーカー(タレイル通信記者)
グリッド(共和国国籍、クロスベル市在住)
サザーク(共和国国籍、クロスベル市中央広場・百貨店《タイムズ》店員)
フェン(共和国国籍、クロスベル市東街区《龍老飯店》店員)
サツキ(共和国出身、エレボニア帝国へ帰化。帝都ヘイムダル・ヴェスタ通り在住)
アミア(共和国国籍、駐エレボニア帝国共和国大使館の書記官の娘)
レノ(共和国軍・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)
リーガン(共和国軍大尉・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)
アルツ(共和国軍・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)
コーディ・マクミラン(共和国軍・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)
カエラ・マクミラン(共和国政府中央情報省特務少尉・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)
ハンフリー(共和国政府中央情報省中尉・特殊部隊《ハーキュリーズ》所属)



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