【生年月日】
1925年5月11日
【出身地】
香港
【肩書】
コロンビア大学 教授
等
【学歴】
1947年 名古屋大学 理学部 卒業
1954年 名古屋大学にて博士号取得
【予想授賞理由】
天然物の単離・構造決定、そして円偏光二色性、核オーバーハウザー効果などを構造決定の技術として導入した業績に対して。
【受賞歴】
1990年 日本学士院賞
1994年 全米科学アカデミー化学賞
1996年 ウェルチ化学賞
1999年 文化功労者
2007年 文化勲章
等
【主要業績】
- Interleukin-18 regulates both Th1 and Th2 responses (Nakanishi, K., Yoshimoto, T., Tsutsui, H., and Okamura, H.). Annu Rev Immunol. 19: 423-474. (2001).
- Targeted disruption of the MyD88 gene results in loss of IL-1- and IL-18-mediated function (Adachi, O. and Nakanishi, K. et al.). Immunity 9 (1): 143-150. (1998).
- Activation of interferon-gamma inducing factor mediated by interleukin-1beta converting enzyme (Gu, Y. and Nakanishi, K. et al.). Science 275 (5297): 206-209. (1997).
- Essential role of Stat6 in IL-4 signalling (Takeda, K. and Nakanishi, K. et al.). Nature 380 (6575): 627-630. (1996).
- Risk factors for hepatocellular carcinoma among patients with chronic liver disease (Tsukuma, H. and Nakanishi, K. et al.). N. Engl. J. Med. 328 (25): 1797-1801. (1993).
【研究内容】
先生が発見された代表的な天然物のひとつが、イチョウ葉に含まれる成分、ギンコライドです。中西先生が構造決定をされました。さらには、そのギンコライドが生体内の各部位で非常によく吸収されることも実験で証明されました。大きな分子ですが、驚くべきことに、内蔵から抹消まで効率よく行き渡り、さらには脳の海馬まで届いて、ある特定の2つのたんぱく質と結合することもつきとめられました。これは、つい最近の研究成果で、世界で初めて、記憶に関与するたんぱく質を突き止められたかもしれないそうです。中国ではイチョウのエキスは記憶力促進や頭脳を賢くする薬として3000年前から飲まれているそうですが、実際に記憶に関係しているのであれば、アルツハイマーなどの記憶障害の治療にも役立つ可能性があります。赤潮の毒やヒラメが出すサメが嫌がる謎の物質の解明も中西先生の研究成果です。今や常識となった「ブルーベリーは目に良い」という事実も、中西先生の論文に基づいています。網膜の光受容器細胞に存在する色素、ロドプシンは、年齢を重ねると働きが鈍くなるのですが、それはロドプシンが酸化されるのが原因です。ブルーベリーには抗酸化作用の強い成分が含まれていて、特に身体に吸収されやすいこの物質は、効率よく眼球まで運ばれ、ロドプシンの酸化を防いでくれます。このロドプシンの酸化は、年をとる以外にも、強い光、例えば太陽などを直接見るだけでも起こります。だから、日食であっても、太陽を直接目で見てはいけないのです。
【関連書籍】
【その他】
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最終更新:2013年12月23日 20:41