中学3年――5月遠征

【中学3年 ―― 5月第四週遠征】

W「うあー」

β「…大丈夫か?」

W「いや…大丈夫じゃないですよ…」

W「肩とかもうゴリゴリ言っててやばいんですけど…!!」

京太郎「はは。まぁ、初めての長期遠征はそんなもんだ」

α「うむ。我らも開拓の一歩目は肩に憑いた妖魔たちに苦しめられたものよ」

W「開拓?妖魔?」

β「あー…最初の頃は同じ状態だったって事だよ」

W「へぇ…なんだか格好良い…」

β「え?」

α「そうか!Wは少しだけ見どころ…いや、魂のきらめきがあるな!」

α「有象無象とは違うそのきらめき…やはり貴様も聖戦士の生まれ変わりだったか!」

W「聖戦士…なんだかよくわかんねーけどかっけー!!」

β「おい馬鹿やめろ!!コレ以上犠牲者を増やすんじゃない!!」









Y「…っで今日は何処と対戦でしたか?」

α「あぁ…そうだな。今日は…えっーっと」

W「」キラキラ

α「…動かぬ山々のヌシたちだ」

β「…不動峰だよ」

Y「不動峰って…あの…」

京太郎「あぁ。去年は青山に負けたけど…それでも未だ全国トップクラスの強豪だ」

京太郎「特に…今年は未確認だけど何人かお前たちのように特殊な能力持ちが入ったって話もある」

京太郎「(…まぁ、監督が残してくれた情報だからほぼ確定だと思うけどさ)」

京太郎「それを確かめる意味でも…そしてお前たちに初めて団体戦をする意味でも…今回は絶好の機会ではあるな」








Y「…質問です。どうして今まで団体戦はなしだったのですか?」

β「理由としては幾つかあるけど…並の相手と戦ったところで意味が無いからかな」

α「団体戦は個人戦とはかなり勝手が違う。だが、お前たちがそれを知るには生半可な相手では無意味だ」

京太郎「なまじ全員の能力が高い分、現れる弊害って奴だな」

京太郎「それで団体戦を個人戦と同じと思ってもらうと困るし…今まで出来なかった訳だ」

Y「そうですか…」

W「でも…俺達で…大丈夫なんですかね?」

京太郎「ん?」

W「だって、俺達…遠征中は負ける事も結構あったのに…」

W「このまま団体戦で戦ったら余計足を引っ張る事になるんじゃ…」

京太郎「あー…そうか。そうだな…」









京太郎「…よし。折角だ。お前たちに良い言葉を教えてやろう」

W「…良い言葉?」

京太郎「あぁ。フォア・ザ・チーム」

京太郎「『チームの為に』…だ」

Y「…チームの為に?」

京太郎「そう。チームの為に常に最善を尽くし、礎となり、必ず全員で勝利する事を誓った言葉だよ」

W「チームの最善…」

京太郎「そう。少なくとも…俺達三人はその覚悟を心に刻んでチーム戦に挑んでる」

α「…あぁ」

β「そうだな…」

京太郎「だから…安心しろよ」

京太郎「お前たちの前には俺が居て」

京太郎「後ろにはこいつらがいる」

α「お前らがどんなミスをしても、後に最善を尽くしたといえるならば…」

β「必ず俺達が何とかしてやる」

京太郎「一人一人がエースと言う覚悟を持って…試合に望む覚悟。それが…」

京太郎「フォア・ザ・チーム…チームの為に…だ」







W「か……っけーーーー!!!」

京太郎「はは。まぁ、俺達も完全に実践出来てる訳じゃないんだけどな」

α「俺達も言葉そのものを前世代から受け継いだだけに過ぎない」

β「だけど、この言葉は俺達の窮地を何度か救ってくれた」

京太郎「勿論、お前らにそれを押し付けるつもりはない。だけど…もし、この言葉に少しでも感銘を受けてくれるなら」

京太郎「出来れば…来年もまた引き継いで欲しい」

京太郎「それがきっと…後にお前らの力になると…そう思うから」

W「はい!勿論です!!」

Y「……はい」

京太郎「はは…まぁ、長々と語って悪いな」

京太郎「それより…ほら、そろそろ見えてきたぞ」

京太郎「あれが…不動峰」

京太郎「今年も未だ優勝候補の一角であり続ける中学だ」










京太郎「(と、まぁ偉そうに語ったものの…だ)」

京太郎「(俺たちは未だモブA先輩たちの領域には到達出来ちゃいない)」

京太郎「(そこまで強烈な覚悟をもてるほど…それを体現出来る人がいないんだ)」

京太郎「(そう思うと…その身一つで目覚めさせた部長ってやっぱり凄いんだな)」

京太郎「(今はもう殆ど交流もないけれど…その時の気持ちとか聞いておけばよかった)」

京太郎「(ま…今更、何を言ってもしかたがないか)」

京太郎「(それよりも…今は…)」

不動峰「……」ゴゴゴ

京太郎「(不動峰の新しいエース…まさか一年だなんてな…)」

京太郎「(どんな相手かは分からないけど…俺に当てるって事は並大抵の奴じゃないんだろう)」

京太郎「(警戒だけは怠らないようにしないと…な)」


>>+2 京太郎(雀力10+能力補正20+土壇場5+フォア5)40
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25)30
>>+4 A(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14
>>+5 B(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14

































>>京太郎42
>>不動峰104 → 反転世界発動(-50) → 54
>>A81
>>B12


京太郎「(…ダメだな)」

京太郎「(この配牌じゃ…ろくに和了れそうもないな…)」

京太郎「(下手に和了らずにここは見に徹した方が良いのかもしれない)」

京太郎「(何せ…不動峰が中々にクセモノだ)」

京太郎「(こいつ…江藤と同じで俺の支配をまったく受けてない)」

京太郎「(以前のエースのように力技でやぶるんじゃなく…はなっから効いてないんだ)」

京太郎「(なるほど…確かに俺にぶつけるのには最適な相手なんだろう)」

京太郎「(だけど…今の俺はそれだけじゃないんだ)」

京太郎「(確かに和了は目指せないが…お前の妨害くらいは出来る)」

京太郎「(或いは…ツモ順ヅラして…Aの援護…とかな)」

A「…ロン。7700」

B「…はい…」



>>+2 京太郎(雀力10+能力補正20+土壇場5+フォア5)40
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25)30
>>+4 A(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14
>>+5 B(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14
































>>京太郎84
>>不動峰37 → 反転世界発動 → 0
>>A82
>>B31

※トップなので運命の二つ名発動なし

京太郎「(さて…どうやらAは中々、回ってるみたいだな)」

京太郎「(とは言え…今回は俺の配牌もそう悪いもんじゃない)」

京太郎「(これなら十分、勝負する事が出来る)」

京太郎「(ま…とは言え…個人戦じゃないんだ)」

京太郎「(これを一位のAに当てたりはしねぇよ)」

京太郎「(今、ここで狙うべきは…チームとして未だ未知数の相手である…不動峰だ)」

京太郎「(後の奴らが少しでも楽になるように…少しでも点数削ってやらないと…な)」

京太郎「…ロン。6400」

不動峰「…くっ…あぁ…持っていけ」


>>+2 京太郎(雀力10+能力補正20+土壇場5+フォア5)40
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25)30
>>+4 A(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14
>>+5 B(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14














>>京太郎 41
>>不動峰 92 → 反転世界発動(-60) → 32
>>A16
>>B20

不動峰「(…なるほど)」

不動峰「(さっきから感じる違和感…この正体はインターミドルチャンプか…)」

不動峰「(先輩たちが警戒しろと言っていただけあって…なるほど…確かに強い)」

不動峰「(能力の一部が効かないはずなのに…俺とここまで競り合っているなんて…)」

不動峰「(…せめて同学年ならばいい勝負が出来たかもしれないが…)」

不動峰「(…俺ではこの人の相手は似が勝ちすぎるな…)」

不動峰「(ここは言われた通り…流すのに専念するべきか)」

京太郎「…ツモ。1300オール」



>>+2 京太郎(雀力10+能力補正20+土壇場5+フォア5)40
>>+3 不動峰(雀力5+能力補正25)30
>>+4 A(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14
>>+5 B(雀力6-能力補正(京太郎)20)-14

































>>京太郎131
>>不動峰35
>>A20
>>B86 → 反転世界発動(-12) → 74

京太郎「(…どうやら不動峰は俺と競り合うつもりはないみたいだな)」

京太郎「(ベタオリってほどじゃないが…さっきまでのプレッシャーは感じられない)」

京太郎「(ある意味ではクレバー…ある意味では物足りない奴だな…)」

京太郎「(一年だからしょうがないとは言え…負けても良いと思えるようじゃ…エースにはなれない)」

京太郎「(その辺…俺が会った以前のエースは凄かったぜ)」

京太郎「(全身から気迫と自信が満ち溢れているようだった)」

京太郎「(お前は…その人よりも強いんだろうけど…でも…)」

京太郎「(そんなありようじゃ…インターミドルで当たった所で…怖くねぇよ)」

京太郎「(最後まで逆転する…なんとかするって気概がなければ…)」

京太郎「…ツモ。4000・8000」

不動峰「っ…!」

京太郎「(ベタオリでも親被りでこうして大差をつけられる)」

京太郎「(ま…これを良い経験とするかなかった事にするかはそっち次第だけど…さ)」









W「師匠!お疲れ様っした!」

京太郎「あぁ、お疲れ」

W「さっすが師匠でした!凄かったです!!」

京太郎「はは…まぁ一回、和了られたけれどな」

W「いや…普通は和了られるもんだと思うんですけど…」

京太郎「まだまだだって。それにあいつなら…きっと他家飛ばして終わらせてただろうし」

W「…あいつ?」

京太郎「イヤ・・・何でもねぇよ」

京太郎「それより…団体戦デビュー頑張れよ」

京太郎「公式戦じゃないとは言え…一応、ガチな戦いなんだ」

京太郎「期待…してるぜ」

W「…はい!!」









W「(師匠に期待してるって言われた…)」

W「(普段は優しい癖に麻雀の事となると鬼のように厳しい師匠に…!)」グッ

W「(嬉しい…!俺の事…そんな風に思ってくれているなんて…!)」

W「(なら…俺はその期待に答えないとな…!)」

W「(師匠から渡されたこれを…出来るだけいい形で次へと繋がないと…!)」カタッ

W「(…あれ?今…手が震えた…?)」

W「(はは。まさかな…)」

W「(親父と打ってた時だってプレッシャーを感じないのが俺の自慢なんだ)」

W「(この程度で…プレッシャーなんてないない)」

W「(つまるところ…個人戦と同じで点数稼げば良いんだろうし)」

W「(…そういうのは今までやってきた…大丈夫…大丈夫…のはずだ)」

>>+2
00~30 だが逆転された
31~60 そこそこ活躍できた
61~99 大爆発した
※プレッシャーの所為で補正入りません


































>>だが逆転された


W「(よし…この局は俺の独壇場…)」

W「(地力は劣ってても…ここで稼げば収支は勝てる…!)」

W「(いつも通り…何時もどおりやれば問題は…)」カタカタ

W「(って…は?なんで…俺…手が震えて…)」

W「(おい…止まれよ…止まれってば…!)」

W「(師匠に期待されてるんだ…!俺…ここで稼がなきゃいけないんだよ!!)」

W「(それなのにどうしてこんな…手が……!!)」

W「あっ…」ガシャン

不動峰「…何やってるんだ」

W「す、すみません!」

A「良いけど…それチョンボだからな」

B「一応、練習試合とは言え…公式戦を見立ててやってるんだからさ」

W「…はい…」

不動峰「…とにかく…続きやろうぜ」

A「そうだな…あまりのびのびしてる暇はないし…」

W「はい…分かり…ました…」カタカタ








不動峰「…ロン」

A「ツモ」

B「ツモ」

W「あ…っ」

不動峰「…お疲れ様」

A「あぁ…何とか…なったか」

B「…逆転圏内だ…まだ…なんとかなるはず…」グッ

W「あ…え……あ……」

京太郎「……」ポン

W「」ビクッ

京太郎「…W、そろそろ次に渡さないと」

W「あ…お、俺…俺…」ジワッ

京太郎「…良いから。とにかく…こっち来い」グッ

W「あっ…」






W「……」

京太郎「…よし。この辺で良いか」

W「あの…師匠…俺…」

京太郎「W。お前、何が良い?」

W「え?」

京太郎「ジュース。飲むだろ?」

W「え…じゃあ…その…コーラを」

京太郎「あいよ。じゃあ、俺はオレンジジュースにしようかな」ピッ

W「…怒らないんですか?」

京太郎「ん?」

W「俺…あんな風に負けて…チョンボまで…」

W「いえ…負けるならまだしも…逆転まで…されて…」グッ

W「期待されてたのに…俺…!」

京太郎「…とりあえず…お前は一つ間違っているぞ」

W「…え?」









京太郎「俺が期待してたのは何も勝つ事じゃない」

京太郎「寧ろ…負けてくれた方が良かったと思ってた」

W「な…っ!それって…!」

京太郎「あぁ、誤解するなよ。別にお前の事が嫌いとかそういうんじゃない」

京太郎「弟子なんて初めてだけど…それでも慕ってくれているお前の事は大事に思ってるよ」

京太郎「ただ…そうだな。お前は…少し勝ちすぎてた」

京太郎「でも…今回でわかっただろう?」

京太郎「能力なんて絶対じゃない…発揮出来ない時もあるんだって」

W「…はい」

京太郎「なら…お前は俺の期待に答えてくれてるよ」

京太郎「俺が期待してたのはお前がここで少しでも成長する事なんだから…さ」










京太郎「それに…一年に出来る事なんてたかがしれてる」

京太郎「その分をフォローする為に俺たち三年がいるんだ」

京太郎「それは…合宿前に言っただろ?」

W「はい。でも…」

京太郎「勝てなかったのがそんなに辛いか?」

W「…はい…俺…悔しいです…」

W「勝てる相手だったのに…先輩たちの顔に泥を塗って…」

W「俺…俺…」ポロポロ

京太郎「…ばーか」ピトッ

W「ひゃぅ!?」

京太郎「後輩なんてのはな。先輩の顔に泥塗るのが仕事みたいなもんなんだよ」

京太郎「俺だって先輩たちに色々迷惑掛けたり助けられたりしてきたんだ」

W「…本当ですか?」










京太郎「あぁ。勿論だよ」

W「…想像出来ないっす…」

京太郎「ま…俺も今のように最初から自信満々って訳じゃなかったんだよ」

京太郎「つか…一年でレギュラーになった時にはプレッシャーで押しつぶされそうだったしな」

京太郎「それをやえ先輩…いや、当時の先輩たちが助けてくれて…さ」

京太郎「嫌がらせとかも受けてきたけど…沢山、救ってもらえて…」

京太郎「…だから、さ。お前も気にするなよ」

京太郎「お前ならきっと…三年になった頃には俺よりすげー奴になれるさ」

京太郎「少なくとも…俺は入部当時お前ほど強くなかったからな」

W「……」








京太郎「…どうだ?少しは安心したか?」

W「あ、いや…」

W「…はい…すみません…」

京太郎「はは。何を謝ってるんだよ」

京太郎「ま、誰しも最初は完璧じゃないって事さ」

京太郎「三年…お前が皆の面倒を見る時にちゃんとできていればそれで良い」

京太郎「それが出来るようになるまでは幾らでも俺の事を頼って良いんだぞ」

京太郎「俺はお前の先輩で…んで…」

京太郎「一応、お前の師匠なんだからさ」

W「はい…」ポロポロ

京太郎「あー…ったく…ほら、早くコーラ飲めよ、炭酸抜けるぞ」

W「…飲めないっす…俺…俺…」

京太郎「はは。そっか」スッ

京太郎「んじゃ、飲めるようになるまで…側にいてやるからさ」

京太郎「ま…安心しろよ」

京太郎「αもβもお前が思っているより強いんだ」

京太郎「必ず逆転してくれる。俺は…そう信じているよ」




>>+2
00~30 失点につぐ失点
31~60 再び首位に
61~99 β怒りの大爆発
※雀力7能力10フォア5で+22されます



































>>β怒りの大爆発

β「(何時か来るかと思ってたけど…思ってたよりWが崩れるのは早かったな…)」

β「(ま…初めての団体戦って事でプレッシャーが強かったんだろう)」

β「(その分、僅差とは言えAに逆転を許してるけれど…)」

β「(これくらい…Wが立ち直るのに比べればどうって事はないな)」

β「(あいつは間違いなく次世代の柱なんだ。寧ろインターミドル前に折れてくれた事が今は有難い)」

β「(Wのフォローには須賀が行ってくれたし…きっと立ち直ってくれるはずだ)」

β「(Wはそれだけの気概を持っているし…須賀もまた人を立ち直らせるのは得意だからな)」

β「(…まぁ、ソレ以上に人をたぶらかすのが得意なんで、Wの尊敬が変な方向に行ってないか不安ではあるんだけどさ)」

β「(それは俺の問題じゃないし…刺されるのはあくまでも須賀の奴だし)」

β「(それよりも今は…)」

β「ロン。満貫だ」

β「(取られた以上の点数は…取り返してやる)」

β「(じゃないと…俺がモブA先輩たちに言ったような…格好良い先輩にはなれないからな)」











Y「…お疲れ様です」

β「あぁ。お疲れ様」

β「次はそっちだけど…どうだ?」

Y「問題ありません。体調は良好です」

β「そうか。でも…何かあったら言えよ」

β「あいつらほどベタベタしてる訳じゃないけど…俺達だって一応、師弟なんだからさ」

β「緊張してるの一言くらい…」

Y「大丈夫です」

β「はは。そっか」

β「…ま、気楽に…な」

β「大将にはモブαが控えてるんだ」

β「何時もどおりやれば問題ねぇよ」

Y「はい」


>>+2
00~30 点差を詰められた
31~60 Bを追い詰めた
61~99 Bを飛ばした
※雀力3能力10βの勝ち星5で+18されます



































>>Bを飛ばした

Y「(俺の能力はある一定条件下で他家の聴牌を遅くするもの)」

Y「(決して大きく点差を稼げるものじゃない)」

Y「(寧ろ流す事を期待して副将という位置に据えられていると言っても良い)」

Y「(それは分かる。勿論…理解出来ている)」

Y「(だけど、先輩たちはいった)」

Y「(チームとしての最善を尽くす事が大事なのだと)」

Y「(ならば…この場におけるチームとしての最善とは一体、何なのか?)」

Y「(いつも通りに打って、ただ部長へと流すだけで良いのか)」

Y「(…違う)」

Y「(…何時もの冷静な俺とは別に…それは違うと何かが言っている)」

Y「(俺が今するべきことは淡々と役割を果たす事じゃない)」

Y「(Wを一刻も早く安心させてやるべきなのだと…)」

Y「(β先輩に…少しでも強くなった姿を見せるべきなのだと…そう何かが言っている)」

Y「(それに従うべきではないと…そう分かっているはずなのに…)」

Y「(…今は…)」

Y「…ツモ」

Y「ツモ…」

Y「ツモ…」

Y「…ロンだ」

Y「(…どうしても手が回る)」

Y「(普通であれば簡単に止まるはずの…連荘が続いてしまう)」

Y「(お陰で俺の親が続き…結果…)」

B「あ…あぁぁ…」

Y「…トビ終了…だな」











W「Y!」

Y「…すまない。決着をつけるのが遅くなった」

W「何を言ってるんだ!最高に格好良かったじゃねぇか!」

Y「…格好…良かった?」

W「あぁ!連荘続けてあがり続け…!くぅぅ!最高だぜ!」

W「また差をつけられたな…!俺も頑張らないと!!」

Y「…そうか」

W「ん?」

Y「…お前はやはりそういう脳天気な顔の方が良い」

W「だろ!…って脳天気てお前どういう事だよ」

Y「そのままの意味だ」

W「この!最後決着つけたからって良い気になりやがってー!!」

α「…終わったか」

β「あぁ。どうやら…ふたりとも初戦は乗り越えてくれたみたいだな」

京太郎「まずは一安心ってところかな」

β「そうだな…」









京太郎「このチームなら…いけそうだな」

β「ん?」

京太郎「優勝…出来そうだなって…さ」

α「あぁ…そうだな」

β「…あぁ。きっといけるさ」

京太郎「(…今なら分かる)」

京太郎「(俺に足りていなかったのは…チームへの信頼なんだ)」

京太郎「(自分だけがなんとかするんじゃない)」

京太郎「(例え自分がダメでもチームととして勝てる)」

京太郎「(そう思えるような絶対的信頼を持つ事が…最後の壁だったんだ)」

京太郎「(それは二年の頃…どうしても最後まで持てなかったけれど…でも…)」

W「師匠!早速稽古つけてください!!こいつをギャフンを言わせないと!!」

Y「…β先輩、ご教授お願いします」

京太郎「はは…そうだな」

β「仕方ない。それじゃ…個人練習前に少しやってやるか」

京太郎「(新しい後輩たち)」

京太郎「(この二人がいれば…きっと俺たちは優勝出来る)」

京太郎「(今なら…そう信じられるから…だから…)」

京太郎「(見てて下さい、モブ1先輩たち)」

京太郎「(今年こそ俺達が…本当の阿太峯を…率いてみせますから)」


















【System】
須賀京太郎はスキル【フォア・ザ・チーム】を手に入れました
このスキルは団体戦の際、コンマに+10するスキルです
最終更新:2013年11月02日 16:50