高校一年――県予選

【高校一年 ―― 6月県予選】

京太郎「(さて…とりあえず…)」

京太郎「(今まで…出来る事はやってきた)」

京太郎「(俺も皆も…今まで最善を尽くしたって言う自負がある)」

京太郎「(今なら…きっと晩成とだって互角以上に戦える)

京太郎「(…そう思って…来た訳だけど…)」

憧「…まさか一回戦から晩成と当たるなんてね…」

灼「でも…考えようによってはチャンス…」

晴絵「うん。玄や宥のデータが少ない内に相手と当たれるって事は…」

晴絵「それだけこっちに有利って事」

晴絵「これまで何度か遠征もやって皆団体戦にも慣れてきただろうし…」

宥「う、うん…色んなところ行って…一杯頑張ってきたし…」

穏乃「それに…どっちみち当たらなきゃいけない相手だもんね」

京太郎「その為にも…玄」

玄「うん…!一番槍…任されました!!」


>>+2 玄(雀力7+能力補正36) 44
>>+3 やえ(雀力9+能力補正40) 49
>>+4 A(雀力6)
>>+5 B(雀力6)
※やえ先輩の為にも四回やります
先鋒戦以降の判定はキンクリになります
































>>玄 50 → 0 
>>やえ120
>>A 46
>>B 52


やえ「(先鋒は新子じゃなかったか…)」

やえ「(てっきり新子が来ると思ったんだが…)」

やえ「(…まぁ良い)」

やえ「(例えどんな相手だろうと…京太郎と一緒にいるのは変わりはないんだ)」

やえ「(私が一緒に居れない京太郎と…同じ部室で…青春を謳歌しているんだ…)」

やえ「(分かってる…これは八つ当たりでしかない事くらい…)」

やえ「(…だけど…)」

やえ「…それロン。満貫だ」

玄「ふぇえええ!?」ズガーン

やえ「(…私が喉から手がでるほど欲しいものを…甘受している)」

やえ「(そう思ったら…自分の感情を抑える事なんて出来ない…)」

やえ「(…例え…君が京太郎君の事をどうとも思っていなくても…)」

やえ「(必ず…ここで潰す…!)」ゴッ





>>+2 玄(雀力7+能力補正36) 44
>>+3 やえ(雀力9+能力補正40) 49
>>+4 A(雀力6)
>>+5 B(雀力6)

































>>玄86 → 32
>>やえ 145
>>A75
>>B48

やえ「(阿知賀を倒す為…私は阿知賀麻雀部の公式戦の記録を全て頭の中に入れている)」

やえ「(その中には勿論…松実玄の記録もある)」

やえ「(そして…中学3年の時に実際に当たった経験も…だ)」

やえ「(勿論、それはたった一度、団体戦で当たっただけだが…)」

やえ「(しかし、彼女の打ち方そのものはだいたい、把握している)」

やえ「(彼女にドラは集まるが…けれど、それは決して+に作用するとは限らない)」

やえ「(ドラだけでは和了れない以上…それは和了から遠のく可能性もあるのだから)」

やえ「(何より…)」チラッ

玄「う…うぅ…」

やえ「(…彼女はドラを打てない)」

やえ「(公式戦の記録から作った牌譜を見てもそれは明らかだ)」

やえ「(確かに打点の高さは見事なものだが…)」

やえ「(しかし…窮屈な打ち方をしている以上、付け入る隙は…間違いなくある)」

玄「これ…とか…」スッ

やえ「ロンだ」

玄「ひゃぅ!?」ビックゥ

やえ「跳満だ。悪いな」

玄「(こ、この人…完全に私を狙い撃ちにしてるよぉ…お、おねーちゃぁん…)」


>>+2 玄(雀力7+能力補正36) 44
>>+3 やえ(雀力9+能力補正40) 49
>>+4 A(雀力6)
>>+5 B(雀力6)
































>>玄110 → 56
>>やえ 142
>>A83
>>B19

玄「(この人…強い…)」

玄「(ただ、私を狙い撃ちにしているだけじゃなくて…)」

玄「(他の人からもガンガン和了ってるよ…)」

玄「(相手は去年の奈良個人王者って聞いてたから強いと思ってたけど…)」

玄「(まさか…ここまで…なんて…)」

玄「(これが…9連覇を賭けた王者晩成のエース…)」

玄「(インターハイで…エースとして戦ってきた…人の…実力…)」

やえ「ロンだ。また跳満だな」

B「は、はい…」





>>+2 玄(雀力7+能力補正36) 44
>>+3 やえ(雀力9+能力補正40) 49
>>+4 A(雀力6)
>>+5 B(雀力6)


































>>玄 98 → 44
>>やえ 124
>>A 59
>>B 33


やえ「(…どうやら松実玄は諦めたようだな)」

やえ「(コレ以上の失点を避ける為に…流しの態勢に入っている)」

やえ「(確かに…私は今、普通の時よりも乗りに乗っている)」

やえ「(流れは間違いなく私が掴み、卓上を支配していると言っても良い)」

やえ「(だけど…そうやってすぐ弱気になるようじゃ…ダメだ)」

やえ「(全国には…私以上のバケモノがゴロゴロしているんだ)」

やえ「(そんな中で簡単に折れるようじゃ…エースなんてやっていられない…)」

やえ「(…彼女にはまだ…チームを背負っているという自覚が薄いんだろう)」

やえ「(ドラさえ切れれば挽回できる場面はあったのに頑なに自分の打ち方堅持して…)」

やえ「(それでは…無理だ。全国にいったところで…到底、通用しない)」

やえ「(そして何より…)」

やえ「…ツモ。3000・6000」

玄「は、はい…」

やえ「(京太郎の事を…任せられるはずがない…)」










穏乃「ウソ…」

憧「まさか…ここまで完封されるなんて…」

灼「…一位の晩成との点差は…約10万」

晴絵「偶然…だと思う?」

宥「……いいえ」フルフル

宥「…相手は奈良個人王者で…晩成のエースです」

宥「実力としては格上で…ましてや…相手は明らかに玄ちゃんの能力を知っていました」

宥「こうなる事も…ある意味では必然だったんでしょう」

晴絵「そう…だね。決してありえない訳じゃなかった」

宥「だからこそ…次鋒に私がいるんですよね」

京太郎「宥さん…」

宥「大丈夫だよ、須賀君。私…絶対に勝って来るから」

宥「玄ちゃんが取られた分の点棒…一杯、あったかいので取り返して来るから…」

宥「だから…玄ちゃんの事…お願いして良いかな…?」

宥「きっと玄ちゃん…控室に戻れなくて泣いてると思うの」

宥「でも、私はもう次に出なきゃいけないから…お願い」

京太郎「あぁ…分かった」








京太郎「(…ここで…でかい役頼まれちゃったな…)」

京太郎「(本当は宥さんが行きたかっただろうに…)」

京太郎「(ぐっと我慢して…次鋒戦を見据えて…)」

京太郎「(…やっぱり宥さんは強い人だ)」

京太郎「(心の中の強さじゃ…しずにも負けてないくらい)」

京太郎「(そんな人に期待して貰ったら…)」

京太郎「(出来ない…なんて言えないよな…)」

京太郎「(とりあえず…泣いてるであろう玄を迎えにいって…)」

京太郎「(皆の所に戻れるくらいまではやらないと…)」

京太郎「(でも…玄の奴何処にいるんだ…?)」キョロキョロ

京太郎「(変なところで頭がまわらないあいつの事だから…会場と控室の間にいると思うんだけど…)」

京太郎「…っていた…」

京太郎「(今にも泣きそうな顔でトボトボ歩いてやがる…)」

京太郎「(まったく…本当に…世話のかかる奴…)」

京太郎「…おい、玄」

玄「っ…!」









玄「う…ぅ…うえぇ…うえぇぇ…」ポロポロ

京太郎「あー…」

京太郎「(…やっぱり…泣いちゃったか…)」

京太郎「(もう色々と限界だったんだろうな…)」

京太郎「(モニターで見ても泣いてないのが不思議だったくらいだし…)」

京太郎「(でも…こんな選手たちも通る場所で泣かせたら…こいつが可哀想だ)」

京太郎「(だけど…子どもみたいにポロポロ泣くこいつを動かすような場所なんてないし…)」

京太郎「…仕方ない…玄」スッ

玄「う…ぐす…っ」

京太郎「…後で思いっきり怒って良いから…な」ギュッ

玄「ぅ…ぅう…」ポロポロ

京太郎「…とりあえず今は思いっきり泣いとけ」

京太郎「泣き顔見られないように…遮蔽物くらいにはなってやるからさ…」

玄「うぅ…うあ…うあぁ…」ギュッ








玄「ごめん…ごめん…なさい…私…私…ぃ」

京太郎「…謝るなって…大丈夫だから」

玄「でも…じ…十万点差…つけられて…」ヒクッ

玄「皆…初めて揃った阿知賀麻雀部なのに…私…」

玄「殆ど…何も出来なくて……」グスッ

京太郎「何も出来てないのは他の奴らも同じだよ」

京太郎「そんだけやえさんが強かったってだけだ」

京太郎「あんまり気にするなよ」

玄「だけど…」

京太郎「それにお前が不安定で負けやすいって事くらい皆分かってるんだ…」

京太郎「宥さんなんかすげー気合入れて点棒取り返してくるって言ったんだぞ」

玄「お、おねーちゃんが…」

京太郎「あぁ、そうだ」

京太郎「俺達は…まだ何も終わっちゃいない」

京太郎「まだ半荘が四回もあるんだ」

京太郎「その間に点数を取り返えすのは決して不可能じゃない」

京太郎「それは…今までの遠征でよく分かってるだろう?」ナデナデ

玄「だけど…相手は晩成で…9連覇で…」

京太郎「…それがどうした?」

玄「え?」








京太郎「晩成には宥さんはいない。憧もいない。灼もしずもいない」

京太郎「俺の知るすげー奴らは…晩成の女子にはもういない」

京太郎「後はやえさんよりも一段落ちる人ばかりだ」

京太郎「そんな奴らに…今の阿知賀は負けないよ」

京太郎「大丈夫…きっと宥さんたちは逆転してくれる」

京太郎「だから…安心して…泣いとけ」

京太郎「お前が泣いてるうちに…宥さんたちが必ず取り戻してくれるから」

玄「…う…ん」ギュッ

玄「ごめん…もうちょっと…胸…貸しておいて…」

京太郎「あぁ…それくらい構わないぞ」ナデナデ

「…っ!」

京太郎「…ん?」

京太郎「(今…誰かの視線を感じたような…)」

京太郎「(気のせい…かな?)」










玄「はぁ…ごめん…ね」

京太郎「落ち着いたか?」

玄「うん…あの…」

京太郎「ん?」

玄「あ、ありが…とう。凄く…助かっちゃった…」カァ

京太郎「良いんだよ、それくらい」

京太郎「俺達はチームなんだからさ」

玄「チーム…?」

京太郎「あぁ。俺も含めて八人が阿知賀麻雀部だろ?」

玄「京太郎君たちも…?」

京太郎「あぁ。何も団体戦はレギュラーだけが戦ってる訳じゃない」

京太郎「それを支える人がいて、応援する人もいて…監督する人がいて…」

京太郎「それで…皆ここにいるんだ」

京太郎「俺は…それを阿太中で感じ取る事が出来た」

京太郎「フォア・ザ・チーム…チームの為にって考え方を…さ」

玄「フォア・ザ・チーム…」

玄「…それがあったから…京太郎君はあんなに戦えたの…?」

京太郎「あぁ…そうだな」

京太郎「土壇場でも諦めずに食らいつこうって気持ちが萎えなかったのは…」

京太郎「多分…それのお陰なんだと思うよ」

玄「じ…じゃあ…!」

京太郎「ん?」











玄「わ、私にもそれを教えてくれる…?」

玄「う、ううん…教えて下さい!」ペコリ

京太郎「ん…いや…構わないけど…」

玄「本当!?」

京太郎「あぁ。でも…一朝一夕で身につけられるもんじゃないぞ」

京太郎「俺だって中学三年間でようやく身につけたものなんだから」

京太郎「多分、今から身につけようとしたところで…間に合わないと」

玄「それでも…!」

玄「それでも…私、皆の為に何かしたいの…!」

玄「私…もう負けたくない…」

玄「あんな風に…ただ点棒を取られるだけなんて…もう…嫌なの…」ギュッ

京太郎「玄…」

玄「だから…お願い」

玄「何でもするから…無駄でも良いから…それを私に…教えて…」

京太郎「……」


>>+2
00~50 女の子が気軽に何でもとか言うんじゃねぇよ
51~99 ん?今なんでもするって言ったよな?
※男気10+ラキスケ3で+13










>>女の子が気軽に何でもとか言うんじゃねぇよ

京太郎「…女の子が気軽に何でもとか言うんじゃねぇよ」

玄「…え?」

京太郎「特にお前みたいなタイプは言うんじゃねぇっての」

京太郎「…ただでさえ変な風に利用されかねないんだからさ」

玄「で、でも…私、京太郎君に出来る事なんてあんまりなくて…」

京太郎「だーからー」ムニ

玄「あうぅぅ」ノビー

京太郎「そういうの…考えなくても良いんだよ」

京太郎「俺達はチームなんだから…そういう支え合いが基本なんだし」

京太郎「何より…俺はお前に色々してもらってるって前も言っただろ」ムニー

玄「はぅぅぅぅ…」

京太郎「そもそも…お前それでエロい事要求されたらどうするんだよ」

玄「し、しょれは…」カァァ

京太郎「…どうせ考えてなかったんだろ…ったく」パッ

玄「はふゅ…」ヒリヒリ

京太郎「…俺含め男は皆狼みたいなものなんだからさ」

京太郎「そういうの気軽に男相手に言うんじゃねぇよ」

玄「ぅー…」










玄「べ、別にか、考えてない訳じゃなかったよ…!」

京太郎「本当かよ…」

玄「ほ、本当だよ…!」

京太郎「じゃあ、俺がキスさせろって言ったら?」

玄「ぅ…し、しても良い…よ」カァァ

京太郎「じゃあ、おもち触らせろって言ったら?」

玄「わ、私ので良ければ…あ、あの…おもち…」マッカ

京太郎「…じゃ、玄とヤりたいって言ったら?」

玄「ふぇ…えぇぇ」プシュゥ

京太郎「ほらな。そうやってオーバーヒートすんだろ」

京太郎「お前がそういうのに耐性ない事くらい知ってるんだから無理すんなって」ポンポン

玄「き…京太郎君の意地悪…ぅ」

京太郎「男は皆そういうもんだって教えてやってるだけだっての」

京太郎「つか、お前の警戒心がなさで俺がどれだけドキドキしてるか…」

玄「え?」

京太郎「何でもない。それより…そろそろ皆の所戻るぞ」

玄「ぅ…」

京太郎「大丈夫だって。皆別に怒ってる訳じゃないし」

京太郎「それに…怒ってたとしても俺が一緒に謝ってやるさ」

玄「じ…じゃあ…」

京太郎「ん?」

玄「に、逃げないように…手、繋いでくれないかな…?」カァァ

京太郎「あぁ。それくらいお安い御用だ」ギュッ




>>+2
その後の阿知賀麻雀部は

00~30 晩成に点差を広げられた
31~60 ギリギリ勝利する事が出来た
61~99 大爆発。圧倒的大差で晩成を沈めた










































穏乃「…!やった!ツモ!!」

穏乃「2000・3900です!」

「え…う、ウソ…」ゾッ

「ぎ、逆転…」

「けっちゃあああああっく!」

「阿知賀学院!一回戦突破!!」

「優勝候補晩成の10連覇を阻止しましたー!!」

憧「やった…やったぁぁ!」ダキッ

京太郎「はは。憧、喜びすぎだろ」

灼「そういう京太郎だって顔にやけてる…」クスッ

京太郎「当然だろ…だってあの逆転劇だぜ?」

京太郎「オーラスで捲って逆転なんて滅多な事じゃ出来ないって」

京太郎「ましてやそれが…うちのしずがやったんだ」

京太郎「それに何より…灼だって嬉しそうだぞ」

灼「ふふ…そりゃ…京太郎と同じ気持ちだもん…」ギュッ

憧「む…」

灼「だからこうして…ぎゅってして…分け合わせて…ね」

京太郎「おう。当然だ。おう、憧も…な」ギュゥゥ

憧「はぅぅん…♪」

玄「う…うぅぅ…」ポロポロ

宥「…良かったね、玄ちゃん…」ナデナデ

玄「うん…うん…!皆…皆…ありがとう…!!」










穏乃「ただいまー」バンッ

京太郎「お、勝利の立役者のご帰還か」

穏乃「えへへ…私、頑張ったよ!」

玄「うぇぇ…穏乃ちゃぁん…」ダキッ

穏乃「わわ…玄さん…!」

玄「ありがとう…本当にありがとぉ…」ポロポロ

穏乃「…ううん。勝てたのは私だけの力じゃないから」

穏乃「皆が皆…点数を稼いでくれなきゃ…逆転出来なかったと思う」

穏乃「それに…」

京太郎「ん?」

穏乃「…京ちゃんがいなかったら勝てなかったと思う」

穏乃「京ちゃんが勉強に付き合ってくれなかったら危ないところはいくつもあったし…」

穏乃「だから…お礼を言うなら…私が皆に…だよ」

穏乃「私に勝たせてくれて…ありがとう。…とっても嬉しかった…!」

玄「うん…うん…。私も…私も嬉しかったよぉ…」ギュゥゥ

穏乃「わわ…」

晴絵「はいはい。感動をわかち合うのも良いけど…そこまで」

晴絵「もうすぐ後に二回戦始まるんだから」

晴絵「私達はまだ一回戦を突破しただけなんだってのを忘れちゃいけないよ」

晴絵「勝って兜の緒を締めよ…本番はまだこれからなんだからね」

「「「「「はいっ!」」」」」



















【System】
松実玄の思い出が11になりました
松実玄の好感度が12あがりました
現在の松実玄の好感度は91です

チーム全員の雀力が1あがりました
新子憧の補正が10に達した為、次の京太郎との練習でスキルの進化が出来るようになりました
おめでとうございます、晩成を破った事によりインターハイ出場が決定しました
最終更新:2014年01月27日 19:49