中学三年――初詣

【中学3年 ―― 1月初詣】

京太郎「(んー…新年かぁ)」ノビー

京太郎「(でも…なんだろうな。去年以上にめでたい気が起きない)」

京太郎「(結局、アレからやえさんの行動の意味を考えたんだけど…)」

京太郎「(…何故かまったく分からないままだった)」

京太郎「(分かるのに分からないって言うか…もうちょっとってところで霧に包まれたように遠のくっていうか…)」

京太郎「(なんなんだろうな…これ…)」

京太郎「(やえさんの為に必死になって考えなきゃいけない気がするのに…考えれば考えるほどその気すらなくなっていって…)」

京太郎「(…一体、俺の身に…何が起こっているんだろう?)」

京太郎「(レジェンドが麻雀をするなって言ったのは…もしかしてこれが関係してるのか?)」

京太郎「(………あー…わっかんねー…)」ジタバタ

京太郎「(なんだ…この気持ち悪さ…分かるはずなのに分からないって…あぁ…もう…)」プルル

京太郎「(…ん?電話?)」

>>+2
末尾16 憧から
末尾27 しずから
末尾38 松実姉妹から
末尾49 灼から
末尾50 やえさんから
































>>やえさんから

京太郎「もしもし」

やえ「あ…き、京太郎君…?」

京太郎「あぁ。あけましておめでとう」

やえ「う、うん。明けましておめでとう。今年もよろしくね」

京太郎「こちらこそよろしくな」

やえ「あ…あの…そ、それで…」

やえ「その…今…暇かな?」

京太郎「あぁ。去年と同じく部屋の中でゴロゴロしてるだけだぞ」

やえ「じゃあ…良ければ…また初詣行かない?」

京太郎「初詣か…そうだな」

京太郎「まだ行ってないし、俺はオッケーだぞ」

やえ「や、やった!それじゃ…私、ちょっと準備するから…」

京太郎「おう。でも、あんまり急がなくても…」

やえ「ううん!急いで行くから…だから、他の女の子に誘われても行っちゃ嫌なんだからね!!」

京太郎「あ、あぁ。分かった」








やえ「あ…き、京太郎君…」

京太郎「やえさん…って…それ…」

やえ「…う、うん。折角だからお母さんに振り袖着させてもらったの」

やえ「どう…かな?去年とはちょっと違うけど…似合ってる?」クルッ

京太郎「あぁ。勿論」

京太郎「去年のよりも大分、大人っぽく見えるよ」

やえ「そ、そう?ま、まぁ、私ももう高校3年生だからね」テレテレ

やえ「少しくらいは大人の魅力ってやつも身につけないといけない時期だもん」

京太郎「いや…昔っからやえさんは大人だったと思うけどな」

やえ「ふぇっ!?」カァァ

京太郎「(…うん。少なくともレジェンドに比べればすげー大人だった)」

京太郎「(真面目な時のレジェンドは頼りになるけど、すぐしずと同レベルになるからなーあいつ…)」

京太郎「(ソレに比べたらやえさんの安定感は本当に有難い)」ウンウン

やえ「じ、じゃあ…」

京太郎「ん?」









やえ「大人の魅力とか…か、感じてくれてる…の?」

京太郎「そりゃな。年上だなって思う事やっぱり多いし…実際、かなり頼りにしてるんだぞ」

やえ「そ、そう…なんだ…えへへ…」ニコー

京太郎「ん?」

やえ「何でもない。それより…ほら、早く初詣行っちゃおう」ギュッ

京太郎「…って…い、いきなり腕組んだりして良いのか?」

やえ「良いの。だって、今日の私は何時もよりも大人なんでしょ?」

やえ「だったら…こうして腕くらいは組んでおかないと」

京太郎「でも…そういう事したら誤解されないか?」

やえ「そんなの男女二人で初詣に来てる時点で今更だよ」

やえ「それに…そうやって誤解させたい相手もいるし…」

京太郎「え?」

やえ「なんでもない。それとも…京太郎君は私と腕組むの…嫌?」

京太郎「…そんな訳ないだろ。すげー光栄だよ」

やえ「えへへ…じゃあ…今日は一日このままね」

京太郎「え?」

やえ「離しちゃったら罰ゲームなんだから」ニコッ

京太郎「罰ゲームって…え?」

やえ「ふふ…何にしようかな…ちょっと楽しみ」

京太郎「え…えぇぇぇ…」








京太郎「(さて…そんなこんなでやえさんと初詣に来た訳だけど…)」

京太郎「(相変わらずここは人が多いなぁ…)」

京太郎「(望さんやバイトの人たちも結構、忙しそうにしてる)」

京太郎「(実際、参拝客もひっきりなしで人波に揉まれるって感じだし…)」

京太郎「(まぁ人が多いのはここがこの辺りでは飛び抜けて有名だからってだけじゃないんだろう)」

京太郎「(俺も良く分からないけどここの神社って何か効果ありそうなんだよな)」

京太郎「(去年はそうでもなかったけど…一昨年は不思議な事が色々あったし)」

京太郎「(まぁ…それに頼みきる訳にはいかないけど…でも…)」

京太郎「(俺には問題らしきものが山積みで…正直、神頼みでも何でもしたい気分だ)」

京太郎「(とは言え…全部頼む時間はないし、今年は何を頼もうかな?)」

>>+2
1 麻雀の事
2 雑用の事
3 バイトの事
※数字でお選び下さい




































>>バイトの事

京太郎「(そうだな…とりあえず…バイトの事だ)」

京太郎「(麻雀や雑用はまだ俺でなんとか出来ない訳じゃない)」

京太郎「(でも、バイトはまだどうしても不慣れで…失敗しそうになる時があるからな)」

京太郎「(それが減るだけでも精神的には大分楽になるはずだ)」

京太郎「(何より…金貰っているのに失敗なんて恥ずかしい真似できないし…)」

京太郎「(だから…お願いします)」

京太郎「(今年一年…バイトで失敗しにくくなるように…)」



「その願い叶えてしんぜよう」



京太郎「(…ってアレ?)」

京太郎「(また今年も声が聞こえたような…)」

京太郎「(そう言えば中1の時にも声が聞こえたよな?)」

京太郎「(アレは一体…)」

やえ「…どうかしたの?」ギュッ

京太郎「あ、いや…なんでもないよ」

京太郎「それより…そっちは終わった?」

やえ「うん。京太郎君が阿知賀でちゃんと過ごせますようにって」

京太郎「はは。大丈夫だよ。俺の周りにいるのはいいやつばっかりだし」

京太郎「それにαやβも一緒に来てくれるって話だから友達いないって事もないしな」

やえ「うん。それは勿論、分かってるけど…」










やえ「でも、私に出来るのってこれくらいだから…」

京太郎「…やえさん」

やえ「…あ、ごめんね。雰囲気…暗くしちゃって…」

やえ「でも…これくらいって言っても何時でも私の事頼ってくれて良いんだよ?」

やえ「阿知賀じゃ言えない愚痴とかも…何時でも聞いてあげるから」

京太郎「…ありがとうな」ナデ

やえ「ううん。これくらい…当然の事…だから」カァ

やえ「それより…ほら、御神籤引いちゃおう?」

京太郎「そうだな…去年はあんまり良くなかったし…」

やえ「今年こそ良いの引けるといいね」

京太郎「だな。それじゃ、あ、二回お願いします」

やえ「えっ」

「はーい。600円になります」

京太郎「はい」

「ちょうど頂きます。では、こちらからどうぞ」スッ

やえ「ぅー…」

京太郎「ほら、拗ねない拗ねない」

京太郎「俺の事祈ってくれたお礼だからさ」

やえ「でも…私の方が先輩なのに…」

京太郎「ならたまには後輩にも格好つけさせてくれよ」

京太郎「最近、やえさんに甘えっぱなしでただでさえ男の威厳とかが危ないのにさ」

やえ「…別にもっと甘えてくれても良いのに…」

京太郎「え?」

やえ「なんでもない。それじゃ…お言葉に甘えて一回引かせてもらうね」

京太郎「あいよ。じゃあ、俺も…」スッ

>>+2

>>+2
00~30凶
31~60吉
61~99中吉
ゾロ目大吉
44大凶
































>>凶


京太郎「…凶…」

やえ「あー…私の大吉と交換する?」

京太郎「いや、交換したところで何の意味もないしな」

京太郎「それに…大凶ほどやばい訳じゃないし」

京太郎「ちゃんと結んでおけば大丈夫大丈夫」

やえ「本当?」

京太郎「本当だって」

京太郎「これでも俺はここの親父さんから暇なときに神道の事教えられてるんだぜ?」

京太郎「その俺が言うんだから間違いないって」

やえ「それって…やっぱり…外堀…」

京太郎「ん?」

やえ「…ううん。何でもない」

やえ「それより…今年も私の家に来てくれるよね?」ギュッ

京太郎「良いのか?」

やえ「勿論。だって、お父さんも京太郎君に会うの凄い楽しみにしてたし」

やえ「お母さんからはちゃんと捕まえてきなさいって言われたくらいなんだから」

京太郎「ん?捕まえる?まぁ…良く分からないけど…どうせやる事ないし、お邪魔させて貰おうかな」

やえ「うん。じゃあ…こっち…きゃっ」

京太郎「っ!やえさん!?」








やえ「あぅ…鼻緒切れちゃった…」

京太郎「あー…これはバッツリいってるなぁ…」

やえ「うー…これ気に入っていたのに…」

京太郎「仕方ないって。こういうのはやっぱり消耗品だしさ」

京太郎「(それより…ここからどうやって帰ろう…)」

京太郎「(やえさんの家はそれほど遠くないとは言え、その状態で歩く事は出来ないだろうし…)」

京太郎「(やっぱり…ここはタクシーだな)」

京太郎「(幸い、この前のデート資金で結構金は下ろしてきたし)」

京太郎「(財布の中に金はあるから…問題はないはずだ)」

やえ「あ…じ、じゃあ…」

京太郎「そうだな…たく「…お、おんぶ…してくれない?」」

京太郎「…え?」










やえ「あ、だ、ダメ…かな。わ、私、そ、そんなに重くないと思うし…」

京太郎「い、いや…別にやえさんが重いとか思ってないけど…」

京太郎「でも、別にタクシー代くらい俺が出すぞ」

やえ「そ、そんなの勿体無いよ!」

京太郎「いや…でも…流石におんぶはまずくないか?」

やえ「…京太郎君は嫌なの?」

京太郎「俺は良いけど…そこまでやったら確実に変な噂になるぞ」

やえ「でも…どっちみちタクシー呼ぶにしても…神社から道路に降りるのにおんぶして貰わないとダメだし…」

京太郎「あー…」

やえ「人は沢山だから…噂になるのは避けられないと思うよ」

京太郎「あー…だけど…」

やえ「…それとも新子が見ているかもしれないところじゃ…出来ない?」

京太郎「?なんでそこで憧が出てくるんだ?」

やえ「…ううん。何でもない。それより…」

京太郎「あー…分かった…よ」

京太郎「でも…するのはこっちな」ヒョイ

やえ「ひゃぅっ!?」










やえ「こ、こここここれ…」カァァ

京太郎「ほら、ちゃんと捕まっとかなきゃ危ないぞ」

やえ「い、いや…でも…あの…これ…お、おおおお姫様抱っこ…」

京太郎「あー…まぁ、そうだな」

やえ「な、なな…なんで?い、いや…嫌じゃないけど…」アワワ

京太郎「そりゃ…着物でおんぶなんてしたら後ろがやばいしさ」

やえ「あ…」

京太郎「…そういうの考えたらこれしかないって思ってさ」メソラシ

京太郎「…嫌だったら…とりあえず道路のところで下ろすけど…」

やえ「う、ううん!嫌じゃない…嫌じゃない…よ」ギュッ

やえ「寧ろ…ずっとこのまま…抱いていて欲しいくらい…」ポソッ

京太郎「ん?じゃあ、このまま家まで運ぼうか?」

やえ「…そういう意味じゃないのに…本当にもう…」

京太郎「アレ?」

やえ「…でも…重くないなら…お願いしたい…な」

京太郎「了解。じゃ…しっかり捕まってろよ」

やえ「うん…っ♪」ギュッ










やえ「…ね、大丈夫?」

京太郎「大丈夫だって。一応、これでも男なんだからさ」

やえ「重く…ない?」

京太郎「気にし過ぎ。つか、軽いくらいだぞ?」

京太郎「ちゃんと飯食べてるのか?」

やえ「た、食べてるけど…でも、やっぱり気になるし…」

京太郎「ダイエットのしすぎは身体に悪いぞ」

やえ「そっちじゃないの…もう…」プニ

京太郎「うーん…?」

京太郎「ま、でも、抱き心地は今の状態ですげー良いけど」

やえ「ふぇっ!?」カァァ

京太郎「ちょうど良い重さっていうか柔らかさって言うか…なんだろうな」

京太郎「抱き上げてるって事に男の意地とかそういうのを満たしてくれる感じというか」

やえ「あうあうあうあう」モジモジ

京太郎「少なくとも…こうして歩いてて嫌な感じじゃねぇよ」

やえ「う…ぅぅ…」マッカ

京太郎「…あれ?やえさん?」

やえ「…ホント…ホント、京太郎君って…時々、凄いタラシだよね…」シュゥゥ

京太郎「え?そうか?」

やえ「うん…ホントもう…これで自覚がないんだから始末が悪いし…」

京太郎「えーと…ごめん」

やえ「…良いよ。でも…こうしてお姫様抱っこするのは…私だけにして欲しいな」

やえ「…無理にとは言わないけど…でも…」

京太郎「あぁ。分かった」

京太郎「…約束は出来ないけど…出来るだけそうするよ」

やえ「本当?」

京太郎「本当だって。そもそも…さっきから俺たちすげー見られてるし」

やえ「あ…あはは…そりゃ…お姫様抱っこで…普通に歩いてる訳だし…ね」カァァ

京太郎「ま、こういう恥ずかしいのは一回だけにしときたいし必要ない時以外はしないって」

やえ「ふふ…」

京太郎「ん?」

やえ「…それでもお姫様抱っこしてくれる京太郎君は優しいなって思って」ギュッ

やえ「…ご褒美にキスした方が良い?」

京太郎「…前払いでこの前貰ってるから十分だよ」

やえ「残念…でも…」チュッ

京太郎「あ…」

やえ「…頬くらいだったら良いよね?」

京太郎「ぅ…」カァァァ






















【System】
小走やえの愛情度がLv2になりました
小走やえはその後も抵抗できない須賀京太郎の頬にキスしていたようです

須賀京太郎はスキル【神の加護(バイト)】を手に入れました
このスキルはバイト時の判定に+3するスキルです
最終更新:2014年01月25日 12:52