中学一年――3月卒業式

【中学一年 ―― 3月第二週(イベント)】

京太郎「(今日は三年生の卒業式…か)」

京太郎「(生徒会でも何でもない俺は卒業式に行く事は出来ないけど…)」

京太郎「(あの体育館の中じゃ先輩たちが泣いているのかもな)」

京太郎「(部長たちは結構涙もろい方だし…やえ先輩もそういうの我慢出来なさそうだ)」

京太郎「(でも…今日でお世話になった先輩たちとも…そう簡単に会えなくなるんだな…)」

京太郎「(そう思うとすげー胸が苦しくて…押しつぶされそうになる)」

京太郎「(寂しいって気持ちはこんなにも大きくなるんだな…)」

京太郎「(でも…出来ればそんなの…知りたくなかった)」

京太郎「(別れなんて仕方ないと分かっていても…俺は…)」

モブ1「よ。須賀。何を黄昏れてるんだ」

京太郎「先輩…」

モブ2「折角の門出なんだ。もう少し良い顔してくれよ」

モブ3「そんなんじゃ俺たちの後を任せる事なんか出来ないぜ」









京太郎「…すみません、俺…」

モブ1「…なーんつってな」

京太郎「え?」

モブ2「…俺達も同じ気持ちだよ。お前たちと別れるのは寂しい」

モブ3「…特にお前とはな」

部長「組んだのはほんの数ヶ月だったけれど…最高のチームだったと…そう思うから」

京太郎「先輩…っ」グッ

モブ1「…出来ればずっと組んでいたい。そう思ったくらいだよ」

モブ3「…だけど、そういう訳にはいかないんだ」

モブ2「どんな可愛い子でも…別れってのはどうしても経験しなきゃいけないものなんだよ」

部長「君も小学校でそれを経験したんだろう?」

京太郎「はい…」

モブ2「なら…そんな風に今にも泣きそうな顔すんな」

モブ1「別に今生の別れじゃないんだ。会おうと思えば何時でも逢える」

モブ3「男が何時までも泣きべそかいてちゃしまらねぇぞ、それに…お前にはやってもらわなきゃいけない仕事があるからな」

京太郎「…仕事?」






部長「小走君が突然体育館裏の方向に走りだしてしまってね」

京太郎「え?」

モブ1「ま…十中八九泣いてるだろうから…俺達は追いかけなかったんだけどさ」

モブ2「そんなに親しいって訳でもなかったしな」

モブ3「でも、お前は違うだろう?」

京太郎「それは…」

部長「たまにとは言え、やえ先輩と下の名前で呼んでいたのは君だけだったからね」

モブ1「お前たちがどんな仲かなんて詮索するつもりはないけどさ」

モブ2「だけど…お前は泣いてる女の子を放っておけるタイプじゃないだろ?」

モブ3「そしてそれが出来る資格があるのはきっとお前だけだ」

部長「だから、僕たちの事は良いし…彼女のところに行ってきてあげてくれ」

部長「そして出来ればここに笑顔で連れてきてあげて欲しいな」

京太郎「…はい。分かりました!」







【体育館裏】

京太郎「(さて…やえ先輩は…と…)」

京太郎「(あ…いた。木に顔を預けるようにして…顔を隠してる」

京太郎「(でも…時々、震えているのはやっぱ泣いてる所為なんだろうな…)」

京太郎「(先輩たちが言うように、俺にそれを止める資格があるかどうか分からないけれど…)」

京太郎「(でも…やっぱこんなやえ先輩、放っておけない)」

やえ「…っ…」

京太郎「…やえ先輩」

やえ「…あ…ぅ…」

やえ「だ…ダメだ…今…こっちに来るな…」

京太郎「…どうしてですか?」

やえ「そ、それは…」

京太郎「俺が頼りないから…ですか?」








やえ「そんな事は…ない…」

京太郎「じゃあ…側に行っても良いですか?」

やえ「だ、ダメだ…!」

やえ「こんな…こんな格好わるいところ…お、お前には見せられない…」

やえ「お前にだけは…見せたくないんだ…」

京太郎「…そんなの…今更でしょうに」スッ

やえ「あ…」

京太郎「…はい。顔あげて下さい。ハンカチで拭きますから」

やえ「い…嫌だ…」プィッ

京太郎「なら無理矢理顔をあげさせますよ」

やえ「ぅ…」

京太郎「後輩にそんな事させる方がよっぽど格好悪いと思いますけど」

やえ「そ…それなら…じ、自分で拭くから…」

京太郎「…本当に出来ます?」

やえ「ば、馬鹿にするなよ!」

京太郎「馬鹿になんてしてませんよ。ただ…今のやえ先輩とても辛そうですから」

やえ「……」

京太郎「俺で良ければ甘えて良いんですよ」

やえ「それは…」

京太郎「俺はもうやえ先輩に格好悪いところ山ほど見せていますし…」

京太郎「少しくらい甘えてくれた方が嬉しいです」











やえ「お前はもう…本当に…」グスッ

やえ「…私は先輩にそんな事を言うような後輩に育てたつもりはないぞ」

京太郎「…ダメでした?」

やえ「…ダメじゃない…よ」

やえ「…本当は…嬉しかった」

やえ「でも…やっぱり泣き顔は見られたくないし…少しだけ後ろ向いてて…」

京太郎「…はい。分かりました」スッ

やえ「…後ろ向いた?」

京太郎「はい」

やえ「じゃ…はぁ…」フキフキ









京太郎「…」

やえ「…あの…そのままで良いから…聞いてくれる?」

京太郎「俺で良ければ」

やえ「…さっきは格好悪いところ…見せてごめんね」

京太郎「そんな事ないですよ」

やえ「でも…こんな卒業式で泣いちゃうなんて…イメージじゃないでしょ」

やえ「…途中までは我慢出来てたんだけど…体育館から出た途端急にウルって来ちゃって…」

やえ「…気づいたらこんなところで泣いちゃってた」

京太郎「別に泣くくらいじゃやえ先輩のイメージが崩れたりしませんよ」

京太郎「そもそも俺はもうやえ先輩が本当は強がってるだけの普通の女の子だって知ってる訳ですし」

京太郎「そこに涙もろいのが追加されたくらいで幻滅したりしませんって」

やえ「…本当?」

京太郎「本当ですよ。つか…俺もさっきまで泣きそうになってましたし」

やえ「え?」

京太郎「…先輩たちと別れるのが寂しくて子どもみたいに泣きそうになってたんです」カァァ






やえ「ふふ…そっか…そうなんだ」

京太郎「…う」

やえ「そんなに寂しがっててくれたんだ」

京太郎「そりゃ…お世話になった数なんてそれこそ数えきれないくらいですし」

やえ「…それは私も同じだよ」

京太郎「え?」

やえ「…須賀君には一杯一杯…大切なものを貰ったから…」トン

京太郎「あの…先輩?」

やえ「…私…卒業したくないな…」

やえ「もっと皆と…須賀くんと一緒にいたい」

やえ「ここでもっと…君と麻雀をしていたい」

やえ「そうしたら…この気持ちにも…名前がつけられるかもしれないのに…」

京太郎「…」


>>+2
00~50 俺も先輩と同じ気持ちです
51~99 それなら…約束しましょう
※男気6ついでに土壇場補正で+11だオラァ



































>>それなら…約束しましょう

京太郎「それなら…約束しましょう」

やえ「約束?」

京太郎「えぇ。これからも一緒にいられるように…また一緒に遊べるように」

京太郎「一杯デートの約束しましょう」

やえ「で、デートって…」カァァ

京太郎「はは。まぁ、それは冗談ですけど」

京太郎「でも、俺もやえ先輩とこれで終わりなんて嫌です」

京太郎「だから…また一緒に遊びましょう」

京太郎「今度はウォーキングだけじゃなくてボウリングとかカラオケとか…」

京太郎「ショッピングだけじゃなくて山でバーベキューとかも良いですね」

やえ「ふふ…なんだか口説かれてるみたい」

京太郎「半分はそうですよ。俺はもっとやえ先輩と仲良くなりたいですし」

やえ「じゃあ…もう半分は?」

京太郎「これからも俺の面倒見て欲しいって下心が多々」

やえ「…ふふ…本当にしょうがない後輩だなお前は」ギュッ

京太郎「あ…あの…」

やえ「…ごめん…もう少し…このままでいさせて」

やえ「私…今、顔にやけちゃって凄い事になってるから」

やえ「…嬉しくて…多分…アレだから…」

京太郎「…分かりました」







やえ「…ねぇ、須賀君」

京太郎「はい?」

やえ「私ね…自分でも思ったより…重い女みたい」

京太郎「そんな事ないと思いますけど…」

やえ「…ううん。凄い重いの。だって…私もう…君の事独り占めしたいと思い始めてる」

京太郎「…先輩?」

やえ「…だから…重かったら…言ってね」

やえ「じゃないと私…わからないから」

やえ「私、こんな気持ちになるの初めてで…」

やえ「須賀君…だけだから…」

京太郎「…よく分かりませんけど…俺がやえ先輩の事嫌うなんて事はないですよ」

京太郎「やえ先輩がそれを望むなら俺は出来るだけそれを受け止めます」

やえ「この女殺しめ」プニプニ

京太郎「ふぇ?」

やえ「はぁ…もうまったく…」

やえ「…そこまで言ったんだから…ちゃんと責任とってもらうからね」

京太郎「勿論、やえ先輩の誘いとあれば何時でもデートに」

やえ「そういう意味じゃないの、ばーか」プニプニ

京太郎「ぉぅ…」











【System】
小走やえの思い出が8になりました
小走やえの好感度が10あがりました
現在の小走やえの好感度は50です

須賀京太郎の男気が3あがりました
最終更新:2013年10月14日 11:51