中学三年――10月イベント

【中学3年 ―― 10月文化祭】

京太郎「(さて…ようやく休憩時間だ…っと)」

京太郎「(でも…これが中学最後の文化祭…か)」

京太郎「(受験勉強の為に必死で今まで特に考えなかったけど…)」

京太郎「(そうやって思うとなんか凄い感慨深いものがあるな…)」

京太郎「(こうして学校側でお祭り騒ぎするのって…もうないんだな…)」

京太郎「(…そう思うと…少しだけ惜しい)」

京太郎「(もっとこれを楽しめるように時間を作っておけばよかった)」

京太郎「(でも…受験はやっぱり大事だし…今の俺の学力じゃまだ晩成はきついし…)」

京太郎「(…もっと頑張らないと…だな)」

京太郎「(ま…それはさておき…英気を養う為にも…)」

京太郎「(知り合いでも探してみるか)」



>>+2
末尾16 憧しずと出会った
末尾27 玄と出会った
末尾38 宥さんと出会った
末尾49 灼と出会った
末尾50 やえさんと出会った





































>>憧しずと出会った

憧「…あっ」

穏乃「あ…」

憧「……しず」

穏乃「憧…あの…」

京太郎「お、しずと憧じゃないか」

憧「…あ、京太郎」

穏乃「…あ…」

京太郎「…どうかしたのか?」

京太郎「(憧もしずも…表情が硬い)」

京太郎「(いつもなら…こんな事はないのに)」

京太郎「(二人いる時はもっと柔らかくて楽しそうな表情をしてた)」

憧「…ううん。何でもない…」

穏乃「うん…」

京太郎「(…なのに…こいつらは今、まるで気まずい相手に会ったみたいにギクシャクして…)」

京太郎「(俺と会っている時には二人ともそんな事ないのに)」

京太郎「(…でも…何でもないって言ってるなら…俺が口をはさむ事は出来ない…よな)」

京太郎「(二人が気まずい理由が気になるけど…でも、見る限り喧嘩ではないみたいだし)」

京太郎「(下手に俺が仲裁したら話がこじれる可能性もある)」

京太郎「(それなら…今は…)」










京太郎「よし」

憧「ん?」

穏乃「え?」

京太郎「久しぶりに三人揃ったんだ」

京太郎「その辺、回ってみようぜ」

憧「…でも…」チラッ

京太郎「…嫌か?」

穏乃「い、嫌じゃないよ。けど…」チラッ

京太郎「だったら…ほら」スッ

憧「ぅ…」ギュッ

穏乃「あ…」ギュッ

京太郎「…昔みたいにこうして手ぇ繋いでさ」

京太郎「色々、回ろうぜ」

憧「…だからってなんであんたが真ん中なのよ」

京太郎「そんなもの何となくに決まってるだろ」

穏乃「…ふふ」

京太郎「ん?」

穏乃「…良いよ。一緒に回ろう?」

穏乃「私…憧や京ちゃんに色々、案内して欲しいな」

憧「…しず…」

京太郎「了解。んじゃ目一杯、楽しいところ連れて行ってやるよ」

穏乃「うんっ」ギュッ

憧「…ま、仕方ないわね。あたしも付き合ってあげる」ギュッ







京太郎「と言ってもさー…」

憧「うん」

京太郎「所詮、中学校の設備なんて大したもんじゃねぇしな」

穏乃「そうなの?」

京太郎「あーその辺、阿知賀は違うかもな」

京太郎「エスカレート校だし、高校の設備とかも使えるだろうし」

憧「ま、これでもうちはかなり緩い方だと思うわよ」

憧「そもそも普通は中学で飲食店とかやらせないって」

憧「他の中学の子の話とか聞いてるとやっぱり展示とかそんなのがメインみたいだし」

京太郎「そっかぁ…って事は高校になればもっと派手なものを作れるって事だな」

穏乃「…高校…か」

憧「……」

京太郎「…あれ?」

穏乃「…ね、京ちゃんは…高校何処にするか決めた?」

京太郎「ん…今のところ晩成目指してるけど…」

穏乃「ば、晩成!?」

京太郎「はは。まぁ、無理って話だよな」

京太郎「でも、一応、人に頑張るって約束したからさ」

京太郎「そのつもりで勉強中」

京太郎「しずは?」

穏乃「あたし…は…」








京太郎「…ってやっぱり阿知賀のまんまだよな」

京太郎「今から進路変えるってよっぽどだろうし」

穏乃「…ううん」

穏乃「私…ちょっと迷ってる」

京太郎「…迷ってる?」

穏乃「私…皆と一緒に麻雀がしたい」

穏乃「和が…インターミドルで優勝したの見た時に…そう思ったの」

穏乃「また皆で昔みたいに卓を囲んで…遊びたいって」

憧「…しず…」

穏乃「でも…憧や京ちゃんは中学から晩成行くつもりで頑張ってて…皆で麻雀なんて…もう難しくて…」

穏乃「…だけど…諦められなくて…だから…」

京太郎「…しず…」

穏乃「…わ、私…晩成…無理かな?」

穏乃「今からでも勉強頑張れば…晩成…入れる?」

穏乃「私……私…」グスッ

穏乃「今度こそ…憧や京ちゃんと一緒にいたい…よ…」








憧「……」

憧「…それは…無理よ」

穏乃「っ…!」

憧「京太郎はまだ三年間基礎しっかりしてきたから何とかなってる」

憧「…でも、しずはそうじゃないでしょう?」

穏乃「ぅ…ぅ…」ポロポロ

憧「…今から晩成目指しても…きっと無理。だから…諦めなさい」

京太郎「おい、憧…そんな言い方…」

憧「…でも、事実でしょ」

憧「誰かがはっきり言ってあげないと…ダメなんだから」

憧「しずじゃ今から晩成に入るなんて…無理だって」

京太郎「……でも、だからってそんな…」

憧「……だから…」

穏乃「…え?」

憧「…だから、あたしが阿知賀に行ってあげる」









穏乃「そ…そんな…!」

京太郎「…憧、お前…」

憧「…本当はね、あの日電話貰った時からずっと悩んでたの」

憧「あたしだって…本当は…しずと同じ気持ち」

憧「皆で一緒に麻雀したいし…阿知賀で全国行けるなら行きたい」

憧「…だけど、それは難しいって…そう思ってた」

憧「…でも、そうじゃないよね」

憧「もう部員は揃ってるんだから」

憧「後は…全国に行けるようにあたしたちで頑張れば良いだけ」

憧「そもそも晩成なら確実に全国に行けるって保証もないし」

憧「…それなら…あたし、しずと一緒が良いな」

憧「今度こそ…しずと一緒に全国に行きたい」

穏乃「…憧ぉぉ」ギュッ

憧「はいはい。もう…泣き虫なんだから…」ナデナデ

憧「…待たせてごめんね」

穏乃「ううん…良いの…っ」








京太郎「…憧、それで後悔しないんだな?」

憧「…ううん。きっとすると思う」ナデナデ

穏乃「ふぇぇ…」

憧「…でも、多分、それはしずを置いて晩成に行った時よりも少ないから」

憧「こうして泣いてるしずを放っておくよりも…きっと少ないはずだから」

憧「それに…それに…」ソッ

京太郎「ん?」

憧「…あたしは京太郎が来てくれれば…何処でも…後悔なんてしないよ」

憧「晩成でも阿知賀でもきっと最高の三年間が過ごせるってそう信じてる」

穏乃「私も…そうだよ」

穏乃「二人でも嬉しいけど…でも、三人だともっと嬉しい」

穏乃「私達三人なら…きっと最高の三年間になるってそう思ってるから」

穏乃「たとえ全国に行けなくったって…三人一緒なら何時でも何でも楽しいって思うから…!」

穏乃「…だから、京ちゃんも…一緒に来てくれない…かな?」

京太郎「…俺は…」

憧「…今、急いで答えを出す必要はないわよ」









憧「どうせ、今、あんたの気持ちは阿知賀に傾いてるんでしょ」

京太郎「う…それは…」

憧「勿論…それは嬉しいけどね。でも、ここで衝動に任せて言った言葉であんたの進路が決まるのは嫌」

京太郎「…憧」

憧「…だから、もうちょっと時間掛けて…色々考えてみて」

憧「あたしもしずも京太郎に後悔して欲しい訳じゃないの」

憧「勿論、一緒にいたいけど、でも、それはあんたを縛る為じゃなくって」

穏乃「…皆で一緒に…遊んで楽しむ為だよ」

穏乃「そうじゃなきゃ…意味がないから…だから…」

穏乃「出来るだけ…後悔しないように選んで欲しいな」

京太郎「…あぁ。分かった」

京太郎「…俺…もう一度考えてみるよ」

京太郎「どうすれば良いのか…自分なりに…さ」

憧「…うん」

穏乃「待ってるから…ね」

























【System】
新子憧の愛情度がLv11になりました
高鴨穏乃の愛情度がLv8になりました
新子憧は晩成ではなく阿知賀を選んだようです
最終更新:2014年01月24日 05:52