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オルトス(痕跡霊)

オルトス、茫漠たる暗闇の主 ORTHOS, SOVEREIGN OF THE HOWLING DARK

痕跡霊レベル8
呪縛難易度35
非常に古く、不可知の存在オルトスは、その召喚者に見ることができないものを知覚し、他者の視覚を欺き、その吐息を風に変え、その風を使って囁いたり、骨から肉をこそげ落としたりできるパワーを付与してくれる。

伝説:

オルトスは最初の痕跡霊―境界線を打ち破り、現実界に開いた開口部を通してその向こう側の虚無を覗き見た最初の存在―であるかも知れない契約魔法の文書には常にこの存在についての記述があり、執拗な探検家たちは、ほとんどの次元界の芸術作品や建造物、そして多くの古代文明の廃墟の中に、その秘紋を見出すことができる。バインダーの学者たちはオルトスの起源について千通りもの仮説を立てているが、どれも単なる推測の域を出るものはない。全員が同意している事実は、オルトスが計り知れないほどに古びた存在であり、それがかつてそうであった姿と個性とを何らかの方法で脱ぎ捨ててから長い時間が過ぎており、異質で冷ややかな存在と化しているという事である。途轍もない年を経ていることと、その得意な外見に敬意を表し、バインダーの学者たちはオルトスのことを“茫漠たる暗闇の主”と呼んでいる。

特殊条件:

君は明るい照明の範囲の中でオルトスを召喚しなければならない。

霊の発現:

オルトスが発現を開始する時、召喚者の傍をそよ風が吹き流れるように見えるが、召喚者の髪と衣類の他には何もそよいだりしない。そよ風は強さを増して冷たい風となり、低くぴゅうぴゅう言う音がオルトスの秘紋の付近に発する。するとそこに黒い小さな点が表れる。それは、観察者の目には盲点のような影に見える。ぴゅうぴゅう言う音は次第に音調と音量を上げていき呻き声のようになり、ついには外に向かって渦巻き状に逆巻く暗闇と化すと同時に吼え声と化し、轟々たる暴風の中に大猫の目の虹彩のようなものが開く。その吼え声は耳をつんざくような痛みを引き起こすほどにけたたましく、実在しない風によって召喚者は打ちのめされる。その後それは止む。突然の静寂の中、目には見えず、耳にも聞こえないが、それでも尚、明白に感じられる存在が暗闇の歪みから滑り込み、秘紋の上に重々しく漂うのが感じられる。どんな感覚器にも感じられないにも関わらず、オルトスは不気味にそこに存在しており、その存在は最も愚かな獣でさえも感じ取る事ができる。この痕跡霊は何も言わない。召喚者は自らの実情と望みを、何の反応も示さないオルトスに対して訴えるだけである。

徴候:

君は、いつも他の誰にも感じられないそよ風に吹かれているように見える。たとえ君が屋内にいたとしてもである。この不気味な風は何の音も立てないが、君の髪の毛や持ち物をくしゃくしゃにし、その風向きをしょっちゅう変える。

影響:

オルトスの影響下にある間、君は暗い場所や騒々しい音を嫌うようになる。君はそれらの状況に耐えることはできるが、そういった状況は君を狼狽させ息切れさせる。オルトスは君に対して、常に最低でもロウソク並以上の明るい光源を持ち運ぶように要求し、1ラウンドよりも長く、その光源に覆いをしたり消したりすることを許さない。さらに、オルトスは君にささやくように喋ることを要求する。

付与能力:

オルトスは君に擬似視覚、所くらまし、そしてブレス攻撃の能力を付与してくれる。このブレス攻撃は武器としても、メッセージを伝える手段としても使える。

擬似視覚:

君は30フィートの距離の擬似視覚を得る。

所くらまし:

回数無制限で、君は自分の周囲を光を屈折させる膜で覆い、他の者が君のいる本当の位置を把握するのを困難にさせることができる。攻撃者が視覚以外の何らかの手段で君の位置を捕捉できるのでない限り、君に対して行われたあらゆる近接攻撃や遠隔攻撃には50%の失敗確率が適用される。トゥルー・シーイングの効果はその使用者に君の位置を捕捉させることができるが、シー・インヴィジビリティは効果がない。君のはこの能力の起動と停止をそれぞれ標準アクションで行う事ができる。

旋風のブレス攻撃:

標準アクションで、君は60フィートの円錐状の突風を吐き出すことができる。旋風のブレス攻撃は君の有効バインダー・レベルあたり1d6ポイントのダメージを与える。その範囲にいるあらゆるクリーチャーはこのダメージを半減させるために反応セーヴを行うことができ、さらに頑健セーヴにも成功しなければ打ち倒されて伏せ状態となり、1d4×10フィート(あるいはこの円錐状のすぐ外側までのどちらか短い距離)だけ君から遠ざかるように移動させられる。一度この能力を使用したなら、君は5ラウンド間は再びこの能力を使用することができない。

囁きの風:

回数無制限で標準アクションとして、あたかもウィスパリング・ウィンド呪文(有効バインダー・レベルに等しい術者レベル)を使用したかのように、風にメッセージを乗せて送る事ができる。

出典:

『Tome of Magic』p.42

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最終更新:2013年12月07日 19:40
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