英雄伝説 軌跡シリーズ総合Wiki

エレボニア帝国

最終更新:

kisekiseries

- view
だれでも歓迎! 編集

エレボニア帝国 Erebonian Empire

基本情報
エレボニア帝国
Erebonian Empire
エレボニア帝国の位置(オレンジ色は1206年当時の併合地)
略名 帝国、エレボニア
国章 黄金の軍馬
位置 ゼムリア大陸西部
首都 帝都ヘイムダル
政府
元首 エレボニア皇帝
ユーゲントIII世
ユーゲント・ライゼ・アルノール
代表 帝国政府代表
ギリアス・オズボーン宰相

帝国政府臨時首班
カール・レーグニッツ代表
建国 0年頃
登場作品 【空】FC・SC・3rd
【零】【碧】
【閃】I・II・III・IV【創】
【黎】
【暁】
関連組織 帝国正規軍
帝国軍情報局
鉄道憲兵隊
貴族連合
ラインフォルト社
エレボニア帝国(-ていこく、Erebonian Empire)は、ゼムリア大陸西部に位置する君主制国家。大陸で最大規模の大国であり、カルバード共和国と共に大陸西部における二大国として国際的に認識されている。空の軌跡FCより登場し、エレボニア帝国編である閃の軌跡とその続編閃の軌跡II閃の軌跡III閃の軌跡IV創の軌跡では物語の舞台となった。


国名

国号「エレボニア」の由来は、《大崩壊》の災厄により黒い焦土と化した大地から、暗黒を意味する「エレボスの地」(Erebos + ~ia)から。

口語では省略される事が多く、特に帝国民の日常においては、殆どの場合で単に「帝国」と呼ばれる。
「エレボニア」は強調する意味合いの他、歴史上への言及などに用いられることが多い。
国内外問わず殆どの場合で省略されており、特に帝国国内を始めクロスベル自治州ノルド高原など帝国の影響力の強い地域に関しては、「帝国」の略し方が殆どである。
この事から少なくともゼムリア大陸西部において、歴史上を含めて皇帝を戴く「帝国」は歴史上でも唯一であるとも考えられる。

現実においてエレボスは、ギリシャ神話における原初の神々であり、地下の暗黒の神とされる。

歴史

七耀暦以前

《焔》と《大地》の眷属の争い
閃の軌跡IIIより
七耀暦以前、《空の女神》より《至宝》を与えられた2つの氏族(至宝の眷属)が、遣わされた《聖獣》と共に、後にエレボニアとよばれる大地に降り立った。(古代ゼムリア文明
二つの眷属らは降り立った大地で繁栄するものの、次第に相争うようになる。

焔の至宝》アークルージュと《大地の至宝》ロストゼウムを受け継いだ二つの民の争いは、人々の願いを叶える意思を持つ二つの《至宝》そのものの対決を招く。
千日に及ぶ戦いの末、《至宝》同士の衝突によって至宝の「容れ物」から膨大な力の放出が起きた結果、二つの至宝の力そのものが融合し《鋼の至宝》、《巨イナル一》が生み出される。

争っていた人々は人知を超える巨大な力に恐れをなし、協力してこの力を分割する事によって封印し、《七の騎神》という人の数倍はある騎士人形を創り出した。これらの騎神は、後に帝国の歴史が動く世に現れ、《巨いなる騎士》という伝承になった。

二つの至宝の衝突による破滅的な爆発の結果、暗黒の焦土と化した大地は後に帝国の国号の由来となる「暗黒の地(エレボス)」と呼ばれた。
また、その衝突の場所はオスギリアス盆地であり、1200年余り経た現在においても爆発の規模の大きさを地形が物語っている。

大崩壊》と《巨イナル一》の封印後、対立していた《焔の眷属》と《大地の眷属》を始め、エレボニアの地で生き延びた人々は争いを止め、それぞれ協力し合う事によって、大災厄後の文明の再建を目指した。

そして、二つの眷属以外の出身者であった調停者アルノールが人々の拠り所としての指導者に選出され、至宝の眷属の二つの氏族は、《魔女》と《地精》とそれぞれ名を変え、エレボニアの建国に協力した。

暗黒時代

調停者アルノールの指導の下、文明復興の拠点として築かれたのが、後に『帝都』と呼ばれる事になるヘイムダルであった。
ヘイムダルはおよそ100年程で人口数万人の都市へと成長し、大崩壊直後の当時の大陸においては最も重要な拠点の一つであった。

アルノールの子孫は世襲の指導者・『皇帝』となり、アルテリアから遣わされた七耀教会と協力関係を築く。
七耀暦81年、第3代皇帝シオン・アルノールはヘイムダルに七耀教会の大聖堂を建立。以後、大聖堂は歴代皇帝の戴冠の場として利用され、まだ黎明期の七耀教会の権威を向上させた。

371年、帝都ヘイムダルの地下から突如現れた《暗黒竜》ゾロ=アグルーガの瘴気よって帝都は死の都と化し、時の皇帝アストリアスII世は生き残った民を率いて南方の地に逃れる。
この地に仮の都としてセントアークを築き、およそ百年に渡って帝国の都となった。
この際に皇帝を助け共に大きな功績を残したのが聖女アストライアである。

470年頃、皇帝ヘクトルI世が率いる軍勢よって《暗黒竜》が討たれ、帝都ヘイムダルが解放される。しかし、ヘクトル帝はこの時の戦いの最中、暗黒竜の血を浴びて死去。

中世

帝国の地方部では地方豪族の勢力が次第に強くなり、帝都の皇帝との臣従関係によって帝国は封建的な領邦国家の体制に変化していく。これらの豪族は互いに争いながら、後に《四大名門》を始めとした貴族として帝国の支配階級となる。

また、中世を通して帝国は東部のクロスベルの地を巡って東の大国カルバード王国と幾度となく衝突し、クロスベルの領有国は度々変わった。
後にクロスベル問題となる歴史的経緯となる。

947年、第72代皇帝ヴァリウスV世の崩御と皇太子マンフレートの暗殺に伴い、皇位継承を巡った争い《獅子戦役》が勃発。帝国史上最大規模の内戦として知られる。
952年、第三皇子ドライケルスとその配下達によって《偽帝》第四皇子オルトロスが討たれ、7月4日に《獅子戦役》が終結。この戦いの最中、《槍の聖女》リアンヌ・サンドロットが命を落とす。
同年、ドライケルス皇子は第73代皇帝として即位し、帝国中興の祖「ドライケルス大帝」として名を残す。

近世

《獅子戦役》の終結をもって、現代の帝国史では近世の始まりとする。
近世初頭、ドライケルス大帝の下で帝国は、法律や経済、文化などの分野の制度においての改革を成し遂げ、少なくとも994年までの40年以上に渡って、大帝の治世の帝国は安定して発展した。
970年頃、現在の近郊都市トリスタの地に皇立学校《トールズ士官学院》が設立される。
近世の時代、クロスベルは帝国の属州として版図に組み込まれており、現在の保養地ミシュラムに所在する迎賓館に総督府が置かれていた。

1100年頃、カルバード民主革命により王政と貴族制が廃止した東の大国カルバードに対して、帝国の貴族勢力は領邦軍による侵攻を行う。恐らく貴族制を廃止した革命勢力を、《四大名門》を始めとする帝国諸侯が認める事が出来なかったが故の干渉戦争と推測され、共和国が存続している事から最終的に撤退することとなった模様。

1134年頃、カルバード共和国が帝国領であったクロスベル州の領有権を主張。帝国との間で全面戦争に発展する。
民主化革命に伴う劇的な社会改革により国力を増大させた共和国対して、旧態依然とした封建国家であった帝国は劣勢であった。

1134年、共和国との全面戦争の結果、帝国はクロスベル州の領有権に関して共和国と折半する大幅な政治的譲歩を余儀なくされ、両国の合意の下、係争地であったクロスベルは帝国領から分離し自治州化される。帝国及び共和国を宗主国としたクロスベル自治州の発足。

導力革命以後

1150年頃、《導力革命》の訪れ。
導力器の父C・エプスタイン博士の三高弟の一人、G・シュミット博士がノルティア州の武器工房ラインフォルト工房と協力し、帝国の導力化を進めた。
1160年、ルーレ市ザクセン鉄鉱山を結ぶ世界初の鉄道路線が開通する。

1188年頃、先帝の崩御に伴い、現皇帝ユーゲントIII世即位。
1192年4月23日、サザーラント州南部のハーメル村にて《ハーメルの悲劇》が起こる。
同年25日、リベール王国への宣戦布告。《百日戦役》の勃発。帝国のリベール王国侵攻。
百日戦役》  閃の軌跡IIIより
同年7月、帝国とリベール王国は停戦に合意。
1193年、リベール王国との間に講和条約が正式に締結される。帝国政府は「不幸な誤解から生じた過ち」という表現で正式な謝罪声明を発表。帝国正規軍のギリアス・オズボーン准将、初の平民出身の宰相に任命される。

1196年、北西沿岸部の自由都市ジュライ市国を併合。経済特区・ジュライ特区設立。

1199年、東部国境ガレリア要塞に戦略級兵器《列車砲》を配備。クロスベル問題に端を発する共和国との対立が激化。

1202年〜1203年(空の軌跡FC・SC・the 3rd)
1202年、帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件が発生。
1203年、《リベールの異変》に伴い帝国政府は、帝国正規軍・第三機甲師団を南部国境へ展開。
ユーゲントIII世の第一皇子オリヴァルトリベール王国軍王室親衛隊の高速巡洋艦《アルセイユ》に乗艦し、帝国の代表として異変の解決に協力。

1204年〜1205年(零の軌跡・碧の軌跡・閃の軌跡・閃の軌跡II)
1204年、帝国各地でテロ組織《帝国解放戦線》のテロが頻発。
8月、クロスベル自治州にて開催された《西ゼムリア通商会議》にオリヴァルト皇子とオズボーン宰相が出席。同月31日の会期2日目においてテロ組織《帝国解放戦線》の襲撃を受けるものの、帝国政府からの依頼を受けた猟兵団《赤い星座》によってテロリスト構成員は一人を残してその場で処刑される。

”消滅”したガレリア要塞
10月24日、一方的な独立宣言と共に帝国の在クロスベル資産を凍結したクロスベル自治州(自称・クロスベル独立国)政府に対し、最後通牒を通達。
同日16時、カルバード共和国と協調してクロスベルへの軍事介入を行うものの、クロスベル側の反撃により失敗。クロスベルへ侵攻した帝国正規軍・第五機甲師団は壊滅し、ガレリア要塞は消滅する。(クロスベル事変

10月30日、オズボーン宰相が帝都・ドライケルス広場にて狙撃に倒れた直後、カイエン公爵を総主宰とし《四大名門》の各領邦軍からなる《貴族連合軍》が帝都ヘイムダルを武力制圧。以後、帝国は帝国正規軍と貴族連合軍が衝突する内戦状態に陥る。(《十月戦役》)
12月31日、カイエン公爵の逮捕に伴い、《貴族連合》のルーファス・アルバレア卿は帝国政府への全面的な協力を約束。内戦の終結。
共和国との軍事衝突に至ったクロスベル戦役

1205年1月、クロスベル再侵攻。一日でクロスベル自治州全土を無血占領。(クロスベル戦役
以後、対共和国関係は近年で最悪のものとなり、クロスベルやノルド高原といった国境地帯(係争地)において軍事衝突が頻発。
3月9日、ルーファス・アルバレア卿、帝国領・クロスベル州初代総督に就任し、クロスベル自治州の帝国への併合を宣言する。

6月、帝国政府、猟兵団《北の猟兵》によるクロイツェン州の交易町ケルディック焼き討ちに対する賠償をノーザンブリア自治州政府へ要求。
11月、『国際テロ組織《北の猟兵》からの自治州住民の解放』を大義名分にノーザンブリア自治州に侵攻。旧貴族連合軍を中心とした侵攻軍はおよそ10日で首府ハリアスクを陥落させ、自治州全土を占領した。(《北方戦役》)
12月23日、占領下にあったノーザンブリア自治州を正式に併合。帝国領・ノーザンブリア州成立。

1206年 (閃の軌跡III・IV)
1206年7月17日、帝都ヘイムダルの夏至祭初日に皇城《バルフレイム宮》で行われた祝賀会の最中、皇帝ユーゲントIII世が凶弾に倒れる。
翌18日、帝国全土に戒厳令が施行され、皇太子セドリック、ギリアス・オズボーン宰相、戒厳司令部の長となったクロスベル州総督ルーファス・アルバレアらは皇帝の暗殺未遂事件をカルバード共和国の手によるものと断定。共和国の帝国に対する宣戦布告であると非難すると同時に、その征討を宣言。
帝都近郊のカレル離宮が《黒キ聖杯》と化し、帝都各所で異変が発生。正規軍第四機甲師団が事態の鎮圧の為に出動。
異変の原因となったカレル離宮へと急行した巡洋艦《カレイジャス》が離宮上空にて轟沈。
乗艦していたオリヴァルト皇子アルゼイド子爵らは死亡扱いとなり、後に国葬が執り行われる。

これら一連の異変は《巨イナル黄昏》の発現を目的としてギリアス・オズボーンらによって引き起こされたものであるが、全てカルバード共和国の敵対行為といて帝国政府から公式発表がなされ、時間の問題とされた共和国との全面戦争の開戦を正当化する理由として利用された。

7月31日、帝国中央議会は全会一致で国家総動員法を可決。
8月、帝国首脳部はカルバード共和国侵攻作戦《大地の竜》作戦を公表。
帝国軍最高司令官ヴァンダイク元帥は年内の決着を国民に約束。

9月1日正午、《大地の竜》作戦始動。各戦線にて帝国正規軍が進軍を開始し、クロスベル戦線とノルド高原方面にてカルバード共和国軍及び帝国の貴族勢力が主力である反政府軍のヴァイスラント決起軍との間で交戦状態に入る。
リベール王国及びレミフェリア公国領を通過中であった帝国正規軍は両国軍から進軍妨害を受ける。

午後、幻想機動要塞《トゥアハ=デ=ダナーン》にてオリヴァルト皇子率いる第三勢力《光まとう翼》[がオズボーン宰相らを打倒し、翌2日に帝国軍と連合軍の間で停戦が合意された。各方面の帝国正規軍は帝国本土への撤退を開始。(《ヨルムンガンド戦役》)

開戦を主導したギリアス・オズボーン宰相の死に伴い、カール・レーグニッツ帝都知事兼帝都庁長官が帝国臨時政府の暫定首班・臨時代表に就任。共和国を中心とする各国政府との間で戦後交渉を行い、帝国は共和国に対して天文学的な額の賠償金支払いの他、帝国の保有する兵力の縮小を条件に合意した。
賠償金は帝国政府、皇族財産を始め四大名門貴族、ラインフォルトグループが負担。

帝国臨時政府はクロスベル州の駐留軍を撤退(停戦合意にクロスベルの放棄が存在か?)させ、クロスベル州に対して不干渉を表明。
10月末、本国政府の姿勢に不満を持った旧衛士隊(クロスベル総督府治安維持部隊)がクロスベル州を不法占拠し、《世界大戦》の再開を要求した。この事態に帝国政府は交渉による解決を図るが、解決の糸口は掴めず年を跨いで長期化する。

1207年以降 創の軌跡・黎の軌跡

1207年2月、長期化する衛士隊によるクロスベル州の占拠に対して、カルバード共和国のグラムハート新政権が共和国軍の軍事介入を示唆したことにより、早期解決への圧力を受けた帝国臨時政府は、クロスベル州内で抵抗活動を行う旧クロスベル自治州警察に旧衛士隊の特別委任逮捕状を発行。同月14日に、旧クロスベル自治州政府に属する勢力の尽力によってクロスベル市は衛士隊の占領から解放された。

その後、帝国政府とクロスベル州代表、旧自治州時代の宗主国である共和国及び関係各国による協議の結果、クロスベルの自治州としての再独立が決定される。この協議においてカルバード共和国は、主導権を握るべく強引な議論を展開していたが、最終的には帝国と共和国がクロスベルにおける領土的主権を放棄し、七耀教会アルテリア法国が新たなクロスベル自治州の宗主国となる事が決定した。
ルーファス・アルバレア新総統らによるクロスベル統一国事件(クロスベル再事変)が発生するものの、3月29日にクロスベルは帝国からの再独立を果たし新たなクロスベル自治州が成立した。

また、同年には独立運動が激化していたノーザンブリア州も帝国から再独立し、帝国の領土は1204年の《十月戦役》以前に戻った。
七耀暦1208年現在、帝国は国際協調を掲げるオリヴァルト皇子の意見を外交政策に反映し、近年では稀に見る近隣諸国との協調的関係を築くに至り、大陸を主導する立場を明確にした共和国に対しても協力的な姿勢を維持している。

地理

エレボニア帝国と周辺諸国
帝都ヘイムダルが丁度国土の中央位置しており、文字通り帝国の中心地である。
国土北方にはアイゼンガルド連峰が聳え、事実上の北部国境となっている。

東をガレリア峡谷を挟んでクロスベル自治州係争地)とカルバード共和国
南をリベール王国
北をノーザンブリア自治州、北東部にはカルバード共和国との係争地である《ノルド高原》とそれぞれ面している。

政治

帝国政府庁舎でもある皇城《バルフレイム宮》

国家元首は皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールIII世であり、政体は君主制・封建制の領邦国家である。
皇帝は中央政府の代表である宰相職の任命権と軍の統帥権を有する。

中央政府は帝都ヘイムダルに所在する帝国政府であり、現政府代表は在任11年目のギリアス・オズボーン宰相。
立法府としては帝国議会が存在し、平民院貴族院の二院制である。
1205年に帝国政府の主導で二院制の帝国議会は廃止され、より迅速な法整備を確立するために一院制の「帝国中央議会」に再編された。
帝国中央議会には近年の併合地(属州)であるジュライ特区クロスベル州ノーザンブリア州選出の代表の議席が用意される等、帝国本土と属州との政治的一体化が図られている。

中央と地方部では税制が異なり、帝国政府は帝国全土に統一の税制度の導入を目指している。

地方は一部の帝国政府の直轄地を除いて、貴族階級領邦であり《四大名門》の支配下にある。
2年に1度、帝都を除いた四大都市の持ち回りで《帝国領邦会議》が開かれ、領邦を持つ貴族は一堂に会する様である。
だが、近年は専ら貴族勢力の《革新派》への対策の議論、非難の場となっている。

司法

帝国の司法権を担う最高機関の帝国最高裁が存在し、近年では1205年の帝国中央議会の開設に認可を行った。
また、政府・行政機関の監査を行う機関として司法監察院が設置されている。
行政機関として司法行政を担うのは帝国政府の法務省であり、国家総動員法施行時には同法の運用を監督する《国家総動員法徴兵・徴収委員会》が法務省の下に設置された。

外交

帝国政府の外交戦略から切っても切り離せない存在であるのは、東に位置する隣国カルバード共和国である。
共和国建国以後より続く、クロスベル問題を始めとした領有権争いは帝国政府の外交・軍事戦略の最重要問題である。

1202年、リベール王国アリシア2世女王によって提案され、帝国、共和国、リベールの3カ国間で結ばれた不戦条約は一触即発の状態にまで悪化していた対立を少なからず沈静化の方向へ改善させた。
1204年、クロスベル自治州の提案で開催された《西ゼムリア通商会議》では共和国と共に宗主国としてクロスベルへ更なる圧力を掛けるに至った。
1206年5月、レミフェリア公国大公アルバート・フォン・バルトロメウスが帝国を公式訪問した。
また同年には、第2回・西ゼムリア通商会議の開催を帝国政府は会議参加国に提案している。

少なくとも、カルバード共和国リベール王国との間には正式な外交関係が存在し、リベール王国王都グランセルエレボニア帝国大使館が所在する。

1207年3月に帝国より再独立したクロスベル自治州には領事館が置かれる予定。

軍事

帝国正規軍・第四機甲師団(1206年)
帝国政府の指揮下の国家正規軍である帝国正規軍が主体となって国防を担う。
帝国正規軍は最新の戦車装甲車で構成される二十個を超える機甲師団を中心とした陸軍戦力の他、多数の飛行戦艦軍用飛行艇を有する飛行艦隊を擁するなど大陸最大の規模の軍事力を誇る。
また、西部沿岸を拠点とする正規軍の海上戦力である帝国海軍海兵師団が存在する。

帝国正規軍の最大規模の拠点として東部国境のガレリア要塞が挙げられる。
クロスベル州を挟み対峙するカルバード共和国へ備える巨大な要塞であり、第五機甲師団が駐留している。
同時に戦略級の大量破壊兵器である《列車砲》が2門配備されており、クロスベル市を2時間で焦土へと変貌させる破壊力を有する。

帝国正規軍の最精鋭組織として鉄道憲兵隊が、諜報機関として帝国軍情報局が存在し、この2つの組織は皇帝のお墨付きを貰った《鉄血宰相》の命によって設立された。
その他の正規軍組織に帝都地区の治安維持を任務とする帝都憲兵隊、属州クロスベル州の治安維持を担うクロスベル軍警などがある。

正規軍が帝国の国防を担う一方、大貴族《四大名門》の運営する領邦軍が地方の各州の治安維持を主任務とする。
領邦軍は準軍事組織である為、重戦車等の配備は本来必要とされていなかったが、激化する《革新派》と《貴族派》の対立の中、正規軍と同じ装備を配備する様に変化した。
帝国における1204年の内戦《十月戦役》にて、各州の領邦軍は貴族連合総主宰のカイエン公爵の下、貴族連合軍と一体化して正規軍と帝国全土で交戦した。

《十月戦役》の終結後、各州の領邦軍は帝国政府の引き締めにより大幅な規模の縮小を余儀なくされ、旧貴族連合軍は統合地方軍へと再編され、ラマール州の治安維持の任に付いていたが、後に一部はヴァイスラント決起軍の中核となった。

戦車装甲車火砲飛行船銃器等、帝国正規軍・領邦軍問わず使用される多くの装備はラインフォルト社製である。

1206年9月の《世界大戦》(ヨルムンガンド戦役)終結後、停戦合意に伴い帝国は大幅な軍備縮小に舵切りし、翌1207年3月には帝国正規軍の保有戦力は1204年の《十月戦役》以前の規模まで縮小した。
その一方で、帝国の長年の仮想敵国であったカルバード共和国は依然として軍備拡大を継続しており、既に帝国を上回る規模の軍事力を有している。

地方行政区分

帝国の四大州は《四大名門》によって統治される
帝国の地方区分は、帝都ヘイムダルを中心とした帝国中央部の皇帝直轄地と地方部のに分けられる。
州は大貴族《四大名門》の諸侯が統括する貴族領邦の州と皇帝が任命した総督によって統治される州があり、前者は帝国本土の地方部、後者は本土とはみなされない併合地である属州にあたる。

帝国本土


併合地域(属州)


主要都市

都市名 人口 備考
《緋の帝都》ヘイムダル 帝国中央部 約860,000人 帝都
《紺碧の海都》オルディス ラマール州 約460,000人 ラマール州・州都
《翡翠の公都》バリアハート クロイツェン州 約300,000人 クロイツェン州・州都
《黒銀の鋼都》ルーレ ノルティア州 約200,000人 ノルティア州・州都
《白亜の旧都》セントアーク サザーラント州 約150,000人 サザーラント州・州都
ジュライ ジュライ特区 約150,000人
クロスベル市 クロスベル州 約500,000人 クロスベル州・州都
ハリアスク ノーザンブリア州 不明 ノーザンブリア州・州都

その他の都市

都市名 領邦 備考
近郊都市トリスタ 帝国中央部 皇帝直轄地
近郊都市リーヴス 帝国中央部 皇帝直轄地 旧カプア男爵領
グレンヴィル 帝国中央部 不明
交易町ケルディック クロイツェン州 アルバレア公爵領
湖畔の町レグラム クロイツェン州 アルゼイド子爵領
温泉郷ユミル ノルティア州 シュバルツァー男爵領
歓楽都市ラクウェル ラマール州 カイエン公爵領
辺境の里アルスター ラマール州 不明
湖の宿場町ミルサンテ ラマール州 不明
アラゴン鉱山町 ラマール州 不明
紡績町パルム サザーラント州 ハイアームズ侯爵領 帝国最南端の街
ハーメル村 サザーラント州 不明 1192年に廃村
隠れ里エリン サザーラント州 なし 魔女の里

経済

鉱業

ノルティア州ルーレ市北方のザクセン鉄鉱山は「帝国の屋台骨」と呼ばれる程、帝国経済に重要な鉄鉱山。
同鉱山から産出された鉄鉱石はルーレ市のラインフォルト社第一製作所によって鉄鋼として精錬され、様々な導力製品や建築物に利用される。
ザクセン鉄鉱山は位置的には本来であればログナー侯爵領だが、帝国の資源として皇帝家「アルノール家」が所有している。

帝国西部のラマール州にはザクセン鉄鉱山と並ぶ鉄鉱石の産出量を誇るアラゴン鉱山町が存在する他、併合地のクロスベル州マインツ鉱山は豊富な七耀石資源を産出する。

農業

クロイツェン州交易町ケルディック近辺には大穀倉地帯が広がる他、サザーラント州も農業が盛んである。サザーラント州ではラインフォルト社が農業生産拡大のための灌漑事業を行っていた。
導力革命以後の人口の急激な増加と規制緩和の影響で輸入品の農産物も増えたが、現在でも帝国の食料供給に大きな役割を担う地域である。

貿易

主な輸出品としては各種様々な《導力製品》が挙げられる。
輸入に関しては、旧来より帝国政府は諸外国からの輸入品に高い関税を掛けていた。
その為、輸入品は手に入りにくい状況であったが、近年の規制緩和の影響で関税も大幅に下げられ、輸入は増加している。

企業

大陸随一の導力製品メーカー。
家庭用の導力製品から、帝国正規軍の主力戦車まで製造・販売する大陸最大級の巨大企業グループ。
ルーレ市に本拠地を置く。

帝都・ヴァンクール大通りに本社を置く、報道機関。
帝国で最も有名な全国紙である。
帝国時事放送という導力ラジオ放送局を傘下に置く。

  • コンラート社
新興の軍需企業。
ラインフォルトグループと提携している。

音楽楽器メーカー。
ヨシュアのハーモニカ、エリィのオルゴール等の製造元。

  • クインシー社
製菓企業。
品質の為には妥協しない社風であり、製品は役員が何度も試食・会議を重ねた上で販売を決定する。
リース・アルジェントのお気に入り、クインシー・ベルという製品がある模様。

  • トリスタ放送
近郊都市トリスタに所在する導力ラジオの放送局。
1206年に近郊都市リーヴスに移転した。また帝都ヘイムダルにスタジオを保有する他、1207年にはクロスベル市にも進出した。

  • クライスト商会
帝都の総合商会。
トールズ士官学院の学生ヒューゴ・クライストの実家。
彼自身も紹介の営業部長という肩書きを持つ。
クライスト・モールと呼ばれる大規模総合商店を帝国各地に展開する。

  • クリムゾン商会
猟兵団《赤い星座》のダミー企業。
表向きには帝都、ラクウェル、クロスベルなど帝国各地の歓楽街で《ノイエ=ブラン》という上流階級向け高級クラブを経営している。
1205年に《赤い星座》は事業を売却している。

  • レイクロード社
釣具メーカー。

  • 帝都銀行
帝国最大の銀行であり、現頭取はジスカール氏。

交通

鉄道

大陸横断鉄道(閃の軌跡 III)
帝国で最も主流な公共交通機関。
帝国全土に鉄道網は広がっており、帝都はその中心でありハブの役割を持つ。
各地方の主要都市からは、ローカル線が支線として地方都市との間を結んでいる。
大陸横断鉄道はクロスベルを経てカルバード共和国へ繋がっている。

また帝都ヘイムダルにおいては市内に導力トラムという路面鉄道による交通網が整備されている。

  • 主な路線
大陸横断鉄道(帝都・トリスタ・ケルディック・ガレリア要塞・クロスベル・共和国へ至る)
クロイツェン本線(帝都・トリスタ・ケルディック・バリアハード間)
ラマール本線(帝都・リーヴス・グレンヴィル・ミルサンテ・ラクウェル・オルディス間)
ノルティア本線(帝都・ルーレ間)
サザーランド本線(帝都・セントアーク間)
パルム支線(セントアーク・パルム間)
エベル支線(バリアハート・レグナム間)
ユミル支線(ルーレ・ユミル間)
オーロックス砦への貨物路線(バリアハート・オーロックス砦間)
アイゼンガルド支線(ルーレ・ゼンター門)
タイタス支線(タイタス門への貨物路線)
帝都・カレル離宮間の特別列車(帝都・カレル離宮)

海運

帝国有数の大河アノール河流域の帝都ヘイムダルでは、河川水運が盛んであり、ヘイムダル港は帝都の食糧供給に大きな役割を果たしている。
また、帝国西部沿岸の沿海州では海運業も盛んであり、その中心地である海都オルディスは帝国最大の港湾都市である。

国民

国民の大多数がエレボニア人である。

宗教

ヘイムダル大聖堂は帝国の教会を束ねる中心地である
諸外国と同じくほぼ全ての国民が、七耀教会が崇めている《空の女神》を信仰している。
地方部においては七耀教会の伝播以前の古来からの精霊信仰が残っており、それに関連する場所が多々存在する。
クロイツェン州ケルディックレグラム周辺の地域を初め、ラマール州海都オルディスや辺境部のアルスターなど地方部においては精霊信仰の名残が見受けられる。
その一方、帝国で最も古く七耀教会を受容した帝都ヘイムダルとその近郊の周辺部では精霊信仰は《夏至祭》など数少ない行事を残してほぼ途絶えている。

教育

諸外国と同じくほぼ全ての子供が、七耀教会にて「日曜学校」と呼ばれる枠組みにて教育を受ける。
「日曜学校」は事実上の初頭・中等教育の義務教育である為、卒業後は多く子供は就職するが、成績優秀な希望者や貴族階級の子弟は高等教育機関へ進学する。
主な高等教育機関には帝都の帝国学術院や国内各地の士官学校(学院)・軍学校がある他、音楽院科学院政治学院といった専門の教育機関も存在する。
ルーレ市には導力工学で名高いルーレ工科大学が存在する。

帝国の教育・学術機関

  • 帝国学術院
  • トールズ士官学院
  • 聖アストライア女学院
  • 音楽院
  • 科学院
  • 政治学院
  • ルーレ工科大学
  • 帝国博物館

文化

食文化

伝統的な朝食の様式を「インペリアル・ブレックファースト」という。

文学

赤い月のロゼ」は帝国にて出版された大衆娯楽小説である。
リベール王国で出版され、各国で人気を博した「カーネリア」は帝国を舞台にした小説作品である。

音楽

約30年前にリリースされた名曲「琥珀の愛」、一昔前に流行った「星の在り処」等の名曲で有名。
音楽楽器メーカーとして名をはせるリーヴェルト社も帝国の企業である。

祝祭日

帝都とその近郊では夏至祭初日は休日となる。

スポーツ

帝都競馬場のコース
主要なスポーツとして、乗馬・フェンシング・ラクロスが挙げられる。
お国柄か競馬も高い人気を誇り、帝都ヘイムダルの帝都競馬場で「夏至祭」と併せて開催される『夏至賞』は多くの注目を浴びる。

貴族階級の中では狩りが伝統的に嗜まれている。



このページに登録されているタグ

+ タグ編集
  • タグ:
  • 国家・自治州
  • エレボニア帝国

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー