中学一年――8月インターミドル(後半)

【決戦前夜】

京太郎「(と勢い良く言ったものの…だ)」

京太郎「(なんか…眠れないな…)」

京太郎「(寝なきゃ明日に差し支えるのに…目が冴えてしまってる)」

京太郎「(あー…くそ…こんなにドキドキしてるなんてな…)」

京太郎「(緊張と興奮…その二つが入り混じって…胸が辛いくらいだ)」

京太郎「(こういう時は…そうだな…)」




>>+2
末尾偶数:誰かに電話をかけるか
末尾奇数:ちょっとその辺を散歩するか


































>>ちょっとその辺を散歩するか


京太郎「(…そうだな…少し出歩けば気晴らしになるだろ)」

京太郎「(本当は疲れるまで走り回るのが一番なんだけど…この時間にそんな事出来ねぇしな…)」

京太郎「(…それじゃ…隣の先輩を起こさないようにして…っと)」

京太郎「んじゃ…ちょっと行ってきます」

モブ1「んごごごごご…」Zzzzz




京太郎「(はー…やっぱこの時間は人がいないな…)」

京太郎「(旅館の廊下が真っ暗だ…)」

京太郎「(まぁ非常用のライトはついてるから暗いってほどじゃないんだけどさ)」

京太郎「(ただ…何となく独特の雰囲気があるというか…)」

京太郎「(夜って事を感じさせるよな…)」

京太郎「(…も、勿論、怖くないぞ。怖くなんかないけれど…)」

京太郎「(割りと中身が年代物な所為でそういうの出てもおかしくない雰囲気が…)」

やえ「…おい」

京太郎「ひゃいっ!?」ビックゥゥ

やえ「…ん?どうした…?」

京太郎「…って…あ、小走先輩…」

やえ「どうした?お化けだとでも思ったか?」

京太郎「そ、そんな訳ないじゃないですか…!」カァァ





やえ「ま…それはさておき…どうしたんだ?こんな時間に外に出て」

京太郎「それは…その…」

やえ「…眠れないのか?」

京太郎「…はい」

やえ「そうか。まぁ…スーパールーキーと言っても一年だものな」

京太郎「な、なんですか。そのスーパールーキーって…」

やえ「ん?あぁ、知らないのか?女子の方での須賀の呼び名だよ」

やえ「実際、一年でエース張って…インターミドルの決勝まで来てるんだ」

やえ「そう言われてもおかしくないだけの活躍はしていると思うぞ」





京太郎「そう…ですかね?」

やえ「…ん?」

京太郎「俺…そんな風に呼ばれるほど…凄い奴じゃないです」

京太郎「ここまで来るのに必死で…小走先輩や…モブ先輩たちに支えられて…」

京太郎「でも…土壇場でこうして眠れなくなって…だから…」

やえ「…まったく」ポン

京太郎「ぅ…」

やえ「お前は本当に…目標が高い奴だな」ワシワシ

京太郎「ちょ…や、止めて下さいよ!」

やえ「ふふ…あぁ、すまんな」クスッ

やえ「ま…そうだな。立ち話もなんだし…」

やえ「私の部屋に来るか?」

京太郎「…え?」




京太郎「お、お邪魔します…」

やえ「あぁ、そんな畏まらなくても良いぞ」

やえ「人数が余った関係で、ここにいるのは私だけだからな」

京太郎「部長特権って奴ですか?」

やえ「失礼な。私は最初、相部屋にするつもりだったんだぞ」

やえ「だが、周りの皆が個人戦もあるからと個室にしてくれてな」

京太郎「…良い先輩…いや、小走先輩からすれば良い後輩たちっすね」

やえ「本当にな。私には勿体無いくらいだ」

やえ「さて…そこに適当に座れ。今、飲み物を入れてきてやる」






京太郎「(と…言われたものの…だ)」

京太郎「(…正直、落ち着かない)」

京太郎「(そう思うのは…部屋の中が小走先輩の匂いで一杯だからだろう)」

京太郎「(何だかんだでこの部屋に一週間泊まってる訳だもんな…)」

京太郎「(そりゃ多少匂いくらいは染み付いてもおかしくはない)」

京太郎「(ただ…救いなのは…殆ど片付けられて私物が出てないって事だな)」

京太郎「(これで下着の一つでも出てたら気まずくて仕方のないところだったぜ…)」

京太郎「(ま…小走先輩に限ってそんな事はないだろうけど…)」キョロキョロ

やえ「こら」コツン

京太郎「いてっ」

やえ「あんまり女性の部屋をジロジロと見るもんじゃないぞ」

京太郎「す、すみません…」







やえ「ほら、ホットミルクだ」

京太郎「え…良いんですか?」

やえ「良いも何も…下手にお茶なんか飲んだら目がさめるだろう?」

やえ「それに私も眠れなかったから準備しておいたんだ」

やえ「量が結構あるから…遠慮せずに飲め」

京太郎「じゃ…遠慮なく…って…アチチチ…」

やえ「ふふ…猫舌なのか?」

京太郎「実は割りと…」





やえ「はは。私もな、実は結構な猫舌なんだ」

京太郎「え?そうなんですか?」

やえ「あぁ。だからこうして飲まずに冷めるのを待ってる」

京太郎「でも、息吹きかけたりしないんですか?」

やえ「あー…それなんだが…」

京太郎「?」

やえ「笑わない…か?」

京太郎「えぇ。勿論」

やえ「その…ふーふーすると…キャラじゃないって言われるんだ…」

京太郎「え?」

やえ「格好悪いとか似合ってないと言われると…やっぱりその…しづらくてな」

京太郎「あー…」



>>+2
00~30 確かにキャラじゃないかもしれませんね
31~60 俺は気にしませんよ
61~99 寧ろ見てみたいです
※男気により+4
































>>寧ろ、見てみたいです

京太郎「寧ろ…見てみたいです」

やえ「ぇ?」

京太郎「い、いや…し、失礼な事言ってすみません!」

やえ「い、いや…別に気にしていないが…その…どうして?」

京太郎「だって…その…小走先輩ってすげー人で…」

京太郎「傍から見てて隙なんかないって思えるような人で…」

京太郎「でも…それは凄い努力しているからで…本当はちょっと臆病なところもある人で…」

やえ「…うん」

京太郎「だから…俺…その…何ていうか…」

京太郎「もっと…先輩の事…知りたいんです」

やえ「ふぇ!?」カァァ









京太郎「あぁ…うん。そうだ…わかった」

京太郎「俺…もっと先輩の素の姿が見たいんです」

京太郎「頑張ってる姿だけじゃなくて、先輩としての立派な姿だけじゃなくって」

京太郎「一人の人間として…等身大の先輩の姿をもっと見たくて…」

やえ「あ…あぅぅ…」カァァ

京太郎「…あれ?先輩?」

やえ「な…なな…何を言うんだいきなり…」カァァ

京太郎「いや…いきなりじゃないです。俺、本当は太平山での合宿の時から思っていました」

京太郎「先輩にもっと近づけるように…先輩と仲良くなれるように…先輩の事を知りたいって」

やえ「ぅ…ぅ…」マッカ

京太郎「その…ダメ…ですか?」









やえ「だ、ダメ…なんかじゃない…」

やえ「いきなり…その…あんまり恥ずかしい事言われてびっくりしただけだ…」

京太郎「…恥ずかしい事?」クビカシゲ

やえ「…あぁ。今、なんか新子の苦労が少し分かった気がする…」

やえ「これはちゃんとにらみを効かせておかないとダメなタイプだ…」

京太郎「え…?睨みですか?」

やえ「いや…こっちの話だ…」ハァ

やえ「…それより…だな」

やえ「…本当の私なんて…面白味のない女だぞ」

京太郎「え?」

やえ「…私自身、分かっているんだ」

やえ「皆に慕ってもらっているのはあくまでも【部長】としての小走やえだって」

やえ「本当の私はそんなに強くも…面白くもない」

やえ「何処にでもいる…普通の女だ」







京太郎「…それの何がいけないんですか?」

やえ「え?」

京太郎「何処にでもいる先輩で良いじゃないですか」

京太郎「寧ろ…俺はそんな先輩がみたいですよ」

やえ「でも…その…自意識過剰かもしれないが…お前も私の事頼りがいのある先輩だと思ってくれているんだろう?」

京太郎「えぇ」

やえ「でも…本当の私はそんな風に頼りがいのある人間じゃなくて…」

京太郎「じゃあ、今までの小走先輩は全部幻か何かだったって事ですか?」

やえ「いや…そんな事は…」

京太郎「俺は…全部、覚えてますよ。初日から声を掛けてくれた事」

京太郎「モブAたちから助けて貰った事、その後にこてんぱんにされた事」

やえ「ぅ…」

京太郎「それから雑用に誘って…一生懸命指導してくれた事」

京太郎「時に俺の仕事まで手伝ってくれた事。レギュラーのプレッシャーに押しつぶされそうになった俺に声を掛けてくれた事」

京太郎「他色々…数えきれないほど俺は覚えてます」









京太郎「それをしてくれたのは小走先輩で…幻でも俺の記憶違いでもないんでしょう?」

やえ「…うん」

京太郎「だったら…そんな風に自分を卑下する必要はないですよ」

京太郎「本当のとか…嘘のとか…そんな風に自分を分けなくても…」

京太郎「俺は小走先輩に沢山、救ってもらいました。助けてもらいました」

京太郎「だから…俺にとっては…どんな先輩も…凄く思えるし…」

京太郎「そうじゃない姿も見たいって…そう思うんです」

やえ「本当…?」

京太郎「えぇ。こんなところで嘘なんか言いませんよ」

やえ「…そっか…」







やえ「あの…ね。私…本当はあんな喋り方何時もしてる訳じゃなくって…」

京太郎「えぇ」

やえ「私の上の年代の先輩は凄い頼りになる人たちで…麻雀も凄い強くて…」

やえ「でも…先輩だから卒業して…だから…私…しっかりしなきゃって思って」

やえ「先輩たちみたいにならなきゃって思って…口調も変えて…」

やえ「頼りがいのある先輩になろうってしてきたの」

京太郎「…えぇ。凄い頼れる先輩です」

やえ「えへ…そっか…うん。それだったら頑張った甲斐があったかな」クスッ

やえ「あは…なんだか…ちょっと肩の荷が降りちゃった…」

京太郎「やっぱり無理してたんですか?」

やえ「自分じゃそのつもりはなかったけど…でも、そうだったのかも」

やえ「こんな事話したの…後輩じゃ君だけだしね」クスッ

やえ「…だから、ありがとう、須賀君」

やえ「私を…助けてくれて」











京太郎「俺は何もしてませんよ」

やえ「でも、本当の私の事…見ようとしてくれたのは君だけだし」

やえ「ちょっと強引だったけどね」クスッ

京太郎「あー…すみません」

やえ「良いよ。それより…もっとお話しよ」

やえ「折角だし…今の私で君と色々、おしゃべりしたい」

京太郎「俺で良ければ…是非とも」

やえ「…本当?無理してない?」

京太郎「してないですよ。つか…俺もまだ眠れそうにありませんし」

京太郎「寧ろ、俺はもっと先輩と話をしたいです」

やえ「んー…それだったら…さ」

やえ「…二人っきりの時で良いからやえって呼んでくれない?」

京太郎「えっ…」








やえ「だって、小走先輩って堅苦しいでしょ?」

やえ「私だって素を見せてるんだから、須賀君も歩み寄ってくれないと」

京太郎「あー…いや、でもですね…」

やえ「ダメ?」

京太郎「う…いや…」

やえ「…ダメ?」

京太郎「…やえ先輩じゃダメですか?」

やえ「そこまで言ったなら呼び捨てに出来ない?」

京太郎「流石にそれは無理ですよ…」

やえ「ふふ…仕方ない。じゃあ、それで許してあげる」










京太郎「…やえ先輩って結構、押しの強い人だったんですね」

やえ「うん。…嫌だった?」

京太郎「いえ…新鮮でしたけど、嫌じゃないですよ」

京太郎「それに知り合いに似たようなタイプいますし…慣れてますから」

やえ「へぇ…そうなんだ…」ジィ

京太郎「あれ?やえ先輩?」

やえ「うん…今日は須賀君の話を聞く事にしましょ」

京太郎「え…?」

やえ「そう言えば私、須賀君の事あんまり知らないなって思って」

京太郎「いや…俺の事なんて知っても面白味ないですよ?」

やえ「私が知りたいの。ほら、きりきり話す!」

京太郎「ちょ…こういう時だけ先輩にならないで下さいよ!」

やえ「だーめ。ほら、話すまで離さないんだから・・・諦めなさい」

京太郎「うぅ…じゃあ…俺が阿知賀に引っ越してきたところから…」















【System】
小走やえの思い出が5になりました
小走やえの好感度が6あがりました
現在の小走やえの好感度は20です

須賀京太郎の男気が3あがりました



































【中学一年 ―― インターミドル決勝】

京太郎「(結局あれからやえ先輩に付き合わされて深夜まで…)」

京太郎「(お陰で話し疲れて短い間だけどぐっすり眠れたぜ)」

京太郎「(気力も体力も十分回復したし…やる気もしっかりしてる)」

京太郎「(勿論…プレッシャーはあるし、緊張もしてる)」

京太郎「(けど…今の俺は…それ以上に…)」

不動峰「…よう。久しぶりだな一年」

京太郎「…えぇ。よろしくおねがいします」

京太郎「(…この人と戦えるのを楽しみにしてる)」

京太郎「(俺は…強くなった。練習試合の時より…ずっと)」

京太郎「(色んな人に出会って…鍛えてもらって…ここまで来られた)」

京太郎「(今の俺なら…この人にリベンジする事だって不可能じゃない)」

京太郎「(インターミドルで…それを果たせるなら…最高じゃないか)」

京太郎「(だからこそ…俺は今、ワクワクしてる)」

京太郎「(自分の成長を確かめられる最高の舞台に…俺は…!)」





>>+2 京太郎(雀力4+能力補正9+土壇場補正5-能力補正(上原)10)8
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10)11
>>+4 上原(雀力5-能力補正(京太郎)9)-4
>>+5 D(雀力5-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10) -14































>>京太郎53
>>不動峰84
>>上原86
>>D22


上原「(須賀の奴は腹立つ…腹立つが…!!)」

上原「(不動峰がいる状態であいつにばっかり構ってられねぇ…!)」

上原「(それに…不動峰の奴もかなり高めを張ってやがる…)」

上原「(ここは着実に点を稼ぐ事が優先…!!)」

上原「(そして…点差が生まれたら…)」

上原「(今度こそ須賀のヤツを潰す…!完膚なきまでに…叩き潰す…!!)」

D「」トン

上原「それロンだ!!!12000!!!」

D「あ…はい…」ビクビク


>>+2 京太郎(雀力4+能力補正9+土壇場補正5-能力補正(上原)10)8
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10)11
>>+4 上原(雀力5-能力補正(京太郎)9)-4
>>+5 D(雀力5-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10) -14
































>>京太郎22 →運命の二つ名発動
>>不動峰34
>>上原21
>>D99


D「(やっぱり決勝戦はすげぇ…!)」

D「(全員…化物みたいに強い…!)」

D「((多分…俺がこんなところにいるのは場違いなんだろう…)」

D「(そもそも…俺がここに居られるのは…あいつらが自滅してったからだからな…)」

D「(だけど…それでも…決して勝てない訳じゃない…!!)」

D「(それはこの大三元が…何よりも証明してくれている…!!)」

D「(これさえ和了ればさっきの分は帳消しになって一位に…)」

京太郎「…ツモだ」

D「…え?」

京太郎「2000・4000…満貫だな」

D「…はい」ジワッ



>>+2 京太郎(雀力4+能力補正9+土壇場補正5-能力補正(上原)10)8
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10)11
>>+4 上原(雀力5-能力補正(京太郎)9)-4
>>+5 D(雀力5-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10) -14






























>>京太郎82
>>不動峰87
>>上原6
>>D12


不動峰「(…なるほど。どうやら…練習試合の時止は別物みたいだな)」

不動峰「(あの時は荒削りだった打ち筋が大分、研ぎ澄まされてきている)」

不動峰「(成長著しい一年とは言え…よくぞここまで成長したものだ)」

不動峰「(だが…だからこそ…俺は負けられない)」

不動峰「(俺は三年…そしてエースだ)」

不動峰「(俺が背負っているのはチームそのもので…優勝への道そのものなんだ)」

不動峰「(チームとしての地力が一歩劣っている以上…俺が負ける事はそのままチームの敗北を意味する)」

不動峰「(それは…断じて…許す事が出来ない…!)」

上原「…くっそ…!」

不動峰「ロンだ。三倍満」

上原「ぐあ…ぁ…」

不動峰「(だからこそ…ここで稼がせて貰う!)」




>>+2 京太郎(雀力4+能力補正9+土壇場補正5-能力補正(上原)10)8
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10)11
>>+4 上原(雀力5-能力補正(京太郎)9)-4
>>+5 D(雀力5-能力補正(京太郎)9-能力補正(上原)10) -14































>>京太郎88
>>不動峰19
>>上原24
>>D0

京太郎「(なるほど…アンタの覚悟が…ビンビン伝わってくる…)」

京太郎「(負けられない…勝ちたいっていう…そんな思いが)」

京太郎「(でも…それは俺も同じだ)」

京太郎「(一年の俺に…エースを任せてくれた先輩たちの為にも…)」

京太郎「(テレビの前で…俺の活躍を見ててくれる奴らの為にも…)」

京太郎「(絶対に…ここは引けない…!!引く訳にはいかない…!!)」

京太郎「(アンタと俺とじゃ実力はまだ離れてるけれど…)」

京太郎「(その覚悟だけは…負けるつもりはない…!!)」

京太郎「…ロン!8000だ!」

D「は…はい…」カタカタ







「先鋒戦終了ー!!!」

「見応えのある高打点の打ち合いになりました!」

「いやー…でも、しかし、戦況そのものは膠着していますね」

「今まで圧倒的であった阿太峯、上原、不動峰、お互いに一歩も譲ってはいません!」

「最後の満貫の分、若干、阿太峯の方が有利かもしれませんが…幾らでもひっくり返る点差です」

「今までとは違い、これは次鋒以降に運命が託されましたね」

モブ1「…よ。お疲れ様」

京太郎「すみません。あんまり勝てませんでした」シュン

モブ1「ばーか。最高と言っても良いくらいだぜ」

京太郎「え?」

モブ1「こんな大舞台で俺たちに命運を託してくれるなんて…最高に先輩思いな奴じゃねぇか」

京太郎「先輩…」

モブ1「その期待に応えてみせるからよ。安心して…控室で待っていろ」

モブ1「準決勝と同じく…俺が飛ばして…優勝決めてやるからよグッ

京太郎「…はいっ!」



>>+2
00~30 だが活躍出来なかった
31~60 そこそこ活躍出来た
61~99 大活躍した
※雀力5フォア・ザ・チーム10京太郎の勝ち星5 = 20の補正が入ります




































モブ1「(は…なんだ。全員、緊張した顔をしてよ)」

モブ1「(まるで今にも殺し合いが始まるような面構えじゃねぇか)」

モブ1「(いや…俺も同じ…か)」

モブ1「(さっきはあんな風に強がったが…はは、顔が強張ってやがる…)」

モブ1「(ま…そうだよな。準決勝とはプレッシャーが比べ物にならないんだ)」

モブ1「(お前らも…そうだろ?)」

モブ1「(じゃなきゃ…そんなガチガチになったりしねぇもんな)」

モブ1「(でも…さ)」

モブ1「(俺らとお前らじゃ…一つだけ大きな違いはあるぜ)」

モブ1「(それは…エースが一年かどうかって事だ)」

モブ1「(俺達のエースは一年だ。正直…まだまだ頼りない所が強い)」

モブ1「(でもお前らは…今まで絶対的エースに任せてきた)」

モブ1「(後の局は凌げば…それで勝てる戦いばかりしてきた)」

モブ1「(だから…よ。心構えが違うんだよ)」

モブ1「(エースに頼りきってたお前らと…一人一人がチームを背負う覚悟を決めた俺たち)」

モブ1「(なら…勝負は決まりきってるだろ)」

モブ1「(お前らじゃ…俺に追いつけない)」

モブ1「(例え十回…百回やろうとも…同じ状況なら…)」

モブ1「…ロン。6400」

不動峰「…ぐっ…」

モブ1「(…俺の勝ちだ)」








「圧倒的!!!阿太峯一人浮きです!!」

「やはり彼は強いですね。麻雀のセンスが同年代ではズバ抜けています」

「須賀選手が繋いだバトンをモブ1選手ががっちり締める。それで今まで勝ち上がってきたチームですからね」

「ここぞという時に和了ってくれる先輩ですからね。須賀選手も心強い事でしょう」

「さて、ですが、D校は何とか踏みとどまり、舞台は中堅戦へと移りました!!」

「まだまだ逆転の目はあるのか、はたまたここで阿太峯が追いつかれるのかー!」

「命運はまだ分かりません!!」

モブ2「はは…好き勝手言ってくれちゃって」

モブ3「ま…今までが今までだったからな」

モブ1「…悪い。Dを狙いたかったんだが…」

モブ2「気にするなって。そういう時もある」

モブ3「それに…準決勝じゃ俺達の出番はなかったんだ」

モブ2「あぁ。たまにはいいところ見させろよ」

京太郎「あの…先輩」

モブ2「…おう」

京太郎「頑張ってきて下さい!俺、応援してます!」

モブ2「あー…どうせだったら可愛い子の方が良かったかな」

京太郎「えー…ここでそういう事言うんですか…」

モブ2「冗談冗談。ま…そこらの女の子よりも可愛い後輩の為に…」

モブ2「…ちょっと本気出してきますか」



>>+2
00~30 だが活躍出来なかった
31~50 そこそこ活躍出来た
51~89 大活躍した
90~99 Dが消し飛んだ
※雀力5フォア・ザ・チーム10勝ち星10で25の補正が入ります




































モブ2「(はは…他の奴ら…目の中ギラギラしてやがる)」

モブ2「(ま…確かに中堅は折り返し…ここで点差を詰められなきゃ…)」

モブ2「(大将戦で挽回するのはかなりきついもんな)」

モブ2「(でも…だからって…さ)」

モブ2「(そう簡単に負けると思うなよ)」

モブ2「(俺はお前らの牌譜を全て記憶している)」

モブ2「(どんな時にどんな牌を打つのか…全て頭の中に入っているんだ)」

モブ2「(そして…何より…)」

モブ2「(モブ3の奴が寝ずに分析してくれた対策とデータも…な)」

モブ2「(だから…お前らじゃ無理だ)」

モブ2「(俺は一人で戦ってるんじゃない)」

モブ2「(一番、辛いところを引き受けてくれた須賀がいる)」

モブ2「(最高の状態でバトンを渡してくれたモブ1がいる)」

モブ2「(俺にデータを渡してくれたモブ3がいる)」

モブ2「(そして…俺の後ろには部長がいる)」

モブ2「(そう…俺達はチームで戦っているんだ)」

モブ2「…ツモ。3000・6000」

モブ2「(そんな俺達に追いつこうなんて…もう遅いんだよ)」

モブ2「(チーム作りからやり直してきな)」

モブ2「(もっとも…お前らじゃこんな最高のチーム作れないかもしれないけどな)」






「中堅戦は接戦!どの校も火花を散らしましたぁぁ!」

「ですが、阿太峯のリードは守られたままですね」

「モブ2選手は堅実でしっかりとした打ち方をしていましたから」

「狙い撃とうとする他校から逆に直撃を奪う場面をよく見られました」

「点差の開きは大きなものではありませんが…ここから先で挽回するのは辛いでしょう」

「特にD校は最早絶望的と言っても良い点差です!!」

「殆どベタ降りと言っても、まだ点差を残しているのは賞賛したい努力です」

「はてさて…では、D校の運命はどうなるのか!!副将戦スタートです!!」

モブ2「…もう話題がDが飛ぶか飛ばないかになってるぞ…」

モブ3「ま…この点差じゃよっぽどの事がない限り俺達の勝ちは揺るがない」

モブ1「じゃあ…流すのに専念するか?」

モブ3「部長へとバトンを安全に手渡す為ならそれも良いかもな」

モブ3「だが…チームの為に必要なのは…ここで流す事じゃない」

京太郎「じゃ…どうするんです?」

モブ3「決まってる。最後の最後まで点差を削って…」

モブ3「可能ならば潰す」グッ

モブ3「全ては俺達の…勝利の為に。チームの為に…だ」

部長「…そうだね。その辺りの判断は君に任せるよ」

部長「チームで一番冷静な君なら…きっと最善を見せてくれるって…そう信じているから」

モブ3「あぁ…じゃあ…行ってくる」



>>+2
00~20 だが活躍出来なかった
21~40 そこそこ活躍出来た
41~79 大活躍した
80~99 Dが消し飛んだ
※雀力5フォア・ザ・チーム10勝ち星10で25の補正が入ります




































モブ3「(最後のインターミドルで…まさかこんな大舞台が回ってくるなんてな)」

モブ3「(麻雀部に入った時は想像もしていなかった…)」

モブ3「(いや…そもそも最初は…モブ1に誘われるがままホイホイ♂ついていったんだか…)」

モブ3「(そんな俺が…こんな大舞台で強豪校相手と打っているなんて…)」

モブ3「(最初の俺には信じられないだろうな…)」

モブ3「(だが…あぁ…そうだな。だが…)」

モブ3「(悪くない…気分だ)」

モブ3「(モブ1やモブ2たちと…一緒にチームを支えて…)」

モブ3「(部長が後ろにいてくれて…)」

モブ3「(そして今…俺はそいつらのバトンを最高の形で渡す為に頑張って…)」

モブ3「(あぁ…そうだ…今、分かった)」

モブ3「(俺が頑張ってきたのは…今日この瞬間の為だったんだな)」

モブ3「(負けて悔しい事もあった。疲れて逃げ出したくなる事もあった)」

モブ3「(だけど…それでも俺が頑張ってきたのは…)」

モブ3「(この充実の一時を味わう…その為だったんだ…)」

モブ3「(報われた…俺は今…チームのお陰で…報われたぞ)」

モブ3「(だからこそ…俺はお前たちには負けられない)」

モブ3「(俺の中学3年間が無駄でなかった事の証明の為にも…)」

モブ3「(この充実感を…皆で分かち合う為にも…!)」

モブ3「…ツモ。400・700…これで終わりだな」






「副将戦終了ー!!」

「モブ3選手はかなりクレーバーな打ち手ですね。彼から直撃を奪うのはかなり難しいでしょう」

「その上、モブ3選手は安手安手での流しに入り、収支+のまま副将戦を終えています」

「功名心に逸らない…あの年頃にしては素晴らしい冷静さだったと思います」

「さて、そうなると運命は大将戦に託されました!こうなると阿太峯の優勝はほぼ確定ですが」

「いえ、まだ分かりませんよ」

「終わるその瞬間まで…麻雀に絶対はないんです」

「大将戦で誰かが連チャンして逆転するかもしれない」

「その僅かな可能性に掛けて…強豪二校は死に物狂いで来るはずです」

「それを捌くのは阿太峯三年の…えっ?この子部長なんですか?」

「県大会でもインターミドルでも殆ど出番がなかったですし…データもないですが…」

「阿太峯の命運は彼らの部長に託された訳ですね!!」






部長「」ズーン

京太郎「あ、あの…ぶ、部長?」

部長「いや…いいんだ…インターミドルで僕は出番なかったからね…」ハハッ

部長「あんな風に言われるのも当然の事だよ…」

モブ1「ちょっと俺アナウンサーに抗議してくる」

モブ2「よし。俺も行こう」

モブ3「待て、落ち着け。そういうのはスポンサーに連絡を入れた方が効果的だ」

部長「こらこら…そんな事しなくて良いから」

モブ1「でも…」

モブ2「部長は俺らの為に誰よりも頑張ったのにあんな紹介の仕方…」

モブ3「せめて二年の時のデータを持ってくるべきだったな…まったく…使えない解説だ」

部長「はは。まぁ、今と昔とじゃイメージ違うし、仕方ないんじゃないかな…」

京太郎「(昔の部長ってどんな人だったんだろう)」







部長「でも…そんな僕にも最高の舞台が回ってきた」

部長「…ありがとう、須賀君。君がいなかったらきっと僕らはここに来れなかっただろう」

京太郎「いえ…そんな…っ!」

部長「モブ1もありがとう。君が活躍してくれたお陰で僕らは危なげなくここまで来れた」

モブ1「…俺が活躍出来たのは部長のお陰で…」

部長「モブ2…ありがとう。君がさらに点棒を奪おうとしてくれなかったら、こんなに点差は開かなかったかもしれない」

モブ2「あぁ…部長から教わったフォア・ザ・チームだ…!俺は役目を果たしたぜ…!」

部長「そして…モブ3。君が安手で流してくれたのは僕に対する信頼かな?」

モブ3「…あぁ。部長なら…きっと最後に決めてくれるとそう信じていたからだ」

部長「そうか…ありがとう…」







部長「僕は今まで…立派な部長とは言えなかった」

部長「一番つらいポジションを一年に任せ、後ろで構えているだけ」

部長「出番が回る事はなく…お飾りと言われてもおかしくない状態だったね」

京太郎「そんな事…!」

部長「いや…良いんだ。事実だから」

部長「それに…だからこそ…今の僕はやる気に溢れている」

部長「最後の最後に…部長として最高の仕事をくれた君たちのお陰で…ね」

部長「だからこそ…僕は必ず…君たちのところに優勝のカップを持ち帰ってみせる」グッ

部長「フォア・ザ・チーム…そう…チームの為に」

モブ1「…あぁ…」

モブ2「アンタなら出来るさ!」

モブ3「後は…頼む」

京太郎「…楽しみに待ってます…!」



>>+2
00~30 だが活躍出来なかった
31~50 そこそこ活躍出来た
51~69 大活躍した
70~99 Dが消し飛んだ
※雀力6フォア・ザ・チーム10勝ち星10で25の補正が入ります



































部長「(あぁ…そうだ…)」

部長「(ここは僕が待ち望んだ大舞台…)」

部長「(夢にまで見た…インターミドルの決勝…)」

部長「(あぁ…本当は…もっと楽しみたい)」

部長「(出来れば…最後の局まで…この光を浴びていたい)」

部長「(だけど…そんな事は出来ない)」

部長「(だって…それは…僕を信頼してくれた皆への冒涜だ)」

部長「(フォア・ザ・チーム…その言葉を信じて…今日まで来てくれた皆への…侮辱なんだ)」

部長「(我は…出さない)」

部長「(欲も要らない)」

部長「(僕をここまで連れてきてくれた皆の…チームの為にも…)」

D「」カタカタカタ

部長「ロン」

D「ひっ…」

部長「…24000…トビですね」

D「あ…あぁぁ…」

部長「(僕は…最速で…最短で勝つ)」

部長「(あっけないと言われてもいい、活躍なんて…出来なくてもいい)」

部長「(ただ…チームの為に…僕は勝つ)」












「けっちゃああああああああっく!!」

「阿太峯大将!見事な狙い撃ちぃぃ!!」

「開始一局目でベタ降りのDに直撃とは…中々のセンスですね」

「決して運だけではない実力が感じられます」

「今、届いた資料によると…彼は去年は阿太峯のエースだったそうですから」

「なるほど…彼らがあんなにも安心して打つ事が出来たのも後ろに彼が控えていたからでしたか」

「まさに秘密兵器!阿太峯!大将の三倍満で…優勝を飾りました!!!」












「さて、決勝戦のMVPは阿太峯のモブ1選手でしょうが…」

「しかし、今日は強豪校のエースを抑え続け、優勝へと貢献した一年生!!」

「須賀京太郎選手にコメントを頂きたいと思います!!」

京太郎「え?」

モブ1「はは。コメントだってよ、すげーなおい」

京太郎「い、いや…ちょ…ちょっとまってくださいよ!!」

京太郎「俺、決勝では殆ど何もやってなくて…」

京太郎「そ、それにMVPはモブ1先輩だってさっきも…」

モブ2「まぁ、モブ1は所詮三年だしな」

モブ3「それに実力はあるが華がない」

モブ1「お前らひでぇな…まぁ事実だけどさ」

部長「それに僕たちがここまで来れたのは須賀君のお陰だよ」

モブ2「あぁ。だから、胸を張って行ってこいよ」

京太郎「いや…でも…俺、何を言えば良いのか…」

モブ3「そんなもの適当でいいんだ適当で」

モブ1「一言あればそれだけで満足するだろうしな」

部長「まぁ、強いていうならファンや地元の皆に一言あった方がベターかな、とは思うけどね!」







「須賀選手ー!すみません!一言!一言お願いします!!」

京太郎「は、はわわ…せ、先輩たちテレビ局が来ちゃいました!」

モブ1「仕事はやいなー」

モブ2「ま、ともかく行って来い」

モブ3「大丈夫だ。素人なんだからどもるくらいは修正してくれるだろ」

京太郎「う…じゃあ…」ガチャ

パシャパシャパシャ
スガセンシューヒトコトー

京太郎「あ…あわわ…あの…その…」

「優勝おめでとうございます!初めてのインターミドルどうでしたか!?」

京太郎「あ…はい。その…み、皆強くて…特に決勝じゃ俺…殆ど何も出来なくて…」

「なるほど!やっぱりプレッシャーはあったという事ですか!?」

京太郎「は、はい。でも…う、後ろに先輩方が居てくれたお陰で優勝出来て…あの…だ、から…」

「では、今のその喜びを真っ先に誰へと伝えたいですか!?」

京太郎「誰に…それは…」


>>+2
末尾12 阿知賀で待ってくれている幼馴染たちに
末尾34 俺の背中を押してくれたある姉妹に
末尾56 最近、あまり会えていない先輩に
末尾78 小学校時代の恩師に
末尾90 俺を見出してくれたある先輩に































>>俺の背中を押してくれたある姉妹に

京太郎「…俺の背中を押してくれたある姉妹に」

京太郎「玄、お前がいなかったら、俺は自分の迷いを吹っ切れず…こんな風に麻雀に打ち込めなかったと思う」

京太郎「阿太峯に来られても…きっと阿知賀が気になって…こんなに強くはなれなかった」

京太郎「松実さん、貴女が俺を受け入れてくれなかったら…俺はプレッシャーに潰れていたと思う」

京太郎「気晴らしの為の時間と場所を提供してくれて…本当にありがとう」

京太郎「他にも一杯、お世話になった人は沢山いて言い切れないけれど…」

京太郎「でも、今、思い浮かんだのは…二人の事だから」

京太郎「だから…本当にありがとう。俺がここまで来れたのは…二人のお陰だ」





【松実家】

宥「はわ…はわわわわ」カァァ

玄「あう…あうあうあう」カァァ

穏乃「わ~…良いなー」

灼「まるで告白」

憧「まぁ…本人にまったくその自覚はないでしょうけどね」ハァ

灼「寧ろ、テンパリ過ぎてる可能性が高いと思…」

憧「多分…って言うか間違いなくそうでしょ。幾らあいつでも全国区の放送でこんな事シラフじゃ言えないだろうし」ムスー

穏乃「…あれ?憧、ちょっと不機嫌?」

憧「べっつにー…そういう訳じゃないけど…」

憧「…別に…あたしじゃないんだ…とか…思ってないし…」

灼「…どうどう」ポンポン

憧「ぅ~…!」





穏乃「えー?でも、優勝だよ!一番なんだよ!」

穏乃「喜んであげようよー」

憧「それは…勿論、嬉しいわよ。そもそも…優勝したのはうちの学校だし…」

憧「でも…こうなんていうか…」

穏乃「ぅ?」キョトン

灼「…穏乃にはまだ早い」

穏乃「えー…どういう事…?」

玄「…ハッ!お、おねーちゃん!おねーちゃん!!」ユサユサ

玄「今の夢じゃない?夢じゃないよね!?」

宥「はぅ…♪須賀君のコメントあったかぁい…♪」









【System】
松実玄の好感度が3あがりました
松実宥の好感度が3あがりました
須賀京太郎の雀力が3あがりました
さらに優勝したボーナスで雀力が2あがりました






























【中学一年 ―― 8月インターミドル個人戦】

京太郎「(アレから俺の電話が鳴ったと思ったら憧の奴から色々とお説教されてしまった)」

京太郎「(確かにそんなに視聴率高くないとは言え全国区の放送でアレはやりすぎだったよな…)」

京太郎「(頭が緊張で一杯になってたとは言え…俺なんであんな事言ったんだろ…)」カァ

京太郎「(お陰で鷺森には録画したデータはバックアップまで取って永久保存するってからかわれたし…)」

京太郎「(まぁ…でも、玄や松実さんにお礼を言われたのは…少しだけ嬉しかったかな)」

京太郎「(玄は何時も以上に要領得なかったし…松実さんはあったかぁい…がjほとんどだったけど)」

京太郎「(まぁ…嫌がられていないっていうのは伝わってきたし)」

京太郎「(でも…あいつらの声を聞くと…ちょっとだけ寂しくなるな)」

京太郎「(なんだかんだでもう一週間以上東京にいるし…)」

京太郎「(そろそろ…阿知賀に帰りたい…あいつらの顔見て…何時もどおり馬鹿騒ぎがしたい)」

京太郎「(その為にも…)」

不動峰「…」ゴゴゴ

上原「…」メラメラ

京太郎「(この二人がいる卓を勝ち抜けて…個人戦でも一位にならないとな…!)」







京太郎「(不動峰の高火力は俺でも中々、止められないし…上原の影響力は俺以上に深い)」

京太郎「(決勝で俺が勝ち越し出来たのもこの二人の間を縫うような運のよさがあればこそだ)」

京太郎「(警戒は…決して怠る事は出来ない)」

京太郎「(…だけど…)」

京太郎「(そう…だけど…それ以上に気になるのは…)」

青山「…ふふ」

京太郎「(…こいつだ。青山の…一年)」

京太郎「(あの不動峰との戦いで…最後まで笑っていやがった不気味な奴…)」

京太郎「(これまで数局やって…でも…未だに得体が知れない…)」

京太郎「(勿論、個人戦でインターミドルに出てるんだから弱い訳がない)」

京太郎「(だけど…この手応えの無さは…なんだ?)」

京太郎「(まるで…幻を相手に必死になって戦っているような違和感は…一体…)」

不動峰「…一年、あまりボサっとするな」

京太郎「あ…すみません…」

不動峰「まったく…そんな態度ではリベンジが達成出来ても張りがないぞ」

京太郎「いや…リベンジって…」







不動峰「当然だ。俺達は…いや、エースの俺が不甲斐ない所為でお前たちに優勝を持って行かれた」

不動峰「後々、他の皆が楽になれるほどの点棒を持って帰ってやる事が出来なかった」

不動峰「だが…三年の俺は…もうお前たちにリベンジをする機会はない」

不動峰「だから、俺にとってこの場は雪辱を晴らす最後の機会なんだ」

不動峰「不動峰の三年…エースとしてお前に当たれるのはこれが最後なんだからな」

京太郎「あ…」

不動峰「だから…シャキっとしろ一年」

不動峰「その程度じゃ…俺に勝つ事は出来ないぞ」

青山「…勝つ…ねぇ」ククッ

不動峰「…なんだ?何がおかしい?」

青山「いや、その程度の実力で随分と偉そうな口が叩けたものだなって」

不動峰「…お前…っ!」

青山「ま…いいさ。雑魚な癖に王者面されるのも…いい加減…飽きてきたし…」

青山「そろそろ本気でやろうか」ゴッ

京太郎「っ…!」

不動峰「なっ…!」

上原「ぐ…っ!!」






京太郎「(なんだ…この息苦しさ…)」

京太郎「(まるで沼に延々と沈んでいくような…この感覚は…)」

京太郎「(知ってる…俺は…知ってるぞ…)」

京太郎「(勿論…濃度は比較にならない…けど…!)」

京太郎「(このプレッシャーは…間違いなく…!!)」

青山「…あぁ。そうそう。自己紹介遅れたね」

青山「青山中学一年…江藤だ」

青山「…よろしく」



>>+2京太郎(雀力5+能力補正10+土壇場補正5-能力補正(上原)10-能力補正(青山)20)-10
>>+3不動峰(雀力5+能力補正25-能力補正(京太郎)10-能力補正(上原)10-能力補正(青山)20) -10
>>+4上原(雀力5-能力補正(京太郎)10-能力補正(青山)20)) -25
>>+5青山(雀力8+能力補正50)+58




























>>京太郎16 → 加速世界発動 →76
>>不動峰60
>>上原5
>>青山149

不動峰「(なんだ…これは…!?)」

不動峰「(須賀の奴の力と…上原の能力をさらに混ぜあわせたような…このどす黒い感覚は…!?)」

不動峰「(手が…殆ど動かない…!!俺の能力が…まったく効いていない…!!)」

上原「(なんだよ…なんなんだよこれ…)」

上原「(やめろよ…おかしいだろ…なんなんだよぉ…!)」

上原「(なんで…俺の能力が…『俺自身にかかってくる』んだよおおぉぉ!)」

上原「(牌を変えれば変えるほど和了りから遠ざかっていって…裏目に出て…)」

上原「(こんなの…今までなかったはずなのに…!!)」

京太郎「…くっ!」

青山「…へぇ。この状況でまだ動けるんだ。凄いな」

京太郎「…悪いけど、お前とは比較にならないほどやばい奴と打った事があるんでな」

青山「やばい…?あぁ、そうか。お前が先生が言ってた一年か」

京太郎「…先生?」

青山「あぁ。お前が満貫をぶち当てた小鍛治プロは…俺の先生だよ」

京太郎「…なるほど…だったら…」

青山「だったら?」

京太郎「…俺にも勝機はあるな、と思ってな」

青山「…へぇ」













青山「この状況でもまだそんな事言えるんだ?」

京太郎「あぁ。言えるさ。…ポン!」

京太郎「(何故なら…俺にはこの速度がある!)」

京太郎「(小鍛治プロの支配すら打ち破ったこの速度なら…)」

京太郎「(支配力が数段堕ちるお前から和了れない訳が…)」

青山「なるほど…そんな力まで持ってるのか」

青山「相手の手を遅くするだけかと思ったが…中々に凄いな」

青山「…だけど…惜しかったな」

京太郎「え?」

青山「その前に…ツモ。役満だ」

京太郎「んな…!!」

青山「あぁ、親だから点数さらに上がるな。お陰で…上原、アンタのトビで…俺が一位だ」

上原「あ……」






青山「ま…何ともあっけないけど…仕方ないか」スッ

不動峰「ま、待て!!」

青山「…ん?」

不動峰「それだけの力がありながら…どうして準決勝で俺たちに勝ちを譲った!!」

不動峰「お前なら俺にだって勝てたはずだろう!?」

青山「あぁ…そんなの簡単だよ」

青山「だって…『禁止』されてたからな」

不動峰「禁止…?」

青山「あぁ、誰かにトラウマを植え付けて壊すような真似をしちゃダメって先生…小鍛治プロにな」

不動峰「な…」

青山「で…アンタは弱すぎた。優勝候補筆頭だっていうから期待したけど…ダメだな」

青山「その程度じゃこれから先進んでも本気なんて出せやしない」

青山「そう思ったから俺達はあそこで降りたんだよ」

青山「でも…こんな事ならちゃんとやっとけば良かったな」

青山「…それなら…阿太中の須賀とももうちょっとやれただろうし」

京太郎「…俺?」

青山「あぁ。一局だけだが…お前だけだ」

青山「俺に食らいつこうとしていたのは」

青山「そこの王者面した雑魚じゃなく…お前だけだ」

青山「だったら…あぁ、そう…だったらさ」































青山「お前になら本気出しても良いよな?」ゴッ


京太郎「~~~っ!!!」ゾッ




























青山「どうせ同い年なんだ。これから三年間…いや、二年か」

青山「仲良くやろうぜ?」

青山「じゃあ、な」フリフリ

上原「くそ…くそ…っ!」

京太郎「……俺は…」

不動峰「……」

不動峰「一年…いや、須賀」

京太郎「え?」

不動峰「一つだけ…頼みがある。…聞いてくれるか?」

京太郎「あ…はい。俺で良ければ…」

不動峰「俺がこんな事を言えた義理ではないのだろう」

不動峰「無責任だと…自分でも分かっている」

不動峰「だが…頼む…どうか…」

不動峰「麻雀を侮辱したあいつに…どうか…勝って欲しい…」ギュッ







不動峰「俺が弱かった。確かにそうだ」

不動峰「チームとしての完成度も低かった。否定出来ない」

不動峰「だが…だからと言ってわざと負けるような奴に…ああまで言わせておく事は出来ない…!」

不動峰「あんな不真面目な態度の奴に…麻雀を侮辱させて…我慢する事なんて出来ない…!!」

不動峰「だから…頼む。須賀…」

不動峰「勝って…あいつの鼻をあかしてやってほしい…」

不動峰「それが出来るのは…きっと…あの状況でも諦めなかったお前だけなんだ…」

京太郎「…俺は…」






上原「待て…よ…!」

上原「なんでお前たちだけで話を進めているんだ・・!」

上原「俺だって…負けてねぇ!まだ折れてねぇ…!」

上原「それなのに須賀の奴にだけ託すような真似…っ!」

不動峰「…じゃあ、お前はもう一度…本気のあいつと戦いたいと思うか?」

上原「そ…れは…」

不動峰「…俺も…正直なところ無理だ」

不動峰「俺と同じ打ち筋で…けれど…話にならないほど上に行かれて…」

不動峰「さっきの一回だけで…俺のプライドは粉々にされた…」ギュッ

不動峰「だが…須賀はそうじゃない。あの状況でもまだ…食いつこうとするメンタルがある」

上原「…っ!!」









不動峰「…あの一瞬で悟った」

不動峰「俺たちでは…あいつには勝てない」

不動峰「あいつと同じ領域に…俺達では到達出来ない」

不動峰「出来るのだとすれば…たった一人…」

不動峰「…須賀、お前だけだ」

京太郎「…」

不動峰「だから…頼む…」

京太郎「わかり…ました」

不動峰「…本当か!?」

京太郎「…えぇ。ただ…正直、勝てるとは思いません」

京太郎「でも…あの言葉を我慢出来なかったのは…俺も同じです」

京太郎「だから…残り二年…精一杯やってみます」

京太郎「それでも良ければ…」

不動峰「…あぁ。それで十分だ」

不動峰「ありがとう…恩に切る」ペコッ
最終更新:2013年10月12日 10:47