中学一年――8月(しずEX)

【中学一年 ―― 8月第一週】

京太郎「(おっと…そういや、今週はしずの奴の誕生日か)」

京太郎「(松実館でバイトしてるお陰でお金にはそれほど困ってない)」

京太郎「(ここは一つ男を見せる意味でも…良いものをプレゼントしてやるか)」

京太郎「(…とは言っても…何を贈ってやれば良いんだろ…)」

京太郎「(あんまり高すぎるものだと引かれるかもしれないし…)」

京太郎「(何より…結局、誕生日が速すぎた所為で憧の奴にはあんまり良いものやれてないしなぁ)」

京太郎「(あんまりしずばかり優遇しすぎるのも…なんか違う気がする)」

京太郎「(うーん…意外と悩むなぁ…)」


>>+2
00~30 女の子だしアクセサリーかな…?
31~60 しずの事だしお菓子でもやれば喜ぶだろ
61~99 新品の運動靴でも贈ってやろうか

































>>新品の運動靴でも贈ってやろうか

京太郎「(そういや…此の前来た時、あいつの靴かなりくたびれてたな…)」

京太郎「(未だに暇な時は山で走り回っているんだから当然なんだろうけど)」

京太郎「(ああいうの見るとちょっとこわいよな…)」

京太郎「(あいつに限ってそんな事はないだろうけど…あのままだと山で滑って怪我をするかもしれない)」

京太郎「(…うん。そうだな…)」

京太郎「(ちょっと出費は痛いけど…でも、しずの為だ)」

京太郎「(誕生日プレゼントは新品の運動靴にしてやるか)」

京太郎「(さて…そうと決まれば商店街へっと…)」

京太郎「(あいつの誕生日当日まで気づかれないようにしないとな)」













【穏乃誕生日当日】

穏乃「こんにちは~」

京太郎「お、来たか。結構、早かったな」

穏乃「だって、久しぶりに京ちゃんと会えると思うとドキドキしちゃって…」

京太郎「なんだよ。遠慮してたのか?」

穏乃「だって…京ちゃん合宿とか色々で忙しいみたいだし…」

穏乃「それにインターミドル出場決まったし…あんまり来ると迷惑かなって…」

京太郎「気にすんなっての」ワシャワシャ

穏乃「わわっ!」

京太郎「言っただろ。お前一人くらい甘えさせてやる甲斐性くらいあるって」

京太郎「こうして家にいる時くらい何時でも構ってやるよ」

穏乃「…ホント?」

京太郎「あぁ、だから…ほら」スッ

穏乃「…えへへっ♪」ダキッ






京太郎「ホント、お前この充電って奴すきだよな」

穏乃「うん…っ♪京ちゃんにぎゅってされるの…大好き…♪」スリスリ

京太郎「ま、俺も暖かくて安心するけど」

穏乃「ぅ?」

京太郎「お前って体温高いし」

穏乃「あぅ…暑い?」

京太郎「そんな事ねぇよ。なんつーか…安心する」

穏乃「えへへ…♪私もとっても安心するよ」

穏乃「ドキドキもするけど…でも…すっごい暖かくて…幸せ…♪」ギュゥ

京太郎「そっか。ま…存分に幸せになってってくれ」ナデナデ

京太郎「最近、合宿や遠征ばっかで構えなかったしな」











穏乃「本当は…ちょっとだけ…寂しかった」

京太郎「ごめんな…でも…俺、レギュラーだしさ」

穏乃「ううん…違う。そうじゃなくって…」

京太郎「…ん?」

穏乃「…なんだか知らない間に京ちゃんが遠くに言っちゃったなぁ…って」

京太郎「…そうか?」

穏乃「だって…あの強豪阿太中で一年でエースやってインターミドル出場だよ?」

京太郎「それは俺が凄いんじゃなくって周りの先輩たちがすげぇんだよ」

穏乃「そんな事ないよ。私も見てたけど…京ちゃん凄かった」

穏乃「地元の皆も言ってたよ、阿知賀のレジェンドの再来かって」

京太郎「インターミドル出場くらいで大げさだなぁ…」

穏乃「それくらい京ちゃんは皆に注目されてるんだよ」









穏乃「だから…凄いなって…追いつけないなって…最近…思っちゃって」

京太郎「あー…」

京太郎「(俺としてはそんなに変わったつもりはないけど…でも、しずとは最近、会えていないし)」

京太郎「(結果だけ見て…先を行かれたって…そう思ってるんだ)」

京太郎「(俺が憧に対して思ってた事を…そのまま…)」

京太郎「(いや…普段会えない分…それ以上の劣等感にして…)」

京太郎「(…そんなこいつに…俺が言ってやれる事は…)」

京太郎「馬鹿だな」ナデナデ

穏乃「…ぅ?」

京太郎「俺がそんな立派な奴に見えるか?」

穏乃「でも…皆、京ちゃんの事凄い凄いって…」

京太郎「じゃあ、お前を膝に抱えてる俺がそんなに凄いやつに見えるか?」

穏乃「…え?」








京太郎「お前から見て俺は…変わったか?」

穏乃「…ちょっとだけ背が大きくなった。後…格好よくなったかな」

京太郎「はは。ありがとうな。でも…それだけだろ」

京太郎「俺は何も変わっちゃいねぇよ。お前と山で遊んでた時と同じまんまだ」

京太郎「此の前も先輩に子どもだって言われたくらいだからな」

穏乃「そう…なの?」

京太郎「あぁ。だから、そんな風に持ち上げるなよ」

京太郎「お前に凄いとか言われるとむず痒いし…それに寂しい」

穏乃「寂しい…?」

京太郎「だって、今更、俺達はそんな事言うような仲じゃねぇだろ?」

京太郎「なのに、そんなすげーすげー言われると…なんつーか壁を感じる」

穏乃「わ、私、そんなつもりじゃ…っ!?」アセアセ

京太郎「分かってる。お前は単純に俺の事褒めてくれたんだって事くらい」

京太郎「でもな…俺にとってお前はかけがえのない親友なんだよ」

京太郎「そんな相手に置いて行かれて寂しいなんて言われたら…な」

穏乃「…ごめん…」シュン









京太郎「…よし。じゃあ…今日は走るか!」

穏乃「え?でも…」

京太郎「良いんだよ。俺もちょっと走りたい気分だったし」

京太郎「それに…今日はお前にプレゼントもあるしな」

穏乃「プレゼント…?」

京太郎「あぁ。ほら、これ」スッ

穏乃「わっ!あ、開けて良い?」

京太郎「おう」

穏乃「わー…何かな何かな」シュル

穏乃「あ…く、靴だ!」

京太郎「足のサイズは前から変わってないだろ?」

穏乃「うんっ♪あ、でも、これかなり高かったんじゃ…」

穏乃「登山も出来る立派な奴でしょ、これ」

京太郎「ま、バイトしてるし、これくらいはな」

京太郎「それにお前には普段から世話になってるし…たまにはこういうものを贈って機嫌とっとかねぇと」

穏乃「えへへ…♪じゃあ…有り難く貰うね!」

京太郎「おう。んで…試しにちょっとその辺走ってみようぜ」

穏乃「ふふーん♪今の運動不足の京ちゃんが私に勝てるかな!?」ニコニコ

京太郎「新品の靴だし、俺でも良い勝負は出来ると思うぜ」

穏乃「じゃあ…此の前のお礼もまだだったし…返り討ちにしてあげる!!」ニパー

京太郎「なんだ、悔しかったのか?」

穏乃「そりゃ当然。まだまだ負けるつもりなかったのに捕まっちゃったんだもん」ニコー

京太郎「其の割には顔嬉しそうだけどな」

穏乃「だって、京ちゃんからのプレゼントなんだもん。顔だって緩んじゃうよ」ニヒヒ






京太郎「ま、じゃあ、その笑顔を悔しさに塗り替えてやりますか」

穏乃「ふふ…♪悪いけど、今の京ちゃんにはきっと無理だよ!」

穏乃「私、今ならなんだって追い越せるし…負ける気がしないもん!」

京太郎「言ってろ。それじゃ…そろそろ」

穏乃「…え?」

京太郎「いや、降りろよ。でないと競争出来ないだろ?」

穏乃「…降りなきゃダメ?」シュン

京太郎「じゃなきゃ、お前はどうやって俺と競争するつもりだったんだよ」

穏乃「えっと…京ちゃんが私を背負って走るタイムと、私が京ちゃんを背負って走るタイムを比べるとか…?」

京太郎「それ明らかに俺が有利過ぎるだろ。だから、ほら…」

穏乃「あぅー…」

京太郎「…まったく…甘えん坊め」

京太郎「誕生日会前にもっかい充電してやるから諦めろ」

穏乃「えへへ…♪約束だからね!」

京太郎「あぁ。約束だ」










【System】
高鴨穏乃の愛情度がLV2になりました。
高鴨穏乃は京太郎のプレゼントを毎日使っているようです。

須賀京太郎の男気が+3されました。
最終更新:2013年10月12日 09:58