小ネタ:もしも和が幼馴染だったら編

【もしも和が幼馴染だったら】

和「」テクテク

京太郎「(買い物中か…なんか大きいな袋持ってるし…)」

京太郎「(…しかし、なんだあの服…凄いフリフリしてるんだけど)」

京太郎「(普通ああいうのってよそ行き用なんじゃないのか…?)」

京太郎「(そんなので普通に歩いてて大丈夫なのかな…)」

和「……」ピタッ

京太郎「(ん…あれ?)」

和「…」テクテク

和「…何か用ですか?」

京太郎「あ、いや…その…」

和「…」

京太郎「ごめん、別に用って訳じゃないんだ。その…珍しい格好で気になって」

和「そうですか…」

















和「確かに物珍しいのは分かりますが」

和「とは言え…そんな風にジロジロ見られるのは不愉快です」

京太郎「…あ、うん…ごめんな」

和「…次からは気をつけてくださいね」フイッ

京太郎「あっ…」

父「ひゅー…なんか気の強い子だったなぁ…」

京太郎「…だなぁ。まさか見てただけで不愉快って言われるなんて…」

父「ま、あの胸だしな」

母「…お父さん?」ニコッ

父「い、いや…お、俺は母さんみたいなサイズも良いと思ううん!!」

母「ちょっとこっちでお話し合いしましょうね…」

父「…息子よ、時に女性とはかくも理不尽なものだ」

父「だが、男は耐えねばならぬ…耐えねばならんのだ」

京太郎「…良いからとっとと話し合いとやらをしてこいよ」

父「うぅ…息子が冷たい…」


















【すがけっ】

京太郎「ふぅ…」

京太郎「(とりあえず荷物の解体始めたけど…)」

京太郎「(やっぱ中々終わらないなぁ…)」

京太郎「(まぁ、一日二日でどうにかするようなものじゃないってのは分かってるんだけど…)」

京太郎「(正直まったく作業が終わる気配がなくって…つまらない)」ハァ

父「どうした、京太郎」

父「まるで荷解きが面倒でしかたがないような顔じゃないか」

京太郎「そこまで分かってるならそろそろ休憩しようぜ」

父「とは言ってもまだ二時間もやっていないからな」

父「今日をこの家で過ごす為にももう少し我慢しておけ」

京太郎「…はぁ、分かったよ…」

父「まぁ、だが、幼いお前をこの終わりの見えぬ作業に付き合わせるのも酷な話だ」

父「というわけで…母さん」

母「はいはい。じゃ…とりあえず京太郎は私と一緒に引っ越しのご挨拶にいきましょうか」

京太郎「引越しの挨拶?」




















母「えぇ。近所の人への顔合わせって事ね」

母「周りの人の事を知るのも知られるのもまずは挨拶よ」

母「さっき京太郎があの子に叱られたのもそういうのもなしに不躾だったからでしょうね」

京太郎「…むぅ」

母「だから、二度とそういうふうに誤解されない為にも挨拶に行きましょ」

京太郎「…分かったよ。でも、オヤジは?」

父「俺はお前らに見つかったらいけないお宝を隠すのに忙しいからな」キッパリ

母「あぁ、アレは出発前に全部処分しましたよ」ニコッ

父「なん…だと…」

母「私がいるんだからああいう不潔なのはいりません」プイッ

京太郎「…不潔?」

父「そんな…これを期に京太郎にもお宝を一つ分けてやろうと思ったのに…」ワナワナ

母「あーなーたー…!」

父「ひぃ」


















京太郎「…で、オヤジはほっといてよかったのか?」

母「良いのよ。あの人はああいうのが好きってだけなんだから」

京太郎「ああいうのが?」

母「ああやって私に叱られるのがって事」

京太郎「俺は叱られたくないんだけどなぁ…」

母「そういうコミュニケーションの取り方もあるって事」

母「まったく…中学時代からまったく変わってないんだから」クスッ

京太郎「…でも、なんだかオフクロも楽しそうだな」

母「そう?…まぁ、そうなのかもね」

母「…なんだかんだ言って私の方がお父さんにゾッコンなのよ」

京太郎「…ゾッコン?」

母「お父さんの事大好きって事。…ほら、それより、インターフォン押して」

京太郎「あいよ」ピンポーン


















「はい」

母「突然すみません。私、隣に引っ越してきた須賀でございます」

母「引っ越しのご挨拶に参りました」

「まぁ、それはご丁寧に。今、開けますね」ガチャン


トテトテトテトテ


和母「はい。お待たせしました」

母「いえいえ、とんでもございません」

母「改めまして、隣に引っ越してきた須賀でございます」

母「こちらが息子の須賀京太郎」

京太郎「は、はじめまして。須賀京太郎です」カチカチ

和母「あらあら…ご丁寧にどうもありがとう」クスッ

和母「私が原村母です。こちらこそよろしくお願いします」

母「ありがとうございます。あ、こちらお近づきの一品です」

和母「ありがとうございます。いただきますね」スッ

















和母「ところで君…何年生?」

京太郎「ら、来年四年生だ…あ、いや、です…」

和母「ふふ、いいのよ、敬語とか気にしなくて」

和母「じゃあ、うちの娘と同い年なのね」

和母「ちょっとまってね、今挨拶に来させるから…」

和母「のどかー。ちょっとこっちいらっしゃい」

和「…はい」

京太郎「…え?」

和「あっ」

母「あっ…」

和母「…アレ?どうかしたの…?」

















和「…さっきの」ジトー

京太郎「あ…その…」

和母「…知り合い?」

和「…さっきの買い物中にちょっと会って…」

和母「そうなの。じゃあ、話は早いわよね」

和母「こちらお隣に越してこられた須賀さんよ」

和「…隣に?」

母「えぇ…まぁ…」

和「…そうですか。私が原村和です。よろしくお願いします」ペコッ

京太郎「…あ、俺は…」

和「…もう下がって良いですか?」

京太郎「…っ!」

和「…またジロジロ見られるのは嫌なので」

和母「…ジロジロ?見られる?」

















京太郎「まてよ。せめて挨拶くらい…」

和「…必要ありません。興味ないですから」

和母「…和?」

和「…下がります。では」トテトテ

和母「…ごめんなさいね。ちょっと気難しい子で…」

母「いえいえ…不躾だったのはこちらの方ですから…」

和母「…何かあったんですか?」

母「はい。実は…」


カクカクシカジカマルマルウマウマ


和母「…なるほど。それで…」

和母「ごめんなさいね、普段はあの子もあんな風に反応する子じゃないの」

和母「ただ…あの子はあの格好で色々と言われるみたいで…」

京太郎「…なんでだよ。可愛いじゃん。…あ、ごめんなさい」

和母「ふふ…良いのよ。でも、普通の子のセンスと少し違うから…」

和母「いじめられたりはしていないみたいだけど…色々とやっかみも受けているみたいで」

和母「出来れば…仲良くしてあげてね」

京太郎「…うん」





















【一週間後】

京太郎「あー…くそぉ…」

京太郎「(…ようやく引っ越しが終わるかと思ったら買い物かよ…)」

京太郎「(まぁ、もう商店街の位置とかは覚えてるけどさ)」

京太郎「(でも、最近、ちょっとこき使いすぎじゃねぇの?)」

京太郎「(アレやれコレやれって…まったく…)」

京太郎「(殆ど遊ぶ暇さえないし…まぁ、遊ぶ友達さえもいないんだけどさ…)」

京太郎「(…もう少しで学校かぁ…どんな顔して登校すりゃ良いんだろうな…って)」

和「…」

京太郎「(…なんだ、あのフリフリ女じゃん)」

京太郎「(あいつも買い物帰りか、また手に荷物持ってるし…)」

京太郎「(…はぁ、なんかイヤなものも見ちまったな…)」

京太郎「(あの時は頷いたけど…正直、俺嫌われまくってるし)」

京太郎「(仲良くするにしても原村の方が拒否するだろうしなぁ…)」















京太郎「(…ま、あっちは俺に気づいていないみたいだし)」

京太郎「(この位置なら後ろに着く事も出来るだろうし…)」

京太郎「(このまま適当に後つけて…って…!)」

大型犬「ばうばうっ!!」

和「きゃあ!?」

京太郎「ちょ…!」

京太郎「(なんかでっかい犬が原村の方に…!)」

京太郎「(なんでリードとかつけてないんだよ…クソ…!)」

京太郎「(どうする…いや…迷ってる暇なんてない…!)」ダッ

京太郎「…原村…!」

和「…え?きゃあ…!」ドサ

大型犬「ばうわう!(遊んで遊んでー!)」

京太郎「バカ!離れろよ…!この馬鹿犬…!」ペシペシ

大型犬「ぅ?(なになに?そっちが遊んでくれるの?)」

大型犬「(じゃあ、遊ぶー♪)」

京太郎「うぉあ…!?」
















大型犬「ベロベロ」

京太郎「うへぇあ…!ちょ…止め…!」

大型犬「わんわん」prpr

京太郎「はは…!ちょ…くすぐったいっての…ははっ!」

大型犬「わんわんわんわん」フリフリ

京太郎「(あー…なるほど。こいつ遊びたかったんだな…)」

京太郎「分かった分かった…遊んでやるからちょっと待ってろ」ナデナデ

大型犬「わう?わうん…」フリフリ

京太郎「落ち着けって…!あぁクソ…そっちがその気ならこっちだってやってやるよ…!」ナデナデナデナデナデ

大型犬「わふわふー♪」

京太郎「ほーらここが良いんだろ?」

大型犬「わんわん!!(嬉しいー♪)」prpr

京太郎「うわ…余計激しくなりやがった…!!」
















京太郎「あー…」

飼い主「すみませんすみません…急にこの子走りだしちゃって…」

京太郎「いや、良い…ですよ。こっちも怪我はなかったし…いや、ですし…」

飼い主「そちらの女の子は…?」

和「わ、私も特に…そういう怪我とかは…」

飼い主「そうですか。良かったです…」

飼い主「あの…これ、家の住所です」

飼い主「迷惑をお掛けしてしまったので…何かあれば言って下さい」

京太郎「あ、はい」

飼い主「では…」ソソクサ

大型犬「わんわん(バイバーイ)」

京太郎「…はぁ…ようやく帰ったか…」

和「…あの」

京太郎「…ん?」



















和「…どうして助けてくれたんですか?」

京太郎「そりゃ目の前で犬に襲われそうな人がいたら普通助けるだろ」

和「…でも、私は…」

京太郎「あー…まぁ、なんだ」

京太郎「…そっちにも怒るだけの理由があったんだろ?」

京太郎「なら、俺は気にしてねぇよ」

京太郎「そもそも…怒られるような事やったのは俺の方だしな」

和「…須賀…君」

京太郎「…まぁ、今回のことで帳消しにしてくれ…なんて言わないけどさ」

京太郎「でも、もし助けられたとか思ってるんなら…この前のこと許してくれると嬉しい」

和「…許す許さないもないですよ」

和「…あの後、お母さんにも怒られました…過剰反応し過ぎだって」

和「…私も今はそう思ってます。だから…」



















和「…本当はずっと謝りたくって…」

京太郎「…原村?」

和「ごめんなさい…私、酷い態度ばかりとって…」シュン

京太郎「…良いんだよ。気にするな」

和「でも…」

京太郎「良いって。それだけ怒る理由が原村にはあったんだろ?」

京太郎「俺も原村に対して悪いと思ってる、原村も俺に対して悪いと思ってる」

京太郎「それで良いだろ」

和「…許してくれるんですか?」

京太郎「許す許さないもないっての。最初から怒ってる訳じゃないんだし」

和「…ありがとうございます」

京太郎「良いよ。ただ…その…さ」

和「…はい?」


















京太郎「なんていうか…そのままの格好だとさ、色々とこう…アレというか」

和「…アレ?」

京太郎「あー…こう…なんだろうな。とにかく…アレだよアレ」

和「…だから、何なんですか?」

京太郎「…怒らないか?」

和「怒りませんよ」

京太郎「じゃあ…落ち着いて聞いて欲しいんだが…」

和「はい」

京太郎「…その格好だとさ、パンツ見えてる」

和「…え?」

京太郎「だ、だから…転んだ状態のままだし…パンツが…」

和「~~~っ!」バッ…カァァ

京太郎「い、いや…その悪いと俺は思ったんだぞ。一応、何度も先にそれを言おうと思ったんだけど…」

和「…腰が抜けたんです。起こしてくれませんか?」

京太郎「お、おう…それくらいなら…」スッ


















和「…ありがとうございます。後…それと…」スゥッ

京太郎「…え?」スパーン

和「…さいってーです…!!」カァァァ

京太郎「あ…ぅ…いや、その…」

和「……っ!」バッ

京太郎「ちょ…ま、待ってくれよ原村…!」

和「知りません!」

京太郎「荷物…!買い物袋も忘れてるって!」

和「知りませんったら!ついてこないでください…!」マッカ

京太郎「いや、でも…帰り道一緒だし…」

和「知ってます…!知ってますけどついてこないでください…!」

京太郎「無茶苦茶過ぎるだろ」

和「そんなの私も知ってますよ!でも、仕方ないじゃないですか…!!」



















【しんきゅぅ】

京太郎「あー…」

穏乃「どうしたの?須賀君」

京太郎「あー…高鴨か。いやなぁ…なんつーか」

憧「どうせまた和に叱られたんでしょ」

京太郎「…なんで分かった?」

憧「そりゃ何時もの事だしね」

京太郎「ぬぐぐ…反論したいが反論出来ない…」

穏乃「なんていうか…須賀君って凄い間が悪いんだよねー…」

憧「本人に悪気はないってのが余計に悪いんだと思うけれど」

京太郎「なんでだよ…」

憧「悪気があるならアンタを嫌えば済む話でしょ」

憧「でも、悪気があるから本心から嫌う事が出来ないし…そうやって近づいた時に何かトラブル起こして怒ってしまう」

憧「その繰り返しに嫌気が指してるのはアンタだけじゃないって事」

京太郎「…むぅ」
















和「あ、ふたりとも…って須賀君…」サッ

京太郎「…あのさ、俺を見る度にスカートと胸押さえるのやめてくれるか?」

和「だ、だって…また見るじゃないですか…!」

京太郎「こっちだって好きで見てるんじゃねぇっての!」

京太郎「そんな変態じゃあるまいし…お前なんて頼まれても見るかよ」

和「な…なんですかそれ…!」ワナワナ

和「最初はあんなにジロジロ見てた癖に…!」キッ

京太郎「そりゃお前の服が可愛かったからだよ!」

和「ありがとうございます!でも、結局見るんじゃないですか!」

京太郎「うっせぇ!何時もフリフリした服着てるからもう慣れたんだよ!」

和「なんですか…慣れって…そんなのおかしいじゃないですか…!」

京太郎「何時も似合ってるんだよばーかーばーか!」

和「ば、バカって…!バカって言ったほうがバカなんですよ…!」

京太郎「三回言った!三回言ったぞ原村!!」

和「こ、言葉の綾です!一々揚げ足撮らないでください…!須賀君がそんなんだから私は…!」

穏乃「あ、そろそろバス来るよー」

憧「イチャイチャはそこまでにしときなさいよ」

和・京太郎「「イチャイチャじゃない!!(です!!)」」















【クラスメイト】

京太郎「…あー…くそ」

和「…なんですか、いきなり」

京太郎「…今日も原村と一緒に下校かよ…」

和「それはこっちのセリフです…まったく…なんでついてくるんですか」

京太郎「帰り道が一緒だからな」

和「…はぁ」

京太郎「…なんでため息吐くんだよ」

和「…そっちが先に独り言言い出したんじゃないですか」

京太郎「その独り言に突っ込んだのは誰なんだよ」

和「…いきなり隣でクソとか言われたら誰だって気になります」

京太郎「あぁ…そうかよ」

和「…えぇ。そうです」















京太郎「…なんで俺たち一緒に帰ってるんだろうな」

和「そんなのクラスもバスも何もかも一緒だからに決まってるじゃないですか」

京太郎「いや…分かってるんだけどさ…分かってるんだけど…」

和「…そんなに嫌ですか?」

京太郎「え?」

和「…そんなに私と一緒に帰るの…嫌ですか?」シュン

京太郎「……」

和「…確かに私…口うるさいですけど…その…」

京太郎「嫌じゃねぇよ」

和「…え?」

京太郎「…なんか誤解されてるけど…俺は別に原村の事嫌いじゃねぇし」

和「…でも…」

京太郎「…つか、本気で嫌なら別に一緒に帰ったりしねぇっての」

和「…じゃあ、どうしてクソとか言うんですか」

京太郎「それは…だってさ…」

和「…だって?」

京太郎「…何か話してないとその…」

「あ、また須賀が原村と一緒に帰ってるー!?」

和「…っ!」














「なんだよ。お前ら付き合ってるのかよ」

「ラブラブって奴?うわーキモい!」

「リア充爆発しろ!!」

和「…」

京太郎「…ほっとけ。何時かなくなるよ」

和「でも…」

京太郎「良いから」

「二人っきりの世界って奴かよ…はっず」

「よく道端でそういう事出来るよなー」

「やっぱフリフリ着てる奴は違うな」

和「…っ」

京太郎「…我慢しろ」

「え?お前ああいうのが好きなの?」

「え?ば、ばっか!好きじゃねーし!フリフリ着てる原村なんて全然好きじゃねぇし!!」

「そ、そうだよな。あのフリフリが可愛いだけで原村なんて全然だよな!!」

「当たり前だっての!別に須賀の奴に嫉妬なんかしてねぇし!まったくしてねぇし!!」

「そもそもあんなフリフリした服いっつも着てる女とか気持ち悪いだけだろ!」

京太郎「…」


>>+2
末尾偶数:無視する
末尾奇数:反論する


































>>反論する

京太郎「おい」

「ん?なんだよ、須賀」

「女とばっか遊んでる奴が何の用だよ」

「オカマ野郎に何が言えるんだよ、なぁ」

京太郎「とりあえず色々言いたい事あるけどさ」

京太郎「そんなお前らに一つ言うんだとしたら…だ」

和「…須賀君、私は良いですから…」

京太郎「いーや…我慢出来ない…!俺はもう…こいつらに一言言ってやらなきゃ気がすまないんだ…!」

和「いいか…お前らは一つでかい思い違いをしてる…!」

京太郎「原村のフリフリ可愛いだろ!!!いい加減にしろ!!!!」

和「え…えぇっ!?

京太郎「こいつ以外にふりふり似合うやつを俺は知らねぇよ!!」

「な、なに言ってるんだコイツ…」

「ば、ばっかじゃねぇの須賀」

「頭おかしくなったじゃね?」

京太郎「じゃあお前ら一つ聞くけどさ…!」

京太郎「新子や高鴨がこれ着てるのを想像してみろよ!!!」

「「「……」」」

















「…ねぇわ」

「いや、これはちょっと可哀想だな」

「高鴨も新子も悪くないんだけど…だからこそダメさが引き立つって言うか…」

「つーか、胸がなー…」

「絶対すかすかだなー」

京太郎「だろ?わかったか…!」

和「いや…あの…何がですか?」

「…あぁ、悪かったよ。俺が間違ってた…」

「原村のあの格好は…所謂一つの才能だったんだな…」

「似合ってないなんて言って…消していい灯火じゃなかったんだ…」

京太郎「分かってくれたか…!」

和「…いや、だから、何がですか…!?」
















「ま、だからってお前が原村とイチャイチャしてるのに代わりがない訳だけど」

「やーいやーい!オカマ野郎!」

「女好きー!七股野郎ー!セフレ持ちー!」

京太郎「…とりあえず最後は良く分かんないけどさ」

京太郎「それで俺がお前らに何かした訳?」

「…え?」

「そ、それは…」

京太郎「俺が原村といる事でなんでお前らにそんな風に言われなきゃいけねぇの?」

「そ、そんなのお前は女と帰って気持ち悪いからで…」

京太郎「家が隣で帰り道が一緒ってだけだっての。お前らにどうこう言われる筋合いはねぇよ」

京太郎「つかさー。お前らそんな風に原村の事からかうけど…もしかして原村の事好きなんじゃねぇの?」

「は、はぁ!?」

「わ、わっけわかんねぇ…何いってんのコイツ…」

「SOASOA!!!!」

京太郎「いや、だから最後はなんなんだよ」















京太郎「じゃあ、面倒くさい事言うなよ。正直、帰り道が一緒ってだけで迷惑なんだ」

「で、でもさ…」

京太郎「でも…なんだよ?原村と一緒に帰ってる俺に何か言いたい事でもあるのか?ん?」

京太郎「羨ましいとでも言うつもりか?それなら変わってやっても良いんだぞ」

京太郎「俺の家の近くに引っ越せるならな」

「あ、いや…その…」

京太郎「ないなら、とっとと帰れよ。お前らの家はこっちじゃないだろ?」

京太郎「それとも先生に寄り道してると言いつけてやろうか?」

「ぐ…こ、この…」

「お、覚えてろよ須賀…!」

京太郎「はいはい。お前らが原村の事が大好きって事は覚えててやるよ」

「べ、別に原村の事なんて大好きじゃないんだからね!」

「お前の事なんて本気でどうでも良いんだからな!」

「須賀の事羨ましいとかそんな風に勘違いするなよ…!」

和「…あ、あの…須賀君」

京太郎「…はぁ、怖かった」

和「……え?」
















京太郎「…なんだよ」

和「だ、だって普通に返してたから…」

京太郎「…あぁ、アレか。アレはな」

京太郎「オヤジが昔、似たようにからかわれた時に使ったやり方らしい」

和「え?」

京太郎「オヤジとオフクロって幼馴染だったらしいからさー」

京太郎「こうやってからかわれる事多かったんだってよ」

京太郎「んで、悔しくて悔しくて…どう言い返してやろうかって考えて」

京太郎「こうやって相手を言い負かすやり方を思いついたんだってさ」

和「…良く覚えてましたね」

京太郎「オヤジが酒のんだ時には毎回聞かされるんだよ」

京太郎「オフクロもニヤニヤして聞いててさ…ホント、気味悪いったらありゃしねぇ」

和「…でも、お陰で助かりました」

京太郎「そうだな。後で二人にお礼を言っとかないと…」
















和「…違いますよ」

京太郎「え?」

和「私が感謝しているのは須賀君です」

京太郎「…原村?」

和「…私も言い返したかったのに…何も思いつかなかったのに…」

和「須賀君は毅然として反論して…それで追い払ってくれた訳ですから…」

京太郎「…まぁ…俺がオヤジの話をそのまま口にしただけだし…」

和「それでも…それをしてくれたのは須賀君です」

和「だから…ありがとうございます」ペコッ

京太郎「…なんだよ。今日はやけに殊勝じゃねぇか」

和「私だって…別に年がら年中怒ってる訳じゃないですよ」スネー

京太郎「今怒ってるんじゃねぇか」

和「誰のせいだと思ってるんですか…もう」

















【うんどーかい】

京太郎「…でさ」

和「…なんです?」

京太郎「なんで俺とお前が二人三脚なの?」

和「くじの結果です。諦めて下さい」

京太郎「いや…分かってるけど…諦めてるけどさ…」

和「…じゃあ、別に良いじゃないですか」

京太郎「とは言っても…なぁ」

和「…私じゃ不満ですか?」

京太郎「そりゃ原村ってドジだし」

和「ぅ…」

京太郎「たまーに高鴨たちの後ろで転んでるよな」

和「そ、そんなところ一々見ないでくださいよ…!」

京太郎「俺だって好きで見てるんじゃねぇって!!」
















京太郎「はぁ…でも、原村と二人三脚かぁ…」

和「…何回言うんですかそれ…」

京太郎「だってさー…」

和「……そんなに不安だったら練習しましょう」

京太郎「練習?」

和「えぇ。今からかばんを置いて…どこかの空き地にでも集合して」

和「二人三脚の練習をするんです」

京太郎「…なるほど…ま、学校でだけ練習するよりはマシか」

和「えぇ。私も出る限りいい結果を残したいですし」

京太郎「了解。それじゃ30分後くらいに家の前で集合な」

和「…なんで30分も掛かるんですか?」

京太郎「お菓子食べたい」

和「ダメです。時間が惜しいんですから今日は先に練習ですよ」

京太郎「えー…」
















京太郎「で、とりあえず公園に来たのは良いけれど…」

和「結構、人がいますね…」

京太郎「ま、もう学校終わった時間だしなぁ…」

和「…ここで本当に練習するんですか?」

京太郎「と言っても道端で練習なんてしたら迷惑だろうし…」

京太郎「てか、言い出したのそっちだろうに」

和「それはそうですけど…でも…」

京太郎「はいはい。良いから足元括るぞ」

和「きゃっ…!」バッ

京太郎「…だから警戒しすぎだっての」

和「し、仕方ないじゃないですか…もう五回は下着見られてるんですよ…!」

京太郎「五回は言い過ぎだろ」

和「…最初の一回、階段から落ちそうになった私を助けてくれた時…」

和「朝カーテンを開けて着替え中の私を覗いた時…」

京太郎「ぅ…」

和「転んだ私を支えようとして失敗して…顔を当てた事もありましたよね…!」

京太郎「そ、それは忘れるって言っただろ!!」

和「わ、忘れられる訳ないでしょう…!」
















和「と、ともかくですね…須賀君は前科がいっぱいです」

京太郎「まるで人を犯罪者みたいに…」

和「…言っときますけど、一部は訴えたら勝てるものもありますからね?」

和「特に覗きの件は…父なら立証出来るでしょうし」

京太郎「それもそもそもカーテン洗濯して元に戻してなかったお前が悪いんだろ!」

和「前日急にニワカ雨が振って乾いてなかったんです!私は悪くありません!!」ゥー

京太郎「ぐぬぬ…」

和「むむむ…」

京太郎「…はぁ、バカやってないで先に練習しようぜ」

和「…そうですね。それが目的な訳ですし」

京太郎「じゃあそんなに警戒するなら和が結べよ」

和「そうします。…よいしょっと…」

京太郎「…出来たか?」

和「もうちょっと待ってください。今結び目を作って…よし。出来た」

京太郎「よし。んじゃ、まずは右足から出すぞ」

和「はい」

京太郎「じゃあ、いーち」

和「いーきゃあっ」ズルッ

京太郎「うぉあ!?」
















京太郎「右足からだって言っただろ!」

和「だから右足出したんじゃないですか!」

京太郎「俺の右足だよ!お前は左足!」

和「それならそれで最初から言っておいてください…!」

京太郎「分かるだろそれくらい!」

和「分かりませんよそんなの夫婦じゃないんですから…!」

京太郎「ぐ…」

和「ぬぬ…」

京太郎「…よし。じゃあ、今度は俺が右足を出すから…」

和「…私が左足ですね。分かってます」

京太郎「じゃあ、行くぞ。せーの」

和「いーちにーい…」

京太郎「さーんしーい」

和「…ちょっと待って下さい」

京太郎「え?」


















和「ここはいちにじゃないんですか!?」

京太郎「え?そうなのか?」

和「そうですよ。大体、数が増えたら言い切れなくなるじゃないですか」

京太郎「あー…にじゅうとかそうなるな」

和「えぇ。だから、いちにの繰り返しで」

京太郎「分かったよ。んじゃ、最初から…」

和「はい。じゃあ…やりますよ」

京太郎「おう…じゃあ、いーち」タッ

和「にーい」タッ

京太郎「いーち…」

和「に…きゃあっ!」

京太郎「うぉあ…!」

和「い、一回が広すぎです!何を考えてるんですか!?」

京太郎「お前が足を出さなさすぎなんだよ!これくらいいけるだろ!」

和「バカ言わないで下さい!そんなに無理したら転んじゃいますって!!」

京太郎「そん時は俺が支えてやるっての!」

和「~~!す、須賀君のエッチ!!」

京太郎「なんでだよ!!」

















【うんどーかい当日】

京太郎「…よし、原村、準備は良いな」

和「…勿論です」

和「今まで練習に練習を重ねきた私達の力…見せてあげましょう…!」

京太郎「…ま、正直前途多難だったけどな」

和「…大体、須賀君の所為です」

京太郎「お前のドジも割合多かったぞ」

和「いーえ!須賀君の無茶の方が多かったです…!」

京太郎「……」

和「……」

京太郎「…ま、それも今日で終わりだ」

和「…そう…ですね」

京太郎「とっとと終わらせようぜ」

和「…須賀君は」

京太郎「ん?」

和「…いえ、なんでもありません」

和「…がんばり…ましょうね」


>>+2
末尾奇数:見事に走りきって一位になった
末尾偶数:途中でアクシデントがあって転んだ


































>>途中でアクシデントがあって転んだ


和「(私…何を考えていたんでしょう…)」

和「(須賀君との練習がこれで終わるのが嫌だなんて…)」

和「(最初は…色々と無茶に付き合わされて…転んだ事だって何回もあるのに…)」

和「(でも、今は頑張ったお陰でちゃんと走れるようになって…クラスでも一番になれて…)」

和「(それで嬉しい…はずなのに…終わりだってそう思えるのが嬉しいはずなのに)」

和「(なんで私はこんな風に寂しくて…仕方ないんでしょう…)」チラッ

和「(須賀君は…何とも思っていないんでしょうか?)」

和「(毎日、私を練習したのが終わっても良いって…そう思っているんでしょうか…?)」

和「(…だとしたら…私はあまりにも滑稽じゃないですか…)」

和「(一人だけ…こんな風に寂しく思って…須賀君は早く終わらせたいと思ってるなんて…)」

和「(そんなの…そんなの…私…)」

京太郎「…くっ…原村…!」

和「え…きゃあっ!」

和「(しまった…ペースが乱れて…)」

和「(転ぶ…こんな…ところで…っ!!)」


















京太郎「うぉ…」クルッ

和「ひゃ…っ」ドサッ

京太郎「…てて…大丈夫か?」

和「す、すみませ…付きあわせて…しま」

京太郎「いや、良いよ。俺もお前の事見てやれてなか…」

和「……」ムニュムニュ

京太郎「……」モミモミ

和「ど…ど…ど…」

京太郎「い、いや、あのコレはその…ふ、不可抗力っていうか…あの…!」

和「何処触ってるんですか!!この…!へ、へ…変態…!!!」スパーン

京太郎「ひでぶっ!!」


















【クリスマス!】

京太郎「…でなんで原村がここにいるんだ?」

和「…仕方ないでしょう。父も母もクリスマスとか関係ない職種なんですから」

母「原村さんから面倒見てあげてって言われてるしね」

母「ほら、ぼさっとしてないでお皿の一つでも並べなさい」

京太郎「えー…面倒」

和「あ、じゃあ、私、手伝います」

母「あら、ありがとう、和ちゃん」

母「どこかのぐうたらな息子とは大違いね」

和「いえ…」テレテレ

京太郎「む…別にぐうたらなんてしてねぇよ」

京太郎「俺はテレビ見るのに忙しいんだよ」

母「それをぐうたらしてるって言うのよバカ息子」























母「ごめんねーあんなバカで」

和「…いえ、大丈夫です」

和「寧ろ私の方こそクリスマスにまでお邪魔してごめんなさい」

母「良いのよ、私たちは和ちゃんの事もう家族だと思ってるから…」

和「…おばさん」

母「んー出来ればお姉さんの方が嬉しいかな」

和「あっ…す、すみません」

母「いいのよ、和ちゃんくらいの年頃から見ればわたしなんておばさんだものね」クスッ

和「いえ、おばさ…お姉さんは何時も若若しいです」

母「ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」

和「い、いえ…お世辞なんかじゃ…」

母「ふふ。ありがとう」
















母「ホント、和ちゃんみたいな良い子が子どもなら面倒はないのにねー」

和「え?」

母「ほら、あの子素直じゃないし、鬱陶しいでしょ?」

母「バカだけど変に自信だけはあるし、追い込まれないとちゃんと本音も口にしないし…」

和「い、いえ…」

母「和ちゃんもあの子と一緒で困ってるんじゃないかと思うのよね」

和「そ、そんな事ないです!」

母「…え?」

和「確かに須賀君は間違った事を良く口にしますし…生意気な事を言いますけれど…」

和「でも、私の事を傷つけた事は一度もないですし…それどころか何時も護ってくれて…」

和「こんな…素直じゃない私の側にいてくれて…だから…私…」

和「あの…これ…秘密…ですけど…私、感謝してるんです」

和「…須賀君がいなかったら…私、穏乃や憧たちとも友達になれたか分からないし…」

和「今はもうからかわれる事もなくって…だから…」




















母「…だってさ、バカ息子」

和「…え?」

京太郎「……よぅ」

和「な、ななななななんで…!?」カァァ

京太郎「…いきなり大声出したら何事かって思うだろ普通」

和「だ、だからって…だからって…その…そんな…!盗み聞きみたいな真似…!」

京太郎「仕方ないだろ。うちはリビングとキッチン一緒なんだから…」

京太郎「何事かって近寄れば…そりゃ聞きたくなくても耳に入るっての」

和「あ、あ…あうぅ…」プシュゥ

母「…で、バカ息子からはなにかない訳?」ニコッ

京太郎「ん?」

母「女の子にばかり恥をかかせるなんて格好悪いでしょ?」

京太郎「あー…そうだけど…さ」

母「ほら、何か返事をしなさいよ」

京太郎「ぅ…ぅ…じゃあ…」




>>+2
末尾奇数:嬉しかったよ
末尾偶数:…俺も同じ気持ちだよ


































>>嬉しかったよ


京太郎「嬉しかったよ」

和「え?」

京太郎「だ、だから…俺が空回りしてるんじゃないかって…そう思ってたから…」

京太郎「…本心では嫌われてるんじゃないかって…さ」

和「…幾ら親の言いつけでも嫌いな人のいる家に来たりはしません」

京太郎「…そ、そうか」

和「と言うか…須賀君だって知ってるでしょう?」

京太郎「え?」

和「…私、結構、容赦の無いタイプなんで…」

和「本当に嫌なら…とっくの昔に突き放してますよ」

京太郎「…そ、そう…か」カァ

和「な、何かおを赤くしてるんですか」カァ

京太郎「う、うるさい。そっちが恥ずかしい事言うからだろ…」

京太郎「それに…原村会って顔真っ赤じゃねぇか」

和「そ、それは…仕方ないじゃないですか…こんなの言うつもりはなかったですし…」モジモジ


















母「ふふ、初々しいわね」

和「あ、あの…お姉さん…」

京太郎「う、うるせぇよ。とにかく…ほら、飯の準備しろよ」

母「あら、京太郎は手伝ってくれないの?」

京太郎「…原村がいれば俺は要らないだろ」

和「ぅ…あの…」

京太郎「…ん?」

和「私は…あの…須賀君と一緒に…したいなって」

京太郎「え?」

和「…ダメ…ですか…?」ジィッ

京太郎「う…いや…その…」

母「…きょうたろー?」ニヤニヤ

京太郎「あぁ…くそ!分かったよ!手伝えば良いんだろ…!」

和「あ…」

京太郎「で、でも誤解するなよ。別に原村の為じゃねぇからな」

京太郎「テレビがつまんなかっただけだし…あくまで暇つぶしなんだから!!」カァァ

和「…えぇ。ありがとうございます」クスッ

京太郎「う…だから違うって…まぁ、いいか…」

















【はつもうで!】

和「須賀君…須賀君」ユサユサ

京太郎「んあ…」

和「起きて下さい…須賀君…」

京太郎「…後五分…」

和「ダメですよ。ほら…起きて…起きてください…」ユサユサ

京太郎「あー…くそ…わかったよ…起きる…起きるって…」ファァ

京太郎「ん…おはよ、原村」

和「…いいえ、違いますよ」

京太郎「ん?」

和「新年明けましておめでとうございます…です」クスッ

京太郎「あぁ…今日は元旦だっけか…」

和「えぇ。ですからちゃんと挨拶しないと」

京太郎「はいはい。あけおめことよろー」

和「もう…!挨拶はちゃんとしないといけませんよ」

京太郎「ったく口うるさいんだから…」

和「須賀君がしっかりやってくれたら私もこんな事言いません」



















京太郎「それよりさ」

和「なんです?」

京太郎「なんでお前…着物なの?」

和「着物じゃなくて振り袖ですよ」

京太郎「あー、いやその辺はどっちでも良いけど」

和「良くないですよ、ちゃんと違いがあるんですから」

京太郎「ぬぐ…本当に融通の効かない奴め…」

和「須賀くんがアバウト過ぎるんです。…で、理由ですけど…」

和「特にないです」

京太郎「ないのかよ」

和「強いて言うなら母が着せてくれたくらいで…」

和「…その…どうですか?」

京太郎「…似合うよ」

和「そ、そう…ですか」テレテレ

京太郎「あれだアレ…えっと…孫…孫…」

和「…馬子にも衣装ですか?」

京太郎「あぁ、それそれ」

和「…はぁ」















和「…なんで素直に褒めてくれないんでしょう」

京太郎「…なんだよ。褒めて欲しかったのか?」

和「べ、別に…そういう訳じゃありませんけど…」カァ

和「で、でも、やっぱり一般的な意見として…聞いておきたいじゃないですか…」

京太郎「…一般的な意見…なぁ」

和「えぇ。あくまで須賀君だからではなく…一般的な意見を広く募集する一環としてですね…」

和「だ、だから…もっとこう…ない…ですか?」モジモジ

和「出来ればその…誤魔化しなしで…聞きたいんですけれど…」

京太郎「べ、別にごまかしてる訳じゃ…」

和「…じゃあ、どうして似合ってるだけで終わらせてくれないんですか」ムゥ

京太郎「それは…まぁ…えぇっと…」


>>+2
末尾奇数:…お前がおもったより可愛かったからだよ
末尾偶数:可愛いなんてシラフで言えるか


































>>お前がおもったより可愛かったからだよ


京太郎「…お前が思ったより可愛かったからだよ」

和「…ぇ」ドキッ

和「そ、それって…どういう…意味ですか」

京太郎「聞いたままの意味だっての」カァ

和「も、もう一回…い、いえ、もっと詳しく…」

京太郎「あ、あのなぁ…」

和「お、お願いします…何でもしますから…」ギュッ

京太郎「あー…くそ…じゃあ……一度しか言わないから…よく聞いとけよ」

京太郎「…髪上げてるんだな、何時もと雰囲気違ってドキっとした」

京太郎「着物も落ち着いた感じで…お前に良く似合ってるよ」

京太郎「初めて見たけど…着物…いや、振袖姿の原村も良いな」

和「あ、あう…ぅ」カァァ

京太郎「…これで満足か?」カァァ

和「う…あ…は、はい…」モジモジ

京太郎「ったく…新年早々から恥ずかしくて堪らねぇよ…」



















京太郎「…だからさ、俺は一つお前にも恥ずかしい思いをしてもらおうと思うんだが」

和「えっ…」

京太郎「さっき…なんでもするって言ったよな?」

和「い、言いましたけど…でも、それは言葉の綾で…」

京太郎「ほほーう、原村さんは俺にあんな恥ずかしい事言わせて言葉の綾で済ませるのか」

和「う…そ、それは…」

京太郎「俺に言わせた分、そっちの義務も発生してるんだ。嫌とは言わせねぇぞ」

和「うぅ…分かりました…分かりましたよ…」

和「それで…何をすれば良いんです?」

京太郎「簡単だ。…俺と初詣行くぞ」

和「…え?」

京太郎「んで、振り袖姿のお前とそこら中の奴らに見せつけてやる」

京太郎「どうだ?恥ずかしいだろ?」カァ

和「…ふふ」クスッ

京太郎「ぅ…」

和「…えぇ。そうですね。とっても恥ずかしいです」

和「…思わず顔が赤くなっちゃいました」

京太郎「そ、そっか…じゃあ、準備するし…もうちょっと待ってろよ」

和「はい。楽しみに待ってますね」

















【バレンタイン】

京太郎「そういえば今日はバレンタインだよな」

和「そうですね、バレンタインです」

京太郎「男にチョコと渡す日だよなぁ」

和「一般的にはそうですね。最近はそれだけじゃなくなって来ていますけど」

京太郎「……」

和「……」

京太郎「原村もさ…」

和「なんです?」

京太郎「誰かにチョコ作ってるのか」

和「勿論ですよ」

京太郎「…誰に?」

和「勿論、憧と穏乃にですよ」

和「他の子に渡す用にチョコクッキーもありますけど…これは厳密に言えばチョコではないですし」

京太郎「そ、そうだな…チョコじゃないな」

和「…えぇ」

















京太郎「…そっか。そっかぁ…」

京太郎「…憧と穏乃の分…か。そりゃそうだよ…な」

和「…須賀君も欲しいんですか?」

京太郎「ばっ…バカ言うなよ!誰が原村のなんか…」

和「…そうですか。要らないんですね」

京太郎「ぅ…い、いや要らないってほどじゃないけどさ」

和「じゃあ欲しいんですか?」

京太郎「ぅ…」

京太郎「つ、つか欲しいって言っても…ないだろ、チョコ」

和「いえ…実はあるんです」

京太郎「え?」

和「憧と穏乃に作る用に失敗したらいけないと思って…最初から予備の分入れて作ったんですけど」

和「思ったより出来が良くて…一人で処分するのは何とも勿体無くて」

和「ついついラッピングして持ってきてしまったチョコが一個、カバンの中に入ってるんですよね」

京太郎「…は、原村?」

















和「これ誰に贈りましょう…」

和「どこかにチョコが好きで…私のを欲しいって言ってくれる人がいないでしょうか?」

和「居てくれたらすぐさま渡すんですけれど…」チラッ

京太郎「…ぅ」

和「…でも、須賀君は欲しい訳じゃなさそうですし…」

京太郎「ま、待った…!」

和「…ふふ。何をです?」

京太郎「わ、分かってるんだろ?」

和「何の事でしょう?」

京太郎「ぅ…う…その…」

和「…ほら、もう少しがんばってください」クスッ

京太郎「ちょ、チョコを…原村のチョコを俺に…」

穏乃「あ、須賀君だー!おーい!」

和「」ビクッ

京太郎「」ビクッ
















穏乃「あれ?ふたりとも何で固まってるの?」

京太郎「い、いや、なんでもねぇよ」

穏乃「ぅ?本当に?喧嘩とかしてない?」

京太郎「してないって。最近は仲良いだろ」

穏乃「うんうん。それならよし!やっぱり仲良しが一番だよ!」

穏乃「あ、仲良しで思い出した。はい、これ」スッ

和「…あっ」

京太郎「お…チョコレートか」

穏乃「うん。何時も須賀君にはお世話になっているしね」

穏乃「後、和も友チョコどうぞー」スッ

和「え…えぇ。ありがとう…ございます」

和「こっちもお返し…です」

穏乃「やったー!和のチョコ美味しいから好きなんだよねー!」

和「…それは良かったです」
















京太郎「…はぁ」

京太郎「(結局、和に欲しいって言えないまま放課後になった)」

京太郎「(いや、まぁ、別にそこまでして欲しいって訳じゃないんだけどさー…)」

京太郎「(でも、なんか貰えないのは寂しいっていうか…ちょっとつらいっていうか…)」

京太郎「(別に…和の事なんて好きじゃないけど…でも…)」

和「…はぁ」

和「(…結局、須賀君に渡せないまま放課後になってしまいました…)」

和「(いえ…別にそこまでして渡したい訳じゃなかったんですけど…)」

和「(でも、これを作ってる時に一番頭に浮かんだのは須賀くんで…私はそのつもりでしたし…)」

和「(別に須賀君の事なんて好きじゃないですけど…でも…)」

京太郎「(…こんな事なら意地はらずにとっとと言えば良かった)」

和「(こんな事なら意地はらずにすぐに手渡せば良かったです…)」

















和「(そもそも…須賀君も須賀君ですよ…!)」

和「(チョコもらう度に…あんな風にデレデレして…)」

和「(私のチョコを貰う時は…中々言ってくれなかったのに…!)」

和「(そんなに…憧や穏乃の方が良いんですか…?)」

和「(確かに…最近は素直になったとは言え…二人ほどではないですし)」

和「(あまり活発じゃない私は須賀君の遊びについていけない事が多いですけど…それでも…)」

和「(…いえ…私が…悪いんです…よね)」

和「(あんな言葉で誤魔化そうとしたから…須賀くんに最初にチョコを渡すっていう大事な目的も果たせなかったんです)」

和「(…あんな風に言ったりしなければ…私は今頃、きっと…凄い嬉しかったはずで…だから…)」ギュッ

和「…あの…須賀…君」

京太郎「…え?どうした?」

和「あの…その…今日は時間…ありますか?」

京太郎「あぁ…別に帰ってから何もする事はないけど…」

和「じゃあ…一回その…家に来てもらっても良いですか…?」

京太郎「お、おう。構わないぞ」


















京太郎「お邪魔します」

和「は、はい。どうぞ…」

京太郎「…で、どうしたんだ?」

和「え?」

京太郎「なんかさっきから様子が変だぞ?」

和「そ、それは…えっと…」

京太郎「何か相談でもあるのか?俺なら何でも力になるぞ」

和「…なんでその男らしさをもっと前に発揮してくれないんですか」ポソッ

京太郎「えっ」

和「…なんでもありません」

和「それより…そこに座ってくれますか?」

京太郎「ん…ここにか?」

和「はい」

















京太郎「それで…これからどうすれば…」

和「え、えっと…その…少し目を閉じていただければ…」

京太郎「…目を?」

和「…は、はい…ダメ…ですか?」

京太郎「いや…良いけど…イタズラするなよ

和「す、須賀君じゃないんだからそんなのしません…!」

京太郎「はいはい…じゃ、これで良いか?」スッ

和「あ、ありがとうございます」

和「…じゃあ…その…」スッ

和「…も、もう良いですよ」

京太郎「ん…?あれ?」

和「わ、わぁ。なんて事でしょう!」

和「妖精さんが須賀君にチョコを持ってきてくれましたよ」

京太郎「…いや、妖精さんって」

和「な、なんですか?」

京太郎「…これ、どう見ても和のチョコ…」

和「ば、バカなこと言わないで下さい。そんなはずないじゃないですか」

















京太郎「でも、この包装…原村が憧や穏乃に渡してた奴と同じ…」

和「よ、妖精さんが勝手に包み紙を使ったんですね。いけない子たちです」

京太郎「…てか、目を閉じろと言ったタイミング的に原村しかあり得ない気が」

和「そ、そんな訳ありません。そもそも私が須賀君にチョコを渡す理由がないじゃないですか」

京太郎「…じゃあ、予備に作ったっていうチョコを出してみろよ」

和「う…」

京太郎「持ってるんだろ、そのチョコを…まださ」

和「じ、実は…我慢できずに途中で食べてしまいまして…」

京太郎「へー…?随分とタイミングが良いな」

和「ぅ…な、なんですか…?何が言いたいんですか?」

京太郎「べっつにー…?ただ、妖精さんとやらは随分と回りくどい真似が好きだと思ってな」

和「…誰のせいだと思ってるんですか誰の」




















和「それより…感想を聞かせてくださいよ」

京太郎「いやー…誰も知らない相手からチョコを食べるとかちょっと…」

和「え…?」

京太郎「何か毒でも入ってたら怖いじゃん」

和「だ、大丈夫ですよ。妖精さんはそんな悪い事はしません」

京太郎「でも、俺はその妖精さんを知らないしなー」

京太郎「あー誰か自分のだって言ってくれたら俺も遠慮なく食えるんだけど」チラッ

和「そ、それは…その…」

京太郎「どうした原村、何か言いたい事でもあるのか?」

和「…う…う…あの…その…」

和「…それ…私の…です」

京太郎「んー?聞こえないな」

和「で、ですから…それ私のチョコなんです…!!!」カァァァ


















和「もう…もぉ!分かってる癖に…分かってる癖に…ぃ」ポカポカ

京太郎「悪い悪い。でも、一番最初にそうやって焦らし始めたのはそっちだろ」

和「それは…そうですけど…」

京太郎「だから、仕返し。俺だって恥ずかしかったんだぞ」

和「…でも、最後まで言ってくれなかったじゃないですか」

京太郎「ま、高鴨に遮られたしな。結果的にそれが良かった訳だけど」

和「…私にとっては最悪です…」

京太郎「ま、日頃の行いの差ってやつだ」

和「…理不尽です」ムスー

京太郎「はいはい。拗ねるなって…」

京太郎「それより…開けて良いか?」

和「…流石にここまでやらせて食べないとか怒りますよ」

京太郎「そりゃ怖い。じゃあ…とっとともらうか」



















京太郎「…」モグ

和「…どう…ですか?」

京太郎「うん…うん」モグモグ

和「な、何か言ってくださいよ…」

京太郎「…いや、まぁ…なんて言うかな」

和「は、はい…」ドキドキ

京太郎「…美味い」

和「…え?」

京太郎「やっぱり原村は料理上手だな」

京太郎「こんなに美味しいの食べた事ねぇよ」

和「も、持ち上げ過ぎですよ…!」カァ

京太郎「いや、マジで」

京太郎「あんまりチョコは食べられない方だったけど…」

京太郎「これだったら毎日でも食えそうだな」

和「…え?」



















和「ま、ままま毎日って…」

京太郎「ま、流石に糖尿病でやばいか」モグモグ

京太郎「っと…ご馳走様」

和「あ…お、お粗末様でした…」カァ

京太郎「ま、これだけのもの喰わせてもらった訳だし…ホワイトデー期待しとけよ」

和「…き、期待って…」

京太郎「原村が驚くような最高のお菓子を作ってやる」ドヤァ

和「…須賀君ってお菓子作った事ありましたっけ」

京太郎「いや、ないけど…とりあえず砂糖入れれば甘くなるんだろ?」

京太郎「大丈夫。余裕だってよゆー」

和「…とりあえず私と一緒にお菓子作りの勉強しましょうか」

京太郎「えー…面倒くさい…」

和「面倒…じゃないですよ、まったく」

和「そんな知識でお菓子作りに手を出しても失敗確実です」

和「だから、ホワイトデーまで毎日、お菓子作りの特訓ですからね!」

京太郎「うへぇ…マジかよ…」



















【しゅくだい!】

京太郎「なぁ」

和「なんです?」

京太郎「俺は勉強教えてくれって言ったつもりはないんだけど…」

和「…私だってそのつもりはなかったですよ」

和「でも、お母さんから最近、須賀君の成績下がっているって聞かされて…仕方ないじゃないですか」

京太郎「良いんだよ。勉強なんて出来なくても生きていけるし」

和「確かに生きていけますが、勉強が出来た方が人生の幅が広がりますよ」

京太郎「人生の幅…ねぇ」

和「学歴至上主義ではなくなったとはいえこの国は学歴を重視する傾向にありますから」

和「就きたい職業が出来てから勉強しては間に合わない事もありますし、今からしっかりやっていくのがベストです」

京太郎「原村は真面目だなぁ…」

和「須賀くんが不真面目過ぎるんですよ…まったく…」

和「私が勉強言い出すまで宿題すら手を付けてなかったじゃないですか」

京太郎「だって、分かんねぇしな!!」

和「威張って言うことじゃありません」ハァ

















京太郎「でも、将来なぁ…」

和「…どうしました?」

京太郎「いや、将来の事って言っても、何も思い浮かばないし」

和「夢とか目標はないんですか?」

京太郎「うーん…特にないかなぁ…」

京太郎「一生遊んで暮らしたいってくらい?」

和「はぁ…もうなんて不真面目な…」

京太郎「なんだよ…じゃあ、そういう原村は立派な夢があるんだろうな」

和「私…ですか?」

京太郎「おう、原村の夢を聞かせてくれよ」

和「私は…あの…その…」チラッ

京太郎「…ん?」




















和「…お、お嫁さん…です」カァ

京太郎「嫁?誰の?」

和「そ、おんなのまだ分かりませんよ…!」カァァ

京太郎「ま、そりゃそうか」

和「そ、そうですよ…」

京太郎「…で、どんな嫁になるんだよ」

和「そ、そこを聞くんですか…?」

京太郎「当然だろ。お嫁さんってだけじゃ誤魔化されてるも同然じゃねぇか」

和「ぅー…ほ、ほら、そんな事より宿題しましょうよ」

京太郎「嫌だ。和の夢をちゃんと聞くまでやらない」

和「…何処の子どもですか」

京太郎「ここの子どもだよ」

和「屁理屈ばっかり…もう…私はなんでこんな人に…」

京太郎「ん?」

和「…なんでもないですよ…じゃあ…言いますけど・・・笑わないで下さいね」


















和「…私の夢は、幸せなお嫁さんです」

京太郎「…幸せ?」

和「えぇ。別に…庭付き一戸建てとかそういう事を望んでる訳じゃありません」

和「大好きな人と寄り添って…笑いあって…支えあって…」

和「たまに困難はあるけど二人でそれを乗り越えられるような…そんなお嫁さんに…なりたい…です」カァ

京太郎「…そっか」

和「だから…一応、その為に努力もしているんですよ」

京太郎「え?」

和「そんな風に幸せになるには…色んな事が出来なきゃいけません」

和「家事全般もそうですし…資格とかもあった方が後々必ず役立つはずです」

京太郎「資格?」

和「旦那様が事故で入院したりして働けなくなった時、在宅で仕事出来た方が良いでしょう?」

和「それに、旦那様の収入だけで暮らしていけるかどうかも分かりませんし…」

京太郎「…それは不幸せじゃないのか?」

















和「違いますよ」

和「そうやって働く事は決して不幸せではありません」

和「寧ろ、大好きな人の為に働ける分、幸せと言っても良いくらいです」

和「私が言う幸せは…何もかもを他人任せにするものではありませんよ」

和「自分もその一端を担って…旦那様と共に作り上げていくものが良いんです」

京太郎「…お前って変わってるよな」

和「そうですか…?お嫁さんが夢って言うのはごくごく普通のものだと思いますけど…」

京太郎「だからって今の段階でそこまでビジョンを持ってる小学生がどれだけいるんだよって話じゃね」

和「…た、多分、全国を探せばいますよ」

京太郎「それが全国規模な辺り一応自覚はあるんだな」

和「だ、だって…仕方ないじゃないですか…」

和「…両親がいない家って…やっぱり寂しいんですから…」

和「私ならこうするのに…あぁするのにって…一人だとどうしても考えてしまって…」

京太郎「…あー…そっか。…悪かった」

京太郎「…そこまで考えてなかった」

和「…いえ、大丈夫です」



















京太郎「(…原村の夢は幸せなお嫁さん…か)」

京太郎「(正直、普通のものよりもハードル高いよなぁ…)」

京太郎「(つか、幸せとか…不定形なものを持ちだされても…どう叶えてやれば良いのか)」

京太郎「(原村の語った理想の夫婦は確かに素敵なものではあるけれど…)」

京太郎「(でも、それだけにとても難しくて…それを実現している人がどれだけいるんだって話だ)」

京太郎「(それなら…まだ花屋とか保育士とか言われたほうが遥かにマシだったぜ…)」

京太郎「(でも…ここまでしっかりとしたものを語られて…何もしない訳にはいかないよな…)」

京太郎「(原村は凄い奴だけど…でも、だからこそ…危ういところもあるんだから)」

京太郎「(俺がコイツを支えてやれるとは思わないけど…でも、少しは手助けになってやりたい)」

京太郎「(だからこそ…ここは…)」




>>+2
末尾奇数:よっし。じゃあ…本気で勉強するか
末尾偶数:…それなら何時でも家に来いよ




































>>よっし。じゃあ…本気で勉強するか

京太郎「よっし。じゃあ…本気で勉強するか」

和「え?」

京太郎「あ、いや…勘違いするなよ」

京太郎「別に…原村の旦那に…とか考えてる訳じゃないからな!!」」カァ

和「え…?あ…はい…」

京太郎「ただ…ちょっと影響を受けたっていうか…」

京太郎「そこまで立派に将来の事考えてる奴の前で…情けない真似出来ねぇし」

和「…情けない…ですか?」

京太郎「あぁ。流石に…ちょっと恥ずかしくなった」

京太郎「ちゃんと将来見据えてる原村と違って…俺遊ぶことしか考えてなかったし」

京太郎「…でもさ、でも…流石にそれは情けないと思うし…」

京太郎「…俺もお前に追い付きたいから…さ」

京太郎「だから…その…アレだ俺の当面の目標は…」

和「…目標は?」

京太郎「…幸せな旦那さん…て事に…する」カァァ

和「……え?」


















京太郎「な、なんだよ…文句あるのか?」

和「い、いえ…そんな事は…」

京太郎「…よし。じゃあ、ちゃんと勉強教えろよ」

和「…なんでそんなに態度が大きいんですか」クスッ

京太郎「う、うっせぇよ…恥ずかしいんだよ…」

和「…恥ずかしいなら言わなかったら良いのに」

京太郎「…い、言わせっぱなしは流石に可愛そうだと思ったんだよ…!」

和「ふふ…」

京太郎「…なんだよ」メソラシ

和「…だったら私も頑張らないといけないなって思いまして」

京太郎「…あんまり頑張るなよ。じゃないと俺が追いつけないだろ」

和「…いつまでも私の後ろにいてくれて良いんですよ?」

京太郎「言ったな?くそ…何時か絶対勝ってやる…」

京太郎「麻雀でも勉強でも…絶対、原村の上に行くからな。覚悟しとけよ…!」






















【川!】

京太郎「んー…」

和「どうしたんですか?」

京太郎「いやー…なんつーかなぁ」

晴絵「キャッキャ」

穏乃「ウフフ」

玄「オモチー」

憧「シズー」

京太郎「俺場違いじゃね?」

和「そんなの今更じゃないですか」

和「そもそもこのグループで須賀君一人だけが男性な訳ですし」

京太郎「だよなぁ…なんで俺ここにいるんだろ…」

和「ちゃんと確認しなかった所為でしょう」

京太郎「だって、高鴨が川に行くとしか言わなかったからさー…」

和「…まぁ、穏乃はその辺アバウトですからね」

























京太郎「つーか、原村ははしゃがなくて良いのか」

和「…疲れました」

京太郎「体力なさすぎだろ」

和「別に良いじゃないですか…人それぞれペースってものがあるんです」スッ

和「と言うか須賀君の方こそ遊んでこないんですか?」

京太郎「…あの中にはちょっと入れないかなー…」

和「普段は仲良くしてますし今更じゃないですか」

京太郎「いやー…流石に水着はなぁ…」

和「…スケベ」ジトー

京太郎「ちょ…そ、そういう意味じゃねぇって…!」

和「じゃあどういう意味なんです?」

京太郎「そ、それは…まぁ…なんつーか…アレだよアレ」

和「アレってなんですか?はっきり言って下さい」

京太郎「いや…えっと…あの」

和「…あの?」

京太郎「…なんでもないです」

和「…スケベ」

京太郎「ぐふっ」


















和「はぁ…まったく…なんで穏乃も須賀君を連れてきたんでしょう…」

京太郎「俺も割りとそれを聞きたい」

和「…と言うか…須賀君が来るのならもっと事前に言って欲しかったです…」

和「それならもっと可愛い水着だって用意出来たのに…」ポソッ

京太郎「ん?何か言ったか?」

和「…なんでもないです」スネー

京太郎「…ま、高鴨の事だし適当に仲の良い相手を誘いまくっただけなんだろ」

和「…深く考えてないって事ですか」

京太郎「まぁ、高鴨だし」

和「…そういう言い方はちょっと…」

京太郎「じゃあ、和は高鴨が何か考えてこの面子を集めたと思うのか?」

和「…黙秘権を行使します」

京太郎「それはそれで酷いと思うけどな」






















玄「なーに二人でいちゃついてるの?」ダキッ

和「ひゃ…!?って玄さん…!」

玄「和ちゃんも須賀君もこっちで遊ぼうよー」

和「私は休憩中ですから…」

玄「そんな事言って…須賀君の側に居たいだけなんじゃないの?」

和「ち、違います!ここまで来るのに本当に疲れたんですから…!」カァァ

玄「ふんふむ…じゃあ、私がマッサージしてあげるね!」キュピーン

和「え?まっさーひああぁっ」ビクッ

玄「うーん…水着の上からでも分かるこの圧倒的存在感…流石おもち…」ウットリ

和「く、くくく…玄さん!?」

玄「ふふふ…しかし、まだキングオブおもちである私のおねーちゃんには程遠いですのだ」

玄「だから、私の手で育ててあげるね…!」モミモミ

和「ひぅぅっ♪」ビクンッ
















玄「うーん…感度は良いね。これは開発しがいがあるかも…」ゴクッ

和「ひ…ぃ…♪」プルプル

京太郎「ちょ…ま、松実さん何をやって…」

玄「何ってマッサージだよ!疲れてる和ちゃんを労ってあげてるの」ニコー

京太郎「どう見てもセクハラだろ!!」

玄「ふふ…甘いね、須賀君。女の子同士だとセクハラにはならないんだよ!!」ドヤァ

京太郎「いや、なるからな」

玄「えっ」

京太郎「異性相手より立証は難しいけどセクハラにはなるぞ」

玄「…ま、それはそれとして」モミモミ

京太郎「おい、バカ止めろって…!」

玄「これはセクハラではなくストイックな求道的行為ですのだ!」

京太郎「何処がだ…!」

玄「ダイジョウブダイジョウブ。コワクナーイコワクナーイ」

和「す、須賀…く…ぅん…♥」

京太郎「…っ!」


>>+2
末尾偶数:強引に玄を引き離す
末尾奇数:和を連れて逃げる



































>>和を連れて逃げる

京太郎「く…こっちだ…!」グイッ

和「ひぁ…♪」バッ

玄「あ…むぅ…逃げられちゃった…」

和「…はぁ…はぁ…」

京太郎「…大丈夫か?」

和「…すみません。助かりました」

京太郎「いや…寧ろ助けるの遅くなって悪いな」

京太郎「後で松実さんにはしっかりと言っとくからさ…」

和「はい…お願いします…」

京太郎「…ただ、もうちょっと抵抗した方が良いと思うぞ」

京太郎「黙ってても調子に乗るだけだし…一発ガツンと言ってやらないと止まらないぞ」

和「う…それは分かってるんですけれど…」

京太郎「…原村って俺には結構厳しいのにな」

和「そ、それは…だって…あの…」モジモジ



















和「須賀君は…大事な人ですから…」

京太郎「え?」

和「た、多少…強く言っても嫌ったりしないって思って…」

和「ご迷惑…でしたか…?」ウワメヅカイ

京太郎「…迷惑じゃねぇよ」

京太郎「つか、俺も和に結構色んな事言ってるしな」

和「…後、最近、結構ジロジロ見てきますよね」ジィ

京太郎「ぅ…いや、それは…その服が…」

和「その割には…最近、胸の辺りに視線を感じるんですけれど…」

京太郎「き、気のせいじゃないか?」

和「…そうですか。気のせいですか…」

和「…さっきだって私の胸あんなに見ていたのに」ポソッ

京太郎「ぅ…」



















和「…須賀君ってホントスケベですよね」ジトー

京太郎「…悪かったって」

和「…まぁ、嫌な気はしないんですけど」ポソッ

京太郎「え?」

和「…なんでもありません。でも、女性はそういう視線に敏感ですから控えた方が良いですよ」

和「勿論、控えられるなら…ですけど」ヒヤヤカ

京太郎「う…いや…まぁ…努力はする…けど」

京太郎「…どうしてもさ、和の方をついつい見てしまうっていうか…」

和「……え?」

京太郎「あ、いや…その…な、なんつーか…」

京太郎「ち、違うんだ、胸に興味はあるけど…でも、松実さんのには惹かれないっていうか」

京太郎「俺が気になるのは原村のおっぱいだけって言うか……あの…!」

和「~~~っ!この…変態…!」スパーン

京太郎「久々っ!!」
最終更新:2014年02月03日 22:12