MC01~その頃舞台裏では |
高坂海美 |
いえ~い! みんなありがとう! 今聞いてもらった曲は、私達の新曲「リフレインキス」! |
みんなのおかげで、レッスンの時よりも更にハイテンションで歌えたよ! |
うふふ、みんな気に入ってくれたみたいだね! 2会席のみんなも、ありがとう! |
ほらほら、しほりんももっと手とか振ろうよ~! |
北沢志保 |
分かってます。今手を振ろうとしてたところですから……。 |
みなさん、聞いてくれてありがとうございます! |
松田亜利沙 |
……海美ちゃんも志保ちゃんも元気ですね。 亜利沙はもう腕も足も上がりませ~ん。 |
高坂海美 |
うんうん、今日のありりんキレッキレだったよね。 |
松田亜利沙 |
えへへへ、ありさちょっと張り切りすぎちゃいました。 おかげでありさのHPはもう0です~。 |
北沢志保 |
たしかに、今日の亜利沙さんは良かったと思います。 でも、さすがに疲れすぎですよ? お客さん達はまだあんなに元気なのに。 |
松田亜利沙 |
わぁ、本当ですっ! ステージの上までみなさんの熱気が伝わってくるような、力強い歓声です! |
高坂海美 |
うんうん、ファンのみんなも体力すごいよね! 私達と同じくらいいっぱい手を降って応援してくれてるのにどうしてなんだろう! |
松田亜利沙 |
むふふ……海美ちゃん、それは当然のことですっ! |
北沢志保 |
亜利沙さん……急に元気になりましたね……。 |
松田亜利沙 |
ありさたちアイドルちゃんファンは、長丁場のライブでも最後まで応援を続けるために、 日頃から体力づくりを欠かさないんですっ! |
高坂海美 |
なるほど~、それなら納得だね! 鍛えてるのは、私達だけじゃないんだ! |
松田亜利沙 |
はいっ! イベントを控えたファンたるもの、最寄り駅の3つ手前で電車を降りて自宅まで走り、 見かけた階段は全てうさぎ跳びで上がり下りするくらい当然なのですよっ! |
こうしてありさたちアイドルちゃんファンの体力はライブの間中、見事に維持されるのですっ! うふふ! |
北沢志保 |
でも、だったらどうして亜利沙さんはこの中の誰よりも息切れしてるんですか? 亜利沙さんはアイドルですけど、アイドルファンでもあるんですよね? |
松田亜利沙 |
ぎくぅっ! そ、そそ、それはですね……、新曲のこととか色々不安になってきちゃって……。 昨日は思わず最寄り駅から7つも手前の駅で降りて、新曲を口ずさみながらうさぎ跳びで家まで……。 |
北沢志保 |
なんですか……それ……。 |
MC03~その頃舞台裏では |
高坂海美 |
うぅ~、どうしよう! 全員で歌えるのってもうすぐだよね。 楽しみすぎる、ジッとしていられない! ウズウズしちゃって落ち着かないよっ! |
えっと……外に出られる扉は……、確かこれだったかな! あれ? 何でドラムとギターが置いてあるの? こっちって外じゃないの? |
北沢志保 |
ここは機材部屋ですよ、海美さん。 |
高坂海美 |
うわぁっ、しほりん!? |
北沢志保 |
そんなに驚かなくても……、それより何してるんですか? |
高坂海美 |
えっと……、落ち着かないからちょっと探検しようかなって。 |
北沢志保 |
……はぁ、まったく。環じゃないんですから。 |
高坂海美 |
まぁまぁまぁ、たまにはこういうのもいいでしょ? しほりんもちょっと付き合ってよ! |
北沢志保 |
そ、そんな勝手に……っ! |
高坂海美 |
えへへへ、こっちの部屋には何があるのかな~? |
あれ、スタッフさん! ご、ごめんなさいっ! お疲れさまです~! |
北沢志保 |
お疲れさまです……。 ここは、スタッフさんたちの休憩する部屋だったみたいですね。 |
高坂海美 |
あれ~? 確かこの辺のはずなんだけどな~……。 |
北沢志保 |
……海美さん、目的地があるんですか? |
高坂海美 |
それは~、着いてからのお楽しみっと。 そうそう、ここだよきっと! |
うわぁ、涼しいっていうか寒い~! |
北沢志保 |
ここは……、そ、外に出るんですか!? こんなときに!? |
高坂海美 |
気持ちいいね、しほりん! |
北沢志保 |
……まぁ、そうですね。新鮮な空気は悪くないですけど。 |
高坂海美 |
もうすぐステージの上でみんなで歌うでしょ? なんかジッとしてられなかったんだよね、楽しみで! |
北沢志保 |
海美さんは……楽しみなことばかりですね。 |
高坂海美 |
え? しほりん楽しみじゃないの? |
北沢志保 |
楽しみというか、複雑です。緊張もありますし。 この公演が武道館に繋がると思ったら、失敗出来ないというか……。 |
高坂海美 |
え? あっ、そっか! 失敗しちゃうこともあるかもしれないんだ。 |
北沢志保 |
そうですね、でも、考えを改めることにします。 失敗は、しないんじゃないでしょうか。 |
高坂海美 |
だよね~、びっくりした~。 |
北沢志保 |
……海美さんは、すると思いますか? |
高坂海美 |
う~ん、するかもしれないけど、失敗したらその時はその時だよ! 全力出せば絶対にファンの皆に喜んで貰える、と思う! |
北沢志保 |
ふふっ、そうですね。……今は何だかそう信じられます。 |
豊川風花 |
あらっ? 海美ちゃんに志保ちゃん? |
高坂海美 |
あ、ふうちゃんだ! |
豊川風花 |
こんなところで何してたの? |
高坂海美 |
今ね、しほりんと一緒に新鮮な空気を吸いに来たんだ。 |
北沢志保 |
風花さんこそ、どうしてこんなところに? |
豊川風花 |
私は……その、ちょっと緊張しちゃって……。 風にあたったら少しは緊張がほぐれるかなって。 |
北沢志保 |
え? |
豊川風花 |
恥ずかしいから1人で来たんだけど、二人に見付かっちゃった。 隠し事って案外出来ないものなんだね。 |
北沢志保 |
……そう、ですね……。 |
高坂海美 |
……どうしたの、しほりん? |
北沢志保 |
……いえ、みんな同じなんだなって思って。 |
馬場このみ |
風花ちゃん? やっぱりここにいたのね? |
豊川風花 |
あ、このみさん! |
馬場このみ |
そろそろ時間よ、行きましょ? |
豊川風花 |
はい、分かりました。 じゃあ二人共、私行ってくるね。 |
高坂海美 |
ふうちゃん、頑張ってね! |
……しほりん、私達もそろそろ戻ろっか。 |
北沢志保 |
そうですね、風花さんのステージも気になりますし。 |
すぅ……、ふぅ。行きましょうか! |
MC04~その頃舞台裏では |
高坂海美 |
なになに、パーティって? うわぁっ、すごいごちそう~! ねね、しほりんも早く早く早く! |
北沢志保 |
もう、まだステージは残ってるんだから食べすぎないようにしてくださいね? |
春日未来 |
大丈夫だよ志保~。志保も一緒に食べよう? |
(中略) |
北沢志保 |
みんな、あんまり食べすぎないほうが……。 これって打ち上げ用じゃないの? |
春日未来 |
あっ、美味しすぎて食べるのに夢中になってた! みんな食べすぎてないよね? |
北沢志保 |
環……。もう、食べるのに夢中になってるから頭のリボンがズレちゃってるじゃない。 |
大神環 |
志保~、どこ? |
北沢志保 |
ほら、動かないで。直してあげる。……これでよし。 |
大神環 |
ありがと~! |
春日未来 |
ええ~、いいな~! 志保! 私も、私も~! |
北沢志保 |
未来はどこも曲がってないでしょ? |
大神環 |
未来、ベルトのボタン外れてるぞ~。 環が直してあげるね! |
春日未来 |
ありがとう環! |
大神環 |
うん! |
北沢志保 |
海美さんも口の端、ソース付いてますよ。 |
高坂海美 |
お? ホントだ、サンキューしほりん! しほりんにはソース付いてないよ。 |
北沢志保 |
当たり前ですよっ! というか、あんまりジロジロ見ないで下さい……。 |
終演後~その頃舞台裏では |
(前略) |
大神環 |
くふふっ、みんな笑ってる! みんなが笑ってるとたまきもなんだ楽しいぞ! |
あっ! ねぇねぇ、志保も映ろうよ! |
北沢志保 |
わ、私? 私はいいわ……。もう大勢映ってるし、それで充分でしょ? |
春日未来 |
えぇ~、志保も一緒に映ろうよ! 志保とも一緒に映りたいな~! |
北沢志保 |
ちょ、もうっ! 引っ張らないでって。 はぁ……分かったわ、映るけど、ちょっとだけだからね。 |
(中略) |
北沢志保 |
私は別に……どっちでも。 |
(中略) |
春日未来 |
あははは、なんだか大騒ぎになっちゃったね。 |
北沢志保 |
まぁ、映像をどうするかは後でプロデューサーさんが決めると思うし。 |
高坂海美 |
そうだね、撮っておけばいつでも使えるしね! |
(中略) |
高坂海美 |
みんなレッスン頑張るんだね……! 私達もやろうか、しほりん! |
北沢志保 |
そう……ですね。私が海美さんのレッスンに付いていければ、ですけど。 |
高坂海美 |
え、何で、どうして? |
北沢志保 |
どうしてって……。 |
(中略) |
北沢志保 |
まぁ、記念ですし、いいんじゃないですか? たまには。 |