高校二年――ネト麻大会

【高校二年 ―― 3月第二週ネト麻大会】

京太郎「(さて…ようやく今日という日が来たか…)」

京太郎「(ネト麻の大会…待ちに待った…本番だ)」

京太郎「(さっき配布された参加者名簿の中にはあののどっちの名前もあった)」

京太郎「(一年半くらいからめっきりネット上から姿を消したと聞いていたけど)」

京太郎「(どうやら今回はエントリーしていてくれているらしい)」

京太郎「(安心したぜ…のどっち)」

京太郎「(ここまできてお前がいなきゃ拍子抜けってレベルじゃないからな)」

京太郎「(俺は今日までお前を倒す為に努力し続けてきたんだ)」

京太郎「(お前に恨みはないけれど…必ず…ここで倒す…!)」ゴッ

京太郎「(…ま、倒すって言っても準備が万全とは言えないんだけどさ)」

京太郎「(正直、不安要素は山ほどあるけど…)」

京太郎「(でも、色んな人の思いを背負ってここにいる俺なら…きっと届かない訳じゃない)」



















京太郎「(その証拠って訳じゃないけど…一回戦は割りと簡単に終わった)」

京太郎「(相手のランクはほぼ同じくらいではあったんだけれど…)」

京太郎「(流れは始終こっちにあった)」

京太郎「(さっきの流れが続けば今回だって勝ち抜けるはずだ)」

京太郎「(…ただ)」

狂堕狼:よろしくおねがいします

SGGKK:よろしくお願いします

京太郎「(…相手には絹恵さんがいるんだよな)」

京太郎「(通算成績では勝ち越してるけど…でも、決して油断していい相手じゃない)」

京太郎「(俺の癖ってやつを誰よりも見抜いているのは間違いなく絹恵さんなんだから)」

京太郎「(間違いなくやりにくい相手…だけど…だからって諦めたりはしない)」

京太郎「(のどっちに当たる決勝まで…必ず勝ち進んでやる…!)」ゴッ




>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 SGGKK(雀力9+スキル20)29
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 モブ選手(雀力8+スキル15)23





































>>狂堕狼 144
>>SGGKK 117 → 反転世界発動(-58) 59
>>モブプロ 100
>>モブ選手 62



京太郎「(ここで狙うべきは…やはり絹恵さんだ)」

京太郎「(ここまで来るだけあって他の選手も油断ならないけれど)」

京太郎「(だけど…絹恵さんはそれ以上に警戒しなければいけない相手なんだから)」

京太郎「(こんなことやったら…またドSだとか言われるかもしれないけど…でも)」

京太郎「(出来る内に絹恵さんを沈めておかないと…)」

京太郎「(…ごめん。絹恵さん…悪いけれど…ここは…)」



ロンバイマンデス



京太郎「(…よし…まずはでかいのを一発…)」

京太郎「(これで2位以下を引き離して一位…と)」

京太郎「(でも…まだ始まったばかりだし…油断は出来ない)」

京太郎「(絹恵さんだって…まだまだ展望残してる以上、逆転圏内にいるんだ)」

京太郎「(終わるまで…気を抜かずにいかないと…な)」



>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 SGGKK(雀力9+スキル20)29
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 モブ選手(雀力8+スキル15)23



































>>狂堕狼(66) 120 → 運命の二つ名発動
>>SGGKK 87
>>モブプロ 98
>>モブ選手 105


絹恵「(…うちなんでこんなところにおるんやろうなぁ…)」

絹恵「(明らかに場違いなのは目に見とるのに…)」

絹恵「(必死に頑張って…無理矢理ランク入りさせて…)」

絹恵「(そんなんしても…彼はうちの事なんか見てくれへんはずやのに…)」

絹恵「(…いや、でも、もしうちが勝てば…少しはうちの事意識してくれるやろうか?)」

絹恵「(京太郎君の言う体質が今回で治らへんかったらまたうちとネト麻やってくれるやろうか?)」

絹恵「(そうしたら…うちの事少しは…見て…)」


ツモマンガンデス


絹恵「(…あは…それ…うちと最初に打った時の奴やん)」

絹恵「(奇しくも今回もまた親…ホント痛いって…もう)」

絹恵「(…でも、今ので目が覚めたで)」

絹恵「(うちは絶対に京太郎君の事…先に進ませへん)」

絹恵「(我儘って分かっとるけど…でも…)」

絹恵「(ここで京太郎君が目的を果たして…うちとネト麻してくれへんようになるくらいやったら…」

絹恵「(うちは…全力で打つ…!)」

絹恵「(手加減なんかせえへん…絶対に…絶対にここで京太郎君の事…止める…!)」



>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 SGGKK(雀力9+スキル20)29
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 モブ選手(雀力8+スキル15)23






































>>狂堕狼 90
>>SGGKK 83
>>モブプロ 128 → 反転世界発動(-80) 48
>>モブ選手 113


京太郎「(く…良い手が中々入らないな…)」

京太郎「(いや…入らないんじゃない。入らせてもらえてない…な)」

京太郎「(さっきからSGGKKさんに止められてる感じがする」

京太郎「(まぁ…ネト麻なんでそういう感覚的なものはあまり頼りにならない訳だけど)」

京太郎「(だけど…さっきから打ち筋がどんどん研ぎ澄まされていって…)」

京太郎「(まるでこっちだけを狙い撃ちにしようとしているような…そんな感覚さえ覚える)」

京太郎「(ま、似たような事を毎回やってる俺が言える話じゃないしな)」

京太郎「(寧ろ、そうやって絹恵さんがまた一つ強くなってくれたのが嬉しい)」

京太郎「(とは言え…このまま何もしないってのも癪だし…)」

京太郎「(とりあえず…この中では一番の実力者なモブプロさんを落としてもらおう)」


ロン7700デス


京太郎「(…これで…二位との差はさらに開いて…一位はほぼ盤石)」

京太郎「(とは言え…誰も飛んでない以上、役満一つでひっくり返るような点差だ)」

京太郎「(ここから逆転される事は滅多にないだろうけど…)」

京太郎「(でも、最後まで気合入れていかないとな)」


>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 SGGKK(雀力9+スキル20)29
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 モブ選手(雀力8+スキル15)23





































>>狂堕狼 84
>>SGGKK 48
>>モブプロ 135 → 反転世界発動(-80) 55
>>モブ選手79


ツモ


京太郎「(うっし…安手だけど終局…と)」ンー

京太郎「(あー…大分、緊張したけど…何とかなったな)」

京太郎「(っと…ちゃんとお疲れ様でしたって言わないとな)」カチャカチャターン

京太郎「(さて…次の試合は…十分後だったっけ)」

京太郎「(その間に飲み物でも…)」ピーポポンピポ

京太郎「(…あれ?スカイプ?絹恵さんからか)」

京太郎「(勝った手前ちょっと心苦しいけど…でも出ない訳にはいかないよな…)」スッ

京太郎「(マイクセットして…これでよし)」ポチ

京太郎「絹恵さんお疲れ様でした」

絹恵「…うん。お疲れ様」






















絹恵「後…勝ち抜けおめでとうね」

京太郎「ありがとうございます。まぁかなり危なかったですけど」

絹恵「最初から最後までほぼ一位独走してて何を言っとるんよ」

京太郎「いや、でも何度も危ない橋渡っていましたからね」

京太郎「正直、何時絹恵さんがこっちを射抜いてくるか不安でしたよ」

絹恵「…ぅ」

京太郎「…あれ?絹恵さん?」

絹恵「あ、いや、ううん。なんでもあらへんよ」

絹恵「それで…えっと…次の試合前に…ちょっと聞きたいんやけど…ね」

京太郎「あ、はい。なんでしょう?」

絹恵「えっと…京太郎君って勝った後、どうするん?」

京太郎「え?勝った後って」

絹恵「あ、いや…ほら、のどっちに勝ったらって事」

絹恵「…京太郎君がネト麻やりだしたのってそれが目的なんやろ?」

京太郎「確かに…そうですね」

















絹恵「って事はもし優勝したらもうやらへんのかなって…」

京太郎「あー…確かにやっている時間なくなりますよね…」

京太郎「牌には触れるようにはしてますけど…やっぱ現実に打つのとは違いますし」

京太郎「そういう感覚を取り戻す為に今度はリアルの方でひたすら打つ事になると思います」

絹恵「そ…っか」

絹恵「そう…やんな。ごめんな、うち阿呆な事聞いて…」

絹恵「でも…ち…ちゃんと確かめとかへんと…後で…」

京太郎「あ、でも、ネト麻そのものを辞めるつもりはないですよ」

絹恵「…え?」

京太郎「だって、ようやくネト麻楽しくなってきたところですしね」

京太郎「絹恵さんとだってまだまだ打ちたいですし」

絹恵「…本当?」

京太郎「本当ですよ。ま、以前よりも頻度は堕ちると思いますけど」

京太郎「でも、優勝して逃げたーとか言われるのは癪ですし」

京太郎「ネト麻そのものは続けますよ」

















絹恵「そっか…えへ…そっかぁ…」グスッ

京太郎「…あれ?絹恵さん?」

絹恵「あ、ううん。何でもあらへんよ」

絹恵「ちょ…ちょっとね、目にゴミが入って…」

京太郎「それなら良いんですけど…」

絹恵「…あ、でも、そろそろ次の試合やんね」

絹恵「ごめんね。休憩とかする時間に…」

京太郎「構わないですよ。俺も絹恵さんと話したかったですし」

絹恵「え?」

京太郎「俺がここまでこれたのは絹恵さんのお陰ですから」

京太郎「本当にありがとうございます」

京太郎「それと…あの絹恵さんさえ良ければですけど」

絹恵「…うん」

京太郎「これからもよろしくお願いします」

絹恵「…うんっこちらこそ…よろしくねっ」

















京太郎「(ふぅ…絹恵さん怒ってないみたいでよかった…)」

京太郎「(スカウトもチェックしてるって噂の大会で知り合いに勝つって)」

京太郎「(やっぱり良い気分じゃないからなー…)」

京太郎「(結果的に俺が最下位にしたみたいなもんだし…怒られてもおかしくないと思ってたけど…)」

京太郎「(素直に祝福して貰えて本当に安心した)」

京太郎「(と言うか…悔しくないはずがないのに…すぐさま連絡して祝ってくれて…)」

京太郎「(本当、絹恵さんは凄いよな)」

京太郎「(俺が同じ事出来るかっていうと…正直、自信ないくらいだし…)」

京太郎「(この前もほぼ徹夜で癖の矯正付き合ってくれた事も合わせて後でちゃんとお礼しないとな)」

京太郎「(後でしずに幾つか送るもの見繕ってもらうかな)」

京太郎「(…で、三回戦の部屋は…ここか)」

狂堕狼:よろしくお願いします

かにゃー:げっ

狂堕狼:げって…かにゃーさんそれはないっすよ

かにゃー:正直、会いたくない奴に会っちゃったし…

狂堕狼:そりゃこっちのセリフですって






















京太郎「(てか二回連続で知り合いとの対戦かよ…)」

京太郎「(乱数仕事しろ…って正直言いたいくらいだけど…)」

京太郎「(三回戦と言っても…事実上、ここが準決勝みたいなもんだ)」

京太郎「(他の卓でも一位抜けでふるい落とされて、実力者しか残っていない)」

京太郎「(そんな中でしっかり残ってる辺り…かにゃーさんってやっぱすごいと思うんだけどな)

京太郎「(…とは言え、その辺を口にしてもややこしくなるだけだし…)」

京太郎「(何より今のかにゃーさんと俺は敵同士なんだ)」

京太郎「(脳筋みたいな思考だけど…まずは麻雀で語ろう)」

京太郎「(言葉をやりとりするのはその後で良い)」

京太郎「(ま…と言っても…負けるつもりはないけどな)」

京太郎「(幾らかにゃーさんでも…俺には負けられない理由があるんだから)」



>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 かにゃー(雀力9+スキル25)34
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 セミプロ(雀力10+スキル25)35

































>>狂堕狼 138
>>かにゃー 78
>>モブプロ 82
>>セミプロ 77 → 反転世界発動 → 7


京太郎「(流石にこのレベルになってくると皆隙がないな…)」

京太郎「(正直、誰が勝ってもおかしくないような実力をしている)」

京太郎「(…特にモブプロさんは正直、プロでもおかしくないくらいだ)」

京太郎「(かと言って…この中で俺が劣っているつもりはまったくない)」

京太郎「(いや…気持ちという意味では飛び抜けているつもりさえある)」

京太郎「(だからこそ…ここは…!)」


ロンバイマンデス


京太郎「よっし…」

京太郎「(またしょっぱなでかい一撃っと…)」

京太郎「(セミプロさんには悪いけど…でも、のんびりなんてしていられる卓じゃない)」

京太郎「(攻めるときにはガンガン攻めていかないと…)」

京太郎「(正直、かにゃーさんの高い火力はちょっとした点差位なら軽くひっくり返してくる)」

京太郎「(今回も決勝にいけるのは一位だけなんだ)」

京太郎「(稼ぎ負けて二位なんて泣くに泣けないし…)」

京太郎「(最初から最後まで…攻めていくぞ…!)」



>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 かにゃー(雀力9+スキル25)34
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 セミプロ(雀力10+スキル25)35

































>>狂堕狼 58
>>かにゃー 123 → 反転世界発動(-68) → 55
>>モブプロ 83
>>セミプロ 102


京太郎「(ってやば…さっきのでセミプロさんがこっち狙ってきてる…)」

京太郎「(いや、まぁ、一位だし…俺を狙うのはセオリーっちゃセオリーなんだけどさ…)」

京太郎「(でも…ここで受けると…さっきの分がほぼ帳消しになる)」

京太郎「(これだけ高火力が行き交う卓でそれは…正直、きつい)」

京太郎「(…だから…まぁ、うん)」

京太郎「(かにゃーさん…ごめん…)」

京太郎「(ここしか思いつかないんだ…)」カチッ

かにゃー:ふふーん…それだったらここだし!

ロン!

かにゃー:ひにゃ!?

京太郎「(…ふぅ、危なかった…)」

京太郎「(かにゃーさんが先に打ってくれなきゃ次はアレを出してたな…)」

京太郎「(かにゃーさんバリア万歳…っとまぁ喜んではいられない訳だけど)」

京太郎「(やっぱりこのレベルになると…一歩間違えれば逆転されかねないくらい強い)」

京太郎「(攻めるのは良いけど…一撃を貰ったりしないように注意しないとな)」



>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 かにゃー(雀力9+スキル25)34
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 セミプロ(雀力10+スキル25)35



































>>狂堕狼 149
>>かにゃー 109
>>モブプロ 119 → 反転世界発動(-80) → 39
>>セミプロ 59


京太郎「(さて…さっきが酷かった分、今回は大分良い手が入ってくれてるな)」

京太郎「(これは盾になってくれたかにゃーさんに感謝って言ってる場合じゃないか)」

京太郎「(とりあえず…この手なら責められる)」

京太郎「(和了りも明確に見えてるし…今のところ他の人の牌にも絡んでいない)」

京太郎「(もし、他家からリーチ宣言があったとしても、突っ張って良いくらいだな)」

モブプロ:リーチ

京太郎「(っと…モブプロさんが聴牌してたか)」

京太郎「(恐らく…ここで勝負つける気だな)」

京太郎「(さっきならそれも良かったんだろうけど…今の状況で1翻の為にリーチは悪手だぜ)」

京太郎「(そっちに俺の和了り牌が絡んでないのは河から見てもほぼ確実なんだ。だから…)」

ロンハネマンデス

京太郎「(っとまさかドラが乗るとはな)」

京太郎「(ちょっと出来すぎだけど…でも、これで一人浮き…か)」

京太郎「(後はこの点差を維持できれば…決勝でのどっちに会える)」

京太郎「(…って焦るなよ…まだ勝負は終わった訳じゃないんだ)」

京太郎「(まだ全員点棒残している以上…逆転がない訳じゃない)」

京太郎「(最後まで警戒して…しっかり締めておかないと…な)」




>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 かにゃー(雀力9+スキル25)34
>>+4 モブプロ(雀力10+スキル30)40
>>+5 セミプロ(雀力10+スキル25)35




































>>狂堕狼 135
>>かにゃー 59
>>モブプロ 74 → 反転世界発動 → 0
>>セミプロ 61


京太郎「(っと…モブプロさんが大分、なりふり構わなくなってきてるな…)」

京太郎「(そりゃそうか。二位から一転最下位だもんな)」

京太郎「(決勝に行くのに一位にならなきゃいけない事を考えたら)」

京太郎「(ここは多少、分が悪くても勝負に出るしか無い場面だ)」

京太郎「(とは言え…高目を目指すのは良いけれど…)」

京太郎「(そんな丸見えの打ち方じゃ…狙い撃ちだぜ?)」カチッ


ロンマンガンデス


京太郎「(ふぅ…終了っと…)」

京太郎「(最後トビ終了になってモブプロさんには悪いけど…)」

京太郎「(だからって俺に余裕がある訳じゃないからな)」

京太郎「(でも…これで決勝…)」ブルッ

京太郎「(これで…これでようやくのどっちに…会える…)」グッ


















かにゃー:狂堕狼

狂堕狼:あ、お疲れ様でした

かにゃー:うん。お疲れ

かにゃー:…そしておめでとうな

狂堕狼:ありがとうございます。これも何度も付き合ってくれたかにゃーさんのお陰です

かにゃー:そんな…かにゃーちゃん何もやってないし

狂堕狼:えっ

かにゃー:えっ

狂堕狼:ど、どうしたんですか!?かにゃーさんが殊勝だなんておかしいですよ!!

かにゃー:お前は私をなんだと思ってるんだ

狂堕狼:そりゃもう…常日頃からうざい人ですよ

かにゃー:にゃ、にゃにをー!!




















かにゃー:まぁ…そう言えばちゃんとお礼を言っていなかったと思って

狂堕狼:お礼?

かにゃー:そう。かにゃーちゃんがここまで来れたのは狂堕狼のお陰だって事

狂堕狼:いやいやいや、俺の方こそ何もやってないですよ?

かにゃー:そんな事ないし。…だって、かにゃーちゃんはずっとお前に対抗心燃やしてたからな

狂堕狼:え?

かにゃー:こんな持ってる奴にネト麻でも負けてたまるかって…本当はずっと思ってた

かにゃー:かにゃーちゃんがランク入りして…準決勝まで来れたのも狂堕狼に負けたくなかった一心だったし

狂堕狼:かにゃーさん

かにゃー:…だから、ごめんな

かにゃー:なれなれしくしながら…私、ずっとそんな風に思ってた

かにゃー:…すっごい嫌な奴なんだ

















狂堕狼:…それだけですか?

かにゃー:え?

狂堕狼:それだけで俺にあんな風に仲良くしてくれたんですか?

かにゃー:仲良くって…

狂堕狼:俺は楽しかったですよ、かにゃーさんと一緒にやれて

狂堕狼:さっきはうざいなんて言いましたけどそれを含めて俺はかにゃーさんの事良い人だって思ってます

狂堕狼:だから…例えそうだとしても俺の気持ちは変わりません

狂堕狼:俺はかにゃーさんと一緒にやれてすげー楽しかったです

かにゃー:…狂堕狼

かにゃー:うん…私も楽しかったよ

かにゃー:狂堕狼と一緒に馬鹿な話してじゃれあって…

かにゃー:凄い…楽しかった




















狂堕狼:じゃ、それで良いじゃないですか

かにゃー:…良いのか?

狂堕狼:良いんですよ、そもそも俺にかにゃーさんを糾弾するつもりも資格もありませんし

狂堕狼:さっきも言った通り、俺はかにゃーさんに感謝してるんですから

狂堕狼:そしてかにゃーさんも俺に感謝しているんなら…それで良いでしょう

かにゃー:狂堕狼ってやっぱり単純なんだな

狂堕狼:深く物事を考えるよりも単純な方が楽ですからね

狂堕狼:かにゃーさんもそういうタイプでしょう?

かにゃー:…なんか馬鹿にされた気がする

狂堕狼:はは。まぁ、そのつもりがないとは言いませんけど

かにゃー:にゃにをー!

狂堕狼:そうそう。そういうので良いんですよ

狂堕狼:俺達の距離感はそういうので

狂堕狼:なんか変に真面目になってごめんとか謝るのなんて似合いませんって

かにゃー:そっか。…それもそうだな



















かにゃー:ちなみにさ

狂堕狼:はい

かにゃー:かにゃーちゃんがこの大会に出たがったのスカウトが見てるからなんだよな

狂堕狼:え

かにゃー:かにゃーちゃん妹が沢山いるから大学行けないし

かにゃー:龍門渕にぼこられてスカウトもされなかったからプロにもなれなくて

狂堕狼:えっと…それはつまり…

かにゃー:実は今回の大会はかにゃーちゃんにとってプロへのラストチャンスだった訳だな!!!

狂堕狼:ご、ごめんなさい…

かにゃー:はは。良いよ。だって、これで終わるつもりはないしな

狂堕狼:え?

かにゃー:本当は今年で麻雀辞めるつもりだったんだ

かにゃー:プロにもなれなかったし…妹たちを養うためにも仕事に集中しようって

かにゃー:でも、狂堕狼が楽しいって言ってくれて…正直、未練ができちゃった

かにゃー:だから…私またもう一年、チャレンジしてみるよ

狂堕狼:かにゃーさん

かにゃー:ま、ダメだった時は狂堕狼に責任取ってもらうし!!

狂堕狼:あ、それは全力でお断りさせてもらいます















かにゃー:ふふーん。良いって。かにゃーちゃんにはお見通しだから

狂堕狼:何をですか?

かにゃー:どうせ狂堕狼モテないんだろ

狂堕狼:う

かにゃー:彼女居ない歴=年齢なんだろ、分かってる分かってる

狂堕狼:ちょ、それは今関係ないじゃないですか!!

かにゃー:え?マジでそうなの…?

狂堕狼:あ

かにゃー:そっかー…そうなのかー

かにゃー:ま、あんまり気を落とすなよ童貞!

狂堕狼:くっそ…何時か絶対泣かせてやる…

かにゃー:ふふーん。かにゃーちゃん強い子だから絶対に泣かないし!!














京太郎「(ったく…それからも童貞童貞と連呼しやがって…)」

京太郎「(チャットだからログ残るって理解してるのかなあの人…)」

京太郎「(と言うか…そもそもなんで童貞がフィルターに引っかからないのかまったく理解出来ないんだけど)」

京太郎「(まぁ、その辺は後で運営に訴えてみよう)」

京太郎「(大会で優勝したら多少は意見も聞いてもらえるだろうし)」

京太郎「(ま…それはさておき…だ)」

京太郎「(あのままかにゃーさんとじゃれあってたらいつの間にか試合時間になった)」

京太郎「(対戦相手はやっぱり…のどっち)」

京太郎「(暇な時間に前の試合観てたけど…やっぱり圧倒的だった)」

京太郎「(間違いなく相手は…今までネト麻で戦ってきたどんな相手よりも強い)」

京太郎「(その上…他の二人もプロレベルだ)」

京太郎「(正直…さっきの卓よりもさらに強い)」

京太郎「(だけど…あぁ、そうだけど…)」

京太郎「(だからこそ…やりがいがあるってもんだよな…!)」

京太郎「(相手はネト麻無敗と呼ばれるほどの雀士なんだ)」

京太郎「(胸を借りるつもりで…まずは一局…!)」


>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 のどっち(雀力20+スキル50)70
>>+4 モブプロ上位(雀力10+スキル30)50
>>+5 モブプロ中堅(雀力10+スキル25)45


































>>狂堕狼 58
>>のどっち 146 → 反転世界 無効
>>モブプロ上位 122
>>モブプロ中堅 49



京太郎「っ!」

京太郎「(やばい…予想はしてたけど…こののどっち…マジで強い…)」

京太郎「(こっちがどれだけ妨害しようとしてもそれを悠々を超えて和了りへと近づいていく)」

京太郎「(これが…生ける伝説扱いされてる雀士かよ…)」

京太郎「(確かに…こりゃ運営が作ったプログラムだって思うレベルだな…)」

京太郎「(他の二人だって決して悪くない…寧ろ、強いはずなのに…)」

京太郎「(それが追いつけない速度だなんて…)」

京太郎「(…一局目は様子見に徹してて正解だったな)」

京太郎「(こりゃ真正面からぶつかろうとしてたら手痛い一撃を喰らってた…)」


ロン


京太郎「(そしてしょっぱな満貫…か)」

京太郎「(直撃でなかっただけマシだけど…でも)」

京太郎「(果たして…俺はこののどっちからこの8000点のリードを詰められるのか…?)」




>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 のどっち(雀力20+スキル50)70
>>+4 モブプロ上位(雀力10+スキル30)50
>>+5 モブプロ中堅(雀力10+スキル25)45




































>>狂堕狼(77) 131
>>のどっち 126
>>モブプロ上位 114
>>モブプロ中堅 61


京太郎「(よし…多面待ち高め…!)」グッ

京太郎「(これをのどっちに当てられば逆転…なんだけど)」

京太郎「(だけど…そんな隙なんて見せてくれる訳ないよなぁ…)」

京太郎「(のどっちの牌譜はこれまで見てきたけれど…)」

京太郎「(どこまでも堅実かつ確実なのが特徴的だ)」

京太郎「(相手の手が透けて見えてるんじゃないかって思うのどっちから)」

京太郎「(直撃を奪う事はかなり難しい)」

京太郎「(…となれば方法は一つだよな)」

京太郎「(本人から取れないなら…その他から奪う)」

京太郎「(稼ぎあいは決して得意なやり方じゃないけれど…)」

ロン

京太郎「(それでもかにゃーさんと何度も打ってる俺が決して出来ない訳じゃない)」

京太郎「(…とは言え、ようやくほぼ互角)」

京太郎「(地力で負けている事を思うと…流れがきてる今の間に攻めたいところだけれど…)」

京太郎「(…何にせよ次が恐らく…この対局の勝敗を分ける勝負どころ…だな)」




>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル30+土壇場5+祝福5)54
>>+3 のどっち(雀力20+スキル50)70
>>+4 モブプロ上位(雀力10+スキル30)50
>>+5 モブプロ中堅(雀力10+スキル25)45






































>>狂堕狼 60
>>のどっち 140
>>モブプロ上位 107
>>モブプロ中堅 104


和「(…私、何をやっているんでしょう…)」

和「(もう麻雀なんて止めなければいけないのに未だしがみついて…)」

和「(大会なんて本来なら出ている時間なんてないのに…)」

和「(来年の受験に向けて頑張らないと…でも…)」

和「(…ネト麻の大会と聞いて…出て欲しいと…わざわざオファーまで貰って…)」

和「(我慢出来なくて…つい了承の返事を返して…)」

和「(それで…私また…約束を…破って)」

和「(…今年だけ…なんて言い訳にもならないですよね)」

和「(お父さんとの約束…破ってしまった事に違いはないんですから)」

和「(だけど…こうして参加してしまった以上…)」

和「(…今年でもうのどっちもおしまいです)」グッ

和「(雀士原村和だけではなくて…今日ここで…のどっちも終わるんです)」

和「(だからこそ…悔いがないように)」

和「(二度と…麻雀をしたいと思わずに済むように)」

和「(今、ここで私に出来る…最高の麻雀を…)」カチッ







ロンバイマンデス























京太郎「(やら…れた…!)」ゾッ

京太郎「(油断なんて…まったくしてなかったはずなのに…)」

京太郎「(ここで倍満…やばい…)」

京太郎「(二位から三位に転落…いや、それはまだ良い)」

京太郎「(問題は…のどっちとの点差だ…!)」

京太郎「(残り数局で挽回するのは…ほぼ絶望的…)」

京太郎「(くっそ…ここまで…来て)」

京太郎「(ここまで来て…直撃食らうなんて…)」

京太郎「(ここから…のどっちに勝とうと思ったら…それこそ役満和了るくらいしか手がない…!)」

京太郎「(だけど…こののどっちに…そんな事出来るのか?)」

京太郎「(ただでさえ地力が上の相手が役満の準備なんて整えさせてくれるはず…)」

京太郎「(…くそ…!何を弱気になってるんだ…!)」

京太郎「(今は…目の前の事に集中しろ…集中…!!)」グッ

京太郎「(目の前の画面に集中…して…)」















京太郎「(ダメ…だ)」

京太郎「(集中して…何になるって言うんだ…)」

京太郎「(これは…リアルじゃないんだぞ…)」

京太郎「(どれだけ集中しても…次の牌が分かるなんて事にはならない…)」

京太郎「(俺の目の前にあるのは…あくまで画面で…データの塊なんだ)」

京太郎「(多少、傾向が読めたところで…中身全部を把握するなんて不可能だ)」

京太郎「(ましてや…ここで役満を和了れる確率なんて…果たしてどれくらいか)」

京太郎「(正直…検討もつかない)」

京太郎「(弱気になっちゃいけないって…分かってるのに)」

京太郎「(確率が…データが…俺の前に…壁として立ちふさがって…)」

京太郎「(…やっぱり無理だったのか…?)」

京太郎「(俺じゃ…やっぱりのどっちに勝つなんて夢のまた…夢だったのか…?)」カチッ





京太郎「…あ」
















京太郎「(…この並び…)」








かにゃー:京太郎はやっぱり判断の早さがネックだな

                  狂堕狼:そうですか?

かにゃー:うん。初期手でどうするか決めるのは良いけど…ちょっと見極めが早すぎ

                  狂堕狼:うーん…自分ではそのつもりはないんですけど

かにゃー:ほら、こことかもうちょっと粘れば倍満以上狙えたし

                  狂堕狼:確かに…いや、でもこれだけ高めになるとは思えませんって

かにゃー:まぁ、そりゃそうだけど…負けてる時くらいもうちょっと泥臭くなっても良いと思うし






絹恵「京太郎君の怖いところは最速狙ってくるところやね」

                         京太郎「そんなに怖いですかね?」

絹恵「だって一部、早上がりなんてレベルやないもん」

                         京太郎「はは。まぁ、鳴き方はリアルでかなり鍛えられたものですから」

絹恵「ただ逆に言えばその早さが弱点でもある訳やけどね」

                         京太郎「食い下がりって奴ですか?」

絹恵「うん。鳴く事が+に働いてる事は多いけど…どうしても点数下がるからね」

                         京太郎「うーん…その辺は分かってはいるんですけど…」

絹恵「ほら、この時だって結果的には鳴かなくてすんだ訳やろ?」

                         京太郎「確かに…順当に受けば5順目で和了れてましたね」
絹恵「ふふーん」

                         京太郎「いや、でも、分からずにこれ和了るの無理じゃないですか?」

絹恵「そうなんよねー…かなり高めで勿体無いねんけど…」















京太郎「(…はは。ったく…神様って奴はさ…)」

京太郎「(ホント…意地悪で…そして最高にエンターテイマーだよ…)」

京太郎「(ここで…この並びを…かにゃーさんとも絹恵さんとも牌譜にしてチェックした並びを)」

京太郎「(こうして…出してくるんだからさ)」

京太郎「(まだ諦めるなって事かよ…)」

京太郎「(簡単に…楽にはさせてくれないって事かよ)」

京太郎「(…わかったよ。アンタがそのつもりなら…俺だってやってやる…)」

京太郎「(思いだせ…この並びは…何時、何処で見た?)」

京太郎「(他の奴は…何をツモった?何を切った?)」

京太郎「(全て…鮮明に思い出せ)」

京太郎「(能力とか…そんなのはどうでも良い)」

京太郎「(このままじゃ…終われない)」

京太郎「(俺はまだ…ベストを尽くしてない…!!)」

京太郎「(これまで…こんな情けない俺に付き合ってくれた人たちの為にも…!)」

京太郎「(必ず…ここで引き出す…!あの時の牌譜を…全部…!)」グッ



>>+2
00~30 失敗
31~60 成功
61~99 大成功
※雀力14+知力10で+24 なおゾロ目だと…



































>>大成功




京太郎「(頭が割れるように痛い)」

                 もう諦めろ

京太郎「(何処だ…何処にある?そう遠い話じゃなかったはずだ)」

                 そんな事をしても無駄だ
   
京太郎「(絹恵さんと出会って…かにゃーさんと出会って…)」

                 お前には私がいる

京太郎「(それから絹恵さんとスカイプするようになって…それで…)」

                 そんな力なんて必要ない

京太郎「(…そうだ。あの日…俺は憧の奴を送って…それから…)」

                  私がいればお前は無敵だ。こんな下らないものはとっとと止めてしまえ

京太郎「(飯食って…あぁ、それから絹恵さんからの誘いがあって…)」

                  そうやって必死に思い返すなんてツライだろう?だから…

京太郎「(うるせぇ!少しは黙ってろ!!)」

京太郎「(最強とか無敵とか…そんなのの方が下らないんだよ!)」

京太郎「(俺にとって一番こわいことは…あぁ。そうだ、恐ろしい事は!)」

京太郎「(負ける事じゃない!誰かの思いを…無駄にする事だ!)」

京太郎「(あいつらを泣かせて…傷つける事だ!!)」

京太郎「(だから…俺はもうお前には絶対頼らない!)」

京太郎「(俺は…俺だけの力で…ここを超えてやる…!)」

京太郎「(だから…)」グッ

京太郎「(…っ!見つけた…!これだ…!!)」






















京太郎「~~っ…」

京太郎「(…俺は何秒止まってた…?)」

京太郎「(待ち時間…よし。まだ大丈夫…)」

京太郎「(…落ち着け…落ち着けよ…須賀京太郎)」スー

京太郎「(ルートは見えたとは言え…その通りに卓が進むとは限らない)」

京太郎「(鳴きの回数一つずれたら簡単に容易く崩れてしまうところに…俺の唯一の勝ち筋はあるんだから)」

京太郎「(繊細になりすぎるに越した事はない…)」ハーッ

京太郎「(…だけど…どうしてだろうな)」

京太郎「(…今なら…負ける気がしない)」

京太郎「(のどっち相手にでも…勝てそうな気がしてる)」

京太郎「(たった一つ山を超えただけで…まだまだ問題は残ってるだろうに)」

京太郎「(まったく…自分のことながら現金過ぎて笑えてくるぜ…)」

京太郎「(…だけど…あぁ、だけど…さ)」

京太郎「(…ここまでやって負けたなんて…笑い事にもならないけど…)」

京太郎「(勝てば…笑い話にも出来るよな)」

京太郎「(だから…勝つぞ、俺は)」

京太郎「(必ず…ここで…逆転してみせる…!!)」





須賀京太郎のスキル【速攻型】がランクアップし【狂堕狼】へと変化しました。
このスキルは【30+知力の半分】をコンマへと加えるスキルです




>>+2 狂堕狼(雀力14+スキル80+土壇場5+祝福5)104
>>+3 のどっち(雀力20+スキル50)70
>>+4 モブプロ上位(雀力10+スキル30)50
>>+5 モブプロ中堅(雀力10+スキル25)45




































>>狂堕狼 178
>>のどっち 90
>>モブプロ上位 119
>>モブプロ中堅 114



和「(…これで終了…ですか)」

和「(…のどっちの最後の対局だと思うと…凄い呆気無いですね)」

和「(でも…致し方ありません)」

和「(これは…私が約束し…そして決めた事なんですから)」

和「(物寂しさは否定できませんが…せめて最後まで自分の麻雀を続けましょう)」




京太郎「(…あぁ、やっぱりだな…)」」

京太郎「(のどっち…アンタは強い)」

京太郎「(正直…乱数が見えてるはずの俺でようやく若干上ってくらいだ)」

京太郎「(地力で言えば…俺は遥かにアンタに劣るよ)」

京太郎「(でも…俺のアドバンテージは何も先が見えてるだけじゃない)」

京太郎「(俺はアンタに勝つ為に…今までずっとアンタの事を研究してきた)」

京太郎「(今日この時の為に…牌譜を集めて…アンタの弱点を探してきた)」

京太郎「(そんな俺だからこそ…言える)」

京太郎「(アンタは強い。打ち筋には無駄なく最短で和了りを目指し、損傷は常に軽微に抑える)」

京太郎「(誰もが夢見るような完璧に勝つ為の打ち方を心得てる…そう。だからこそ…)」

京太郎「(アンタは今ここで…堕ちる)」














京太郎「(完璧であるが故にアンタの打ち筋は読みやすい)」

京太郎「(勿論、普段であれば俺はそれに決して追いつく事はできないんだろう)

京太郎「(いや、俺だけじゃない。並みのプロだって…アンタには追いつけない)」

京太郎「(だけど…今の俺なら…先が見えている俺ならば…不可能じゃない)」

京太郎「(…俺の最短は遠い)」

京太郎「(海底近くにひっそりと眠る…沈没船の財宝みたいなもんだ)」

京太郎「(和了りを二度見逃して…ようやく拝める高めの手…こんなものあてにするのなんて俺くらいなもんだろう)」

京太郎「(だが…それまでアンタは和了れない)」

京太郎「(先が見える俺には…打ち筋が完璧過ぎるアンタの思考を完璧に読める)」

京太郎「(怖いのは他家だけれど…それだって牽制するのは不可能じゃない)」

京太郎「(ネト麻では相手の顔は見えないとは言えやっているのは人間なんだ)」

京太郎「(切るまでの時間、鳴きの待ち時間…そういったもので思考はある程度とは言え誘導できる)」

京太郎「(それは口で言うほど簡単じゃなくて…綱渡りみたいなギリギリのものだけれど…でも)」













和「(…なんだか変ですね)」

和「(まるで誰かに誘導されているような…)」

和「(普段なら…もう和了れてもおかしくない頃合いなのに)」

和「(もう流局近くになっているなんて…)」

和「(…ふふ…私も弱気になったものですね)」

和「(一人だけならともかく…今は全員が聴牌かそれに類するような状態です)」

和「(そんな状態で和了りを誘導するなんて…それこそオカルトじゃないですか)」

和「(まるで卓全部を支配するようなそんなやり方、普通の人に出来るはずがありません)」

和「(…いえ、一人だけそれに似たやり方をする人がいましたね)」

和「(でも…彼女はネト麻なんてやらないでしょうし…)」

和「(何よりやっていたとしても…ネト麻でそんな事出来るはずありません)」

和「(そんな事が出来るのは…それこそ乱数を全部頭に入れているような人か…或いは…)」カチッ

ロン

和「…あ」

和「(…ここで直撃…しかも、高め…)」

和「(気を抜いていた…?いえ、そんな事はありません)」

和「(河を見ればわかります…ここでこの人が和了るなんてまずあり得ない…)」

和「(この手になるまで何度も和了を見逃して…それでようやく辿り着いた手…)」

和「(…頭の中にはありましたが、殆どないと思っていたのに)」

和「(ですが…それでは倍満止まりです)」

和「(逆転は…え?)」














京太郎「(…長かった)」

京太郎「(カンさせて…ドラ広げて)」

京太郎「(その間、相手を和了らせないまま留めて…なんてさ)」

京太郎「(この十分近くにどれだけ神経酷使した事か…)」

京太郎「(でも…あぁ、でも…さ)」

京太郎「(…乗ったぞ…裏ドラ)」

京太郎「(乗って…倍満手が役満手に変化だよ)」

京太郎「(そして…)」

和「(逆…転…?)」

和「(最後に裏が乗って…役満…)」

和「(しかも…逆転されただけじゃなくて…直撃で私が…最下位…?)」ブルッ













和「(こんなの…こんなのあり得ません!)」ガタッ

和「(だって…前提からしてこんな打牌出来るはずありません)」

和「(例え次に来る牌が分かっていたとしても…)」

和「(ここにたどり着くまでに一体どれだけの障害があったと思うんですか…!)」

和「(それら全部を乗り越えて…こんな役満なんて…そんなの…)」

和「(まるで人を支配するような…そんな馬鹿げた打ち方…)」

京太郎「(あー…やばい。疲れた…)」

京太郎「(運営からインタビューの打診来てるけど)」

京太郎「(今は無理…マジで無理…)」

京太郎「(もう寝るぞ…俺はもう…寝る…)」

京太郎「(インタビューは明日応える事にして今は…)」

のどっち:待って下さい

京太郎「(あー…)」















のどっち:最後のどういう事ですか

狂堕狼:どういう事って…いや…そのままですけど…

のどっち:質問を変えます

のどっち:アレは貴方が狙ってやったものなんですか?

狂堕狼:勿論、運の要素も多分に絡んでるけど…

狂堕狼:最後まで逆転狙うのが雀士としての当然の話でしょう

のどっち:じゃあ…裏ドラが乗るまで全部計算づくだったとでも言うんですか?

狂堕狼:えぇ

のどっち:そんな事出来る訳ありません!

狂堕狼:とは言え、じゃあもう一回…なんて出来る訳ないですし…

のどっち:いえ、それより良い方法があります

狂堕狼:…なんです?

のどっち:私ともう一度打って下さい

狂堕狼:え…

















のどっち:私、あんな負け方では納得できません

狂堕狼:あー…それは良いですけど…でも

のどっち:じゃあ、プライベートルーム作ってきますね

狂堕狼:ま、待ってください、俺、今すげー疲れてて

狂堕狼:運営からのインタビューも断って寝るつもりで…

のどっち:そう…ですか

狂堕狼:また明日とかなら俺も構いませんけど…

のどっち:…明日…ですか?

狂堕狼:えぇ。予定ありますか?

和「(…予定なんかありません)」

和「(明日も何時も通り家で勉強するだけなんですから)」

和「(でも…もう麻雀はしないって約束して…)」

和「(今日がラストだって…そうするつもりだったのに…)」















和「(でも…私、こんな負け方じゃ…終われません)」

和「(こんなに鮮やかで格好良い逆転劇魅せられて…)」

和「(今日でのどっち引退なんて…どうしても出来ないんです)」

和「(悔しいし…納得出来ないし…モヤモヤするけれど…でも)」

和「(それ以上に…さっきの対局は…私に麻雀の面白さを思い出させるもので…)」

和「(役満を直撃させられたのも、最下位になったのも…本当に久しぶりで…だから…)」

のどっち:…分かりません

狂堕狼:あ、そうですか

のどっち:でも…私は必ず戻ってきます

狂堕狼:え?

のどっち:今度は…貴方を倒す為に…必ず

のどっち:…だから、フレンドコードの交換…お願いして良いですか?

狂堕狼:…えぇ、こちらこそお願いします

のどっち:ありがとうございます

和「(私に…父が説得出来るかは分かりません)」

和「(ですが…私はまた彼と戦いたい)」

和「(今度はこんな後ろめたい気持ちもなく…)」

和「(ブランクもなしに…正々堂々と…真正面から)」

和「(…だから、待っていてくださいね)」

和「(私は必ず…ここに…この舞台に…戻ってきますから)」





























【System】
須賀京太郎の雀力が2あがりました
須賀京太郎はスキル【狂堕狼】により、【貪欲の八つ首】を封印する事が出来ます
これによりネト麻だけではなく現実でも麻雀をする事が出来るようになりました
またスキル【狂堕狼】はまだ進化の余地を残しているようです
最終更新:2014年01月30日 22:25