春田 正毅

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**【生年月日】 **【出身地】 岐阜県 **【肩書】 首都大学東京 名誉教授 等 **【学歴】 1970年 名古屋工業大学 工業化学科 卒業 1975年 京都大学大学院 工学研究科 工業化学専攻 博士課程 修了。 **【予想授賞理由】 金の触媒作用の独自な基盤的発見に対して。 ※[[Graham J. Hutchings]]との共同受賞の可能性がある。 **【受賞歴】 1998年 科学技術庁長官賞(第24回研究功労者表彰) 2010年 日本化学会賞 2012年 トムソン・ロイター引用栄誉賞 等 **【著書】 -春田正毅 「&amazon(4320044126,text)」 共立出版、2013年。 -春田正毅 「&amazon(478130091X,text)」 シーエムシー出版、2009年。 -春田正毅 他 「&amazon(4320071719,text)」 共立出版、2007年。 -春田正毅 他編 「&amazon(4274034518,text)」 オーム社、1995年。 **【主要業績】 -[[Advances in the catalysis of Au nanoparticles (Haruta, M. and Daté, M.). Applied Catalysis A: General 222 (1-2): 427–437. (2001)>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0926860X0100847X]]. -[[Size- and support-dependency in the catalysis of gold (Haruta, M.). Catalysis Today 36 (1): 153–166. (1997)>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0920586196002088]]. -[[Low-Temperature Oxidation of CO over Gold Supported on TiO2, α-Fe2O3, and Co3O4 (Haruta, M. and Delmon, B. et al.). Journal of Catalysis 144 (1): 175–192. (2001)>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0021951783713229]]. -[[Gold catalysts prepared by coprecipitation for low-temperature oxidation of hydrogen and of carbon monoxide (Haruta, M. and Iijima, S. et al.). Journal of Catalysis 115 (2): 301–309. (1989)>http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0021951789900341]]. -[[Novel gold catalysts for the oxidation of carbon monoxide at a temperature far below 0.DEG.C. (Haruta, M. and Yamada, N.). Chemistry Letters 16 (2): 405-408. (1987)>http://www.readcube.com/articles/10.1246/cl.1987.405?locale=en]]. **【研究内容】 >金は常に人々を魅了してきた一方、化学の世界では不活性な物質で機能に乏しいと考えられてきた。この常識を覆したのが日本人化学者の春田正毅氏だ。 >春田氏は、金を直径5nm以下の微粒子にすることで従来とはまるで違った振る舞いをする“金ナノ粒子の触媒作用”を発見。以来、約30年間にわたり金触媒の研究に取り組み、近年は、さらに微小なクラスターで新たな機能を持つ触媒作りを模索するなど、物質科学の最前線を開拓してきた。春田氏は、世界的な学術文献データベースWeb of Science®でも被引用数が化学分野全体の上位0.05%というずば抜けた業績を誇り、2012年には「トムソン・ロイター引用栄誉賞」に選出されている。 >金は、近年商業用途が増えてきて研究コミュニティでも注目が集まっています。金の触媒がディーゼルエンジン排ガスの浄化や地下水の浄化、さらには化学プラントにも使われるようになり、スペインでは香料の原料を合成するプラント試験が始まったと聞いています。 >私が金に取り組むきっかけは、留学先のベルギー・ルーヴァンカトリック大学で開催された国際触媒調製会議で「なぜ、金を研究しないのか?」と質問されたことでした。当時私は、卑金属酸化物を用いて常温で水素を酸化できる触媒を探していました。酸化鉄のように金属と酸素との結合が強過ぎる金属酸化物は触媒活性が低くなる一方、金属と酸素との結合が弱い銀や金の酸化物でも触媒活性が下がってしまう。つまり、結合が強過ぎず弱過ぎず、中間がベストという実験データを、銀の複合酸化物で得て報告したんです。すると、その原理が正しいならば、金でも新しい触媒ができるはずだという議論になりました。そこで、帰国後すぐに研究に取り組みました。私は大阪工業技術試験所(現産業技術総合研究所関西センター)で水素を燃料とする触媒燃焼式ストーブや調理器具の開発を任されましたが、職務ではない一酸化炭素(CO)の酸化反応も常に測っていました。そこで、金を試したとき、水素では大した活性は出なかったのに、CO酸化では-70℃のような低温でも100%反応が進行するという驚くべき触媒活性が得られました。国際会議から2カ月後のことです。成果をいち早く報告したかったのですが、当時の常識として、金が触媒として白金より遥かに優れていると発表すると袋だたきに合うのは目に見えていた。そこで、1年半以上掛けて再現実験を繰り返しました。 >ええ、この触媒特性が完璧に再現できるところまで証明しない限り、発表は考えられませんでした。それに、金は触媒としての働きがないということが定着していたので、ほかの研究者が手をつけることはないだろうという思いもありました。実験に使用する金は作り方が特殊なため、簡単には再現できないだろうと安心していたこともあります。1年半の再現実験を経て確信を得た後、1984年に特許を出願し、同年の触媒学会で満を持して研究成果を発表しました。その時の会場はまるで水を打ったようにシーンとしていましたが、報告した実験データを信ずるという立場で質問があったので(その内容は覚えておりません)、救われました。 [[トムソン・ロイター社によるインタビュー記事>http://ip-science.thomsonreuters.jp/interview/haruta/]] >今日に至るまで『金』は高価な貴金属として、また腐食に強いことから宝飾品に重用されてきた。それは金が化学的に不活性な物質であることの証であり、化学の世界では機能に乏しい物質であった。この化学の常識を覆したのが春田教授である。「金を直径5nm以下の微粒子にすると、従来とはまるで違った振る舞いをすることを発見しました。5nm以下の金ナノ粒子を酸化第二鉄や二酸化チタンの表面上に担持させると、優れた触媒特性が発現します。その性能は、低温では白金やパラジウムを大きく凌ぎ、人体に有害な一酸化炭素を無害化するには、白金触媒の場合、100℃以上の温度が必要ですが、金ナノ粒子触媒はマイナス70℃でも働きます」。金ナノ粒子触媒は湿分によって活性が向上するので、常温での空気浄化が可能である。金ナノ粒子の触媒作用を発見したのが、1982年。84年には特許出願し、92年にはトイレの臭い除去での実用化が始まった。この金ナノ粒子触媒はシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒド、ゴミ焼却炉から発生するダイオキシン、あるいはトリメチルアミンなどの悪臭成分の酸化分解除去にも有効である。 >金ナノ粒子触媒は、化学工業分野の生産プロセスに革新的な変化をもたらすだろう。例えば、ベッドのマットレスや自動車の内装材・バンパー等に用いるポリウレタン樹脂の原料(プロピレンオキサイド)の生産は反応工程が2段階で、生産量の倍以上の塩素化合物なども副生する。金ナノ粒子触媒を使うと工程は1回で済み、副産物も水だけとなる。春田研では、金属酸化物ばかりでなく、高分子ビーズや炭素材料に金ナノ粒子を分散・固定化する方法を開発し、06年には特許出願。金ナノ粒子の応用範囲はさらに広がる。 [[首都大学東京HPより>http://www.tokyo-sangaku.jp/labo/%E6%98%A5%E7%94%B0-%E6%AD%A3%E6%AF%85-2/]] **【その他】 -[[トムソン・ロイター社によるインタビュー記事>http://ip-science.thomsonreuters.jp/interview/haruta/]] -[[ハルタゴールド株式会社>http://www.haruta-gold.com/]]を立ち上げた。 -[[文科省 科研費の取得状況>http://kaken.nii.ac.jp/d/r/10357824.ja.html]] **【本人HP】 [[研究室サイト>http://www.haruta-masatake.ues.tmu.ac.jp/]] **【タグ】 [[日本]]、[[化学]]

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