D&D

アイポス(痕跡霊)

アイポス、愚者の公子 IPOS, PRINCE OF FOOLS

痕跡霊レベル5
呪縛難易度25
バインダーたちはアイポスを愚者の公子と呼ぶが、それは彼が着用する王冠と彼が痕跡霊と化すこととなった不幸な伝説に由来している。彼はその召喚者に敵を引き裂く冷たい鉄の爪、クリーチャーや物体の本来の姿を見るパワー、そして彼のカリスマ性の断片を付与してくれる。

伝説:

神々と次元界を研究する定命の学者であったアイポスは、現代にそれらが再発見される遥か以前に、痕跡霊とそれらを呪縛する方法を発見した。バインダーの伝承ではアイポスの種族と出身国について矛盾する話が伝わっているが、彼が知識を追い求めて次元界間を往来できるだけのパワーを持った、強力な呪文の使い手であるという点では一致している。
アイポスはあらゆる物事に関心を抱いていたが、特に次元界、魔法、そして神々の性質を解き明かすことに情熱を注いでいた。これらの主題に対する学問を通して、アイポスは次元界の秩序―この多元宇宙を運行させている基本原理―を発見しようとしていた。
アイポスはその研究において目覚ましい成果を上げ、彼の発見は何世代にも渡って伝えられていった。それでも彼は、実在に対する不完全な洞察を残したため、後世の学者と探検家たちは彼の仕事の根幹を拡張しなければならなかった。研究を続ける中で、アイポスは偶然に痕跡霊を発見し、その知識の深淵さに圧倒されることになった。彼にはどの次元界にも存在していない実在を信じることはできなかったし、次元界を通じて到達したり、神々でさえ手が届かなかったりする存在を信じることはできなかった。彼は痕跡霊が居住しているだろう次元界を探し出すことに躍起になった。彼は他のあらゆる研究課題を放り出し、痕跡霊の世界へ到達する手段を見つけることに没頭した。この仕事に熱中し出した後、彼に何が起こったのかを知る者はいないが、現在彼が痕跡霊として存在するという事実は、彼が探し求めていた事実を突き止めたのだろうという推測に信憑性をもたらしている。

特殊条件:

アイポスは、彼の判断において、オカルト研究について真剣に興味を抱いていないと思われる召喚者の呼びかけは拒否する。アイポスを呪縛しようと考えている者は、〈知識:神秘学〉を5ランクと、〈知識:宗教〉か〈知識:次元界〉のどちらかを5ランク有していなければならない。

霊の発現:

アイポスは不可視状態から再び姿を現したかのように、秘紋の上に足を踏み出してくる。契約魔法の書物の中には、彼がハゲワシかガチョウの頭を持っていると記しているものがあるが、これらの書物の著者はハゲトキのことを良く知らないのである。アイポスは、疑いもなく、この鳥の下向きに曲がった嘴と、ぶちのある羽のない頭を有している。いぼだらけの頭皮の上には黒鉄の冠が載っており、その身は幾重にも重ねた灰色の衣類で覆われている。彼の腕は異常に長く、その先端には人間の手というよりもライオンの前足のような灰色の毛皮で覆われた爪のある手がついている。片方の手には節くれだった鉄のステッキを持っており、それを歩行の助けに使うよりも、しょっちゅう地面を強く打ち付けるのに使っている。もう片方の手は彼のローブの長いたもとに隠しているが、良く見ればその長く黒い爪を伸ばしているのが見て取れる。冠は錆び付き、衣類はぼろであるにも関わらず、アイポスは堂々たる姿であり、シュッという声と不吉な睨みとによって相当に威嚇的に見える。

徴候:

君は長く黒い、鉤爪状の爪が生える。

影響:

君は自分の知性を賛美するようになり、君の仮説や結論に疑問を呈する者に対して軽侮の意志を表明するようになる。もし君が知っている事柄について興味を持ったクリーチャーと遭遇したなら、アイポスはその者を教化してやるように、君に要求する。

付与能力:

アイポスは物事を見定める目と、威厳ある態度を付与し、同時に無知のベールを引き裂く冷たい鉄の爪を与える。

冷たい鉄の爪:

指の爪が冷たい鉄のように硬くなり、君はそれぞれの手で1回ずつの爪攻撃を行うことができるようになる。君はそれぞれの手で最大の攻撃ボーナスを使って攻撃を行うことができ、そのダメージには【筋力】ボーナスをそのまま加算できる。それぞれの爪が与える基本ダメージは下記の表の通り。
サイズ 基本ダメージ
極小 1
微小 1d2
超小型 1d3
小型 1d4
中型 1d6
大型 1d8
超大型 2d6
巨大 1d8
超巨大 4d6
もし君がすでに手による爪攻撃を有しているなら、君の通常の基本ダメージよりも上述の基本ダメージが大きい場合にのみそれを使用する。君の爪攻撃は、ダメージ減少を打ち破る際に冷たい鉄と見なされる。君がアイポスの徴候を抑制して消しているなら、この能力を使用する事はできない。

洞察の閃き:

即行アクションとして、君は1ラウンドの間トゥルー・シーイングの効果(呪文と同様)を獲得する。一度この能力を使用したなら、君は5ラウンド間は再びこの能力を使用することができない。

アイポスの影響:

アイポスとの一体化によって、君は呪縛した痕跡霊からより多くのパワーを引き出す事ができる。痕跡霊から得られる全ての特殊能力のセーヴィング・スロー難易度(もしあるなら)について+1上昇する。痕跡霊の特殊能力の効果を決定する際、君の有効バインダー・レベルは1レベル高いものと見なされる。

次元の希薄化:

君は特定の1つの次元界の自然環境の効果に対する守護を得る。そうした効果には極端な気温、空気の欠如、毒性の蒸気、正や負のエネルギーの放射、その他次元界の性質自体に由来する効果が含まれる。君は標準アクションで順応する次元界を変更できる。

かきむしり:

全ての爪攻撃を1体の敵に命中させた時、君は通常のダメージに加えて、自動的に爪攻撃のダメージ(【筋力】修正値を含める)の2倍のダメージを与える。

出典:

『Tome of Magic』p.36

関連項目

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最終更新:2013年11月16日 22:13