中学二年――4月EX

【中学二年 ―― 4月EX】

京太郎「(アレから…色々考えた)」

京太郎「(宥さんに言われたように出来るだけドラマチックで大人数に知られる告白って奴を)」

京太郎「(正直、考えてる途中で色々とギブアップしそうになったけど…)」

京太郎「(でも…これだって言う話は…一応考えられた)」

京太郎「(正直…今も心臓バックバクで恥ずかしいけど…)」

京太郎「(でも…ここで引いてちゃ…憧の奴を助けてやれない)」

京太郎「(宥さんにあんなに啖呵切ったのに…それはないよな)」

京太郎「(ここに来るまでに色んな人の力も借りてるんだ…覚悟を決めろよ…須賀京太郎…!)」


+2
00~50 自分たちの教室へと向かった
51~99 放送室へと向かった



































放送室へと向かった

京太郎「(うちの中学にも昼の放送って奴はある)」

京太郎「(それは基本放送部の奴が適当に音楽流してるだけで殆ど誰も聞いちゃいない)」

京太郎「(大会なんかの活動も殆どしてなくて、幽霊部員たちの温床になってるくらいだ)」

京太郎「(でも、そんな放送部を変えたいって思ってる奴はいる)」

京太郎「(俺はまずそいつにコンタクトを取ってみた)」

京太郎「(そして俺のやりたい事を伝え、相手のメリットを必死に説明した)」

京太郎「(その甲斐あってか…そいつは頷き、俺の狂言に手を貸してくれる事を約束してくれたんだ)」

京太郎「(そして今…俺は放送室にいる)」

京太郎「(憧に想いを伝える為に…俺はここにいるんだ)」

「じゃあお昼の放送はここまでですが、今日はこれでは終わりません」

「なんと今日はここに一人ゲストがいます」





憧「…ゲスト?」

初瀬「へぇ…ゲストだって…誰だろうね」

憧「…別に…誰でも同じでしょ」

憧「(…なんか急に…京太郎は飛び出しちゃったし…)」

憧「(お陰でお昼ごはん一緒に食べられなくて…ちょっと寂しい)」

憧「(何時もは初瀬と京太郎と三人一緒だからかな…)」

憧「(…なんか何時もよりも…周りの視線が気になっちゃう…)」

憧「(…はぁ…皆、あの噂で…私の事…援交やってるような奴だって思ってるんだろうな…)」

憧「(…もう…京太郎…何処に行っちゃったのよ…)」

憧「(寂しいよ…側にいてよ…)」





京太郎「えっと、どうもお昼の時間にこんにちは。須賀京太郎です」

憧「ふぇっ!?」

京太郎「今日はある一人の女子生徒に告白したいが為にこの放送終了間際のお時間を頂きました」

憧「え?こ、告白!?ど、どういう事!?」ユサユサ

初瀬「お、落ち着いて憧!わ、私も分かんないから!私も初めて聞いたから!!」ガクガク

憧「だ、だって…き、京太郎が告白って…誰に…!?ねぇ誰に!?」ユサユサ

初瀬「わ、分かんないってばああ!そ、それより…は、離して…!」ガクガク

憧「う…うぅぅ…き、京太郎…」






京太郎「…そいつは俺の子どもの頃からずっと一緒で…」

京太郎「一緒に山駆けまわったりして遊んで…」

京太郎「でも、運動だけじゃなくて勉強も出来て…」

京太郎「馬鹿の俺にもちゃんと親切に勉強教えてくれるくらいすげー優しくて」

京太郎「その上…誰よりも努力家で…音痴の俺がいるのに合唱コンクールで優秀賞取って…」

京太郎「皆を纏めるのが抜群に上手くて…何時だって輪の中心で」

京太郎「そんな…そんな凄い奴です」

京太郎「中学に入ってからも俺の事見捨てないでずっと見ててくれて」

京太郎「部活もすげぇ頑張って…小学校の頃から比べ物にならないくらい綺麗になって…」

京太郎「それでも面倒見の良さは優しいところは変わらない…奴です」

京太郎「俺は…そんな彼女が好きです」

京太郎「誰よりも身近に居て…変わっていくところ見て…」

京太郎「今までずっと…ずっと分かっていなかったけれど…」

京太郎「でも…俺…ようやくわかりました」

京太郎「二年C組の…新子憧さん。ずっと…ずっと好きでした」

京太郎「どうか…俺と付き合って下さい!!」






憧「……」

初瀬「…あ、憧?」

憧「……」

初瀬「あ、憧ー?」

憧「……」プルプル

初瀬「えっ!?ちょ…だ、大丈夫!?」アセアセ

憧「…初瀬ェェ…」

初瀬「う、うん。私だったらここにいるから…いるからね…」

憧「あたし…これ…これぇ」ポロポロ

初瀬「あぁ…うんうん…分かったから。分かったから…ね」フキフキ

憧「嬉しい…嬉しいよぉぉ…」ポロポロ

初瀬「あーもう子どもみたいに泣いちゃって…嬉しいのは分かるけどさ…」フキフキ

初瀬「とにかく涙止めないと…須賀君に会えないでしょ」

憧「それはやだぁぁ…」

初瀬「分かってる…分かってるから…あぁ…もう…」

初瀬「ホント、須賀君が関わると子どもみたいになっちゃうんだから…まったく…」フキフキ










「いやぁ感動的な告白でしたね」

「今回は初の試みでしたが放送部としてはこのようなチャレンジャーをお待ちしております」

「告白だけではなく普段中々言いづらい事でも何でもオッケー」

「もしあれば放送部活動時間に放送室をお尋ね下さい」

「では、今日はこの辺りで」

京太郎「…はぁ…緊張した」

「お疲れ。でもいい感じだったんじゃないか」

京太郎「それなら良いんですけどね…何はともあれ、ありがとうございました」

「あぁ。こちらこそありがとう。今までのルーチンワークから解放されて中々良い気分だよ」

「じゃあ、また利用する機会があれば…」

京太郎「はは。えぇ。その時はまたよろしくお願いします」





京太郎「(…で廊下に出た瞬間、この視線の雨ですよ)」

京太郎「(珍しいものを見るような目が殆ど…でたまに敵意の視線がある感じかな)」

京太郎「(ま…それがどういった類の敵意かは分からないけれど…)」

京太郎「(もし、そいつらが憧を追い詰めてた連中なら…ざまぁみろだ)」

京太郎「(今のところ俺の告白に対するものは奇異の感情が殆どだけれど…)」

京太郎「(好意的なものも数多い)」

京太郎「(少なくとも敵意のそれとは比べ物にならないくらい大きいそれはきっと何れ憧の噂をかき消してくれる事だろう)」

京太郎「(まだ結果はわからないし安心は出来ないけれど…俺は恐らく勝負に…)」

憧「京太郎…っ!」

京太郎「うわっ…」






憧「京太郎京太郎京太郎…っ!!」ギュウゥ

京太郎「はは…そんな風に抱きしめるなよ」

京太郎「(…まさか憧がこんな風に抱きついてくるなんてな)」

京太郎「(恐らく俺の告白でもう周囲の態度が変わったんだろう)」

京太郎「(まさかこんなに早く反応が出るとは思わなかったけれど…)」

京太郎「(でも、こんなに喜んでもらえたなら…頑張った甲斐はあったかな)」

京太郎「(ま…でもついでだ)」

京太郎「(人の目もある事だし…この辺りでダメ押しと行こうか)」

京太郎「で…憧。俺の名前を呼ぶのは良いけどさ」

京太郎「ちゃんと…返事聞かせてくれないか?」

憧「あ…ぅ…」






憧「あ…あたしも…好き…よ」

憧「何時から好きだったかなんて…覚えてない」

憧「ずっと一緒に居て…あんたと一緒に居て…」

憧「楽しくて…護ってもらえて…あたしが引っ張って…」

憧「そうしている内に…あんた以外…考えられなくなったの」

憧「…好き…どうしようもないくらい…好き」

憧「京太郎…っ♥好き…大好きだよ…っ♥」ギュウゥゥ

京太郎「お、おう…」ドキッ

京太郎「(な…なんだよ、憧の奴…まるでマジみたいな返事して…)」

京太郎「(なんかすげぇ…ドキッとしただろう)」

京太郎「(ま…お陰で周りは祝福ムードに様変わりしたけどさ)」

京太郎「(にしても…流石憧だな)」

京太郎「(メール送ってからまだ一分も経ってないのにこんなマジっぽい告白の返事考えるなんて)」

京太郎「(俺なんてさっきの告白考えるのに三日三晩悩んだんだけど…)」






京太郎「(ま…何はともあれ…これで悪い噂がはびこる事はないだろ)」

京太郎「(とりあえずではあるものの…俺の勝ちは確定…)」

「よう、須賀。ちょっと悪いんだけどさ」

京太郎「あ、あれ、先生どうしたんですか?」

「さぁっきの放送でちょっと色々とな。お前にお話したい事があって」ニコー

「感動的なシーンのところ悪いんだけど生徒指導室に来てくれるか?」ニコニコ

京太郎「お、おう…でも…ほら、俺今、両手が塞がってまして」

「おう、恋人抱きしめるので手一杯って事か。羨ましいな」

「でも、安心しろよ。別に時間は取らせないから」

「精々、反省文を10枚くらい書いてもらうだけだからさ」

京太郎「oh…」












【System】
新子憧の愛情度がLV7になりました
新子憧の悪い噂は消え去ったようです

須賀京太郎の男気は3あがりました
須賀京太郎は後にメールに気づいた新子憧に泣きながら数時間説教されたようです
最終更新:2013年10月14日 12:15