東洋経済オンライン 2013年08月30日 安藤美姫が語る「女が逆境を生き抜く方法」 安藤美姫×石本めぐみ対談 青嶋 ひろの

お隣のアノ人と同じくボランティア活動してるアテクシをアピール〜ここでも炸裂する日本sage海外age

 の中で紹介されている「東洋経済」web版の記事 青嶋節炸裂!日本sage海外ageもすごいよ!

http://toyokeizai.net/articles/-/18550?display=b

2シーズンぶりの競技復帰を控えた、フィギュアスケーター・安藤美姫。彼女がもう10年以上にわたり、ボランティア活動に熱心に取り組んでいることは、あまり知られていないかもしれない。
フィギュアスケーターの安藤美姫さん
か つては自身のホームページで販売したリストバンドの売上金を、日本ユニセフに寄付。また日本介助犬協会を支援し、介助犬とその飼い主をアイスショーに招 待。東日本大震災時には、チャリティショーに率先して出演し、競技活動休止中には自ら企画したチャリティアイスショー「リボーンガーデン」を開催した。被 災地支援は現在も続けており、石巻市(宮城県)の子どもたちと交流し、安藤家のピアノを被災小学校に寄贈するなど、特に被災児童の支援活動に心を傾けてい るようだ。
 安藤自身は、自らの活動を積極的にメディアなどに発信することは少ない。しかし、「自分が少し表に出ることで、ボランティアを続けて いるみなさんの存在を、より多くの人に知ってもらえたら」と、今年は自らがインタビュアーとなり、いくつかの被災地支援団体を「取材」している。その模様 は彼女の活動を報告するサイト、「リボーンガーデン」に詳しく、これまで、東北のみならずアフガニスタンやイランなどの復興支援をしている「NPO法人 JEN」、福島県で被災ペットシェルターを運営する「社団法人SORA」などを取材。今回は8月19日、NPO法人ウィメンズアイの石本めぐみ代表理事に 数時間にわたって話を聞いた。その内容のごく一部を、ここで紹介してみたい。
NPO法人ウィメンズアイは、被災地にて、特に女性たちの活動を支援 している団体。代表理事の石本さん自身、震災直後は6カ月間も現地の学校の体育館に寝袋で寝泊まりし、支援活動のリーダーシップを取ったという。現在は、 南三陸町(宮城県)や気仙沼市(同)などを中心に、被災地の女性たちが積極的に社会に参加できるよう、編み物講座やシングルマザーの会など、さまざまなイ ベントを企画・運営。また手作り品の販売支援など、女性たちの自立を促すコミュニティビジネスのバックアップなどなど、幅広い活動を続けている(以下、対 談)。

■被災地で世話をしているのは女性

安 藤:ひとつ素朴な疑問なんですが、ウィメンズアイさんが「女性支援」に特化していらっしゃるのは、なぜなんですか? 私は普段、子ども支援を中心にお手伝 いさせていただいているんです。大人は自分で何でも判断できるけれど、未来のある子どもたちは、今は大人が支えて環境を作ってあげないといけないから。 ウィメンズアイさんは大人の中でも、なぜ「女性」を支援の中心にされたんですか?
石本:そうですね。特に震災時、人々に守られなければやっていけない、被災のしわ寄せをいちばん受けるのは誰かといえば、体の不自由な皆さん、高齢者の皆さん、乳幼児、子ども……ですよね。でも、そんな方たちすべてのお世話に関わるのは誰か? 
そ のキーになるのは、実は地域の女性たちだったんです。女性が弱いから支援するのではなく、ほんとうに弱い人たちにアクセスするために、女性にもっと力をつ けてもらいたい。そのためのサポートをして行く……。特に災害時にはそれが重要だということ、東日本大震災の時、あらためて痛感したんです。
安藤:ああ、そうですよね。小さい子やお年寄りの方に手を貸すのは、だいたい女性の役割ですよね。弱い立場の方たちを助けるには、まず女性たちが立ちあがる環境が整っていなければ、という見方……深いなあ。
石本:でもたとえば、高齢者介護=女性、そんな構図があること自体が、本当はおかしいんですよね。
安藤:そう、男性の力が大きいことは、もちろん理解しています。でも日本では、当然女性がそれをやるんだ、という固定観念がある。
石本:そうそう! 日本の女性は、よく考えたら不思議なポジションに立っている。東北で活動していて、そのことにあらためてびっくりしているんです。
安藤:私は今、特に、その雰囲気が息苦しくて(笑)。
石本:息苦しいですよねえ! 女の人はこうでなくてはダメ、って。道を少しでも外れたりすると、もう……。
安藤:私はもう、道を外れすぎてしまって(笑)。
石本:でも「道」ってほんとうは、いっぱいあるはずなんですよ。それなのになぜ、人と違うことをしただけで、「あの人は外れた」って言われなければいけないのか!多様な生き方というものが、まだまだ日本では認められない。そこがおかしいな……。
私 たちの中心メンバーには、海外で生活をした経験のある人もすごく多いので、日本社会をあらためて見返すと、すごく不思議なものを見ている思いがするんで す。これはもしかしたら東北ならではかもしれないですが、被災地は都市部などより男性社会の色合いが濃くて、自治会などの地域の組織は、どうしてもまだ男 性、特にお年を召した男性が中心になるんです。意思決定など、すべて男性がしていく場で、東北の女性たちは声を上げにくい、という空気がありました。
たとえば被災した女性たちは生活用品として、どんなものを今、必要としているのか……そんな基本的なことから、声を上げにくかったんです。
安藤:やっぱりそうなんですね。まだまだ男性のほうが地位が高かったりして、女性が意見を出しにくい社会。だから女性の居場所を作るための支援なのかな、と思っていたんです。
石本:また東北では、女性の側もずっとそのなかで生きてきましたから、今の社会構造が当たり前だと思ってしまっている。「お嫁さん」の立場の人が、家庭から何かを変えていくことも、とても難しくて。女性がリーダーシップを取ろうとすると、たたかれてしまったり……。
安藤:日本の女性は我慢強いですからね。でも東北が、そこまで大変だとは思ってなかったな。支援活動をする時、そこまで考えていかなければいけないんだな……。
「男 性社会」——アスリートをしていても、時々、感じることがあります。たとえば女性特有の体調の悪さで、腰が痛いとかおなかが痛いとか……なかなか日本で は、そんな話をしにくい。でも私が初めてアメリカに練習に行った頃、女性のアシスタントコーチが、「それは自然なことなんだから、恥ずかしがらずにどんど ん言っていいんだよ」と話してくれたんです。
海外に行くと、女性の立場も違うんだなあ、って強く感じたし、そういえばアメリカのボランティア団体でも、トップに立つ人は男性より女性のほうが多かったな。
安 藤:あれは19歳の頃……最初は英語もできなかったけれど、あのころから少し私も、自分の視野を広げられました。もちろん外に出ることで、日本のいいとこ ろも再認識したけれど、ここを変えたらもっとよくなるのに! ってこともたくさん感じて。自分は女性だから、女性の立場がほかの国とこんなにも違うってこと、特に強く疑問に思ったんですよ。
石本:私も19歳の頃、カナダのバンクーバーに3年くらい住んでたんです。
安藤:バンクーバー!
石本:はい、ロブソンストリートのフェラガモで、靴を売っていたんです(笑)。若いときに異文化に入っていくと、いろいろなことがショックだったけれど、いろいろな考え方があるんだなって、だんだんわかってくるんですよね。
安藤:ああ、納得しました! 石本さん、なんだか日本人なのに、雰囲気やスタイルが違うから(笑)。行動力が日本の人じゃないな、って!
石本:そう言っていただけると(笑)。この活動を始める前、外資系企業にいたことも影響しているのかな。
安 藤:私には、そんな方たちの力で、これから日本の女性の道がどんどん開けていくんじゃないか……そんな期待があるんです。石本さんのように元気でパワーが あって、思いついたらパッと行動に移してくれる人がいると、まわりの人もいろいろなことがやりやすいと思う。安心して、みんなで集まって、リーダーについ て行ける。そんなエネルギーが、ウィメンズアイの活動には働いたのかな。だから東北で、石本さんと出会えた方は幸せなんだろうな、と思いました。

■違う意見がぶつかり合って、いいものができる

安藤:でもこれは被災地に限らないと思うんですが……今の日本では欧米ほどは、「みんなで助け合う」という意識を感じられないですよね。特に、女性同士で。
石本:そういった空気は逆に、東京などの都市部、核家族で住む人々が多い地域で希薄ですよね。
安藤:海外ならば、働いているお母さんがひとりいたとしたら、もっとみんなで気軽に助け合う空気があります。自分が子どもの頃も、そうだったな。
名古屋の私の住んでいた地域では、子どもの習いごとの送り迎えでも、ひとりのお父さんが近所の子どもたちみんなを車で連れていく、とか、そんなことが自然にできていたんです。でも、今はどうだろう……。
私 も4月に出産したんですが、スケートの練習もあるから、ひとりでは子どもの面倒は見られない。基本は母にお願いしているのですが、母も忙しいときは、近所 に住む知り合いや、名古屋のスケーター仲間や親せきに家に来てもらって、助けていただいています。とてもありがたいことだけれど、皆さん、ごく当たり前な こととして、「助け合い」をしてくださってる。すごくいい環境で子育てができています。
それなのに、子どもを産んだのにスケートの選手をしている、ってことで、「安藤は育児放棄してる!」なんてことも、言われてしまうんですよ……。
確 かにスケートの練習をするときは、どうしても子どもから目を離すことになります。でも家にいるときは、ちゃんと育児もしてる!自分ができる時間の娘の世話 は、なるべく人に頼らないようにしているんです。だから自信を持って、「育児放棄なんかしていない!」って言える。それでも、お母さんが仕事や息抜きで外 に出ていくだけで、「育児放棄」って、今は言われてしまうんだな……。
石本:いろいろなことを言う人がいますよね……。
安藤:自分は小さ な頃、母が働きに出ていて、祖母が家にいてくれる、という環境で育ちました。それは決して、育児放棄ではない。それと同じように自分が今していること、助 けてもらうことに、感謝をしつつも何も後ろめたさはないんです。それなのに、非難をする人がすごく多いことに驚いていて……。自分がこの立場になって、あ らためて痛感してしまいました。アメリカのお母さんならば、助けてくれる人が地域にたくさんいるから、家にこもっていることは少ないんだけどな……。もち ろんおうちの中で充実した生活をしているお母さんもいますけれど。

石本:欧米は、お母さんを含め、女の人が外に出ていく文化がすでにありますよね。
安藤:結婚して、子どもを産んで、家庭をしっかり守っている女性は素晴らしいと思う。でも、子どもを産んで、かつ、外にどんどん出ていくことだってすばらしいことなのに!
石本:そうそう、女の人が家にいてもいいし、いなくてもいいんですよね。
安 藤:それは人それぞれの選択ですよね。石本さんたちの活動で、もっともっと女の人たちが、自由に自分の人生を選択できる、そんな空気が大きくなってほしい な。もっとお母さんが、女の人が、生きやすい社会になるといいのになあ……。ちょうど私自身が今、そんな立場に立たされたから、余計に強く思うんですが。
石本:人と違うことをすること、道を切り開いていくこと。すごく非難されることもあるし、いろいろな思いを経験しますよね。
安藤:私はそんな中で、今、生きてます(笑)。
石本:もっと風通しのいい社会を作りたいですよね。今の日本の風通し、悪すぎるから(笑)。「みんな同じじゃなきゃダメ!」と。
安藤:自分と意見の違う人のことを、最初から、「それはおかしい」と決めつけて接しようとするからかな……。
石本:そうなんです。私たちの活動に対する意見でも、美姫さんの生き方でも、最初から拒否してしまって、意見を受け入れようとしない。
安藤:ちゃんと話をして、それでもダメならあきらめがつきます。でも、最初からその場を作ろうとしない。話をする前に、自分とは考え方が違うから、意見が違うから、って否定してしまうんですよ。
石本:いろいろな違う意見を持った人が集まったほうが、絶対いいものができるのにね。お互いの意見を言い合うことは、すごく難しいけれど……。
安藤:ぶつかり合うのは、大変です。リスキーでもある。でもたとえばアイスショーを作る、なんて過程でも、みんなでぶつかるのも楽しいし、話をすれば最後はきっといいものができると思う!
石 本:そうです。私たちもウィメンズアイの活動方針などを決めるとき、違う意見、反対意見をどんどん言ってほしい、とメンバーに言います。みんなが同じ意見 なのは、逆に危険だ、と思うから。「ごめんね、これは言わせて!」「どんどん言って。あなたの意見がここではすごく重要なんだから!」って。

■時にはマイナスを言い合うことも必要

安藤:ウィメンズアイさんは被災地で、「シングルマザーの会」なども、主催してらっしゃるんですね。
石本:はい、今年の6月から始めたんですが……。最初のうちは、会の存在が気になっているようなのに参加してくれない人も多かったんです。それがやっと、賛同してくれる人が増えてきたところかな。
安 藤:(「シングルマザーの会」のチラシを見ながら)「時にはマイナスのことも言い合おう」——これは、わかる!育児をしていると、なかなか「ここが苦し い」ってマイナスのことを言わないようにしがちですから。つらいと感じていても、人前ではニコニコしながら「こんにちは!」って平気な顔をしてしまう (笑)。
安藤:それはシングルマザーに限らないことですが、特に「あそこは母子家庭だから」って言われちゃうんじゃないかって、我慢してしまうと か……。この気持ちは、わかるな。でも、マイナスの言葉を吐き出す場も必要ですよね。ストレスがどんどんたまって外に出られなくなってしまうようだと、子 どもにも影響してしまうし……。
石本:そう、まだまだ、「自分がシングルマザーだということを、人に言っていいのかどうかもわからない」と悩んでいる人もいます。そんなこともあって、当事者同士が集まるからこそ、ぶっちゃけで話ができる、そんな場を作ろうと思ったんです。
集まって、話し合って、ストレス解消もできるし、お互いに助け合っていける。これからはシングルマザーに限らず、いろいろな課題ごと、女性のカテゴリーごとに、助け合える場がもっとできるいいかな、と思っているところです。
安藤:シングルマザーに限らないですが、お母さんって、ちょっとひとりで遊びに行く、なんてこともしにくいですよね。私も週末、先生や練習仲間たちみんなと飲みに行くことがあります。
コー チの先生方にも、子どもがいるお母さんは多い。でも私や先生方の1カ月に1度の楽しみさえも、「飲みに行ってるよ。子どもがいるのに」って言われてしま う! そうなると、私が遊びに行ったら御近所の人に何を言われちゃうんだろう? なんて、どんどん不安な気持ちになってしまったり……。
石本:あ りますね。シングルマザーの会で、みんなで何をしたいですか? って聞いたら、「飲みに行きたい」「カラオケに行きたい!」と、ごく普通のことこそした い、って声が出ました。後ろ指さされちゃうから、子どもができてから一度も飲みに行っていない、というお母さんもいる……。だからこの会では、母子そろっ てのお泊まり会もするんですよ。子どもたちは私たちスタッフが預かって、お母さんたちには少し遅い時間まで飲みに行ってもらおう、と。
安藤:それは子どもたちにとってもいいですね。お母さんたちが出掛けている間、子どもは子どもで仲間ができるし! 
ほ んとうは子どもを連れて、どこにでも遊びに行ける、飲みに行ける、そんな環境があってもいいと思うんですよ。外に出たいお母さんたちは、行ける所ならばど こへでも、子どもを連れて行ってあげたらいい。私も娘をこのまま隠すことなく、もっとあちこちへ、もっとどこへでも連れていきたいな、と思ったから、自分 から「出産しました。母になりました」って発表をしたんです。娘にはもっともっと、いろいろなものを見せてあげたかったから。
石本:そんな思いでスケートも、お母さんとしても頑張っている美姫さんの姿に、勇気づけられる女性たちはたくさんいると思いますよ! 表には出てこないけれど、同じ思いをしている人、同じことを考えている人たちは、たくさんいるから。
安 藤:私はスケートしかしてこなかったから、たぶんもう、普通に就職もできません(笑)。スケートばかりで、世の中の常識もわかっていないことが多いかもし れない。まだ26歳ですし、できることも本当に少ない。でも、スケートを通して何かに出会えたり、ボランティアをするチャンスをいただいて、石巻の子ども たちに出会えたりもしたんです。小さいことかもしれないけれど、それができるのは、私にスケートがあったから。だから今は自信を持って、スケーターとして の自分でいられるんです。
石本:美姫さんには美姫さんに、できることがある。私たちには私たちの、役割がある。日本も少しずつだけど、変わっていっている。少しずつでも、進んで行きたいですね! 

なぜかw年齢が26才になっていて、「数え年」疑惑が浮上

その後記事は訂正された模様



↓年齢訂正後
安 藤:私はスケートしかしてこなかったから、たぶんもう、普通に就職もできません(笑)。スケートばかりで、世の中の常識もわかっていないことが多いかもし れない。まだ25歳ですし、できることも本当に少ない。でも、スケートを通して何かに出会えたり、ボランティアをするチャンスをいただいて、石巻の子ども たちに出会えたりもしたんです。小さいことかもしれないけれど、それができるのは、私にスケートがあったから。だから今は自信を持って、スケーターとして の自分でいられるんです。
石本:美姫さんには美姫さんに、できることがある。私たちには私たちの、役割がある。日本も少しずつだけど、変わっていっている。少しずつでも、進んで行きたいですね! 
最終更新:2013年10月23日 00:44