中学二年――4月イベント

【中学二年 ―― 4月イベント】

京太郎「(最近は部活の雰囲気も良いな)」

京太郎「(一ヶ月経ったけど…新一年生も何とか馴染んでくれてる)」

京太郎「(それは多分モブA先輩たちがそれなりに横暴だった所為ってのもあるんだろうな)」

京太郎「(横暴だったからこそ下に優しくしないとって意識が二年全員に働いてる)」

京太郎「(雨降って地固まる…なんて言えるほどじゃないけど…そう悪いものだけでもなかったな)」

京太郎「(先輩も今は反省してくれてるし…男子麻雀部の方はもう立ち直ったと言っても良いだろう)」

京太郎(ただ…女子の方はな…)」

京太郎「(ほとんどの人が憧がどれだけ真面目に麻雀に打ち込んでるかって知ってるけれど…)」

京太郎「(一部の先輩…特に憧にレギュラーを取られると思ってる人たちは噂話をやめようとしない)」

京太郎「(それを監督に咎められても…監督のいないところでヒソヒソと聞こえるように)」

京太郎「(正直…腹が立つけど…でも、手を出したら…負けなんだよな)」

京太郎「(俺が側にいて…噂がなくなるまで支えてやるしか無い。分かってる…分かってるんだけど)」

京太郎「(本当に俺は…それだけしか出来ないのか?)」

京太郎「(そんな言葉がさっきから頭の中に浮かんで…止まらない)」









【公園】

京太郎「…はぁ」

京太郎「(それから逃げるように走っても…結局、もやもやはもやもやしたままだった)」

京太郎「(何か…こうヒントのようなものがあればこのもやもやもどうにかなりそうなんだけど…)」

京太郎「(結局、この一ヶ月それを見つける事は出来なかった)」

京太郎「(はぁ…せめて…もう少し色んな人に意見を聞いてみるべきだったかな…)」

宥「…あれ?須賀君?」

京太郎「え…あ…宥さん?」

宥「どうしたの?こんなところでベンチになんか座って…」フルフル

京太郎「いや…ちょっと色々あってな」

宥「色々…?」プルプル

京太郎「あー…宥さん、今暇か?」

宥「うん。お散歩の最中だから大丈夫だけど…」ブルル

京太郎「じゃあ、暖かい飲み物奢るんでちょっと聞いてもらって良いか?」

宥「え?良いの?」プルプル

京太郎「あぁ、勿論」

京太郎「(…つか、そんな風に震えてる宥さん放っておけねぇし)」








宥「はぁ…コーンポタージュあったかぁい…♪」

京太郎「少しは落ち着いたか?」

宥「…うん。ありがとうね」

京太郎「いや、まぁ先払いのお礼みたいなもんだしさ」

宥「でも、気を遣ってくれたんだよね?」クスッ

京太郎「あー…バレてた」

宥「うん。だって須賀君とっても暖かくて優しい子だもん」

京太郎「暖かいのかなぁ…正直、あんまり自分じゃ分かんないんだけど」

宥「うん。須賀君はね、玄ちゃんのジワ~って来る暖かさとは違って違ってメラメラ~って来る暖かさなの」ニコー

京太郎「やばい。違いがまったく分からねぇ…」

京太郎「ま、でも、宥さんなりに褒めてくれてるのは分かるよ。…ありがとうな」

宥「…ふふ♪どういたしまして」










宥「それで…どうしたの?」

京太郎「あー…ちょっとさ。知り合いに…嫌な噂が付き纏ってて…さ」

京太郎「完全に根も葉もない噂なんだけど…本人はすげー傷ついてて…」

京太郎「そいつを支えてやる為に…出来るだけ一緒に行動するようにはしてるんだけど…」

京太郎「でも…俺それだけで良いのかなって…」

宥「…どういう事?」

京太郎「俺…そいつに護ってやるって言ったんだ」

京太郎「何度でも…助けてやるって…そう言ったんだ」

京太郎「でも、俺…あいつが傷ついてるのに何もしてやれなくて…」グッ

京太郎「あいつを傷つけようとしてる奴らがいるの分かっているのに…怒る事も出来なくて…」

宥「…」











宥「とりあえず…一つだけ言わせて」

京太郎「え?」

宥「多分、その子は須賀君が何もしてくれないなんて思ってないと思うよ」

京太郎「でも…」

宥「…私もね。似たような立場だったから…分かるよ」

宥「人の噂って…とっても辛いの」

宥「変な風に勝手に決めつけられて…反論する事も許されなくって…」

宥「とっても辛くて…苦しくて…泣きたくて…」

京太郎「宥さん…」

宥「…でもね、私がそれを耐えられたのは…玄ちゃんのお陰」

宥「玄ちゃんが側に居て…私の事支えてくれなかったら…」

宥「私はきっと今頃…もっと傷ついてたと思う」






宥「それはね。きっと…その子も同じだと思う」

宥「自分は一人じゃないんだって、支えてくれる人がいるんだって…」

宥「そう思えるのって…すっごく有難いから」

宥「だから…そんな風に落ち込まないで」

宥「須賀君はその子の事ちゃんと護ってあげられてるよ」

宥「きっとその子も感謝してる」

京太郎「…はい」

宥「…納得…出来ない?」

京太郎「いえ…大分…気持ちは楽になったよ」

京太郎「でも…だからって言って…あいつの辛さがマシになったわけじゃないって…」

京太郎「そう思って…気分が上向かなくて…ごめん…折角…相談に乗ってもらったのに…」








宥「…そっか。じゃあ…もう一つ…聞かせてくれる?」

京太郎「え?」

宥「…須賀君はその子の為に何もかも犠牲に出来る自信がある?」

宥「下手をしたら自分も悪意のある噂にさらされてしまっても耐えられる自信はある?」

宥「今まで仲間や友達だと思ってきた人たちから…白い目で見られても良いっていう…覚悟はある?」

京太郎「俺は…」


>>+2
00~50 自信はない。でも…
51~99 当然だ




































>>当然だ

京太郎「当然だ」

京太郎「俺の事なんて…どうなっても良い」

京太郎「あいつがコレ以上、傷つかなくて済むのなら」

京太郎「俺に出来る事が少しでもあるのなら…」

京太郎「俺の事なんて…どうでも良い」

京太郎「だから…頼む」

京太郎「俺に…憧を助ける方法を教えてくれないか?」

京太郎「例えどんな事でも…俺はやってみせるから…だから…っ」ペコッ

宥「…そっか」

宥「…そんなにその子…ううん、憧ちゃんの事大事なんだね」クスッ

宥「あったかいの一杯伝わってきたよ、だから…教えてあげる」






宥「あのね…人の噂なんて所詮大したものじゃないの」

宥「特に根も葉もないような噂ならば・・・すぐに消えちゃう」

宥「でも、それまで須賀君は待っていられないんだよね?」

京太郎「…あぁ」

宥「だったら方法は一つ。それ以上にインパクトのある話でその噂を吹き飛ばすの」

京太郎「インパクトのある話?それはつまりこっちも噂を流すって事か?」

宥「ううん。噂じゃダメ。悪意を持ってその噂を流してる人がいるならきっとかき消されちゃう」

宥「事実じゃないんだったら…ヘタしたらそれを利用されちゃうかもしれないから」

宥「必要なのはそんなの出来ないくらいインパクトの大きい『事実』」

宥「誰もがくいついて…興味津々になれるような『噂』」

宥「例えば…そう。人前で大声で告白するとか…ね」ニコッ

京太郎「…はい?」






宥「噂の主な流通ルートって女の子だから、誰かの色恋沙汰には敏感だよ」

宥「特に今流れてる噂の人物が関係してあるものなら一瞬で流れていく」

宥「それがインパクトが大きくてドラマチックであればあるだけ…悪い噂を駆逐していくよ」

京太郎「う…でも…」

宥「…出来ない?あんな風に言ったのに?」

京太郎「で、出来るよ!出来る…けど…」

京太郎「ほ、本当に告白するしか無いのか」








宥「うーん…他にやり方はあるかもしれないけど…でも…」

宥「一番手っ取り早いのはやっぱり告白だと思うよ」

宥「それも出来れば全校生徒に知れ渡るようなやり方で」

京太郎「う…うぅぅ…」モジモジ

宥「…やっぱり恥ずかしい?」

京太郎「あ、当たり前だろ!お、俺…そんなのしたことねぇし…」

京太郎「そもそもあいつは幼馴染で…そういう対象に見た事なんてないし…」

宥「じゃあ…出来ない?」

京太郎「…いや…」

京太郎「…する。するよ」

京太郎「それがあいつを助けられる方法だったら…なんだってする」

京太郎「そういったのは…決して嘘じゃないから」

宥「そっか」ニコッ





宥「…うん。やっぱり須賀君は暖かくて良い子だね」ナデナデ

京太郎「う…だから撫でるなって…」

宥「まぁ…大丈夫だよ、憧ちゃんはきっと須賀君の告白に悪い気になったりしないから」

京太郎「そう…かな」

宥「うん」ニコー

京太郎「…あれ?てか、なんで宥さん俺の言ってる相手が憧だって…」

宥「ふふ…自分で言ってたんだよ」

京太郎「え?そうだっけ…?」

宥「うん。そんなの気にならないくらい必死だったんだね」クスッ

京太郎「う…まぁ…色々…抱え込んでたしな…」スクッ

京太郎「でも…お陰で道が見えたよ。宥さん、本当にありがとう」ペコッ

宥「どういたしまして」ニコー






宥「それじゃ…私そろそろお散歩に戻るね」

京太郎「あぁ。ついていった方が良いか?」

宥「大丈夫。さっきの須賀君のお話でとっても暖かくなったから」

宥「それに今日は暖かかったし、ここからお家までもすぐだから」

京太郎「…そっか。じゃあ…気をつけてな」

宥「うん。須賀君も…ね」

宥「…あ、そうだ。一つ…聞いても良い?」

京太郎「ん?」

宥「もし、私も噂で困ってたら…須賀君は助けてくれる?」

京太郎「…当たり前だろ。憧も宥さんも…俺の大事な友だちだ」

京太郎「絶対に見捨てたりするかよ」

京太郎「嫌だって言っても…絶対に助けてやる」グッ

宥「そっか…うん。ありがとう、須賀君」ニコッ














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須賀京太郎の男気が3あがりました
最終更新:2013年10月14日 12:11