中学一年――6月(練習試合)

【中学一年 ―― 6月第一週】

京太郎「で…練習試合って他県なんですか…」

モブ1「まぁ、もう県大会間近だしな」

モブ2「どの高校も同県内でやろうとはしないさ」

モブ3「ま、何処もレギュラー陣の経験は積みたいから、他県相手だと結構、頻繁にやるけどな」

モブ1「今日もこれから終わったらまた別のところで練習試合組んであるぞ」

京太郎「うへぇ…マジですか」

モブ3「ま、お前も何れ遠征慣れするさ」

モブ2「俺らも二年の始めくらいは大変だったけどな」

モブ1「週末は殆どバスの中で寝てたっけ…」

モブ2「肩凝りで腕が上がらなくなった事もあったな」

モブ3「遠征終わってそのまま学校って言われた時には泣くかと思ったぞ」

京太郎「ちょ…あ、あんまり脅かさないでくださいよ…」






モブ1「はは。まぁ今回はそんな事ないから安心しろ」

京太郎「それなら良いんですけど…」

モブ2「おっと…それより…そろそろ見えてきたぞ」

モブ3「あぁ。インターミドル常連校…不動峰だ」

京太郎「ここが…あの…」ゴクッ

モブ1「ま…安心しろよ。不動峰つっても殆どが俺らと実力変わらないし。一名を除いて」

モブ2「あぁ。大丈夫だ。お前ならなんとかなるさ。一人を除いて」

モブ3「あまり不安になるな、俺達が何とかしてやるから。あいつを除いて」

京太郎「だ…誰なんですかその一人って…」








モブ1「不動峰にもいるんだよ、お前みたいに…おかしい力を持ったやつがな」

モブ2「インターミドル一回戦…俺達はそいつと打ったが…」

モブ3「結果は完敗。何も出来ないまま大差をつけられた」

京太郎「そ、そんなに強いんですか…?」

モブ1「お前とは違うタイプだから…単純に比較は出来ないがな」

モブ2「去年の不動峰がほぼそいつだけで準決勝まで進んだって辺り…やばさが分かるだろ?」

モブ3「ま…用心する事だ。お前のポジションは先鋒…お前とまず当たるからな」

京太郎「今から胃がキリキリしてきたんですけど…」

モブ1「安心しろ。所詮、練習試合だ」

モブ2「それに誰も一年のお前にそいつを抑えろなんて期待してない」

モブ3「後は俺達にタスキを渡すつもりで頑張れ」

京太郎「でも…」








モブ1「…そうだな。いい機会だし…団体戦が初めてのお前に一つ良い言葉を教えてやろう」

京太郎「良い言葉…ですか?」

モブ1「あぁ…【フォア・ザ・チーム】…チームの為に…だ」

京太郎「…チームの為に…」

モブ2「あぁ。お前は一人じゃない」

モブ3「後ろには俺達がいる」

モブ1「だから…諦めるな、めげるな、落ち込むな」

モブ2「チームの勝利の為に最善を考え、尽くし続ける」

モブ1「それが【フォア・ザ・チーム】…俺達の覚悟だ」

京太郎「覚悟…ですか」

モブ1「ま…俺達はお世辞にも強いとは言えないからな」

モブ3「だが、チームに尽くす気持ちは誰にも負けていないつもりだ」

モブ2「だから…安心しろよ。チーム戦の俺達は…個人戦よりも遥かに強いぜ?」



※【フォア・ザ・チーム】
団体戦時コンマに+10する








京太郎「(【フォア・ザ・チーム】…か)」

京太郎「(俺に…そんな覚悟があるだろうか)」

京太郎「(例え捨て石になってでも…チームに尽くす覚悟が…)」

京太郎「(いや…ないな。あるはずがないんだ)」

京太郎「(そんなのもてるほど…俺は強くない)」

京太郎「(だけど…それでも…俺は…)」

不動峰「…またせたな」

京太郎「いえ…大丈夫っす」

京太郎「(…あの人たちの為に…勝ちたい)」

京太郎「(こいつに…負けたくない…っ!)」




>>+2 京太郎(雀力補正+2自身の能力補正+4土壇場補正+5)=+11
>>+3不動峰(雀力補正+5自身の能力補正+25敵能力補正-4)特徴:酢昆布好き
>>+4モブ校A(-4)特徴:少年ジャンプが好き
>>+5モブ校B(-4)特徴:サンデー派



































>>京太郎94
>>不動峰89
>>モブA88
>>モブB36


京太郎「(聞いた話によると…こいつは一部の牌が集まりやすい火力特化型…!)」

京太郎「(その分手が早いけど…俺が抑える事は不可能じゃない…!)」

京太郎「(速度なら…俺が勝ってる…このままいけば…)」

不動峰「…ツモ」

京太郎「…え?」

不動峰「2000.4000…満貫だな」

京太郎「ぐ…っ…はい…」

不動峰の特殊勝利条件:
自身のコンマが80を超えた場合、満貫をツモる





>>+2 京太郎(雀力補正+2自身の能力補正+4土壇場補正+5)=+11
>>+3不動峰(雀力補正+5自身の能力補正+25敵能力補正-4)特徴:酢昆布好き
>>+4モブ校A(-4)特徴:少年ジャンプが好き
>>+5モブ校B(-4)特徴:サンデー派




































>>京太郎65
>>不動峰38
>>モブA8
>>モブB9

京太郎「(くそ…!やられた…!)」

京太郎「(相手もオカルト持ちだって事…すっかり忘れてた…!!)」

京太郎「(今までのやり方が通用するなんて限らないのに…油断して…)」

京太郎「(くそ…!一番、和了らせちゃいけない奴だったのに…!!)」ギュッ

京太郎「(…いや…落ち着け…)」

京太郎「(ここで焦っちゃ…何の意味もない)」

京太郎「(俺だって…今は満貫手が入ってる)」

京太郎「(これさえ当てられれば…点差はひっくり返る)」

京太郎「(後は…それを出してくれる奴が居れば…だけど…)」

モブA「」…トン

京太郎「…それだ。8000」



>>+2 京太郎(雀力補正+2自身の能力補正+4土壇場補正+5)=+11
>>+3不動峰(雀力補正+5自身の能力補正+25敵能力補正-4)特徴:酢昆布好き
>>+4モブ校A(-4)特徴:少年ジャンプが好き
>>+5モブ校B(-4)特徴:サンデー派


































>>京太郎93
>>不動峰110
>>モブA35
>>モブB2


京太郎「(ダメだ…不動峰が止まらない…!!)」

京太郎「(和了は遅くなってるはずなのに…止めてるはずなのに…)」

京太郎「(そんな中…悠々と歩いてきやがる…!)」

京太郎「(これが…俺と…いや、玄と同じ力を持つ雀士…)」

京太郎「(インターミドル常連…不動峰のエースなのかよ…)」

不動峰「…それロン。16000だ」

モブB「ひ…ぃ…」




>>+2 京太郎(雀力補正+2自身の能力補正+4土壇場補正+5)=+11
>>+3不動峰(雀力補正+5自身の能力補正+25敵能力補正-4)特徴:酢昆布好き
>>+4モブ校A(-4)特徴:少年ジャンプが好き
>>+5モブ校B(-4)特徴:サンデー派




































>>京太郎91
>>不動峰119
>>モブA 74
>>モブB 0


京太郎「(くそ…おいつける…追いつけるはずなんだ…!)」

京太郎「(大物手は入ってる…逆転だって不可能じゃない…!)」

京太郎「(なのに…なのに…くそ…!!)」

京太郎「(他の二人の配牌が悪すぎる…!!)」

京太郎「(しかも…モブBの奴…諦めてやがる…!!)」

京太郎「(あの顔は…もうここで終わっても良いなんて考えてる顔だ…!)」

京太郎「(くっそ…ふざけんな…!勝てるのに…方法はあるのに…!!)」

モブB「」トン

不動峰「ロン。役満だ」

モブB「あ…」ホッ











不動峰「お疲れ様」

モブA「お疲れ様でした…」

モブB「おつかれっしたぁ」

京太郎「~~~っ!!お前…っ!!」

モブ1「よせ、やめろ」

京太郎「…先輩!でも…!!」

モブ1「良いから。こっち来て、頭冷やせ」

京太郎「…すみません…俺…」

モブ2「…ばっか。何謝ってるんだよ」

モブ3「あの不動峰相手に+で終われただけで十分だ」

京太郎「でも…俺…勝てる方法があったのに…」

京太郎「勝てなくて…和了れなくて…こんな結果で…バトン繋いで…」

モブ1「じゃあ、お前はベストを尽くさなかったのか?」

京太郎「つ、尽くしました!俺…全力で…」

モブ2「当たり前だ。そんなもん後ろで見てた俺達がよく知ってるよ」

モブ3「お前は最後まで喰らいつこうとしてた。勝とうとしてた」

モブ3「…立派にフォア・ザ・チームの精神を理解してるよ」

京太郎「…先輩…」

モブ1「…あぁ。だから…次は俺達の番だ」

モブ2「折角の後輩の頑張りを無駄にしてくれた奴らに目にもの見せてやらないとな」

モブ3「あぁ…これからさいっこうの逆転劇を見せてやろうぜ」

男子部長「(イイハナシダナー)」





>>+2
00~30 差をあまり詰められないまま大将戦に
31~60 不動峰に追いつく事が出来た
61~99 大爆発。不動峰を下して一位の状態に
※フォア・ザ・チーム+先輩三人の基礎雀力補正で+14されます



































モブ2「(不動峰との点差はほぼ6万…)」

モブ3「(今から詰めようとすれば一人当たりの負担はかなり大きい)」

モブ1「(そもそも俺達は高めを和了るようなタイプじゃないし…堅実な打ち方しか出来ないからな)」

モブ2「(須賀や不動峰のようなオカルトもない俺達にはこの点差…普通ならかなり厳しいが…)」

モブ3「(だが…それはあくまでも…普通の事)」

モブ2「(不動峰は慢心してる…この点差があれば楽勝だって…気が緩んでる)」

モブ1「(他の高校は諦めてる。俺達以上の点差にやる気を削がれていっている)」

モブ2「(元々、実力が近いのに…そんな風に気を抜いたら…)」

モブ3「(俺達でも高めを狙える…そう…)」

モブ1「(不動峰…お前らを…引きずり下ろすくらいのはな…!!)」






モブ3「ふぅ…逆転だな」

京太郎「すげぇ…先輩すげぇ…!」

モブ2「はは。まぁ、やると言った以上、これくらいはしないとな」

モブ3「それに俺たちがここまでやれたのはお前が不動峰のエースを抑えててくれたからだ」

モブ1「二位って言う立場が気持ちの安定にも繋がったからな」

モブ2「だから、俺達の勝利はお前のお陰だ」

モブ3「ありがとうな、須賀」

京太郎「いえ…!そんな事ないです!先輩たち凄いです!」

モブ1「はは。そう持ち上げるなよ」

モブ2「あぁ…それに…ここからが本番だからな」

京太郎「本番…ですか?」

モブ3「おいおい、大将戦があるの忘れてないか?」

京太郎「あっ…」







モブ1「これまでの不動峰には慢心があった」

モブ3「それも俺たちの逆転で消えた事だろう」

モブ2「それに…不動峰の大将は今までの奴とは一段違う」

モブ1「他の高校なら十分、エースやってける実力者だからな」

京太郎「そんな…じゃあ…」

モブ1「ばか。そう悲観した顔をするんじゃない」

モブ2「ま、見てろよ」

モブ3「俺達の大将もそれなりなもんだぜ」




部長「さて…よろしくお願いします」スッ

不動峰「…あぁ、よろしく」

京太郎「でも…大将て部長ですよね?」

京太郎「あんまりその…強そうには見えないんですけど」

モブ1「あぁ、そうか。須賀は知らないんだな」

モブ2「部長は去年のうちで努めたポジションは先鋒」

モブ3「つまりうちのエースやってた奴だ」

京太郎「えっ!?ほ、本当ですか!?」

モブ2「あぁ。マジだ。ま…本人としちゃそれはあんまり思い返したくないらしいがな」

京太郎「え…どうして…」

モブ1「言っただろ?去年のうちは不動峰のエースにボコされたって」

京太郎「あ…」

モブ2「そうだ。つまり…部長…アイツが大量失点して…俺達は敗退したんだ」

モブ1「…でも、な。あいつは思い返したくないなんて言ってるが…」

モブ3「アイツはすげぇ奴だ。何せ…俺達にフォア・ザ・チームの言葉を教えてくれたのはアイツだったからな」

京太郎「え?」



モブ1「あいつは諦めなかった。どんな状況でも食らいつこうとしてた」

モブ2「ただバトンを流す事じゃなく最後まで一点でも多く取り返そうとしてた」

モブ3「辛いだろうに苦しいだろうに…それでも前を向いて歯を食いしばり続けた」

モブ2「チームの為に最後まで戦い抜いて…俺達にバトンを繋いでくれた」

モブ1「でも…去年の俺達はそれに応える事が出来なかった」

モブ2「だが…今年は違う。俺達は強くなった」

モブ3「あいつが体現してくれたフォア・ザ・チームの言葉を心に刻んだ」

モブ1「そして…何より…」

モブ2「不動峰との惨敗から…あいつは自分を鍛え上げた」

モブ3「部長をやりながらも誰よりも努力し、育て上げた」

モブ1「そんな奴が…俺達から受け取ったバトンを落とす訳がないだろ」

モブ2「だから…安心して見てろよ」

モブ3「あいつはあまり自己主張しないし、影が薄いが…」

モブ2「あいつはお前を除けば、俺達の中で一番、すげぇ奴なんだからさ」



>>+2
00~30 だが、逆転を許してしまった
31~60 一位を守りぬいた
61~99 モブB校を飛ばして勝ち抜いた
※フォア・ザ・チームと部長の雀力により+16されます


































>>モブB校を飛ばして勝ち抜いた

部長「(さて…このままでも勝つのは容易だけど…)」

部長「(このままじゃ終われない。そんな気持ちは僕にもある)」

部長「(彼らほどではないが…それでも須賀君には期待しているんだ)」

部長「(そんな彼の頑張りを…無駄にするようなやり方をして…)」

部長「(少なからず腹が立っている)」

部長「(ならば…どうするのか…なんて決まっているだろう?)」

部長「(折角の練習試合なんだ。頑張って練習を積んでもらおうじゃないか)」

部長「(ただし…するのは飛ぶ練習だけどね)」

部長「…ロン。5200」

部長「ロン。6400」

部長「ロン。8000…これで終わりだな」

部長「(おっと…いけないいけまい…)」

部長「(こういう我が強いところは直さないとな)」

部長「(僕はもうエースではないし、そんな風に我を通せるほどの実力もないんだから)」

部長「(県大会ではちゃんと…我を捨ててチームの為に貢献しないと)」

部長「(ま…そうだな…でも…今は…)」

部長「(…あの嬉しそうな後輩の笑顔を見れただけでよしとしておくか)」
最終更新:2013年10月12日 09:15