小学六年生――7月

【小学6年 ―― 7月】

穏乃「やーまーだ!」

京太郎「かーわーだー!」

玄「おーもーちーだー!!」

和「…なんであんなにテンション高いんでしょうあの人たち…」

憧「ほっときなさい、勉強から解放されてハイになってるのよ」

穏乃「えー!?だって、山だよ!!一ヶ月ぶりの山なんだよ!!」

京太郎「お前、川だぞ!!泳げるんだぞ!!!」

玄「水着だよ!!おもち拝み放題なんだよ!!!」

灼「とりあえず…玄は黙っておくべきだと思…」

玄「むぐっ」

和「…玄さんは相変わらずですね…」

憧「まぁ、玄さんがおもちおもち言い出さなくなったら心配するレベルだしね…」

玄「むぐー…」







灼「ま…それより大事な気晴らしだし…」パッ

玄「ぷあ…!そうだよ!最近、三人とも付き合い悪いしー…」

憧「ごめん。でも、しずや京太郎の勉強みてやんないといけないしさ」

穏乃「ごめんね…」

京太郎「面目ない…」

玄「あ、ううん!良いんだよ!受験とかって大事だし…」

玄「私も今の時期は…おねーちゃんは灼ちゃんに頼りっぱなしだったし…」エヘヘ

灼「大変だった」ハァ

京太郎「去年、玄や鷺森があんまり顔出せなかった理由ってやっぱりそれだったのか」

玄「うー…ごめんねごめんね」









玄「でも、そんな私だからこそ今日の川遊びを計画する事が出来たんだよ」ドヤァ

京太郎「まぁ、正直、すげー有難いけどさ」

玄「でしょでしょ!!」

玄「成長途中のおもちや大きなおもち…小さなおもちとよりどりみどりだもんねー…」

和「~っ//」バッ

京太郎「おーい、玄。原村が顔真っ赤にして睨んでるぞ」

玄「えー…でも、京太郎君もおもちマイスターとして今の状況には思う所があるでしょ?」

京太郎「いや…まぁ…その…」

憧「京太郎~?」ジトー

京太郎「い、いや!そ、そうだ!お前のその仲間認定のお陰でどれだけ俺が原村に警戒されてきたと思ってるんだ!!」

玄「え?でも、原村さん私には普通だよ?」

京太郎「そりゃ男と女なんだから対応違うのが普通だろ…」ハァ







灼「でも、役得だよね」

京太郎「え…ちょ…鷺森が乗るのかよ」

灼「だって…京太郎以外女の子ばっかりだし」

京太郎「まぁ…そりゃそうだけど…」

灼「まるでハーレム」

京太郎「ハーレムって…お前な」ハァ

京太郎「今から遊ぶ面子の中にたまたま男一人混ざってるだけだろ」

京太郎「そんなんじゃ来年からの阿知賀だってハーレムになるじゃねぇか」

灼「ん…でも、ここにいる皆は京太郎の事好きだし」

京太郎「は、はぁ!?」カァァ

憧「ふきゅっ!?」ドキーン







灼「…私は京太郎の事好きだよ」

穏乃「あ、私も私もー!」

玄「勿論、私も大好きなのです!」ドヤァ

憧「う…う…」

灼「…憧は?」

憧「わ、私は…私は…そ、その…」カァァ

憧「す…す…す…す…ぃ…す…」シュゥゥ

京太郎「す?」

憧「スイートピーの方が好きだから!!!!!」

京太郎「お、おう…そ、そうか」

憧「うん!そうなの!」

灼「…」ハァ

玄「憧ちゃん…」

穏乃「(…あれ?私なんでちょっとホッとしてるんだろ…)」







和「っていうか…か、勝手に私の事を含めないで下さい」

和「わ、私はそんなに須賀君の事を知りませんし…好きとかそういうんじゃないですから」

穏乃「じゃあ、嫌い?」

和「そ、そこまでは言ってないじゃないですか…」

穏乃「じゃあ、好きなんだね!」ニコー

和「いや…だから…」

京太郎「…諦めろ、原村。しずには好きか嫌いかでその中間なんてないんだ」

憧「しずだからね…」

玄「穏乃ちゃんだからねー…」

灼「まぁ…穏乃だし」

穏乃「ぅ?」







京太郎「ま、それより折角、川に来たんだし遊ぼうぜ」

穏乃「わーい!」

憧「こらこら、先に準備体操しないとまた溺れるはめになるわよ」

穏乃「大丈夫だよ!その時はまた京ちゃんが助けてくれるし!」

京太郎「馬鹿。何時だって俺が助けられるとは限らないだろ」グイッ

穏乃「あっ」カァァ

京太郎「…ん?どうした?」

穏乃「い…いきなり…腕掴むから…」

京太郎「そりゃいきなり川に入ろうとするお前を止める為に仕方なくだな…」

穏乃「う…うん…分かってる…分かってるけど…」

穏乃「(なんでだろ…ち、ちょっとだけ…恥ずかしい…かも…)」

穏乃「(へ、変だな…別に…手を繋がれてる訳でもないのに…触れられたところからドキドキしてるような…)」

京太郎「ま、それが嫌ならちゃんと準備体操しろよ」パッ

穏乃「あ…う…うん」






京太郎「(で…準備体操始めた訳だけれど…)」

京太郎「(なんていうか…そう…なんて言うか…な…)」

玄「~♪」プルルーン

和「…」プルルン

灼「…」

憧「…」

穏乃「…」

京太郎「(なんだろうな…この格差社会…)」

京太郎「(いや…憧は微かに膨らみはあるよな…水着の上からでも…少しだけ分かるし…)」

京太郎「(でも、しずと鷺森は…まぁ…その…うん)」

京太郎「(しずはともかく…鷺森は会った頃から殆ど変わってねぇしなぁ…)」

京太郎「(成長…するんだろうか、アイツ…)」

灼「…?」






穏乃「よし。それじゃ今度こそ突撃ー!」ドタドタ

和「ちょ…あ、危ないですよ!」

憧「あーもー…しょうがないなぁ…」トテトテ

玄「あ、私も負けないよー!」

京太郎「あいつら無意味に元気だなぁ…」

灼「普段はその中にいる癖に」クスッ

京太郎「まぁ…いるって言っても俺らを引っ張るのは殆どしずの役目だしな」

京太郎「ってか鷺森は入らないのか?」

灼「うん。もうちょっとのんびりしたい」

灼「それに…久しぶりに京太郎と話をしたかったから」ニコッ

京太郎「あー…そういや最近、そういう機会ないもんなぁ…」

灼「お互い…色々と忙しかったから」

京太郎「そうだな…あんまり…鷺森レーンの方にも行けてねぇし…」





灼「…ちょっとだけ…寂しかった」

京太郎「…うん…悪い」

灼「ううん…京太郎が悪くない事は分かってるから」

灼「それに…寂しいなら私の方から行けば良いのに、色々と理由つけて行かなかったんだし」

京太郎「…そんな風に遠慮なんかすんなよ」

京太郎「言っただろ。責任取ってやるって」

京太郎「寂しがらせてるのは俺の所為なんだし…何時でも会いに来いよ」

京太郎「俺で良ければ何時でも相手してやるからさ」

灼「格好つけちゃって」クスッ

京太郎「たまには格好つけとかないとまたお前に可愛いって言われるからな」

灼「…そういう所が可愛い」ニコ

京太郎「う…今日こそは言われないと思ったのに…」

灼「まだまだ大人のオトコには程遠いね」フフッ






灼「…で誰が好みなの?」

京太郎「いきなり何を言い出すんだ、お前は…」

灼「だって、色々タイプが違う子が揃ってるでしょ?」

灼「一人くらいは好みのタイプがいるんじゃない?」

京太郎「玄かお前は…」

灼「玄だったら恥ずかしがってこういうの聞かないよ」

灼「玄は玄で恥ずかしがり屋だから」

京太郎「普段おもちおもち言ってる癖にな…」

灼「で…どうなの?」

京太郎「…話を逸らさせてくれよ」

灼「だめ。ほら、見るだけでも良いから…ね」

京太郎「う…お…俺は…」


>>+2
末尾1.2.3 玄の方を見てしまった
末尾4.5.6 しずの方を見てしまった
末尾7.8.9 鷺森の方を見てしまった
末尾0 やっぱアコスがナンバーワン!!







>>しずの方を見てしまった

京太郎「…っ!」チラッ

灼「…へぇ」

京太郎「な…なんだよ」

灼「いや、普段から一緒にいて一番意識してない子だろうなって思ったんだけど…」

灼「…大方、さっき腕に触っちゃった時の反応で女の子なのを再認識しちゃった?」

京太郎「う…なんの話か俺にはわからないな…」メソラシ

灼「ふふ…まぁ…分からないなら分からないで良いけれど…」

灼「でも…ちょっとだけ安心したかな」

京太郎「…え?」

灼「もしこれで玄や原村さんを見られていたら…私じゃ無理だから」

京太郎「は…?」ポカーン

灼「ふふ。冗談。…今は…ね」スッ

灼「じゃ、私も行ってくるけど…京太郎はどうする?」

京太郎「…お前の所為で顔が赤いからもうちょっとここで休んどくよ」

灼「そっか。じゃ…また後でね」

京太郎「おう…とっとといきやがれ…ったく…」










京太郎「(…俺にだって…分かってんだよ…)」

京太郎「(普段、どれだけ明るくて人懐っこいつっても…あいつはやっぱり女なんだって…)」

京太郎「(でも…仕方ねぇじゃねぇか…)」

京太郎「(もし…そうやって本気で意識したら…あいつはきっと寂しがる…)」

京太郎「(人一倍人懐っこい分…寂しがり屋のあいつに…俺はずっと側にいるって…友達でいるって約束したんだ)」

京太郎「(それを…憧みたいに変に意識して…ぎくしゃくなんかしたくない)」

京太郎「(だから…俺は)」

穏乃「あれ?京ちゃん?」

京太郎「う、うわっ!?」

穏乃「泳がないの?」

京太郎「あ…いや…ちょっと休憩」

穏乃「そっか。じゃあ…私も休憩しよ」スッ

京太郎「…良いのかよ?」

穏乃「うん。あっちは玄さんが原村さんのおっぱい揉んで怒られてるし」

穏乃「それに…私が一番、楽しいのは…京ちゃんの側だから」

京太郎「そっか…」

穏乃「うん。そうなんだ」

京太郎「……」

穏乃「……」

京太郎「…」

穏乃「…ね、京ちゃん」

京太郎「ん?」

穏乃「…今だけ…今だけで良いから…手を握っててくれない?」

京太郎「…ん。好きにしろよ」











【System】
高鴨穏乃の思い出が12になりました。
高鴨穏乃の好感度が13あがりました。
現在の高鴨穏乃の好感度は90です。
最終更新:2013年10月05日 09:48