中学三年――11月イベント

【中学3年 ―― 11月】

京太郎「(今日もやえさんと図書館で勉強会…)」

京太郎「(…なんだけど…昨日の今日で…やえさん来てくれるかな…)」

京太郎「(メールは…何も入ってない)」

京太郎「(ドタキャンするような人じゃないし…とりあえず連絡ないって事は…そのつもりがあるって事だろう)」

京太郎「(でも…俺、この前、やえさんの事泣かせて…)」

京太郎「(あんな風に傷つけて…追いかける事も出来なくて…)」

京太郎「(…気まずいってよりも…情けない…よな)」

京太郎「(俺…結局、中学を決める時と…まったく同じ事してる)」

京太郎「(どっちに決める事も出来なくて…それで大事な人傷つけて…)」

京太郎「(中学3年間で少しは大人になれた気がしたけど…でも…)」

京太郎「(…俺…こんなんじゃ…何も成長出来てないじゃないか)」

京太郎「(…はぁ、ダメだ。最近、悪い方向にばっかり思考がいってる)」

京太郎「(ともかく…そろそろ待ち合わせの時間だし…図書館に向かわないとな)」








【図書館】

やえ「……」

京太郎「(あ…やえさん…)」

京太郎「(やっぱり…来てくれていたんだな)」

京太郎「(でも…なんだか浮かない顔をしてる)」

京太郎「(…当然だよな、この前から…何も変わっていないんだから)」

京太郎「(何か事態に進展があればまだしも…俺は結局、何も決められていないままで…)」

京太郎「(…いや…それよりも…今は…)」

京太郎「…やえさん」

やえ「あ…京太郎君…」

京太郎「悪い。今日も待たせたな」

やえ「…ううん。大丈夫」

やえ「…それになんだか…お家の中に居られなくって」

京太郎「…何かあったのか?」

やえ「あ、ううん。違うの」

やえ「ちょっとお家の中でジッとしていられなかったっていうか…」

やえ「少しでも早く京太郎君の顔を見たかったっていうか…」

やえ「…ごめん。私、何言ってるんだろ…」カァ

やえ「い、いまのは忘れて。それより…早くお勉強しよう?」

京太郎「あ、あぁ…」












京太郎「(それからの俺達はやっぱり何処かぎこちないままだった)」

京太郎「(お互いこの前の話題には触れないけど、やっぱり気にはしてるんだろう)」

京太郎「(俺もやえさんも最低限の言葉しか口にせず…この前の和やかな雰囲気とはまったく違った)」

京太郎「(そんな状態で上手く勉強が進むはずがなく、時間だけが流れていって…)」

やえ「ちょっと…休憩しよっか」

京太郎「…ごめんな」

やえ「ううん。わるいのは京太郎君じゃないから」

やえ「…私がもっとちゃんと教えてあげられれば良いんだけど…ごめんね」

京太郎「…そんな事ねぇよ。やえさんはすげーわかりやすく教えて…」

憧「…あれ?京太郎?」

やえ「っ…!」

京太郎「あれ…憧?」

憧「…と…小走…先輩…」

やえ「…新子…」









憧「…そう」

憧「最近、あたしのところに顔を出さないと思ったら…小走先輩に教えてもらってたんだ」

京太郎「あぁ。そっちも阿知賀進学の準備で忙しいと思ってさ」

憧「…そんなの気にしなくても良いのに」

憧「って言うより…小走先輩の方が大変でしょ?」

憧「今も秋季大会なんだし…暇なんてないはず」

やえ「それは…」

憧「でも、あたしは…あたしなら大丈夫だから」

憧「受験って言っても阿知賀ならよっぽどの事がない限り落ちないし」

憧「受験対策してれば大丈夫」

憧「それに…小走先輩はもう二年だし…受験対策とか教えてもらえないでしょ」

憧「あたしなら丁度そういう時期だし…阿知賀の方なら『何時もみたいに』教えてあげられるよ」

やえ「……っ…」









やえ「そんな…事…ない」

京太郎「…やえさん?」

やえ「私…京太郎の為なら時間だって幾らでも作るし…」

やえ「受験対策だってこうして教える為に…勉強してる」

やえ「教えてあげられないなんて…そんな事…」

憧「…でも、小走先輩って一般受験で入ったんじゃなくて推薦ですよね」

やえ「それは…そう…だけど…」

憧「…それで、京太郎にちゃんと教えてあげられるんですか?」

憧「晩成のレベルの高さは知っていますけど…受験を経験してない小走先輩が教えるのは難しくないですか?」

やえ「…なら…私だって…言わせてもらうけれどな」

やえ「…新子、お前は京太郎を阿知賀に進ませてどうするつもりなんだ」








憧「どうって…今まで通りですけど」

憧「何時も一緒に居て…手を繋いで、抱き合って…勉強して…それで…」

やえ「…それで彼から麻雀を取り上げるのか」

憧「…っ!」

やえ「…麻雀するなって言って…お前たちだけ麻雀を楽しむつもりなのか?」

やえ「それが酷いと…新子はそう思わないんだな」

憧「お、思ってます…!でも…!!」

やえ「…でも、なんだ?」

やえ「彼から聞いた話だと…お前は自分の友人を優先したんだろう」

やえ「勿論、それはお前の勝手だ。私がどうこう言うのは間違っているんだろうな」

やえ「だけど…そのキッカケは…麻雀なんだろう?」

やえ「お前は…麻雀をするために…阿知賀を選んだんだろう?」

やえ「それなのに…新子は阿知賀を選べと…京太郎に言うつもりなのか?」

やえ「しないと…そう約束させられている彼を、自分が麻雀がしたいが為に選んだ学校に引きこむつもりなのか?」

憧「そ…れは…」









やえ「私は…京太郎には麻雀をして欲しい」

やえ「彼には才能がある。インターミドル優勝がマグレではないくらいのものが」

やえ「それを埋もれさせるなんて私には出来ない」

やえ「…だから…私は全力で彼のサポートをするぞ」

やえ「どんな形でも良い」

やえ「彼が再び麻雀に復帰出来るように…」

やえ「その為ならレギュラーじゃなくなっても構わない」

やえ「私の全部を…京太郎に捧げる」

やえ「時間も…何もかも…だ」

やえ「自分の為に…彼に犠牲になれと言っている新子とは違う」

憧「…でも…それだって、一年だけでしょう?」

憧「小走先輩が京太郎と一緒にいれる時間なんてそれだけ」

憧「…小走先輩こそたったそれだけの時間の為に京太郎に進路を迫ってるじゃないですか」

憧「京太郎を犠牲にしようとしてるのは小走先輩だって同じはずです」

やえ「それが彼の為だと信じているからだ」

やえ「そもそも…留年すれば幾らでも時間は作れる」

やえ「それに…ろくに監督もいない阿知賀で彼をどうするつもりだ?」

やえ「教育も出来ず…ただ、仲良しごっこに浸らせてそれで満足するつもりなのか?」

憧「…っ!仲良しごっこなんかじゃない…!」









憧「あたしたちは…ずっと一緒だったんです!」

憧「それを…横から入ってきて…急に…滅茶苦茶にしたのは小走先輩の方じゃないですか!」

やえ「…私は滅茶苦茶になんてしていない」

やえ「…そっちこそ京太郎の邪魔をするな」

やえ「彼が入るべきはろくに成長も出来ない阿知賀じゃない」

やえ「今の状況を改善する為にもちゃんとした教育者がいる晩成に行くべきだ」

憧「違う…!晩成に行ったって…京太郎は苦しいだけです…!」

憧「そんな風に小走先輩に留年してまで付き合って貰って、京太郎が辛くないはずがない!」

憧「そんな事すら分からないような小走先輩に京太郎は任せられません…!」

やえ「…私は約束したんだ。どんな結果になっても肯定するし…必ず何とかしてやるって」

憧「私だって…ずっと一緒だって…そう言われました」

やえ「……それは別に進路を確定するものではないだろう?」

憧「……そっちだって…約束したのは小走先輩が一方的に…でしょう?」










「あ、あの…」











京太郎「と、とりあえず…ここらで止めないか?」

憧「…どうして?」

やえ「そうだ。私はもっと新子に行ってやりたい事が…」

京太郎「いや…だってここ図書館だしさ」

憧「え…?」

やえ「あ…」

京太郎「…さっきから周りの視線がやばいぞ…」

憧「う…」カァァ

やえ「あ…あぁ…っ」カァァ

京太郎「…とにかく…一緒に出よう。な?」ギュッ

憧「う、うん…」マッカ

やえ「そ、そうだな…」シュウ









【図書館前】

京太郎「で…とりあえず…」

憧「…あたし…良いよ」

京太郎「え?」

憧「…元々、あたしはたまたま会っただけだし…小走先輩についてあげて」

やえ「新子…」

憧「…先輩、さっきはナマイキな事言っちゃってすみませんでした」ペコッ

やえ「…いや、私の方こそ…取り乱して…すまない」

憧「でも…あたし…さっきのアレは本心ですから」

やえ「…私も…だ」

やえ「…勢い任せではあったが…さっきの言葉にウソはない」

やえ「阿知賀は…彼に相応しくない」

憧「…晩成の方こそ京太郎にとって辛い場所です」

やえ「……」

憧「……」

憧「…じゃあ、また今度…」

やえ「…あぁ。またな」







京太郎「…あの…やえさん…」

やえ「…ん?」

京太郎「…あの…憧の事嫌わないでくれるか?」

京太郎「ああやって憧が声をあげたのも、全部、俺が情けないからで…」

やえ「…大丈夫だよ」

京太郎「え?」

やえ「…ちゃんと分かってるから」

やえ「彼女が正しいって事も…私が悪いって事も…全部」

京太郎「…やえさん?」

やえ「…ごめん…ワガママばっかり言って…」

やえ「…私…彼女のほうが正しいって分かってるのに…ついあんな風に…」

やえ「…忘れて…なんて言えないけど…気にしないで欲しい…な」

やえ「本当はあんな事言うつもりはなかったの。ただ…私…」








やえ「…まるで…その程度だって言われてる…気がして」

やえ「京太郎君の事…大事な気持ち…全部、馬鹿にされてるような気がして…」

やえ「…勿論、彼女がそんなタイプじゃないって分かってるし…」

やえ「彼女だって…それだけ京太郎君の事大事に思ってるのは分かってる」

やえ「だけど…私、どうしても負けたくなくて…」

やえ「麻雀で負けても…こんなに悔しい事なんかなかったのに…」

やえ「…私…あの時…とても…悔しくって…」

やえ「…私の欲しいもの全部持ってる彼女が…羨ましくて…嫉妬して…」

やえ「…どうして…私、もっと早く京太郎君と知り合えなかったのかな…」

やえ「どうして私…二年も早く…生まれちゃったのかな…」

やえ「同い年なら…こんな風に悩む事なんてなかったのに…」

京太郎「やえさん…」








京太郎「…やえさんは悪くなんかない」

京太郎「悪いのは…全部俺だよ」

京太郎「憧にもやえさんにも良い顔して…」

京太郎「どっちつかずの状態を続けてる…俺なんだ」

京太郎「二人が我を失ったのも俺の所為で…だから…」

京太郎「…そんな風に自分の事責めないでくれ」

やえ「でも…」

京太郎「俺ならまったく気にしてねぇよ」

京太郎「そもそもああいう風に注目浴びるにはインターミドルやらで慣れてるし」

京太郎「それに…俺に関して変な噂が立つのも今更な話だしな」

京太郎「そういうの結構、鈍感な方なんで俺はまったく気にしてない」

京太郎「…だから、そんな風に泣きそうな顔…しないでくれ」

京太郎「…俺、絶対に答えを出すから」

京太郎「…皆が笑うなんて無理だけど…」

京太郎「それでも…もうやえさんがこんな風に…我を失うような事がないように」

京太郎「答えを出すって…決めたから」

京太郎「…だから…無駄じゃなかったんだよ」

京太郎「悪い事なんてなかったし…必要な事だったんだって」

京太郎「そう…思ってくれると…俺は嬉しい」

やえ「……うん…」








京太郎「(…そう言ったものの、やえさんの表情は晴れなかった)」

京太郎「(そりゃそうだよな…図書館であそこまで大騒ぎした訳だし…)」

京太郎「(元々…責任感が強い人なんだ)」

京太郎「(後輩である俺に迷惑を掛けたんだってそう思い悩んでたんだろう)」

京太郎「(そんなやえさんに俺が出来る事なんて…一つしかない)」

京太郎「(もう…俺はここで決めるんだ)」

京太郎「(コレ以上引き伸ばしても…誰も得しない)」

京太郎「(ただ、傷つくだけじゃなくって…傷つけあう事もあるんだって…そう学んだから)」

京太郎「(コレ以上、そんな事が起こらないように…俺は…)」




















>>+10
1晩成
2阿知賀
※数字でお選び下さい











































プルル

やえ「…はい」

京太郎「あ、やえさん」

やえ「…京太郎君…こんな時間にどうかした?」

京太郎「…いや…アレから…さ」

京太郎「…俺、一生懸命考えて…それで…」

京太郎「…答え…出したから…さ」

やえ「…答え?」

京太郎「…うん。俺は…やっぱり…阿知賀に行くよ」

やえ「…っ…そ…っか」

やえ「…うん。それが良いよ」

やえ「学力的にも…阿知賀だったら申し分ないし」

やえ「今からちゃんと対策すれば合格間違いないよ」

京太郎「…ごめん」

やえ「…なんで謝るの?」

やえ「…私は…大丈夫だから」

やえ「元々…晩成は厳しいって…覚悟…決めてたから…」

やえ「新子が言っている事が正しいって…そう…理解してたから…」

やえ「だから…謝られる事なんてない…よ」

やえ「どんな結果になっても…私は…それを受け入れるってそう言ったでしょ?」

やえ「だから…私…」

京太郎「…やえさん…」







やえ「…でも…ね。一つだけ…お願いがあるの」

京太郎「…なんだ?」

やえ「これからも…一緒に勉強させてくれない…?」

京太郎「…でも…」

やえ「勿論、私も…これから忙しくなってそんなに時間は取れないと思う」

やえ「でも…私…こんなところで京太郎君と…気まずくなりたくない」

やえ「一緒の高校じゃない程度で…諦めたくない」

やえ「だから…もし…京太郎君さえ良ければ…」

やえ「また…別の場所で一緒に勉強させてくれないかな…?」

京太郎「…俺は…」


>>+2
00~50 そのくらいで良いのなら
51~99 俺の方からも頼む
※男気10仲3で+13



































>>そのくらいで良いのなら

京太郎「…そのくらいで良いのなら幾らでも」

やえ「本当に?」

京太郎「あぁ。俺だって…やえさんと気まずくなりたい訳じゃないし」

京太郎「それに俺としてもやえさんに勉強教えてもらえるのは有難いんだ」

京太郎「やえさんは教え方上手だから、スラスラと頭の中に入ってくるし」

やえ「そっか…」

やえ「じゃあ…またこんど…連絡しても良い…かな?」

京太郎「あぁ。いつでも」

京太郎「基本的に部活もなくなったし…俺は暇してるからさ」

京太郎「やえさんの都合に合わせるよ」

やえ「そっか…ありがとうね」

京太郎「…いや…俺の方こそ…ありがとう」

やえ「ううん。それじゃ…今日はもう遅いし…切るね」

京太郎「あぁ…お休み」

やえ「うん。お休…み…」ピッ












やえ「…あはは…」

やえ「(振られ…ちゃった…)」ドサ

やえ「(…そりゃ…そうだよね)」

やえ「(分かってた…私じゃ…絶対に敵わないって…)」

やえ「(新子と積み重ねてきた年月には絶対に勝てないって…分かってた…のに…)」

やえ「(私…それなのにあんなに見苦しく騒いで…結果…一緒の高校も無理で…)」グスッ

やえ「(最高に格好わるいところ見せた上に…こんな…)」ポロポロ

やえ「(分かってたけど…でも…やっぱり胸が痛いよ…)」

やえ「(こんなに苦しいなら…好きなんて気持ち…なくなってしまえば良いのに…)」ギュ

やえ「(そんな事思っちゃうくらい…苦しくて…息も出来ないくらいなのに…)」

やえ「(でも…どうしても…諦めきれない…よ…)」

やえ「(私じゃ足りないって分かっていても…でも…京太郎君の事…大好きで…)」

やえ「(選んで貰えなかったって分かってるのに…もっと好きになって…)」

やえ「(押しつぶされそうなくらい大きくなっていく好きが…止まらなくて…)」

やえ「ひっく…ぐす…っ」

やえ「(好き…だよぉ…)」

やえ「(…どれだけ苦しくても…私…京太郎君の事大好きで…)」

やえ「(こんなに…胸の中一杯になって…だから…)」

やえ「(…今だけは思いっきり…泣かせて)」

やえ「(今度会った時は…ちゃんと笑うから)」

やえ「(何時もみたいに先輩に戻ってみせるから…だから…)」

やえ「(今だけは…泣くのを…許して…)」




















【System】
須賀京太郎の進路が阿知賀に確定しました
須賀京太郎はデメリットスキル【気まずい関係(やえ)】を手に入れました
このスキルは小走やえ相手の判定に-3します
最終更新:2014年01月24日 06:15