高校二年――9月イベント

【高校二年 ―― 9月】


京太郎「(…ま、そうだよな)」

京太郎「(所詮って言ったら言葉は悪いけど…相手はネット上だけの付き合いなんだ)」

京太郎「(その相手に嫌われたくらいでズルズルと引きずる方が間違ってる)」

京太郎「(確かに相手は大切な人だけれど、名前すら知らないような人なんだから)」

京太郎「(俺が言った事は多少、踏み込み過ぎではあったけれど、悪意があったものじゃない)」

京太郎「(それで嫌われるならば、縁がなかったって事だろう)」

京太郎「(まぁ…若干、開き直りはあるけれど…でも、間違った事ではないはずだ)」

京太郎「(…それよりも…宥さんを始め、周りの皆を大事にしていかないとな)」

京太郎「(…そういや大事で思い出したけど…レジェンドの奴、もう引っ越しの件言われなくなったのか?)」

京太郎「(丁度、一年くらい前に聞いた記憶があるけど…でも、結局、それからなんの音沙汰もないし)」

京太郎「(でも、灼から引っ越したなんて話題が出ないって事は…まだ引っ越しはしてないんだろう)」



>>+2
末尾偶数:その時ついに電話が!
末尾奇数:鳴 ら な い 電 話 

































>>その時ついに電話が!!

ブルルル

京太郎「…ん?電話か」

京太郎「(誰だ…ってレジェンド…?)」ピッ

京太郎「レジェンド、どうした?」

晴絵「…京太郎、私…ダメかもしれない」

京太郎「いきなり何を言い出すんだお前は…」

京太郎「とにかく順序立てて話せ、ちゃんと聞いてやるから」

晴絵「そんなの無理よ…だって…私…」

京太郎「諦めるなって。俺が出来る事なら何でもしてやるよ」

京太郎「だから…まず状況を説明しろ」

京太郎「時間がかかっても良いから…とにかく言える事全部ぶちまけろ」

京太郎「後はこっちで整理するから…」

晴絵「…ありがとう…じゃあ…聞いてくれる?」

京太郎「おう」

晴絵「私…私…」






晴絵「…ついに一人暮らしする事になっちゃった」

京太郎「よし切るぞ」

晴絵「ちょ、ま、待ってよ!!」










京太郎「お前なー…ほんっとお前なー」

晴絵「い、いや、でも、本当に深刻なのよ」

晴絵「だって、新しい家、実家からかなり遠いんだから!!」

晴絵「これじゃ私、ご飯食べられなくて餓死しちゃうよ!!」

京太郎「知るか。スーパーでも何でも利用すりゃ良いだろ」

晴絵「…それがね、近くにスーパーもお惣菜屋さんもなくって…」

京太郎「…帰り道には?」

晴絵「大分、遠回りしないとないっぽい…」

京太郎「…んじゃ、コンビニは?」

晴絵「コンビニのお弁当とか身体に悪そうだし…」

京太郎「よし、じゃあ、自炊だな」

晴絵「そんなの出来る訳ないでしょ!」

京太郎「威張って言うんじゃねぇよ!このダメ社会人!」

晴絵「だ、ダメじゃないし!インターハイ二連覇決めたし!!」

京太郎「頑張ったのはレジェンドじゃなくて、しず達だけどな」

晴絵「わ、私の教え子だもん、私の功績も同じでしょ」

京太郎「はいはい。んで…要件は?」










晴絵「あ、それで…今日引っ越しなんだけどね」

京太郎「おい」

晴絵「う、仕方ないでしょ…私だって聞いたの一週間前なんだから」

晴絵「本気で引っ越しさせられるなんて思ってなかったし…」

京太郎「で、荷造りは?」

晴絵「お母さんが寝てる間に全部やってくれた…」

京太郎「手間が省けて良かったな」

晴絵「良くないわよ…引っ越しの準備しなかったら延期になるかなって思ってたのに…」

京太郎「お前は子どもか」

晴絵「うー…」

京太郎「唸っても可愛くねぇぞ」

晴絵「…しずが似たような事してる時は鼻の下伸ばしてる癖に」

京太郎「伸ばしてねぇっての…それにあいつはあいつで似合うんだよ」

晴絵「ほら、やっぱり伸ばしてるんじゃん」

京太郎「違うって…あーもう話進まねぇな!!」

京太郎「とにかく…早い話、手伝えって事なんだな」

晴絵「あ、うん…」

京太郎「了解。んじゃ俺何処に行けば良い?」

晴絵「私の家、覚えてる?」

京太郎「覚えてるよ。分かった。今すぐそっちに行くから…」

京太郎「…逃げるなよ」

晴絵「は、はい…」









【レジェンドハウス】

晴絵「京太郎、やっほ」

京太郎「やっほ…じゃねぇよ…」ハァ

晴絵「あはは…ごめんね」

京太郎「いや、別に良いけどさ。今日、暇だし」

京太郎「それに前々から手伝うって言ってたから問題ねぇよ」

京太郎「んで、何からすりゃ良いんだ?」

晴絵「えっと…大きい荷物はもう引越し屋さんが運んでくれたから」

晴絵「後は衣類とか細かいのを運んで欲しいな」

京太郎「了解。レジェンドの車に運べば良いのか?」

晴絵「うん。どんどんよろしくね!」

京太郎「…お前もやるんだよな?」

晴絵「えっ女の子に力仕事させるつもりなの?」

京太郎「俺の目の前にいるのはアラサー拗らせたダメ社会人だけだよ」

晴絵「ま、まだ拗らせてないし!!」

京太郎「だったらキビキビ働けよ、お前の引っ越しだろ」

晴絵「はーい…」











晴絵「…でもさー」

京太郎「ん?」

晴絵「こうして一緒に荷物運んでると感慨深いよね」

京太郎「…あぁ、レジェンドがいなくなった時もこんな感じだったか」

晴絵「うん。まぁ、あの時は手伝ってくれたの京太郎だけじゃなかったけどね」

京太郎「ま、あの時は人望があったんだな、まだ」

晴絵「まだって何よまだって…」

京太郎「あの頃は俺たちも純真だったからな…騙されてる事にも気づかなかったんだ」

晴絵「だ、騙してなんかないから。何時でも私はピュアでホワイトなハルちゃんだから」

京太郎「…ピュア?」

晴絵「いえす。あいあむぴゅあ」

京太郎「ねーな」

晴絵「えー」

京太郎「少なくとも本当にピュアな奴は騙して教え子に引越の手伝いさせないって」

晴絵「騙して悪いが、人出が足りないんでね」キリッ

京太郎「ドヤ顔すんなって…それよりこれで最後だぞ」ドサッ

晴絵「悪いね、結局殆どやらせちゃって」

京太郎「レジェンドに任せてギックリ腰にでもなられたら大変だしな」

晴絵「そ、そこまで年じゃないわよ…まだ筋肉痛も次の日に来るし」

京太郎「つか、そもそも普段身体動かすような仕事してないのに筋肉痛来る方がおかしいだろ」











【新・レジェンドハウス】

京太郎「ふぅ…よいしょっと…」

晴絵「おかえりなさい」

晴絵「ご飯にする?お風呂にする?それとも…わ・た」

京太郎「おーし。次の運ぶぞー」

晴絵「ちょ…っ!少しくらいドキドキしても良いでしょ!!」

京太郎「知らねぇよ。つか、運ぶのは俺がやってやるからそっちもとっとと片付けてけよ」

晴絵「へぇ…」

京太郎「…なんだよ」

晴絵「いや、なんだかんだ言って女の子扱いしてくれてるんだなーって」ニヤニヤ

京太郎「女……の子?」

晴絵「女は心の中さえピュアなら何時だって女の子なのよ」ドヤァ

京太郎「…それって遠回しに年齢的に自分がそうじゃない事を認めてないか?」

晴絵「う、うるさいわね。それより早くしないと日が暮れるわよ」

京太郎「はいはい。ま、こっちも気合入れるから、そっちも頑張れよ」











―― 数時間後

京太郎「…でさー」

晴絵「…え?何?」

京太郎「…なんでお前、漫画読んでるの?」

晴絵「いやー懐かしいなーって」

京太郎「いや、分かるよ。分かるけどさ」

京太郎「でも、お前が読んでたらまったく片付け進まないだろ!!」

晴絵「大丈夫だって荷物運びは終わったし」

晴絵「後は適当に片付けて行けば何時かは終わるでしょ」

京太郎「その何時かが数年後になったりしそうで怖いんだけどさ…」

晴絵「大丈夫だって。私だって何時までもダンボールに囲まれて暮らしたい訳じゃないし」

京太郎「…ま、今はそれを信じるけどさ。でも…レジェンド」

晴絵「ん?」

京太郎「そろそろ晩飯の時間だけど、今日はどうするつもりなんだ?」

晴絵「えっと…出前とか」

京太郎「…で、お前はこの辺りの出前出来る店の電話番号知ってるのか?」

晴絵「……」

京太郎「……」

晴絵「…えへっ♪」テヘペロ

京太郎「…はぁ…とりあえず…買い物行くか」











晴絵「で、スーパーに来た訳だけど」

京太郎「はい。これにこれにこれにこれにこれな」ポイポイ

晴絵「流石に買い込み過ぎじゃない?」

晴絵「今日は京太郎と一緒だとしても、次の日から私一人な訳だし」

晴絵「はっ、もしかしてこれから先ずっと泊まるつもり?」

晴絵「ダメよ…そんな私達…教師と生徒なんだから…」クネクネ

晴絵「そんな禁断の関係なんて…世間に顔向け出来ない…」ウットリ

京太郎「顔向け出来ないのはスーパーで普通に妄想してるレジェンドだけだよ」

京太郎「つか、これだけ買い込んでるのはとりあえずある程度、作り置きして残りは冷凍にする為だっての」

京太郎「後は解凍するだけにしとけば、数日はいけるだろ」

晴絵「…え?それってつまり…」

京太郎「…俺は憧やしずほど料理上手くないからな、あんま期待するなよ」

晴絵「…ふふ」

京太郎「…なんだよ?」

晴絵「京太郎は優しいなーって」ニヤニヤ

京太郎「俺が優しいんじゃなくてお前がダメ過ぎるんだよ…少しは反省しろ」

晴絵「はーい。反省してまーす」


>>+2
00~50 無難なものが出来た
51~99 レジェンドが絶賛するものが出来た
※雑用力につき+10



































>>レジェンドが絶賛するものが出来た


晴絵「…」モグモグ

京太郎「どうだ?」

晴絵「…」モグモグ

京太郎「…何とか言えよ」

晴絵「…」モグモグモグモグゴクッ

晴絵「…ふぅ。ね、京太郎」

京太郎「ん?」ドキドキ

晴絵「…私達、結婚しましょう」

京太郎「は?」

晴絵「大丈夫大丈夫。私が京太郎養ってあげるから」

晴絵「ちょっと毎日、ご飯を作ってくれればそれで良いの!」

京太郎「いや、普通は逆だろ」

晴絵「家事をするのは女だという風潮に否を唱えるのってレジェンドっぽくない?」

京太郎「意味分かんねぇから落ち着け」ペシッ

晴絵「あいたっ!?」















晴絵「まったく…女の子に手をあげるなんて…酷い奴」モグモグ

京太郎「じゃあ、そのハムスターみたいに頬張ってる口を止めろ」

晴絵「もぐもぐごっくん…そんなの無理に決まってるでしょ!!」

晴絵「こんなに美味しいの出されて我慢なんて出来るはずないじゃない!」

京太郎「知るか」

晴絵「あー幸せだなー…私、数日この料理食べられるんだ…」ウットリ

晴絵「…でも、出来れば数日だけじゃなくてもっと食べたいなー…?食べたいんだけどなー」チラッ

京太郎「流石にそこまでは面倒見れねぇよ」

晴絵「ちぇー…」

京太郎「つか、それなら料理覚えろよ」

京太郎「自分の好きな味付け出来るから慣れると一番良いぞ」

晴絵「面倒」キッパリ

京太郎「…あぁ、俺、今、お前のお袋さんがどんな気持ちでこの引越強行させたか分かるわ…」

晴絵「え?」

京太郎「…まったく…少しは自分でやる事覚えないと婚期どころか一人暮らしすらままならねぇぞ」

晴絵「大丈夫。その時は京太郎拉致って御飯作ってもらうから!」

京太郎「あ、ダメだこいつ…マジでダメだ」











晴絵「ふぅ…ご馳走様でした」

京太郎「はい。お粗末さまでした…っと」

晴絵「あ、食器は洗うね」スッ

京太郎「お、流石にそれくらいはやるのか」

晴絵「ふふーん。これでも毎日、食器は洗ってたからね」

晴絵「皿洗いのプロと言ってくれたまえよワトソン君」

京太郎「ついでに料理のプロになるつもりは…」

晴絵「ない」キッパリ

京太郎「そうかよ…ま、良いけどさ」

京太郎「それより腹ごなしにこっちで適当に片付けてるぞ」

晴絵「はーい。あ、とりあえずその奥にある奴からお願い」

京太郎「あいよ」スッビリビリ

京太郎「……え?」











京太郎「(…真っ白いのに黒いのに青いのに緑なのに…紫なの)」

京太郎「(わぁい、色とりどりだぁ…)」

京太郎「(って現実逃避してる場合じゃないよな…)」

京太郎「(これってどう見ても…下着じゃん!?しかも、ブラじゃなくて…ショーツばっかりじゃん!?)」

京太郎「(あ、あいつなんでこんなものを俺にやらせるんだ…!)」

京太郎「(い、いや…待てよ?)」

京太郎「(あいつの事だから…これはもしかして罠なんじゃ…)」

京太郎「(そうだ、幾らレジェンドだって…異性の俺に下着晒したりしないだろうし)」

京太郎「(これは恐らく俺を慌てさせる為のドッキリアイテム…!)」←錯乱中

京太郎「(きっと俺が固まってるのを見て、後でからかうつもりだったんだろう)」

京太郎「(ふぅ…危うくその罠にかかってしまうところだったぜ…)」

京太郎「(だが、分かってしまえば問題はない)」

京太郎「(平常心…あくまで平常心でこれを片付けていけば…)」スッ

晴絵「ふぅ…終わったぁーって…え?」

京太郎「え?」










晴絵「…わ、わ…わ…」フルフル

京太郎「ん?あ、あの…レジェンド?」

晴絵「わ…わああああっ!」バッ

京太郎「うぉおおお!」

晴絵「か、返して!ってか、見ないでえええ!」ピョンピョン

京太郎「ま、待て!返す!返すからそんな風に無理矢理こっち…うぉあ!!」バタンッ

晴絵「んきゃっ」ガララッ

京太郎「てて…」

京太郎「…レジェンド…大丈夫…」

晴絵「…あぅ…ぅ」カァァ

京太郎「…あれ?」











京太郎「(…その時、俺の上にいたレジェンドは何時ものレジェンドとは違った)」

京太郎「(何時ものふざけた顔じゃなくて…まるで初な少女のように羞恥心を顔に貼り付けている)」

京太郎「(肌をプルプルと震わせるその姿は、レジェンドが激情をこらえている事を俺に教えた)」

京太郎「(だけど、それは数秒もした頃には目尻から少しずつ溢れだして…)」

晴絵「見られた…全部、見られたぁ…」エグッ

京太郎「あー…その…」

晴絵「…京太郎に…私の下着…」

京太郎「や…あの…ごめん。でも、不可抗力で…」

晴絵「うぇ…ぇええ…」

京太郎「(…まるで子どものように泣き出すレジェンド)」

京太郎「(そこには何時ものうざいくらい明るいレジェンドの姿はなかった)」

京太郎「(そんなレジェンドに…俺はなんて言ってやれば良いのか分からない)」

京太郎「(分からないけど…でも…俺は…)」


>>+2
00~50 その…可愛かったぞ
51~99 ……
※男気により+10


































>>その、可愛かったぞ


京太郎「その…可愛かったぞ…」

晴絵「…~~っ!」カァァ

京太郎「あ、い、いや…その…なんてーか…」

京太郎「お、大人らしい下着もあって…驚いたけど…」

京太郎「意外と可愛らしい下着も持ってるんだな、レジェンド!」

京太郎「正直、ちょっとドキっとしちゃったぜははは」

晴絵「…ぅ」

京太郎「…あははは…は」

晴絵「…うぇ…うぇぇぇぇ…」ポロポロ

京太郎「うわああ!ご、ごめん!ほんっとうごめん!悪かった!俺が悪かったから…!」

晴絵「ううぅ…あぁぁ…うわぁ…ぁぁん…」ギュッ

京太郎「あー…ぅー…」












晴絵「ひっく…ぐす…」

京太郎「あー…えっと…その…落ち着いた?」

晴絵「…落ち着く訳…ないでしょ…馬鹿…」

京太郎「…あー…悪かった」

晴絵「…はぁ…別に…京太郎は悪くないでしょ」

晴絵「そもそも私がダンボール間違えたのが原因だし」

京太郎「…わざとじゃなかったのか」

晴絵「幾ら何でも教え子に下着入ってるダンボール開けさせる訳ないでしょ」

晴絵「でも、流石にその後はちょっとないわ」ジロッ

京太郎「あ、あはは…」

晴絵「百歩譲って下着を手に持ってたのを許すにしても…」

晴絵「あの状況で可愛いとか言われて喜べると思う?」

京太郎「…いや、そんな事ないです」

晴絵「でしょ。まぁ…京太郎も混乱してたんでしょうけど」グジグジ












京太郎「…もう大丈夫か?」

晴絵「大丈夫じゃないけど…何時までも教え子押し倒してる訳にはいかないの」スッ

京太郎「あー…その…」

晴絵「…とりあえず今回の事はお互い水に流しましょ」

晴絵「お互いに見せたくないもの見せちゃった訳だしね」

京太郎「…あぁ。分かった」

晴絵「後、もう今日は送るね」

晴絵「この気まずい中で片付けなんて出来ないし」

晴絵「それに…もうそろそろ夜も遅いから」

京太郎「…あぁ。分かった」

晴絵「…それと…」

京太郎「ん?」

晴絵「…今日はありがとうね、手伝ってくれて本当に助かった」

京太郎「…あぁ」

晴絵「…じゃ、行きましょ」





























【System】
赤土晴絵の思い出が10になりました
赤土晴絵の好感度が11あがりました
赤土晴絵の現在の好感度は37です
最終更新:2014年01月29日 21:06