中学三年――2月穏乃EX

【中学3年 ―― 2月EX】

京太郎「(久しぶりに雑用が出来て気分も上向いた)」

京太郎「(後は阿知賀受験に向けて頑張るだけ…!なんだけど…)」

穏乃「」ソワソワ

京太郎「」チラッ

穏乃「」ソワソワソワソワ

京太郎「…」

穏乃「」ソワソワソワソワソワ

京太郎「はぁ…」ガタッガララ

京太郎「なぁ、しず」

穏乃「ふぇっ!?」ビクゥゥ

穏乃「あ、あ…え、えっと…」ガララ

穏乃「な、何?」

京太郎「…そんなにソワソワするくらいだったら来いよ」

穏乃「え…でも…」

京太郎「良いから。そうやって窓の向こうでソワソワしながら見られるとこっちが気になるんだよ」

京太郎「…多少、騒いでも息抜きになるからさ。そんなに気にしてるなら来いよ」

穏乃「…うん!」スッ

京太郎「あ…馬鹿!窓からじゃなくて玄関から…」

穏乃「京ちゃーん!」タッタッタドーン

京太郎「うぉあ!?」









穏乃「えへへへ…クリスマスぶりの京ちゃんだぁ…♪」スリスリ

京太郎「はぁ…だから窓からは止めろってのに…」ナデナデ

穏乃「えへへ…♪ごめんね」

京太郎「…いや、もう諦めたから別に良いけどな」

京太郎「」それに受験だなんだって遠慮させたのは俺の方だし

穏乃「べ、別に遠慮なんて…」

京太郎「してただろ?何時もならそんなソワソワする前に飛び込んできてるだろうに」

穏乃「ぅ…」

京太郎「…それにそんなのなくたって…お前が人懐っこくて寂しがり屋なのくらい分かってるんだよ」

京太郎「そんなお前が1月会いに来なかった時点で遠慮させてる事くらい分かってるっての」

穏乃「だ…だって…」

穏乃「私うるさいし…京ちゃんの勉強手伝えないし…」

穏乃「もし、側にいて受験失敗しちゃったら嫌だし…」









京太郎「ばーか」ペシッ

穏乃「あいたぁっ」

京太郎「お前の幼馴染をあんまり見くびるなよ」

京太郎「お前を構いながらでも阿知賀くらい余裕だっての」

穏乃「…ホント?」

京太郎「あぁ。本当だって」

京太郎「この前の模試も問題なかったし」

京太郎「過去問も簡単に解けるからほぼ間違いなく阿知賀に入れるだろ」

穏乃「じ、じゃあ…あの…」

京太郎「ん?」

穏乃「ぎゅってしても…良い?」

京太郎「おう。遠慮無くしていけよ」

穏乃「え、えへへ…っじゃあ…ぎゅぅ…」

京太郎「…どうだ?」

穏乃「…京ちゃんだぁ…♥」

京太郎「…なんだそれ。ま…とにかく幸せそうでよかったよ」ナデナデ

穏乃「ん…っ♪」









穏乃「あ、そうだ。えっと…これ」スッ

京太郎「ん?」

穏乃「合格祈願のお守り。もう持っているだろうけど…」

京太郎「ってこれ受験で有名なところのお守りじゃん。どうしたんだこんなの」

穏乃「えっと…こ、この前、たまたまそっちの方に行く事があったから…」

穏乃「ついでに買って来たんだ」

京太郎「ついでに…なぁ」

穏乃「ぅ…ほ、本当だよ?別にそれだけの為に電車乗ってなんかないし…」

京太郎「…俺は別にそこまで言ってないんだけどな」クスッ

穏乃「あぅぅ…」カァァ

京太郎「てか、わざわざ買いに行ってくれたんだな、ありがとう」ポンポン

京太郎「でも、そこまで気を遣わなくても良いんだぞ」

京太郎「お前実家の手伝いくらいしかしてないんだから貯金だってそんなにねぇだろうに」

穏乃「だって…私が今の京ちゃんに出来る事なんてそれくらいしかないし…」

京太郎「…そんな事ねぇぞ」

穏乃「え?」









京太郎「俺は何度もお前に助けられてるって言ってるだろ」

穏乃「でも…」

京太郎「それに…麻雀出来ない今、お前が山に誘ってくれてるのってすげー気晴らしになってるんだぜ」

穏乃「…本当?」

京太郎「あぁ。じゃなきゃこの忙しい時期にお前と一緒に山走ったりしねぇって」

京太郎「つか、受験前に何のメリットもないような事するほど俺は余裕のある訳でも優しい訳でもないって」

京太郎「お前と一緒にいる事が楽しいから…お前に付き合ってるんだよ」ナデナデ

穏乃「えへへ…♪」ギュッ

京太郎「…まったく…お前はもう少し自分の事を評価してやれよ」

京太郎「お前は普通の人にはない良い所沢山持ってるんだからさ」

京太郎「勉強が出来るとか運動が出来るとか…そういう長所とは別次元の良さが…さ」

穏乃「…そんなの分からない…けど」

穏乃「でも、それは京ちゃんも同じだと思うな」

京太郎「俺?」

穏乃「うん。だってこうして京ちゃんの事ぎゅってして…」

穏乃「背中撫でられると…私とっても幸せになるんだから」

穏乃「お母さんやお父さんにされてもこんな事ない」

穏乃「なのにこうして私がポカポカするのは…京ちゃんがとっても良い人だからだと思うな」

京太郎「…そっか。ありがとうな」








京太郎「…んじゃ、いい人らしく…今日は運動しますか」

穏乃「え?良いの?」

京太郎「あぁ。当たり前だろ」

京太郎「そもそもお前が先月来なかった所為で俺の身体も色々と溜まってるんだよ」

京太郎「お前の責任でもあるんだから発散するのに付き合え」

穏乃「…えへへっ!うん!」

穏乃「じゃあ、ちょっと準備してくるね」

京太郎「おう…ってまた窓から戻るのかよ」

穏乃「う…だ、だって靴履いてこなかったし…」

京太郎「…んじゃ…ほら、こっち来いよ」スッ

穏乃「ぅ?」

京太郎「おぶさって運んでやるからさ」

穏乃「それじゃ…えいっ」ギュッ

京太郎「おーぉー…お前は変わらないな」

穏乃「え?それってどういう意味?」

京太郎「何時までも背負いやすいって事だよ」

穏乃「それって良い事?」

京太郎「多分、そうじゃねぇ?」

穏乃「ふふ…じゃあ、嬉しいな」

穏乃「それってこれからも一杯私の事おんぶしてくれるって事だよね?」

京太郎「ま…たまにはな」

穏乃「それで十分!嬉しいなぁ…」ギュッ






























【System】
高鴨穏乃の愛情度がLv9になりました
高鴨穏乃は須賀京太郎と一緒にする事なら何でも嬉しいようです
最終更新:2014年01月25日 12:59