今堀 博

【生年月日】

1961年8月4日

【肩書】

京都大学大学院 工学研究科 教授
京都大学 福井謙一記念研究センター 教授(兼任)

【学歴】

1985年 京都大学 理学部化学専攻 卒業
1990年 京都大学大学院 理学研究科 博士課程修了(理学博士号取得)。

【予想授賞理由】

人工光合成の研究に対して。

【著書】


【主要業績】


【研究内容】

人工光合成分野において、光合成のような多段階電子移動を実現できることは多数の研究者によって明らかにされてきました。しかしながら、光合成のように電荷分離状態をいかに効率よく生成し、一方で逆電子移動による失活を防ぐかという問題は未解決でした。我々はサッカボール状の有機分子であるフラーレンが3次元球状の構造を有するために従来の電子受容体と異なった特異な電子移動特性を示すのではないかという仮説をたて、その検証のために世界に先駆けてポルフィリン・フラーレン連結分子を合成しました

この人工光合成戦略は国内外で極めて高い評価を得ており(2004年光化学協会賞受賞、2006年日本学術振興会賞、日本化学会学術賞、2007年東京テクノ・フォーラム21ゴールドメダル賞、大阪科学賞、ナイスステップ研究者2007)、多くの研究者がフラーレンを用いた人工光合成系の研究に参入するきっかけとなりました。また、現在最もエネルギー変換効率の高い有機薄膜太陽電池(5-10%)でフラーレンあるいはフラーレン誘導体が必ず用いられているのもそのためです。その結果として、論文(Adv. Mater. 2001, 13, 1197-1199)は過去5年間で日本人研究者が報告した論文中、材料科学の分野で2番目によく引用されています(日本経済新聞2002年1月7日、論文の引用数調査)。また、物理化学の分野でも過去5年間の論文引用数が日本人として第7位となっています(日経産業新聞2003年2月25日、論文の引用数調査)。さらに、論文の共引用関係から最近急激に伸びている領域を特定するサイエンスマップ2006において、最高の日本人シェア8割という「有機物質による人工光合成の研究」を先導しています(文部科学省科学技術政策研究所)。
我々はこの人工光合成指針に乗っ取り、新しい人工光合成型分子の光物理および光化学過程について、最新の時間分解分光手法と電子移動理論を駆使してその詳細な機構を明らかにしてきました(J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 2571-2575, 2607-2617; J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 5165-5174)。人工光合成分子の電荷分離状態の寿命については天然の光合成反応中心の寿命に匹敵するような秒レベルの超長寿命を世界で初めて実現しています(J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 6617-6628)。また、天然の光合成反応中心の寿命、効率ともに匹敵する人工光合成分子も合成に成功しています。

【関連書籍】


【その他】


【本人HP】


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最終更新:2013年12月19日 00:21