中学三年――10月EX

【中学3年 ―― 10月EX】

京太郎「(…それから俺は色々と悩んだ)」

京太郎「(これから先…どうするべきなのか…真剣に)」

京太郎「(阿知賀には皆がいて…でも、晩成にはやえさんがいて…)」

京太郎「(やえさんとは約束までしていて…だから…俺…)」

京太郎「(…どっちを…選ぶべきなんだ?)」

京太郎「(勿論…俺は皆と一緒にいたい)」

京太郎「(でも…それはどうしても不可能で…だから…)」

京太郎「(あー…くそ…わっかんねぇ…マジわっかんねぇ…)」

京太郎「(でも、だからってこの選択から逃げる訳にはいかないし…だから、俺…)」








【夢の国】

京太郎「(折角の卒業旅行なのに…まったく楽しめないな…)」

京太郎「(噂のネズ○ーランドなのに…頭の中すげー重くて…)」

京太郎「(どうすりゃアトラクションも乗る気になれないし…)」

京太郎「(はしゃぐ気分にも…なれない)」

京太郎「(…こんな俺と一緒なんて面倒だろうから憧は初瀬と一緒に行ってもらったけど…)」

京太郎「(今頃…ちゃんと楽しめているんだろうか)」

京太郎「(ま…少なくともベンチでボケーってしてる俺よりも楽しんでくれてはいるんだろう)」

京太郎「(…あまりにも暗過ぎる所為かマスコットキャラさえも寄って来ないからな)」

京太郎「(まぁ、マスコットキャラに人生相談とかしても応えられないだろうしそれで嬉しいんだけど…)」ピトッ

京太郎「うひゃああ!?」

憧「なーに黄昏れてるの?」

京太郎「って…あ、憧?」








憧「はい。これジュース」

京太郎「お、おう…ありがとうな…」

京太郎「あ、後でお金…」

憧「良いわよ、それくらい」

憧「それより…隣良い?」

京太郎「あぁ…っと…ハンカチだな」スッ

憧「ありがとう。…ほんとそういう所マメよね」

京太郎「これでも大人のオトコを目指してるからな」

京太郎「つか、お前、それより初瀬は?」

憧「あぁ、あの子と仲の良いグループに会ったから押し付けてきた」

京太郎「押し付けたってお前…」

憧「…だって、京太郎の事心配なんだもん。仕方ないでしょ」







京太郎「…ごめんな」

憧「…なんで謝るの?」

京太郎「だって、俺の所為で憧が卒業旅行楽しめなくて…」

憧「そもそも京太郎がそうなったのって…あたしたちが阿知賀に来て欲しいって言ったからでしょ」

京太郎「う…その…」

憧「誤魔化さなくても分かるわよ。あんた真面目だし…分かりやすいんだから」

憧「それに…あたしはずっと側にいて…あんたの事見てきてるし…ね」

京太郎「…そっか」

憧「…うん」

京太郎「…あー…ごめんな」

京太郎「…そんなお前に…阿知賀に行くって言えたら良いんだけど…」

憧「そんな安っぽい理由で言われてもあたしが断るわよ」

憧「もっと考えなさいって…逃げるんじゃないって…ね」

京太郎「…ホント、お前て格好良いよな」

憧「…そういう訳でもないわよ」

京太郎「え?」








憧「今だって…本当はあんたに泣きつくの我慢してるんだから」

憧「お願い、一緒に阿知賀に来て…って…何でもするからあたしを選んでって…そう言いたいの我慢してるんだからね」

京太郎「…憧…」

憧「でも、それは卑怯だし…何よりそんな事言ったら…京太郎はあたしを選ぶしかなくなるでしょ?」

京太郎「…それは…そうかもしれないけど…」

憧「分かってる。あたしは…京太郎がそういうの見捨てられない奴だって」

憧「…だから、あたしはそういう事…したいけど我慢する」

憧「あたしはまだ…そういう卑怯な女にはなりたくないから」

京太郎「いや…お前は何時だって格好良い奴だよ」

憧「ふふ…そう言ってくれると…嬉しいな」クスッ

京太郎「おう。…俺も…お前みたいにならないと…な」

京太郎「ちゃんと…決めるべき事を決められるように…さ」

京太郎「だから…まぁ…」スッ

憧「…ん?」

京太郎「…お前の格好良さを分けてもらう為にちょっと回ってみるか」

憧「…なにそれもうちょっと良い誘い文句なかったの?」クスッ

京太郎「…それじゃ、お姫様。誠心誠意エスコートさせていただきますので不肖である私めの手をとって頂けないでしょうか?」スッ

憧「ふふ…そこまで言われると断れないわよね…」スッ

憧「それじゃ…後もうちょっとの時間だけど…王子様、エスコートお願いしますわ」

京太郎「えぇ。畏まりました、我が姫」







京太郎「(で、俺達はそれから夢の国三大マウ○テン攻略に動き出した)」

京太郎「(卒業旅行とは言え、一応、学校行事って事もあり、今は平日だ)」

京太郎「(一時間近く待たされるけれど、アトラクションに乗れない訳じゃない)」

京太郎「(ま…待ち時間が暇っちゃ暇だけど…ファストパスとかそういう制度があるし)」

京太郎「(その間、憧と他の待ち時間のゆるいアトラクションに乗ったり、食べさせ合いとかしてると時間はあっという間に過ぎていく)」

京太郎「(それにやっぱり人気アトラクションだけあって色々凝ってて苦痛じゃなかったし)」

京太郎「(憧と一緒の時間は緩やかだけど楽しくて、妙な安心感があって…だからすぐ二つは攻略出来たんだけど…)」

京太郎「…これ水しぶきやばくね?」

憧「そりゃそういうアトラクションだもん仕方ないわよ」

京太郎「しかも、俺達最前列なんだけど…」

憧「大丈夫大丈夫。どうせ多少濡れるくらいでしょ?」

京太郎「そうかな…ぁそれなら良いんだけど…」








憧「そうそうって動き出したわよ」

京太郎「お、ようやくか」

憧「…この音楽良い感じよね」

京太郎「説明もなー結構凝ってていい感じ」

憧「…って…凄い加速し始めてない?」

京太郎「そういや…パンフにアトラクション最速…とか書いてあった…っけ?」

憧「きゃあっ♪」

京太郎「うぉあ!?」

憧「きゃああああっ♪」

京太郎「ぬぉわあああ!?」

憧「きゃああああああああっ♪」

京太郎「へぁあああああっ!!?」

憧「ふぅ…あ、大丈夫?」

京太郎「お、おう…大丈夫…だけど…」

京太郎「…でも、なんかグングンあがってないか?」

憧「あ、そろそろ最後かもね」

京太郎「最後って…」

憧「あ、京太郎」

京太郎「…ん?」













憧「一緒に堕ちてくれる?」








京太郎「それってうきゃあああああああ」

憧「きゃあああああああああああっ♪♪」

京太郎「ってぬああああ!?」ザパーン

憧「きゃんっ!!!」バシャーン

京太郎「……」ポタポタ

憧「……」ポタポタ

京太郎「…憧…」

憧「…うん」

京太郎「…俺ら着替え持ってきてたっけ」

憧「卒業旅行だし持ってきてる訳ないでしょ」

京太郎「そっかー…」

憧「…うん…」クシュン

京太郎「…って、憧、大丈夫…」ビクッ

憧「…え?どうかした?」








京太郎「あ、いや…その…」

憧「ん?」スケブラ

京太郎「な、なんつーか…えっと…な」

憧「…どうかした?もしかして…顔酷い事になってるし!?」アセアセ

京太郎「いや、顔じゃなくて服というか…寧ろ酷い事というよりも眼福というか…」

憧「…ん?」ピンクブラ

京太郎「…お、お前って結構派手なの選ぶんだな」

憧「え…そりゃ何時そうなるか分かんないし…って…」カァァ

憧「…み、見た…?」スッ

京太郎「…いや…その…不可抗力って言うか…あの…えっと…」

憧「そ、そう…み、見ちゃった…んだ」

京太郎「…ご、ごめん」

憧「い、いいのよ。そもそもこれ…き、京太郎の為に選んだし…」

京太郎「え?」








憧「だ、だから…き、京太郎に…み、見てもらう為に…ね」

憧「可愛いって言ってもらえると嬉しいなってそ、そう思って…だから…あ、あたし…」

係員「はーい。お疲れ様でした」

憧「はぅ…」カァァ

京太郎「あー…そのなんだ」

京太郎「…とりあえず…はい。これ」スッ

憧「え?」

京太郎「…それ俺の為なんだろ?」

京太郎「だったら俺以外には見せたくないだろうし」

京太郎「それに…俺もお前のそういう姿他の奴に見せたくないしさ」

憧「…え…そ、それって…」

京太郎「と、とにかく!濡れた上着で良ければ…胸元隠しとけよ」

京太郎「…じゃないと俺がなんか…微妙な気持ちになるからさ」

憧「…うんっ♪」





















【System】
新子憧の愛情度がLv12になりました
新子憧はとても嬉しかったようです
新子憧の下着がさらにきわどいものになり始めました
最終更新:2014年01月24日 05:57