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“恐怖の島”への挑戦

“恐怖の島”への挑戦 Braving the Isle of Dread(Savage Tidings #5)

“恐怖の島”の名前は伊達ではなく、その海岸に愚か者の居場所はない。その恐ろしい捕食獣たち、謎めいた原住民、そしてその海岸に入植している人々を餌食にしようとしている邪悪な海賊たちとの戦いに耐え抜くために、この連載記事ではプレイヤーである君たちに、流れに押し流されないようにしておくために必要な秘訣、要領、そして小道具を提供する。『Dungeon』誌ではDMに対して『Savage Tide』キャンペーンを運用していくのに必要な卑劣なプロットやずる賢いモンスターを提供していく一方、この『Dragon』誌では、君たちが敵に反撃するためのより良い細かな情報や選択肢を提供する。今月の記事では、この島の原住オーマン人たち、代わりのPC、そしてファーショアの守りの外観について説明する。

関連する冒険

今号の『Savage Tidings』は、この冒険キャンペーンの5番目のエピソードである『DUNGEON #143』掲載の「Tides of Dread」に関連している。

オーマン人

オーマン人は特筆すべき人々で、その伝統文化は、台頭する商業活動、工業、そして堕落の力に汚染されていない。
オーマン人の人間部族は、彼らの言い伝えが残されているよりもはるかに昔から“恐怖の島”に存在していた。大きく広がった都市国家タナクラン、かつての大オーマン神権国家にまで遡り、彼らの首都は現在、最も勇敢な者でさえ狂気に走らせるという恐怖を秘めた霧に包まれた廃墟に過ぎない。彼らの古の“神々”は、現在強力なトーテムとして崇拝されており、彼ら黒い皮膚の原住民に、生と死を超えた力を与えている。“恐怖の島”の「巨壁」の南東に7つの部族が住んでいる:ブロワオ族、ダワ族、キリクカ族、モーラ族、パニトゥベ族、タナロア族、そしてウージ族である、「巨壁」の向こう側にも他のオーマン人部族が存在しているが、そういった食人の風習を持つ野蛮人たちと平和裏に接触したという記録は1つも残されておらず、彼らの戦太鼓は、ただ虐殺と狂気だけを予告するものである。
オーマン人の村で異邦人が受ける応対はさまざまであるが、それぞれの部族の文化について理解しておけば、暴力沙汰になる危険を回避し、長老たちの好意を受けられる可能性が高くなるだろう。すべてのオーマン人が多くの文化的傾向を共有している一方、それと同じくらい、各部族には独自の文化がある。

ブロワオ族:

この島の中では最も腕の良い漁夫にして猟師であり、ブロワオの勇敢な青年戦士たちは、彼らの崖上の村からウィドー暗礁(未亡人の暗礁)の恐ろしさに敢えて立ち向かうことで、自らの勇敢さを示す。ブロワオ族は戦闘用のカヌーを繰り出し、彼らが神聖なものと見なしており、この島でしか見つからないコア(アカシア)という木材で作られた、磨き上げられた船板で波を切って進む。コアの木立を傷つけることは冒涜的なことであり、ブロワオの人々に対するひどい侮辱となる。その一方で、恐ろしい水棲捕食動物、たとえマッシャーだとか、エラスモサウルスだとかいった連中と戦って大いなる勝利を得たという証拠の品をこの村に持っていくと、この部族の好意を得るのに大いに役立つし、また、ブロワオの若者たちがするのと同じように、サーフィンで波乗りをしたり、あるいは水を制する魔法の力を見せたりすることも役立つ。ブロワオ族は、シマロコア(“オーマン人の武器と道具”参照)を製作して使用した最初のオーマン人であり、その使用についての習熟度を見せることで彼らの尊敬を勝ち得る。

ダワ族:

彼らの祖先の洞窟の近くに住んでいるダワ族は、しばしば海賊、外国勢力、そして緋色団のエージェントといった、この“恐怖の島”の南西半島(訳注:南東半島の間違いか?)において秘密の本拠地を置くための最適の場所を探している連中の標的となっている。すべてのオーマン人は隠密活動を得意とするが、ダワ族は特にそれに長けており、ゲリラ戦術と闇に紛れた戦い方によって、彼らの洞窟の支配権を握り続けている。外国勢力による絶え間ない攻撃のために、ダワ族は極度に偏執狂的になっており、彼らは、明らかに武装した集団を目にしたなら即座に攻撃してくる。見た目に武器も鎧も着用せずに彼らに近づいたグループは、この部族が十分に平和的であることに気づくだろう。ダワ族は隠密行動の技能を誇りとしている。もし彼らの歩哨が見つけられてしまったなら、ダワ族は不機嫌になる。あえて歩哨や近づいてくる戦闘集団に気付かない振りをすれば、ダワ族の首長を大いに満足させることだろう。

キリクカ族:

キリクカ族のトーテムのほとんどは、空を飛ぶ生き物で構成されている。彼らの村のあちこちには、コアトル、ドラゴン、大鳥、プテロダクティルスの形に彫られた偶像が散見される。空を飛ぶことができる者や、飛行する乗騎に乗っている者は、キリクカ族の首長に大いに感銘を与える。加えて、キリクカ族はジャピュートを発明した部族であり、それの使用に習熟していれば、彼らの好意を勝ち得るだろう。

モーラ族:

禁欲的だが気前の良いモーラ族の人々は、しばしば旅人に宿泊場所と一時避難場所を与えてくれる。モーラ族の戦いの伝統は彼らの文化の中心であり、彼らは軍事力を他のどんなものよりも高く評価している。戦いのための技能を誇示することを恐れない者たちは、この部族の尊敬を勝ち取るだろう。
おとなしく従順に近づいたり、助けを乞うたりするのは、モーラ族の反感を買うことになる。彼らはそれでも食糧や宿泊場所を提供するであろうが、弱そうに見える者たちのために、同盟したり、戦士の力を貸したりすることはきっぱりと断る。もしそのグループがモーラ族の戦士に対して非致傷戦闘を挑んで勝利したなら、村人たちはそのグループに称賛をおくり、それ以後自分達の仲間としての友愛を受ける。モーラ族のゾンビー・マスターはオーマン人の中でも最強の者たちである。彼らのアンデッドの部族民を破壊すると、モーラ族の大きな怒りを買うことになる。加えて、モーラ族は素手戦闘技術カヒコの最初の型を作りだした部族である。素手攻撃の素晴らしい技能を見せたり、カヒコを学んだりすることは、彼らに感銘を与える。

パニトゥベ族:

パニトゥベ族は、他のどの部族よりも、外国との交易に興味を抱いている。そういった生活を豊かにするものや日用品の到来は、すでに彼らの戦士文化を深く侵食している。パニトゥベ族は外国人との交易を喜び、舶来の文明の装具と交換するために真珠や珊瑚を提供する。彼らが誰かを助けるために軍事的支援を提供することはめったになく、外国人のトラブルには無関心である。

タナロア族:

タナロア族の中では、女家長の血筋に権力が受け継がれている。彼らは力強い女性に尊敬の念を抱いており、男性に率いられた(あるいはもっと悪いのは、全員が男性だけで構成されているような)グループを嘲笑う。オーマン人の中で最も獰猛な戦士とは言えないが、タナロア族は最も頼もしい味方となりうる。しかしながら、彼らは彼ら自身のトラブルを抱えており、「巨壁」に近く、そこを越えてやってくる厄介者のために、彼らには入植地を防衛するための手助けをするような戦士の余裕はない。タナロア族は生活必需品、武器、戦術についての助言といったものを提供することはできるが、軍事力の提供はできない。カウカコイを作成し使用した最初のオーマン人であり、この格別に取り扱いの難しい武器に習熟していることを見せれば、タナロア族の大きな尊敬を得られる。

オーマン人の武器

新しい特技

下記の特技は“恐怖の島”の脅威を経験し、それを生きながらえたことがある者が利用できるものである。
《カヒコ》
《カヒコの達人》
《部族の特質》
《部族の友人》
《夢占い》

新しい勢力陣営:オーマン人部族 Olman Tribes

代わりのPC

冒険者としての危険な任務帯びているあらゆる者にとって、一寸先に死が待ち構えているというのは偽りなき実情である。ときに新しいPCが、彼らの探索行において気高く殺されてしまった殉教者の遺志を継ぐこともあるかもしれない。幸運なことに、“恐怖の島”の数多くのオーマン人の村々、海賊の要塞、そして入植者の前哨基地などは、そこを取り巻く数多くの危険ゆえに、冒険のための英雄たちとやくざ者たちの両方を生み出す有望な候補地である。

入植者:

入植地の住民たちは、さまざまな目的のために“恐怖の島”へ引き寄せられて来た研究者、財宝漁り、密輸業者、宣教師、傭兵、そして奇人たちの寄せ集めである。ファーショアにおいてはどんなクラスの者でも見受けられ、新しいPCの素晴らしい供給源となりうる。

海賊:

“深紅の艦隊”で出世するのは容易なことではない。この艦隊のメンバーが義務を放棄し、脱走してファーショアに警告を発することもあるかも知れないし、それどころか防衛の手助けをすることすらあるかも知れない。おそらく、そのPCの動機はそれほど利他的なものではない。出世を諦めたり、虐待を受けたりした後、そのキャラクターは復讐に燃えていることだろう。

関連項目

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最終更新:2013年12月07日 21:44