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アスタロト、不正なる堕天使(痕跡霊)

アスタロト、不正なる堕天使 Astaroth, Unjustly Fallen

痕跡霊レベル5
呪縛難易度22
自らの罪を決して認めることのない堕天使、アスタロトはその召喚者に対して他者の行動に影響を与える力、隠された事柄についての知識、そして敵の体調を悪化させる能力を付与する。

伝説:

学者たちですら、堕落する前のアスタロトについてはほとんど知らず、知っていることと言えば、彼が定命の者たちに対して継続的に介入と援助を行ない、彼らが独力で物事に対処できるようにさせない事を好むという事だけである。いくつかの物語では、彼こそが人型生物たちに金属加工や錬金術といった技術を教えた張本人だと言われている。
古文書によれば、アスタロト自身は、彼が天界から投げ落とされ、追放された理由は、定命の種族が文明を築き上げるための手伝いが“犯罪”とされたためだと主張している。しかしながら、大部分の神学者たちは、かの天使はもっと大きな罪を犯したために追放の憂き目にあったのだと信じている。ある天界の神の地位を力づくで奪おうと試みたのだというものから、1つの定命の種族全体を天界の種族へと引き上げようと努めたのだというもの、あるいは、すべての定命の者たちから神々への信仰心を奪い去り、彼が影響を与えやすいよう操ろうとしたというものまで、さまざまな伝説が存在している。しかしながら、アスタロトはそのような裏切り行為を決して認めず、彼が失踪する日まで彼の堕天は不当であると主張していた。
アスタロトが多くの世界をさ迷い歩いていた何世紀もの間、定命の者にして精霊であるようなものであった。セレスチャルにとって彼は追放者であった。その一方で、彼は自らの失敗を悔い改めることはおろか、認めることもできない傲慢な堕天使でもあった。しかし、地獄に落ちることは拒否したため、彼はフィーンドたちの間に味方を見出すことはできなかった。結局、彼は定命の者たちの間に居場所を見つけた。彼は守護者にしてよき指導者たらんとして彼らを見守りはじめたのだが、徐々に定命の者を“守護”することへの強迫観念が制御できないほどになって行った。アスタロトは独裁者になり、彼の臣民を“安全”にしておくために、彼らの日常生活をも制限するようになって行ったのである。この堕天使は、最終的に民衆による反乱によって殺されてしまったが、どの外方次元界も彼の魂に休息を与えなかった。結局、肉体から引き剥がされてすら彼の魂を呼ぶ来世は存在せず、アスタロトはただ去ったのである―どことも知れない世界へと。

霊の発現:

翼の羽ばたきの音と、ガアガア鳴く鴉の鳴き声を伴って、アスタロトは恐ろしく醜い天使として現れる。彼のぐったりした翼は汚らしい灰色で、彼の容貌はやつれてげっそりしており、その眼は黄ばんでいる。彼は右手に毒蛇を持っており、額には汚れてくすんだ冠を着用している。彼には恐ろしいほどの悪臭が伴っており、それはほとんど、近くにいるあらゆる者に吐き気を催させるに十分なほどである。

徴候:

君の皮膚は黄色くなり、さらに不潔で洗い流すことのできない悪臭を放つ。この悪臭は敵の行動を妨げたり、気をそらしたりするほどには強力ではないが、注意を引くには十分である。

影響:

アスタロトの影響によって、君は自分自身の行動に責任をとることができなくなってしまう。その結果どうなるかに関わらず、あるいは君に不利な証拠があったとしても関係なく、君は自分自身のいかなる失敗も認めず、いかなる過失も受け入れず、どんな誤りをも保障せず、謝罪もしない。

付与能力:

アスタロトは定命の者たちを導いていた。そして今なお、彼は知識と教育に関連する能力を与えてくれる。堕天使として、そして後には痕跡霊として、彼の魔法はより一層不気味で、より一層不愉快なものとなった。彼はまた、他人を直接支配し、怒りの感情を引き起こすような力をも付与する。

天使の伝承知識 Angelic Lore:

アスタロトは君の心の後ろで絶えず現実世界の秘密を囁き続け、それによって君は彼の持つ無限の知識を引き出す事ができるようになる。これはバードの知識の能力(PHのp39)として機能し、君の有効バインダー・レベルに基づいて使用される。

アスタロトの息 Astaroth's Breath:

5ラウンドごとに1回まで、君は60フィートの円錐状の範囲に悪臭のガスを吐きつけることができる。この円錐状の中のクリーチャーは頑健セーヴを行わなければならず、失敗すると1ラウンド間吐き気がする状態に陥り、さらにそこから1d4ラウンド間不調状態に陥る。セーヴに成功した者は1ラウンド間不調状態に陥るだけで済む。毒や病気に完全耐性を有するクリーチャーはこの効果に対しても完全耐性を持つ。

おべっかの舌 Honeyed Tongue:

君は〈威圧〉、〈交渉〉、そして〈はったり〉の判定に+4の技量ボーナスを得る。

熟練の職人 Master Craftsman:

アスタロトを呪縛している間、君はあらゆる〈製作〉判定に+4の技量ボーナスを得る。加えて、君がアスタロトを呪縛する毎に、君は1つのアイテム作成特技を一時的ボーナス特技として選択することができる。アスタロトを呪縛している限り、君は通常通りにこの特技を保持しているものとして扱われる。どんなアイテムを作成するにしても、君は通常通りの金貨と経験点コストを支払わなければならず、またそのアイテムを作成するのに必要とされる呪文をすべて準備しておかなければならない。
もし君の有効バインダー・レベルが、そのアイテム作成特技を修得するのに必要とされる術者レベルに達していないのであれば、君はその特技を選択することはできない。たとえば、4レベル・バインダーは修得するための前提条件の術者レベルが5以上のアイテム作成特技を選択することはできない。

アスタロトの言葉 Word of Astaroth:

有効バインダー・レベルに等しい術者レベルとして、君は同名の呪文と同じようにサジェスチョンを使用することができる。いったん使用したなら、次のサジェスチョンの試みを行う前に5ラウンド待たなければならず、また、この能力の効果の影響下にある者の数の合計は、一時に自らの【魅力】ボーナスに等しい数までしか持つことができない。

出典:

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最終更新:2013年11月17日 07:12