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デシャリス(痕跡霊)

デシャリス、四方に広がる魂 Desharis, the Sprawling Soul

痕跡霊レベル6
呪縛難易度27
今日ではゼイトガイスト(『Cityscape』p.138)やグレイ・ジェスター(『Heroes of Horror』p.151)といったクリーチャーがその典型となっている“都市生まれフェイ”の最初の者であったデシャリスは、文明を拡張する者たちにとっては喜ばしい者であり、大部分のフェイや自然崇拝者たちにとっては呪われるべき存在である。彼はバインダーに対して、自然の危険に対する避難場所を提供し、さらに自然に対抗する確固たるパワーを与えてくれる。

伝説:

古代の神話によれば、最初期の真の共同体はデッシュ、すなわち古語で“避難所”と呼ばれる人間の村であった。ここでは、人々は捕食者から身を守るために一緒になって生活し、雨露をしのぐために元からある避難所を使うのではなく、初めて建造物を建設した。(デッシュの伝説に関するより詳細な情報については『宿命の種族』のp.22参照)。
この伝説そのものは今日では目新しいものでもなければ、知られざる知識でもない。しかしながら、自然界と魔法の世界がどれほど急速にその内部の変化に適応するのかについての実感はほとんどない。デッシュはただ単に最初の共同体だっただけではなく、そこは最初の都会のフェイを産んだ場所でもあり、それは強大なゼイトガイストとなる者の遠い祖先でもあった。
デシャリスは彼自身の起源を何も知らない。彼が知っているのは、彼の相反する2つの衝動だけである―ひとつは自然世界の神聖なるものを守護するというものであり、もうひとつはデッシュとその中に住まう人々を守護するというものである―そして後者の衝動の方がずっと強かった。目に見えないように、彼は捕食者たちの攻撃を防ぎ、村を疫病の脅威から守り、他の人型生物がその資源を狙って襲撃を仕掛けてきたときにはその住民を支援していた。デッシュの人々は彼らの幸運について神々と精霊に感謝を捧げたものの、デシャリス自身のことは全く知らなかった。世界の他のフェイたちは自然の法則に取って替わりうる拡大する社会という概念に恐怖しており、デシャリスを裏切り者と見なした。彼らは彼の為す行為の妨害に打って出、彼を破滅させることすら行なった。実際には、共同体の具現化そのものであるのだが、デシャリスは常に孤独であった。
デシャリスは他のフェイたちの軽蔑に苦々しさを募らせていき、彼らに対する復讐として文明の拡大を喚起していったのだと示唆する者たちもいる。どんな事情があったにせよ、デシャリスは共同体という概念が広がるに従って共に広がり、拡散し続け、これまで以上に大きくなって行った。大きさと影響力については増していったにも関わらず、彼は力については何ひとつ得ることはなかった。小さな村は彼の能力に何も加えてくれないし、大きな共同体はしばしば彼ら自身の都会のフェイを生み出していったためである。最終的に、この共同体の精霊はあまりに広く拡散し過ぎてしまったため、存在し続けることができなくなってしまった―それでもまだ、文明の具現化そのものであり、現在では永久的に世界の一部分と化している彼は、完全に消え去ってしまうことはなかった。

特殊条件:

1日以上デシャリスを呪縛せずにいたなら、彼の秘紋は“村”以上のサイズの都市において描かなければならない。それ以外の場所で試みても、完全に失敗に終わる。しかしながら、君はデシャリスを自然の荒野に“連れて”行くことはできる。これこそが、君が最後に彼を呪縛してからうっかり1日以上経過してしまわない限り、都市環境以外の場所であってすら、彼を招来し続けることができる理由である。

霊の発現:

デシャリスは、百もの話したり叫んだりする声音と共に出現するが、それらの声の個々の声が何を言っているのかは全く聞き取れない。秘紋の上の空間がどこか他の場所に向かって開いている窓になったかのようになり、ずっと遠くの場所から紛れもない大群衆が出現する。その群衆が近付いてくると、それらのシルエットがまるでより大きな姿を取ろうとするかのように互いに溶けあい、最終的に身の丈10フィートにも及ぶ1体の人型の姿に合体する。そのシルエットは人間のように見えるが、デシャリスの本体は、それと同等量の石、木材、金属、そしてガラスでできている。

徴候:

デシャリスを呪縛している間、君の目はガラスに変化する。君の凝視に会った者は、そのガラス玉の向こうに、あたかも活気あふれる通りに面した窓を通して覗いているかのように、複数のシルエットが動いているのが見える。

影響:

デシャリスの影響を受けている間、君は一人きりでいることはできず、君の周囲にたくさんの人がいればいるほど良いと感じる。君は単独になることが必要とされるあらゆる作業を自発的に受け入れることは決してなくなり、パーティが分断するような選択肢には断固として反対する。もし大勢の人々と交遊できるような機会があるなら(騒々しい居酒屋に入った場合など)、そうすることがあからさまに危険な事でない限り、必ずそうしなければならず、そうしなければ、人々が君に対して敵対的になるのではないかという疑いを抱いてしまう。

付与能力:

デシャリスは世界の文明化された人々を守護したいという彼の願望を反映した能力を付与し、さらにフェイや他の自然のクリーチャーたちに対する少々の彼の怒りを示す。

都市居住者 City-Dweller:

デシャリスを呪縛している間、君は群衆の間をすり抜けて移動する際に、通常であれば1マス移動するために2マス分の移動を要するところを、通常の移動速度で移動することができる。加えて、〈情報収集〉判定と〈知識:地域〉に+6の技量ボーナスを得る(さらに、後者の技能については、たとえ君がランクを有していないとしても、使用できるようになる)。

無限の扉 Infinite Doors:

1日1回、君は建物の外部に付いている扉(建物の内側から外側に出るための扉)の1つを通り抜けて、3,000ヤード以内にある別の外部に付いている扉から出現することができる。これらの扉はどちらも同じ材質で作られた建物に取り付けられたい物でなければならない。たとえば、君は木造建造物から別の木造建造物へと通り抜けることはできるし、石造建造物から別の石造建造物へと移動することもできる。君は目的地として良く見知った特定の扉を選択することもできるし、距離だけ指定して適切な最も近くにある扉から出現することもできる。(もし距離内に適切な戸口が存在しないか、君が望む方向には存在しないのであれば、この効果は機能しない。)これは(瞬間移動)効果である。

都市の言葉 Language of the City:

君はあたかもタンズ呪文のように、あらゆる人型生物と会話することができる。

自然の魂を討つ一撃 Smite Natural Soul:

君は動物、エレメンタル、フェイ、あるいは植物の種別のクリーチャーを、1回の近接攻撃で討つことができる。攻撃ロールに君の【魅力】ボーナス(もしあれば)を加算し、ダメージに有効バインダー・レベルあたり1ポイントを加算する。もし上記のクリーチャー種別に該当しないクリーチャーを誤って“討って”しまったなら、その試みは何の効果も持たない。一度この能力を使用したなら、5ラウンド間は再びそれを行なうことはできない。

都市の精霊 Spirits of the City:

君はバインダー・レベルに等しい術者として、同名の呪文と同様にアニメート・オブジェクツを使用する事ができる。一度この能力を使用したなら、その効果が終了するか、操っている全ての物品が破壊された後5ラウンド経過するまでは、再びそれを使うことはできない。

出典:

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最終更新:2013年11月17日 07:13
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