モスクワワールド後のageage記事〜Numero TOKYO 2011年 09月号 【氷上のミューズ。安藤美姫に魅せられて】

Numero TOKYO 2011年 09月号
【氷上のミューズ。安藤美姫に魅せられて】        ※不足分追加しました(2013.10.15)
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/beauty/7225/1.html?keyword=%E3%83%AD%E3%82%A8%E3%83%99  ※写真メインの記事

この春、世界選手権で見事トップに輝いた、彼女の荘厳な演技と美しさは、世界中を感動で包み込んだ。日本が誇るフィギュアスケーター、安藤美姫がモードな 装いでついに登場。いま最も輝く、唯一無二のトップアスリートの美しさに迫る。「スケート靴を脱いだら、女の子としての人生を送りたい」と語る、23歳の 安藤美姫の現在とは?


―今、現在の安藤さんの生き方としてはどう?
安藤「自分に嘘をつかないこと。誰かに認めてもらおうと媚びるより、自分がやっていることにきちんと誇りを持つことのほうが大事。
無理に歩み寄る努力をしなくても、分かってくれる人もいると思う。
母に自分のこうした心持ちを話したとき、最初は戸惑いもあったと思うけど
今はスケーターとしての安藤美姫を在り方としては理解してくれています。」

―10代から色んな葛藤を乗り越え、自分の在り方を見つけてきたと思いますが一番大事だなと思ったことは何ですか?
安藤「自分に必要な人を見極めること。信じる人を間違えないこと。そのタイミングとかも含めて。」

―逆を返せばそうじゃない時期もあったということ?
安藤「トリノまではそうでした。毎日のように家にパパラッチがいて一歩も家から出られなかったり、
周囲が何を言ってるのか気にもなってしまったり、家族と一言も話さず部屋閉じこもったり。そんな時もあったから。
でもトリノが終わってからは人は人、自分は自分って割り切るようになって気にすることを止めたんです。」

―しかし現在の彼女にそんな心配は無用 目の肥えたスケートファンばかりのスケート大国ロシアでも
世界女王の名に相応しい、ダイナミックかつ繊細なスケーティングで観客を魅了。
安藤「表現力を磨くために、バレエ講師に個人レッスンを頼んだりする選手も多いですが、私は敢えて自己流。
だけどそこは自分が感じたままに動いていたくて。型にハマりたくないんです。
何を自分に取り入れるかも個性だと思うし表現の仕方はそれぞれでいいんじゃないかなって。」

―確かに体型や雰囲気の持ち味、柔軟性や筋力も個々に違いますものね。
安藤「人と同じことをするとか、同じ考えを持つみたいな連帯感も時には必要なことだけど人は皆、顔も性格も育った環境も違う。
だとしたら当然、全員が右にならえを出来るわけもないし違う意見を持つのも普通。
アメリカに渡ってから、特にその思考が強くなりましたね。
でもそのお陰で、コーチとも明確な会話が出来るようになって、リンクでも自分らしさを出せるようになった。
それはスケート人生とひとりの女の子としての人生。どちらもプラスに作用していると思う。
本当の意味で自分らしくある為にも 主張すべきところは主張する。
自分の意見や行動に責任が持てるのであれば それは発言してもいいと思うし、人目を気にしたり、
嫌われたないが為に、自分を偽る生き方はしたくないんです。」

―そうして何度となく立ち上がり、成長を遂げてきた安藤さんの姿にどんな状況であれ
自分次第で道を開けるという希望、苦境に立ち向かう勇気を与えてもらった人も多いはず
安藤「自分の人生を他人に狂わせられるような人生は二度と送りたくないと思ったんです。
表に立つ立場でもあるので、時には自分の生き方を否定されることもある。
今はそういう立場にいることを理解して生活しているし、ある程度、受け入れている。
もちろん、人の意見を聞くことはいいことだし、時には自ら耳を傾けるべきだと思うけど。
最終的には誰のものでもなく自分の人生。
いい方向に行っても、間違った方向に行っても自分に悔いの残らない生き方をしたいなと。ただそれだけなんです。」
 

―スケートを続ける意義みたいなものに変化はあったんですか?
安藤「そもそも、スケート人生の中で結果を残さなければと、今まで一度も思ったことがないんです。
結果は後から付いてくるものであって、それ以前にパフォーマンスでどれだけ
人の心に残ることが出来るか、私が追い求めてるのはやはりそこ。
結果が悪くても自分が納得出来るものであれば、納得にいく試合にもなるし誰かの胸に残るスケートが出来たなら、
自分の理想とするスケーターに少しずつ近付いているということ。
たとえ結果を出しても、その時の演技を思い出せないと言われる方がショックですね。」

―著書「空に向かって」を読むとスケートの見方が変わる人も多いはず。
メディアの報道の仕方にも、首をかしげたくなることもあったり…。
安藤「私に興味を持ってくれたり、スケートを知りたいと思って下さる方たちに私なりに真実を伝えることで、
スケートを見る上で新たな楽しさを見つけてもらえたらと思って本を出すことにしたのです。」

―改めて安藤さんの人柄、スケートの厳しさなどを知ることが出来ました。
安藤「普段はあまりじっくりとお話をしたりする機会もないのでこういう形で少しでも知ってもらえたり、気付いてもらえたら
それだけで自分はラッキーだと思うし、実際にリンクに足を運んで観てみたいと思っていただけたら嬉しいですね。」
892 +1:名無し草 :sage:2013/10/11(金) 17:55:54.96
―その為の第一歩って?トリノの時はどうでしたか?
安藤「挫折すると自分1人の殻に閉じこもってしまいがちだけど、まずは直接的な答えに繋がらずとも
ひとりでも打ち明ける人を見つける。 私の場合、ありがたいことにそういう人はたくさんいた。
でもその中でも意見は分かれることはあります。アメリカに渡る決心をした時は母とぶつかったりしたけれど
その結果、世界選手権3位に繋がりました。
自分が選んだ道が突破口になったことで、その後は母ともよりオープンに話せるようになったり
私の生き方を認めてくれるようになった。
いわばそれが自分の行動に「責任」を持つという、自立の第一歩だったのだとも思います。」

―純粋さゆえの不器用さでもあるんでしょうね。
最後にスケーターとして、ひとりの人間として、どちらにも共通してるマインドとは?
安藤「今、この時を楽しむ。それに尽きます。
父を亡くしてから、何があるか分からないということを切実に感じたんです。 そしてそれが生きてく上でのベースになった。
先々の予定、目標を持つこともいいことだと思うけど、それ以前にまず今日一日を
後悔のないように自分に素直に大事だと思うこと。大事な人を大切に。
そしてそれを選んでいくのは自分自身だということ。 たった一度きりの人生ですから。」

最終更新:2013年10月15日 02:37