高校二年――クリスマス

【高校二年 ―― 12月】

京太郎「(それにしても…SGGKKさん…いや、絹恵さんと仲直り出来て本当に良かった)」

京太郎「(あのままフェードアウトなんて…悔やんでも悔やみきれないくらいだったからなぁ…)」

京太郎「(なんだかんだ言って、一番、俺に付き合ってくれてたのは絹恵さんだし)」

京太郎「(ネト麻の中で一番仲良いって言っても良いくらいだからな)」

京太郎「(まぁ、ちょっとしたアクシデントの所為で、もうネット上での付き合いなんて言えないけどさ)」

京太郎「(相手の素性も顔も名前も全部知っちゃってるくらいだし)」

京太郎「(こっちも知られて…まぁ、正直、恥ずかしいけど)」

京太郎「(でも、絹恵さん相手だとそれほど嫌じゃないよなぁ…)」

京太郎「(恥ずかしいのは恥ずかしいけど、でも、そういうの悪用するタイプじゃないって解ってるし)」

京太郎「(当時は頭抱えていたけど…彼女のモヤモヤを晴らすのにそのアクシデントが役だったのは確実だろう)」

京太郎「(相手の素性も何も知らないままなのと多少は知っているのとでは親近感もまったく違うしさ)」

京太郎「(それでもこんなに早く解決したのはお姉さんのお陰だろうし…)」

京太郎「(洋榎さんにも機会があればお礼をしたいな)」





















京太郎「(まぁ、それはさておき…今日はクリスマスなんだけど…)」

京太郎「(準備は万全…!何時でも来いって感じだ)」

京太郎「(今日は親もいないし…夜まで接待してやんよ!)」ゴゴゴ

京太郎「(い、いや、別に…親が居ないって関係ないけどさ)」

京太郎「(うん…その…まったく関係ないけど…でも)」

京太郎「(…なんだろうな。ちょっとドキドキする)」

京太郎「(今更、そんな間違いとか起こるはずないのに…)」

京太郎「(親いないってだけで…興奮してさぁ…)」

京太郎「(やっぱり俺あいつらの事意識してるんだろうなぁ…)」

京太郎「(…ぅ、そう思ったら…なんか緊張してきた…)」

京太郎「(あいつら早く来ないかな?)」

京太郎「(顔さえ合わせていればこの緊張も少しはマシになると思うんだけど…)」


ピンポーン


京太郎「(ぉ…来てくれたかな?)」

京太郎「はーい」
















憧「あ…京太郎…メリークリスマース♪」

穏乃「メリークリスマース」

京太郎「はいはい、メリークリスマス…ってお前らその格好?」

憧「…ふふ。興奮する?」ブルブル

穏乃「可愛いでしょ?」ブルブル

京太郎「いや…可愛いけど…って、違う」

京太郎「と、ともかく今開けるから待ってろ!」

憧「うん。…ごめん。出来るだけ早めにお願い」ブルブル

京太郎「ったく…あいつら何を…」ダッ

京太郎「(いや…今は理由よりも先にあいつらを出迎えてやらないと…)」ドタドタ

京太郎「(あんな格好じゃ風邪を引いてもおかしくないし…!)」ガチャ

京太郎「ごめん。お待たせ!」

憧「…う、ううん。大丈夫」ミニスカ

穏乃「あ、改めてメリークリスマスだよ、京ちゃん」サンタ














京太郎「とにかく入れ。そんなろくに布地もないようなのじゃ寒いだろ」

憧「う、うん…お邪魔します」

穏乃「ごめんねー…」

京太郎「よし…と」ガチャ

京太郎「とりあえず…ほら、リビング行こうぜ」

憧「へぇ…ちゃんとあたし達用スリッパ出しといてくれたんだ」

京太郎「ま、これでもお出迎えする側なんで…これくらいの準備はさ」

穏乃「えへへ…♪専用スリッパ良いよね」スッ

憧「誰にも出してない?」

京太郎「出さねぇよ。そもそもこれお前らの私物だし」

京太郎「ってか、スリッパはまだ良いけど…他にも私物多すぎないか?」

京太郎「雑誌とか化粧道具とかさ…たまには持って帰らないとそっちが大変じゃね?」

憧「良いのよ。こっちに置くように買ってるんだから」

京太郎「勿体無くないか?」

穏乃「実家のお手伝いでお小遣いもらえてるからだいじょぶだよ。それより…」

京太郎「あ、そうだな。悪い。まずリビングに行こうか」
















穏乃「あったかぁい♪」

憧「はぁ…宥姉じゃないけど確かに暖かいよね」

京太郎「まぁ、寒いだろうし暖房は結構強めに入れてたからな」

京太郎「だけど、まさかそんな服で来るとは思ってなかったけど」

穏乃「えへへ…♪私の家で着替えたら殆ど誰にも見られないし良いかなって」

京太郎「だからってそれ布地少なすぎだろ…見えるぞ」

憧「…見たい?」

京太郎「ば、馬鹿な事言うなよ…!誰がそんな…」

憧「残念…♪京太郎が言ってくれれば…このスカートもうちょっとあげても良いのになぁ…」スッ

穏乃「あ、私も京ちゃんが見たいって言ってくれたら…恥ずかしいけど…」スッ

京太郎「ぅ…」

憧「…ね、だから…もう一回聞かせて…?」

憧「本当に…見たくない…?」

京太郎「…あ…ぐ………」

京太郎「じ、冗談はいい加減にしとけよ!」カァァ

穏乃「…ちぇー」

憧「ふふ…ま、じっくりいきましょ」















穏乃「じゃ、まず私はこっちでご飯の準備だね!」グッ

京太郎「あ、手伝おうか?」

穏乃「ううん。大丈夫。その代わり憧の事手伝ってあげて欲しいな」

憧「こっちは飾り付け班よ、ほら」ジャラ

京太郎「色々買って来たなぁ…」

憧「まぁ家でクリスマスやる訳だしね」

憧「少しでも気分出そうと思って」

京太郎「なるほど…悪いな。そこまで考えてなかった」

憧「良いのよ、京太郎のフォローするのはあたしの仕事だしね」

憧「だけど、この部屋まるまるは厳しいからちょっと手伝って欲しいな」

京太郎「了解。それじゃ、何したら良いんだ?」

憧「とりあえず高いところから飾り付けていきましょうか」

憧「あたしがやるから押さえててくれる?」

京太郎「おう。了解」














憧「よいしょ…っと」

京太郎「大丈夫か?」

憧「うん。大丈夫よ」

憧「それに落ちても京太郎が抱きとめてくれるでしょ?」

京太郎「ま、お前くらいなら受け止めてやるけどさ」

京太郎「でも、だからって無理すんなよ」

憧「それなら落ちないようにちゃんと見ててね」

京太郎「おう。ちゃんと…ちゃんと…」

憧「~♪」フリフリ

京太郎「んぉ…っ」

京太郎「(てか…この角度完全に憧の下着見えてるじゃないか…)」

京太郎「(いや…これ下着っていうか…Tバック…?)」

京太郎「(憧のプリンってしたお尻が…殆ど丸見えで…)」

京太郎「(てか…こいつ…尻ホントエロいよな)」

京太郎「(胸の方はそれほどでもないのに…こっちは肉付き良くって…)」

京太郎「(こんなお尻にのしかかられたらそれだけでエロい気分になりそうな…)」
















京太郎「(って、ていうか…そもそもガン見するもんじゃないだろ!)」

京太郎「(でも…憧のお尻…さっきからフリフリ揺れて…)」

京太郎「(まるで誘ってるみたいな…い、いや、そんな事ないんだろうけど…ないんだろうけどさ!)」

京太郎「(でも…見ちゃいけないはずなのに目を話せなくて…)」

京太郎「(だって…Tバックで紐パンとかエロ過ぎだろ)」

京太郎「(クロッチ部分はピンク色で…ギリギリまでレースで透けてて…)」

京太郎「(な、なんでこんなエロい下着つけていられるんだよ…)」

京太郎「(こ、こういう下着って…普通、恋人とか…そういう相手につけるもんじゃないのか?)」

京太郎「(少なくとも…幼馴染相手につけるようなもんじゃ…)」

憧「ね…ちゃんと見てくれてる?」

京太郎「お、おおおぉう!ちゃんと見てるぞ」

憧「ふふ…♪そう、良かった…♥」





















京太郎「(それからの時間、俺にとっては生殺しも良いトコロだった)」

京太郎「(何せ憧を見なければいけないのに、そうすると下着が見えてしまうんだから)」

京太郎「(しかも、それは普通の下着じゃなくって…いわゆる、勝負下着なんだから質が悪い)」

京太郎「(正直、そんなものを見せつけられたら、俺だって変な気分になってしまう)」

京太郎「(そもそも…憧は誰が見たって可愛いと太鼓判を押すような美少女なんだから)」

京太郎「(幾ら幼馴染とは言え、まったく完全に意識しないなんて出来るはずがない)」

京太郎「(だからこそ、俺は必死にそれを押し[ピーーー]のに必死になって…)」

京太郎「(ようやく飾り付けが一段落した頃にはすげー疲れていた)」

京太郎「(いや、身体的にはまったく疲れてないんだけどさ)」

京太郎「(精神的にはもうグロッキーと言っても良い状態で…)」

京太郎「(ぶっちゃけ今日の分の理性を使い切ったと言っても良いくらいだった)」

憧「…ふぅ。これで終わりね」

京太郎「…おう。おつかれ」

憧「そっちもお疲れ。辛かった?」

京太郎「いや、大丈夫。お前を支えるくらい訳ねぇよ」

憧「ふふ…良かった。じゃあ…抱っこして下ろしてくれる?」

京太郎「…いや、抱っこってお前…」


















憧「なんだか甘えたい気分なの。…ダメ?」

京太郎「まったく…脚立使ってるからほんの数段だろ」

憧「実はあたし今まで黙ってたけど高所恐怖症なの」

京太郎「さっきまで普通に作業してた奴が高所恐怖症はねぇよ」

京太郎「ま…良いや。ほら、こっちに手を伸ばせよ」

憧「うん…優しくお願いね」

京太郎「はいはい。お姫様はデリケート品ですからねっと」スッ

憧「んふふ…♪」ギュッ

京太郎「お気に召しましたかお姫様」

憧「うん…♪あ、でも…京太郎」

京太郎「ん?」

憧「…なんかここ…硬いよ?」スリスリ

京太郎「うぉ…!」














憧「ね?この大きくて熱いの…何?私に教えて…?」

京太郎「い、いや…いやいや…お、お前…馬鹿、それは…」

憧「それは?」

京太郎「ぐっ…い、幾ら何でも分かってやってるだろ!」

憧「えーあたし分かんない」

京太郎「う…じゃ、じゃあ…とにかく離れろって…!」

憧「…やだ。教えてくれるまで離さない」ギュッ

京太郎「やっぱ分かってんじゃねぇかお前…!」

憧「んー?何の事?」

憧「まさか京太郎が私の下着見て…エッチな気分になっちゃったなんて事はないだろうし…」

憧「そんな事ないわよねぇ…?」

京太郎「ば、ばばば馬鹿な事言うなよ!だ、誰がそんな事…」

憧「そうよね。じゃあ…これはなぁに?」スリスリ

京太郎「はぅ…っ」
















京太郎「え、えぇっと…それは…それはだな」

憧「うん」

京太郎「…こ、こうやんごとなき理由と言うか…こうアレだよ、アレ」

憧「アレってなぁに?」

京太郎「ぅ…いや…さ、察してくれよ…」

憧「察するも何も分からないから聞いてるんだけど…?」

京太郎「だ、だけど…ほら…頼むよ…」

憧「…だから、何の事?」

憧「…ね、教えてよ。あたし京太郎の事何でも知りたいの」

憧「…例えばあたしの下着見てどんな風に思ったか…とかね♥」

京太郎「う…お、お前…まさか…」

憧「…エッチだったでしょ?アレ…誰の為だと思う?」スリスリ

憧「幾ら京太郎でもそれくらい分かってくれるでしょ…?」フゥ

京太郎「お、おお…俺は…俺は…」ブルルルル

憧「……」

京太郎「……」

京太郎「…ごめん、あの…電話…」

憧「…仕方ない。良いわよ、出ちゃって」スッ

京太郎「あ、ありがとう…」











京太郎「も、もしもし?」

玄「もしもーし。京太郎君」

京太郎「お、おぉ、玄か。どうした?」

玄「今日って予定空いてる?」

京太郎「え?予定か?どうして?」

玄「実はお父さんのお陰で今日はお休みになって」

玄「急に遊べるようになったから暇なら一緒にクリスマスパーティしない?」

京太郎「あー、パーティか」

憧「…」ピクッ

玄「えっと……ダメ?もしかして予定入ってた?」

京太郎「いや、予定って言うか…」

憧「…ん」スリスリ

京太郎「うぉ…っ!」

玄「あれ?京太郎君、大丈夫?」

京太郎「い、いや…大丈夫だ。問題ない」

玄「でも、声上擦ってたけど…」

京太郎「た、たまたまだ!気にするなって…!」


















京太郎「(ば…っ!玄の奴と電話してるのに憧何処触って…)」

京太郎「(いや…かろうじてそういう所は触ってないけど…でも…)」

京太郎「(ふ、服の内側に手を入れるのは反則じゃないか?)」

京太郎「(い、幾らなんでも冗談の域を超えてるぞ…)」

玄「もしかして風邪?それなら看病しに行こうか?」

京太郎「だ、大丈夫…で…それより…パーティーの事なんだけど…」

憧「…ん♥」カリッ

京太郎「うひゃ!?」

玄「…京太郎君?もしかしてそこ誰かいるの?」

京太郎「い、いや…いることはいるんだけど…」

玄「…もしかしてもう誰かとパーティの最中だった?」

京太郎「あ、あぁ…まぁそんな感…くぅ…」

憧「れろぉ…♪」

玄「あ、じゃあ、お邪魔だよね」

京太郎「あ、だ、大丈夫だ。相手は憧としずだしさ」

憧「~~…っ!」グッ















玄「………そうなんだ」

京太郎「おう。だから…とりあえず聞いてみて…くぅ…」

憧「…」サワサワ

京太郎「(ちょ…ば、馬鹿…!下は触るなって…!)」

京太郎「(ただでさえ勃起して敏感になってるのに…)」

京太郎「(今…そんな事されたら…)」

京太郎「と、とりあえず後で押し返し電話するから!」

玄「あ…」

京太郎「ごめん。また後でな…!」ピッ

憧「…終わった?」

京太郎「…終わったけど…お前なー…」

憧「ごめんね、ちょっと悪戯したくなって…」

京太郎「悪戯って範囲じゃなかったと思うけどな」

憧「…ごめん。怒った?」

京太郎「…怒ってねぇよ。まぁ…恥ずかしくはあったけど」















京太郎「…それよりお前、どうしてこんな…」

憧「……断って」

京太郎「え?」

憧「…玄さんの誘い断って」

京太郎「いや…そんなに毛嫌いするほどか?」

京太郎「相手は玄で…来たとしても宥さんくらいだぞ」

京太郎「そりゃ急な話だったけど…二人とも良く知ってる相手だし…」

憧「…だからこそ…よ」

京太郎「え?」

憧「…玄さんと宥姉だから…嫌なの」

京太郎「…そんなに二人の事嫌いなのか?」

憧「そういう話じゃないの。それより…」

穏乃「…私は良いと思うよ」

憧「…しず?」
















穏乃「だって、折角のクリスマスなんだもん」

穏乃「皆で一緒にやった方がきっと楽しいよ」

憧「…あたしは三人だけの方が楽しい」

穏乃「…憧」

穏乃「もう良いじゃん。そんなに頑なに皆の事拒まなくても…」

憧「~っ…!しずは…玄さんたちの肩を持つ訳?」

穏乃「違うよ。でも…そんな風に拒絶ばかりじゃ…京ちゃんが困っちゃう」

穏乃「折角のクリスマスなんだもん。皆で仲良くしようよ」

憧「…そんなの…今更でしょ」

憧「そもそも…皆仲良くなんて出来る訳ないじゃん」

憧「京太郎は…京太郎は一人しかいないんだから」

京太郎「…俺?」
















憧「それに…しずならまだ許せる」

憧「中学の時…どれだけしずが傷ついてたか…あたしも知ってるから」

憧「でも…他の子は違うじゃない」

憧「今まで京太郎に見向きもしないで…今更…こっちに来るなんて」

憧「…ズルいよ、そんなの…絶対…ズルい…」

穏乃「…憧。でも、それは…」

憧「…~っ!だって…あたしには京太郎しかいないんだから!」

憧「他の皆と違う…ナンバーワンじゃないの!オンリーワンなの!」

憧「京太郎以外の男なんて…あたしには要らない!」

憧「でも…他の皆は違うじゃない…!」ジワッ

憧「京太郎じゃなくても…良いんでしょ?好きになったのが京太郎ってだけなんでしょ…!?」ポロポロ

憧「それなら…それなら…あたしに…京太郎だけは譲ってくれても…」

京太郎「…憧」ギュッ

憧「……っ!」


















京太郎「…そんな風に自分を追い詰めるなよ」

憧「ぅ…あたし…は…」

京太郎「良いから。ごめん、俺が悪いんだよな」

憧「…違う…京太郎は…悪くなんか…」

京太郎「いや…でも、お前が泣いてるのは俺の所為なんだろ」

京太郎「…そんな風に自分も相手も傷つけるような言葉を言わなきゃいけないくらい追い詰められてるのは」

京太郎「俺が悪いんだろう?」

穏乃「…そうだよ」

憧「~っ…!しず…!」

穏乃「…だって、そうだよ。京ちゃんが八方美人過ぎなければ…こんな風にはならなかったんだから」

京太郎「そっか。やっぱり…俺の責任なんだな」

憧「ち、ちがう…!違うよ…!」

憧「だって…京太郎は…優しくて…強くて、格好良くて…何でも出来て…」

憧「あたしの事何時だって…助けてくれて…だから…あたし…」ギュッ

京太郎「…ごめんな」

憧「違うよ…悪くない…京太郎は本当に…悪くないの…」















憧「悪いのは一々…目くじら立てちゃうあたしで…」

京太郎「でも、憧がそうやってカリカリするって事は…それだけの理由があるんだろう」

憧「…それは…」

京太郎「…で、その理由を…俺がきっと分かってやれていないんだよな」

憧「…え?」

京太郎「…なんとなくさ。分かってきたんだ、最近」

京太郎「俺が何かを分かっていない所為で…お前らを傷つけているんだって」

京太郎「今日の事だって…俺がもうちょっと何かに気づいててやれば…」

京太郎「憧だってそんな風に拒否反応示す事はなかったんだろう」

憧「…そんな事…」

京太郎「いや、なかったはずだ」

京太郎「俺の知ってる新子憧は…そんな風にして誰かを拒んだりする奴じゃない」

京太郎「他の誰かへの気遣いを常に持ってる優しい奴なんだから」

憧「…あたしはそんなに良い女じゃないわよ」

京太郎「それでも俺から見える新子憧ってのは…そんなすげー良い女なんだよ」

憧「……でも」


















京太郎「なぁ、中学決めた時の約束…覚えてるか」

憧「…良い男になるって奴?」

京太郎「あぁ。でも…俺はきっとまだまだそれには及んでいないんだと思う」

憧「…そんな事…」

京太郎「少なくとも憧をこうやって泣かしてる時点で…全然、良い男じゃねぇよ」

京太郎「ホント…全然…ダメでさ…自分でも嫌になるくらい…失敗ばっかりで」

京太郎「…だからさ。だから…改めて頼みがあるんだ」

憧「…え?」

京太郎「…俺に憧の事を教えて欲しい」

京太郎「俺が…もっと良い男になれるように」

京太郎「お前をもうそんな風にしなくても済むように」

京太郎「多分、失敗だって色々するんだろう」

京太郎「呆れさせる事だって…色々あると思う」

京太郎「だけど…それでも俺はお前が泣くような事…させたくないんだ」

京太郎「俺にとって…誰よりも一番、護ってやりたい奴は…やっぱり憧なんだよ」

憧「…あっ…」ジワッ













憧「…ごめん…ね」

京太郎「謝るなって。憧は何も悪くないんだから」

京太郎「後…とりあえず玄には断っとく」

憧「…でも」

京太郎「元々、三人でクリスマスって話だったんだ」

京太郎「憧がそこに玄が加わるのを嫌がるって時点で俺が察するべきだった」

京太郎「デリカシーなかったよな、悪い」

憧「…京太郎」

京太郎「だから、今日はお詫びに一杯、甘やかしてやるよ」

京太郎「お前のしたい事…一杯してやる」

京太郎「だから…それでチャラにしてくれないか?」

憧「……ぅん…」ギュッ

京太郎「…しずもそれで良いか?」

穏乃「…うん。京ちゃんがそれで良いなら構わないよ」

京太郎「…悪いな、悪役になって貰って」

穏乃「んーん。私だって…憧のあんな姿見たくなかったし…」

穏乃「…それに割りと本心でもあるんだよ?」

















穏乃「京ちゃんが八方美人過ぎるから…憧だってこんなに追い詰められちゃったんだから」

京太郎「…俺そんなに八方美人か?」

憧「…と言うか、ええ格好しい…」

京太郎「…ぅ…」

穏乃「だよねー…さっきだって妙に格好良い事言ってたし」

京太郎「し、仕方ないだろ。憧が泣いてるのは俺の所為なんだし…」

憧「…でも、そういうのは…あたし達…ううん、阿知賀の皆だけにしてほしいな」

穏乃「…憧」

憧「勿論…認めた訳じゃないわよ」

憧「あたしにとって京太郎は絶対に譲れるものじゃないんだから」

憧「…でも、同時にそれだけ大事なものでもあるの」

憧「本当はしずにだって譲りたくないくらい…大事な人だから」

憧「少なくとも…あたしの我儘で傷つけていいような相手じゃないから」ギュッ

京太郎「…我儘…か?」

憧「我儘よ。だって京太郎は何も分かってないんだから」

憧「それなのに独占しようって…他の誰かに渡さないとして…」

憧「…滑稽も良いところでしょ」

京太郎「…んな事ねぇよ」ナデナデ














京太郎「少なくとも俺はお前にそう言われて…嬉しい」

京太郎「正直…お前みたいな良い女にそこまで言われて浮かれてる」

憧「…私、良い女…かな?」

憧「自分のやりたい事ばっかりで…我儘ばっかりだったのに…」

京太郎「そういう我儘を聞いてやる事で男も自尊心が満たされるもんなんだよ」

京太郎「だから、適度に我儘言ってくれるお前は良い女だ」

穏乃「私は?」

京太郎「勿論、しずも良い女だよ」

京太郎「色々とフォローしてくれてありがとうな」

穏乃「んふふ…♪じゃ、京ちゃん我儘言って…良い?」

京太郎「おう。どうした?」

穏乃「私、京ちゃんとちゅーしたいな」

京太郎「えっ」

憧「ちょっ…!」
















穏乃「我儘…叶えてくれるんだよね?」ジッ

京太郎「い、いや…確かにそう言ったけど…」

憧「…じゃあ、私もキスして」

京太郎「あ、憧まで!?」

穏乃「じゃ、三人一緒にちゅーしよっか」

憧「…アンタたまに凄い事思いつくわよね」

穏乃「え?そう?」

憧「そうよ…まさかそんな資料でもそんなのなかったのに…」

京太郎「資料って?」

憧「あ、い、いや、なんでもないの!」カァ

憧「でも、三人一緒にってのは良いアイデアよね」

京太郎「い、いやいや…いやいやいや」

京太郎「そもそも三人一緒ってどうするんだよ」

憧「舌伸ばせば良いじゃない」

穏乃「わぁ…憧凄いエッチ…」

憧「発案者のしずには言われたくないわよ」













京太郎「って、お前らそれ…」

穏乃「べろちゅーだねー♪」

憧「…ま、ディープどころかフェチ過ぎるキスよね」

京太郎「いや…分かってるなら…」

憧「…分かってるからこそ…よ」ギュッ

京太郎「あ、憧…!?」

憧「ふふ…これで逃げられないでしょ…?」

穏乃「ほら、京ちゃん…舌伸ばして?」

京太郎「い、いや…だけど…お前ら…」

憧「…ほら、あーんしなさい。エッチなキス一杯してあげるから…♥」

京太郎「い、いや…でも…」

憧「…しず」

穏乃「はーい」キュッ

京太郎「ぅ」

憧「鼻を押さえられたら呼吸出来ないでしょ?」

穏乃「口開けないと…窒息しちゃうよ…?」

京太郎「お前らここまでするのか…」

憧「だって、我儘だし」

穏乃「我儘だし…ね」

京太郎「あー…くそ…わかったよ。俺の負けだ…降参する」













憧「ふふ…じゃ、しず。こっちに来なさい」

穏乃「はーい…えへ♪お邪魔しまーす…♥」

京太郎「でも、ちょっとだけだからな」

憧「そうね。ちょっとだけ…」レロォ

穏乃「うんうん。ちょっとだけだよね」ンフゥ

京太郎「…ぅ…ほりゃ…っ!?」ガシッ

憧「んちゅぅぅ♪」レロレロ

穏乃「むちゅぅ♪」クチュクチャ

京太郎「んあっ!」ジタバタ






ジタバタジタバタジタ…バタ………シーン









アンアンギシギシアンアンキョウチャンイイヨキョウタロウモット
























【System】
新子憧の愛情度がLv16になりました
新子憧は須賀京太郎が治るまで答えを先延ばしにするつもりのようです
高鴨穏乃の愛情度は変化しませんでした
高鴨穏乃は実は内心、拗ねているようです
最終更新:2014年01月30日 21:43