小学六年生――9月

【小学6年 ―― 9月】

京太郎「(結局、アレからレジェンドの実業団入りは順調に決まった)」

京太郎「(スカウトしに来た人も優しそうな良い人でチームの待遇も悪くないそうだ)」

京太郎「(とりあえず…教室の方はレジェンドがあっちに行くまでは続くらしい)」

京太郎「(それに安心したのは俺だけじゃなかったらしい)」

京太郎「(特にしずなんかは目に見えて嬉しそうにしてた)」

京太郎「(ただ…それは別れが少し先になっただけにすぎない)」

京太郎「(俺達が小学校を卒業すると同時に…あそこはなくなっちゃうんだ)」

京太郎「(…そう思うと…少しだけ…寂しい気もするかな…)」

京太郎「(ま…そうやって落ち込んでる暇はないか)」

京太郎「(そろそろ本格的に進学のことも考えないといけないし…)」

京太郎「(それに…玄との関係もあるし…)」

京太郎「(とりあえず…部屋の中でのんびりしてないで…出かけてみるか)」


>>+2
末尾1.2.3 しず憧和と出会った
末尾4.5.6 自然と旅館の方へと足が向いた
末尾7.8.9 鷺森に相談する事にした
末尾0 ???と出会った
































>>しず憧和と出会った

【阿知賀女子学院前】

京太郎「よう。三人で何してるんだ?」

穏乃「あ、京ちゃん」

和「進学の話をしてたんです」

京太郎「あー…進学かぁ…」

憧「アンタはもうそろそろ決まったの?」

京太郎「いや…その…まだ…」

憧「…はぁ、呆れた」

和「優柔不断にもほどがありますね…」

京太郎「う…いや…だってさ…」

京太郎「阿知賀にも思い入れがあるし…でも、阿太中で麻雀もしたいし…」

和「…まぁ…それだけ須賀君が麻雀に対して真剣なのはわかりますけれど…」

憧「…」

憧「だったら…阿太中にしなさいよ」

穏乃「えっ」

憧「麻雀…本気でやりたいんでしょ?」

憧「それならやっぱり阿太中の方が良いって」

憧「阿知賀じゃハルエもいなくなったし…麻雀を真剣にやるのは向いてないし」

憧「何より、別に皆と会うなら阿知賀じゃなくても出来るでしょ」

京太郎「そうだなぁ…確かに…」

穏乃「…っ!」






穏乃「だ、だめだよ!」

京太郎「え?」

憧「…しず?」

穏乃「ま、麻雀部なんて阿知賀でこれから作れば良いんだし…」

穏乃「子ども麻雀教室に居た皆だけでも打つのには足りてるよ!」

穏乃「それに…阿知賀は学食も美味しいし…後、校舎も広くて綺麗だし…」

穏乃「玄さんや灼さんもいるし…女の子だって一杯だよ!」

穏乃「それに…それに…」

京太郎「…しず…」

穏乃「わ…私も…京ちゃんに…阿知賀に来て欲しい」

憧「っ…!」






穏乃「…ごめん。こういう事言っちゃ卑怯だよね…」シュン

穏乃「…わ、私…き、今日は帰る…」

穏乃「晴絵さんには…皆から言っておいて…!」

京太郎「しず…!」

穏乃「~~っ!来ないで…!!」シュタタタ

京太郎「あ…くそ…っ!あいつ…!」

憧「…追いかけてあげて」

京太郎「…憧…?」

憧「あたし…しずの気持ちも分かるから」

憧「ううん…しずが言わなきゃ…きっとあたしが言っちゃってたと思うから」

憧「だから…追いかけて…捕まえてあげて」

憧「きっと…しずもそれを待ってる」

京太郎「…あぁ。分かった…!」ダッ

和「…良いんですか?」

憧「良いの良いの。目の前でウジウジされちゃ堪んないし」

憧「それに…あたしが好きになった京太郎は…こんなところで待っていられる奴じゃない」

憧「あたしが何も言わなくてもきっと走り出してたから」

和「…ベタ惚れですね」

憧「…ほ、本人には絶対に言わないでね…カァァ

和「そこまで無粋じゃありませんよ」クスッ






京太郎「(正直…俺が穏乃の奴に追いつける自信はない)」

京太郎「(平地では若干俺の方が早いけど…少しでも坂になるとあいつから引き離されちまう)」

京太郎「(その上、一瞬あっけに取られてる間に大幅な距離が離れちまった…!)」

京太郎「(起伏が多い阿知賀の土地で…その差は絶望的だ…!)」

京太郎「(でも…だからって諦められるかよ…!)」

京太郎「(本気のあいつに追いつくくらい出来なくて…何が男だ…!)」

京太郎「(それに…リベンジするには最高の機会じゃねぇか…!)」

京太郎「(今日こそ…あのしずに勝つ…!絶対に…勝ってやる…!!)」




>>+2
00~30 だが、見失ってしまった
31~60 穏乃が自宅に辿り着く前に捕まえる事が出来た
61~99 急激に追い上げ、穏乃が得意とする山で捕まえる事が出来た































>>急激に追い上げ、穏乃が得意とする山で捕まえる事が出来た


穏乃「~~っ!」

穏乃「(京ちゃん…追ってきてる…!)」

穏乃「(でも…今の状態じゃ…顔見せ出来ないよ…)」

穏乃「(京ちゃんが迷ってる事知ってたのに…あんな風に優しさに付け入るような真似して…)」

穏乃「(憧だって…同じ気持ちなのに…私…最低だ…)」

穏乃「(だから…今は来ないで…っ!私…今、きっと酷い顔してるから…)」

穏乃「(きっと意地悪な顔してるから…だから…)」

京太郎「しいいいずうううう!!」

穏乃「っ!?」

穏乃「(なんで…追ってこれるの!?)」

穏乃「(今までだったら…山にさえ入れば引き離せたのに…!)」

穏乃「(何時もなら…京ちゃんの方が先にへばってたのに…どうして…!?)」

穏乃「(ヤダ…どんどん来る…来ちゃう…京ちゃんが来る…!)」

穏乃「(嫌…こんな私見られるなんて嫌なのに…絶対に嫌なのに…っ)」

京太郎「」ギュゥ

京太郎「…ったく…ようやく勝ったぞ…しず」

穏乃「っ…!」





穏乃「や…やだ…手…離して…!」ブンブン

京太郎「やだじゃねぇ…暴れるなって」

穏乃「で、でも…わ、私…私…」

京太郎「良いから…ほら、こっち向けよ…」

穏乃「やだ…」

京太郎「…なんでだよ」

穏乃「私…今…絶対酷い顔してるから…」

京太郎「知るかよ」クルッ

穏乃「ひぅ!?」

京太郎「あー…確かに酷い顔してるな」

穏乃「っ…!」ビクッ

京太郎「涙ポロポロ零して…ったく…そんな状態で走って良く転ばなかったな」フキフキ

穏乃「……ぅ」

京太郎「…ほら、綺麗になったぞ。だから…今度こそ俺の顔見れるだろ?」

穏乃「…う…」メソラシ

京太郎「それとも…そこまで俺にしてもらわないとダメか?」

穏乃「…違うけど…でも…」

京太郎「ったく…ほら」グイッ

穏乃「あ…っ」カァァ








穏乃「(あ…京ちゃんに顔掴まれて…顔近づいて…)」

京太郎「これで…もう逃げられないな」

穏乃「(これ…何?これ…どうしてこんなに…ドキドキするの…?)」

穏乃「ぅ…」ドキドキ

京太郎「ったく…手間かけさせやがって…」

穏乃「ごめん…」

京太郎「そうだぞ、海よりも深く反省しろ」

穏乃「…うん…」

京太郎「…ま、今回の件に関しちゃ俺の方が圧倒的に悪いけどな」

穏乃「えっ…?」

京太郎「俺がさっさと中学決めたらしずをそんなに追い詰める事なかったからな」

京太郎「だから…ごめんな。…全部、俺のせいだ」

穏乃「そ…そんな事ないよ!」

穏乃「悪いのは…卑怯だった私で…あんな事言っちゃった…私の方で…」シュン






京太郎「そんなに卑怯な言葉だったか?」

京太郎「友達と一緒にいたいっていうのは極普通の要求だろ」

穏乃「そう…だけど…でも…憧は阿太中に行くって…そう言ってたし…」

穏乃「そんな憧の前であんな…卑怯だよ…」

穏乃「憧だって京ちゃんと一緒にいたいのに私だけ…我儘言って…」

穏乃「…ごめんね…」

京太郎「…いや、謝るような事じゃねぇだろ」

穏乃「でも…」

京太郎「大丈夫だって。憧も気にしてなかったし」

京太郎「つか、そもそもしずを追いかけろって言ったのは憧の方なんだぞ」

穏乃「えっ…?」








京太郎「お前は卑怯って自分を責めてたけど…憧の奴はきっとそんな事気にしてねぇよ」

穏乃「…本当に?」

京太郎「じゃなきゃ、俺に追いかけて捕まえろなんて言わないって」

京太郎「アレで居て冷たいところは冷たいからな、あいつ」

京太郎「怒ってるんなら寧ろ自分のところに引きとめようとしてるだろうし」

京太郎「だから…さ。そんな風にウジウジすんなって」ポンポン

京太郎「何時もみたいに…明るくしてくれた方が…俺も憧も嬉しい」

穏乃「…うん…」








穏乃「ごめんね…私…最近、変なの…」

京太郎「変?」

穏乃「うん…京ちゃんと中学別になるって思ったら胸の中ぐちゃぐちゃってしちゃって…」

穏乃「離れたくないって…そんな気持ちばっかりになっちゃって…」

穏乃「迷惑だって分かってるのに…私…どうしても止まらなくて…」

穏乃「約束だってしてもらったのに…私…ホント…ダメなの…」

京太郎「…じゃあ…俺は…」

穏乃「…ダメ」

京太郎「え?」

穏乃「それだけは…絶対にダメ」

京太郎「…いや、でも…お前…」





穏乃「…勿論、京ちゃんが阿知賀に来てくれるなら…私は嬉しい」

穏乃「でも…こんなので阿知賀に決められたら…私…もう憧に顔向け出来ない」

穏乃「京ちゃんを奪ったんだって…きっと一生、恨まれちゃう…」

穏乃「だから…京ちゃん…一つ…お願いがあるの」

京太郎「…なんだ?」

穏乃「…阿太中に…憧と一緒に…居てあげてくれない?」

京太郎「…良いのか?」

穏乃「…うん。だって、私…京ちゃんと約束したもん」

穏乃「月に一回は一緒に麻雀やるって…そう約束したから」

穏乃「だから…私はきっと大丈夫」

穏乃「京ちゃんと離れ離れじゃないって…分かってるから…だから…」グスッ






穏乃「それに…私…京ちゃんは阿知賀じゃなくて…阿太中に行った方が良いんだよ」

穏乃「阿知賀に来たら…きっと満足に麻雀出来ないし…」

穏乃「玄さんも灼さんも…来年から受験で忙しくなるし…」

穏乃「だから…京ちゃん自身の為にも…阿太中に…行くのが良いよ」

京太郎「しず…お前…」

穏乃「でも……お願い…もうちょっとだけ…」

穏乃「…ギュって…して…?」

穏乃「京ちゃんと離れ離れになっても…寂しくなったりしないように…」

穏乃「京ちゃんの事…私に…刻みこんで」

京太郎「…あぁ。何時までも…いや、何時だってやってやるよ」ギュッ

京太郎「だから…中学別れても…すぐに俺の事頼れよ」

京太郎「お前の為なら…何時だってすぐに胸だって手だって貸してやるからさ」

穏乃「…うん」ポロポロ










【System】
高鴨穏乃の思い出が13になりました。
高鴨穏乃の好感度が15あがりました。
現在の高鴨穏乃の好感度は100です。
おめでとうございます、高鴨穏乃の攻略が完了しました。
高校にて幼馴染ハーレムルートが解禁されました。

須賀京太郎の男気力が3あがりました。
最終更新:2013年10月05日 10:07