小学4年生――4月

【小学4年生――4月】

穏乃「あー…もう四月かー」

憧「いやー早いもんだねぇ」

穏乃「もうちょっと遊びたかったなぁ…」

京太郎「あー、高鴨の家結構、忙しかったもんな」

穏乃「そうそう…この時期はどうしてもねぇ…」ハフン

憧「まぁ、例年通りだし仕方ないでしょ。諦めなさい」

穏乃「うー…それはさー…まぁ…そうなんだけど」

京太郎「ん?」

穏乃「私の知らないところで憧と京太郎が仲良くなってるのが寂しいっていうか…」

憧「別に仲良くなんかないから」ズバッ

京太郎「ちょっ!?おまっ!!友達って言った癖に!!」

憧「えー?そんな事言ったっけ?」

憧「まぁ、例えそうでも人の実家の事散々けなす人とかちょっと…」ニヤニヤ

京太郎「ぐぬぬ…」




穏乃「それだよそれ!」

憧「え?何が?」

穏乃「そうやって憧が男の子からかうとかあんまりないじゃん」

憧「あー…言われてみれば確かにそうかも」

京太郎「え…じゃあ、なんで俺だけ?」

憧「弄りやすいからでしょ」ズバァ

京太郎「「別にそんな事ねぇって!お前の性格が悪いだけだろ!」

憧「性格が悪い?良い性格をしてるの間違いじゃない?」

京太郎「殆ど意味は一緒だろうが…ったく…」

京太郎「つーか、高鴨もそんな寂しいとか思うなよ」

京太郎「友達つっても俺が一方的にからかわれてるだけなんだから」

憧「…へぇ、しずには優しいんだ?」ジトー

京太郎「いや、単純にお前には優しくする気が起こらないだけ」

憧「えっなんで!?」ビックリ

京太郎「普段の自分の行いを胸に手ぇあてて良く考えろ!!」



穏乃「…えへへ…」

京太郎「…ん?」

憧「どうかした?」

穏乃「いや…なんか今、すっごく嬉しくなっちゃって」

京太郎「え?俺がいじられてるから?」

憧「なんだ。しずもこっち側だったんじゃないの」

穏乃「ち、違うよ!なんて言うか…その…ね」

穏乃「こうして三人で居られる事に違和感がなくて…すっきりしてるからっていうか…」

穏乃「相性が良い感じがして…嬉しいって」

穏乃「きっと私達三人なら仲良くなれるって…そう思ったから」ニコッ

憧「しず…アンタ…」

京太郎「高鴨…」











憧「幾ら何でも今のセリフはくさすぎ」

京太郎「うん。今のはちょっとねぇわ」

穏乃「え、えぇぇ?な、なんでえ!?」







穏乃「い、今、私、結構良い事言ったよね!?」

憧「うん。言ったのは言ったけれど…」

京太郎「ぶっちゃけこのタイミングで言われてもなぁって言うか」

憧「そもそもしずだし」

穏乃「えっちょ…そ、それどういう意味!?」

京太郎「あー…確かに…高鴨だしな」

穏乃「き、京太郎まで!?ど、どういう事!!」

憧「まぁ、アンタはそのままでも良いって事」

穏乃「これだけボロボロに言われてるのに…なんでそんな結論になるの!?」

京太郎「気にすんなって。どうせ照れ隠しなんだから」

憧「ふきゅっ!?」カァ

京太郎「同じような事思ってたのを言われてびっくりしたとかそんな所だろ」

憧「ち、違うし!って言うか、アンタだってあたしに乗ってたじゃん!!」

京太郎「俺は高鴨だからタイミングに合ってないくさいセリフも真剣に聞こえるって意味で言ったぞ」ニヤニヤ

憧「ぐ、こ、この…ぉ!」

京太郎「で、高鴨と親友の新子さんは一体、どういうつもりで言ったんですかねぇ?」ニヤニヤ

京太郎「まさか照れ隠しについつい悪い意味で言ったなんて事はないよなぁ」ニター

憧「ぐぬぬ…」




憧「ほ、ほら!バスが来たよ!!」

京太郎「えー逃げるんっすかぁ。ちゃんと説明して下さいよぉ」

憧「アンタ…あとで覚えてなさいよ…っ!」

京太郎「うっせぇ。普段、人のことからかい倒してるんだから、たまには被害者になれっての」

穏乃「で…結局、私はどうすれば良いの?」

憧「…そ、そのままで良いんだってば…もぉ」カァ

京太郎「おう。下手に考えてからものを喋る高鴨なんて気持ち悪いだけだからな」

穏乃「そっか!……ってあれ?京太郎、それってどういう意味?」

京太郎「あ、ほーら、もうバスが来るぞ。早く乗り込まないとー」ボウヨミ

憧「急いで乗らないと遅刻するしねー」ボウヨミ

穏乃「むー…そういう時だけ仲が良いんだから」

京太郎「だって、俺達友達だもんなー」ボウヨミ

憧「当方と致しましてはそのような事実があったという事を確認出来てはいません」

京太郎「ちょっ!?いきなり真顔になって否定すんなって!」




【INバス】

京太郎「にしても…結構人は少ないな」

憧「そりゃ阿知賀も順調に少子高齢化が進んでるしねー」

穏乃「しょうしこーれーか?」

京太郎「なんだ。そんな事も知らないのか?焼死した人の霊を下ろす儀式の事だぞ」

穏乃「やだ…なにそれこわい」

憧「ほら、嘘なんか教えない。穏乃は馬鹿なんだから信じちゃうでしょ」

穏乃「そうだよ!…あれ?」

憧「少子高齢化ってのは簡単に言うと子どもが少なくなって老人が増えるって事」

穏乃「え…ちょっと憧。さっき私の事なんて言ったの?」

京太郎「諦めろ。どうせ高鴨は新子に口では勝つ事なんて出来ないんだから」

穏乃「むぅ…」

憧「あ、しず。分かってないと思うけど、京太郎の言葉も遠回しに馬鹿って言ってるからね」

穏乃「京太郎ー!!!」ムカッ

京太郎「ちょっ!馬鹿!違うって!!」

穏乃「また馬鹿って言ったー!」プンスカ

憧「(計画通り…っ!!)」





穏乃「」ムッスー

京太郎「あー…俺が悪かったっから許してくれよ。悪気はなかったんだからさ」

穏乃「でも…馬鹿って言ったぁ…」

京太郎「いや、まぁ、言ったけど…そういう悪い意味じゃないっていうか…つい口から飛び出したって言うか…」

穏乃「…それってつまり京太郎は私の事、馬鹿だって思ってるって事?」

京太郎「いや、まぁ、思ってるけど」

穏乃「…やっぱりぃぃ…」ムッスー

京太郎「ちげぇって。そうだけど…悪い意味じゃないから」

穏乃「え?」

京太郎「なんつーか…お前の馬鹿は必要なものなんだよ」

京太郎「こうして一緒にいるときに救われる事があるって言うか…ふっと気が楽になるっつうか…」

京太郎「実際…お前が馬鹿じゃなかったらこうして一緒に登校するような仲にはなってないだろうし…」

穏乃「…京太郎…」

京太郎「さっきも…新子にあんな事言ったけど…俺も本当は嬉しかったんだよ」

京太郎「俺も…その高鴨と同じ気持ちだったからさ」

京太郎「こっちで初めて出来た友達だし…ずっと仲良くして行きたいって…そう思ったから」

京太郎「だから…機嫌直してくれないか?」

穏乃「……」





>>+2
00~30 許さない
31~60 許す
61~99 条件付きで許してあげる






























>> 許す

穏乃「…そんな事言われたら許すしかないじゃん」

京太郎「そっか。…良かった」

憧「京太郎「あぁ、これで遠慮無く穏乃に馬鹿って言えるな」」

穏乃「ちょっと!京太郎!!」

京太郎「お、俺じゃねぇよ!どう考えても新子の悪戯だろうが!!」

穏乃「でも、今、あ、やべって顔したもん!」

京太郎「そ、それは…まぁ…その…なんていうか…な」

穏乃「やっぱりちょっとは思ってたって事じゃん!」

京太郎「ち、ちげーって!そ、それはスピリチュアル的な何かが俺の頭の中にオーラロードを開いてナチュラルがコーディネーターにだな…」

穏乃「難しい単語並べても誤魔化そうとしてる事くらい分かるんだから!」

憧「ちょっと静かにしてよね。さっきから注目されるし」

京太郎「殆どお前の所為だよチクショウ!!」






















【system】
高鴨穏乃の好感度が2(1+1)上がりました。





















京太郎「はぁ…」

憧「何?まだ学校にも着いてないのにもう疲れたの?」

京太郎「一体誰の所為だと…いや、なんでもねぇ」グター

穏乃「…なんかごめんね」

京太郎「いや、良いよ。高鴨は何も悪くねぇ」

京太郎「悪いのはそこでケラケラ笑ってた悪魔だ」ジトー

憧「悪魔なんて人聞きが悪い。焦る須賀を見て楽しんでただけなのに」

京太郎「十分、悪魔だっての…」

憧「さっきの仕返ししただけだし」

京太郎「それだってそもそも普段の仕返しだったはずなんだけど…まぁ良いか」

京太郎「んで…さっきから気になってたんだけどさ」

穏乃「ん?」

京太郎「あそこにいる人…色々と大丈夫なのか?」

??「」コーホー

憧「あぁ。宥姉ね」

京太郎「有名人なのか?」

憧「そりゃもう。って言うか格好見れば分かるでしょ?」

京太郎「まぁ…な。結構、あたたかくなってきたのにコートにマフラーと手袋着込んだフル装備だし」

穏乃「ちなみにアレ夏でも変わらないよ」

京太郎「マジかよ…中の人大丈夫なのか…」






憧「まぁ、宥姉は極度の寒がりだから」

京太郎「寒がりってレベルじゃねぇぞ」

憧「まぁ、夏場までフル装備は流石に行きすぎだとあたしも思う」

憧「とは言え…それでようやく『あったかぁ~い』レベルらしいよ」

京太郎「『あったかぁ~い』?」

憧「宥姉の口癖。暖かいのが好きだから」

京太郎「なるほど…って言うか寧ろそこまで寒がりだと冬場とか大丈夫なのか?」

憧「いや、大丈夫じゃないみたい」

憧「こうして一緒のバスだから分かるけど…目に見えて出席率が下がるからね」

京太郎「あー…やっぱ大変なんだなぁ…」

穏乃「何?気になるなら話しかけてみる?」

京太郎「いや…それは…」



>>+2
00~60 やめておくよ
61~99 …行ってみるか
ゾロ目 ちょっと暖めてあげてくる!




























>> やめておくよ

京太郎「…やめておくよ。いきなり話しかけたらもろ変質者だし」

憧「その方が懸命でしょうね」

穏乃「えー…そうかなぁ…話しかけられると嬉しくない?」

京太郎「そりゃまぁ、相手によるだろ」

穏乃「相手って?」

京太郎「普通は俺みたいなのがいきなり話しかけても怪しまれるだけだって」

京太郎「まぁお前らみたいな可愛い子なら…あ、いや、今のなし」

穏乃「えっ」

憧「えっ」

京太郎「な、何でもねぇよ」

穏乃「え~そんな所で区切らないでよ」

憧「あ…あぅ…」カァァ

穏乃「あれ?憧、大丈夫?顔赤いよ?」

憧「な、なんでもない!つーか、須賀!いきなり変な事言わないでよ!」

京太郎「うっせぇ!仕方ないだろ!つい出ちゃったんだから!!」

憧「こ、このスケベ!変態!!」

京太郎「ちっげぇよ!この自意識過剰女!!お前の事なんて一言も言ってませんしー!!」

憧「お前らって言ったじゃん!!」

京太郎「言ってないっての!つーか言ったなら何時何分何秒地球が何回回った時に言ったのか証明してみろよ!!」

穏乃「えー…ちょっと二人とも教えてよー」

宥「(あそこの三人…暖かいなぁ…)」ホノボノ
最終更新:2013年09月21日 14:16