【小学4年生 ―― 11月】
京太郎「(11月にもなると大分、気温が楽になってきたな)」
京太郎「(それでもまだ長野ほどの寒さじゃないけど、そろそろ長袖も欲しい感じというか)」
穏乃「~♪」
京太郎「(…でも、こいつ未だにジャージに黒スパッツなんだよな…)」
京太郎「(ぶっちゃけ夏と殆ど服装変わってないというか…何ていうか…)」
京太郎「(一応、こいつの家に遊びに行った時に部屋見て、色々服あるのは知ってるんだけど…)」
京太郎「(…なんで何時も基本ジャージなんだろうな)」
京太郎「(幾らか寒さに慣れてる俺でも、その格好は流石に寒いぞ)」
穏乃「ん?京太郎、どうかした?」
京太郎「いや…その…お前、寒くないのか?」
穏乃「え?ううん。別に」
京太郎「そ、そうか…」
穏乃「うん。これくらい毎日走ってればへっちゃらだよ」
京太郎「俺も一応、毎朝走ってるつもりなんだけどなぁ…」
穏乃「へへ。最近は結構、一緒に会うようになったよね」
京太郎「まぁ、お前に勝つ為にはお前以上に走らないといけないし」
京太郎「ランニングコースも知っとかないとお前以上に特訓出来ねぇじゃん」
京太郎「アレだ。敵を知れば百戦危うからずとかそんな言葉もあるしな!」ドヤァ
穏乃「へー。そんな難しそうな言葉を知ってるなんて京太郎はすごいね!」
京太郎「ふふん。そうだろ」ドヤァ
穏乃「でも、それどういう意味なの?」
京太郎「まず敵を分析しないと勝てないって事だろ」
穏乃「へぇ…そうなんだぁ」
穏乃「…って、え?私、敵なの?」
京太郎「まぁ、俺からすれば倒すべき敵だな」
穏乃「えー…そんなのやだ…」
穏乃「私、友達が良いのに…」シュン
京太郎「…ばーか」ソッ
穏乃「わっ」
京太郎「…前も言ったろ。ずっと友達だって」ワシャワシャ
京太郎「敵とかそういうのはアレだ。ライバルとか目標とかって意味で…」
京太郎「別にお前の事が嫌いとかそういう意味じゃねぇよ」
穏乃「…うんっ♪」ニコー
穏乃「私ね…私…」
「お、なんだ。サル女じゃん」
穏乃「っ!」
京太郎「…あ?」
「おい、見ろよ!こいつ男と帰ってやがるぞ!」
「え?嘘だろ…ってマジだあ!」
「やっべwwwwちょーうけるんっすけどwwwwwwチョリーッスwwwwww」
穏乃「…行こ、京太郎」
京太郎「…いや、でも、お前…」
穏乃「…大丈夫。あいつらたまに絡んでくる上級生ってだけだし」
穏乃「放っとけば何時かは飽きるから…」
「逃げんなよサル女」
「男と帰るなんて何やったんだよ?さるのの癖に」
「もうキスはしたんっすかwwwww教えてくださいよwwwwサル女さんwwwwwww」
穏乃「…っ!」ギュッ
京太郎「……」
>>+2
00~30 穏乃の言うことに従った
31~60 それでも我慢出来ずに殴りかかった
61~99 とりあえず言い返す事にした
>>とりあえず言い返す事にした。
京太郎「(多分、高鴨の言う事は正しいんだろう)」
京太郎「(連中は外からはやし立てる程度でこっちに何も仕掛けてこない)」
京太郎「(普段一緒に帰ってる俺がこいつらの顔を知らないんだから、恐らく滅多に会わない連中だ)」
京太郎「(そんな奴らに何かを言って刺激するよりも放っておいた方が害は少ない)」
京太郎「(…あぁ、そうだよ。そんな事は俺にも分かってるんだ)」
京太郎「(…でも、そんなの出来るか?)」
京太郎「(目の前で…手を震わせれるくらいに悔しそうにして…)」
京太郎「(今にも泣きそうな顔になってる高鴨を見て…黙ってるなんて出来るのか?)」
京太郎「(申し訳なさそうに肩を縮めて歩く友達を見て…何もしないなんて…出来るのかよ)」
京太郎「(…出来ねぇよな…出来る訳ねぇよ)」
京太郎「(…だって…そういうもんだろ)」
京太郎「(友達って奴は…辛い時に手を貸してやるべきなんだ)」
京太郎「(少なくとも高鴨は…俺の一番つらい時に手を差し伸べてくれた)」
京太郎「(だからこそ…俺は…)」
京太郎「…サルはてめぇらの方じゃねぇか」
穏乃「き、京太郎…」
「あ?」
「…何言ってんのこいつ」
「ふwwwざwwwけwwwんwwwなwwwww」
京太郎「ふざけてねぇよ」
京太郎「だって、女囲んでサルだサルだって馬鹿みたいに同じ言葉繰り返してるんだぜ?」
京太郎「普通の人間なら恥ずかしくてそんな真似出来ねぇよ」
「…何?お前、状況分かってんの?」
「俺ら六年で上級生なんだぞ」
「しかも三人wwwwww負けるはずがないッスネwwwww」
京太郎「じゃあ、その上級生三人がからかってるだけなのはどうしてなんだよ」
京太郎「腹立つなら殴りかかって来れば良いだろ」
京太郎「それとも隣に高鴨がいるからダメなのか?」
京太郎「まさかそんな訳ないよな?」
京太郎「高鴨が女の子だから手ぇ出せないなんて…そんな事思ってる訳ないよな?」
京太郎「だって、お前らはこいつの事をサルに見えるんだろ?」
京太郎「だったら別に喧嘩すりゃ良いだけの話じゃねぇか」
京太郎「(…まぁ、もし、そうなったら高鴨連れて全力で逃げるけどさ)」
京太郎「(でも…そんな事は多分…ない。だって、こいつらは…)」
「…ッチ。…もう行こうぜ」
「あぁ…なんか白けた」
「バカはサルと仲良くやってろwwwwばーかwwwwww」
京太郎「…あぁ。一生、仲良くやってやるよ」
京太郎「お前らみたいに女相手に苛めるような格好わるい男に絶対ならねぇ」
京太郎「何より…俺は高鴨の友達だからな」
京太郎「お前らみたいに高鴨をからかう事しか出来ないしか知らない奴と違って、こいつの良い所を一杯知ってる」
京太郎「意外と真面目な所も、素直に好きだって言う所も、手が意外と柔らかい事も、頭撫でられるのが好きなことも…知ってる」
穏乃「京太郎…」
京太郎「それに…俺はお前らがこれからどうあっても…絶対、知らない事を一つ知ってる」
京太郎「高鴨の初めてのちゅーは意外と柔らかかって事をな!!!!!!!」
「は、はぁぁあああああ!?」
「な、何だそれ!?ちょ…ふ、ふざけんな!!!!」
「wwwwwwwwww……え?冗談だろ?」
京太郎「はっ!てめぇらがどれだけ高鴨の気をひこうとしても無駄なんだよ!!」
京太郎「高鴨の初めてはお前らじゃない!この俺だ!!!!」バーz_ン
「ばっ!な、何を言ってるんだ!!」
「俺らが高鴨の気を引こうとしてるなんて…っそ、そんな訳ないだろ!」
「SOA!!!SOA…!!」
京太郎「だったら、二度と高鴨にちょっかいだそうとすんじゃねぇぞ!!」
京太郎「正直、気を引きたいのが見え見え過ぎて格好悪いんだよ!!」
京太郎「上級生なら上級生らしいところ見せやがればーか!!」
「…く…こ、この…!!」
「…お前の顔…覚えたからな!!」
「お前なー!転校生がなー!高鴨の初めてをなー!!ゆ、ゆるるさーん!!!!」ダッ
京太郎「…はぁ。行ったか…」
穏乃「え…あ…あの…き、京太郎…?」
京太郎「え…あ…悪い。色々と勝手に話進めて」
穏乃「いや…そ、それは良いんだけど…でも…」
穏乃「なんで…あんな事をしたの…?」
京太郎「いや…だって……高鴨が悔しそうだったし」
穏乃「わ、私の事は良いんだよ!最近はあんまり顔も合わせなくなったし…」
穏乃「でも…今ので京太郎の顔覚えられちゃったよ…絶対…仕返しされちゃう…」ジワッ
京太郎「…え…た、高鴨…?」
穏乃「嫌だよ…私の所為でまた京太郎が怪我するなんて…絶対嫌…」ポロポロ
穏乃「だから…大丈夫って言ったのに…」
京太郎「…あー…」
京太郎「…俺は大丈夫だよ」
穏乃「そんなの…分かんないじゃん…」
京太郎「大丈夫だって。あいつらにそんな度胸があるならとっくの昔に喧嘩になってたから」
京太郎「それに三人ともそんなに足が早そうなタイプじゃなかったし、高鴨に勝つ為に特訓してる俺なら逃げられるって」
穏乃「…でも…逃げられなかったら…?」
京太郎「そん時は喧嘩だな。まぁ、あいつらくらいなら何とかなるって」
京太郎「(…多分…いや、ちょっときついかもしれないけど…い、1対1ならまだ…何とか…)」
穏乃「でも…」グスッ
京太郎「…じゃあ…一つ約束しよう」
穏乃「…え?」
京太郎「俺が…困ってる時、高鴨も助けに来てくれ」
穏乃「そ、そんなの当然だよ!だって友達だもん!」
京太郎「…だろ?」
穏乃「ぅ?」
京太郎「…俺も同じ気持ちだった。高鴨が困ってたから…友達として助けようとしたんだ」
京太郎「その所為で…高鴨を泣かせてしまったのは悪いと…そう思ってる」
京太郎「・・・ごめんな。そんなつもりじゃなかったんだ」
穏乃「あ…いや…」
京太郎「でも…俺の気持ちが分かるなら…もう泣かないで欲しい」
京太郎「俺は…高鴨を泣かせたくて…あんな事言ったんじゃないんだ」
京太郎「本当は…笑って欲しかったんだよ」
穏乃「そんなの…出来る訳ないよ…」グスッ
京太郎「そっか。…ごめんな」
穏乃「…ううん…良いの」グジグジ
穏乃「…代わりにね。約束…しよう」
京太郎「…ん?」
穏乃「さっきの約束。私…絶対、護るから」
穏乃「京太郎が困ってる時に私は絶対、助けにいってあげる」
穏乃「どんな時でも…どんな状況でも」
穏乃「だから…遠慮なく言ってね」
穏乃「私は何時だって…京太郎の友達なんだから!」ニコ
京太郎「あぁ。ありがとう…な」
【System】
高鴨穏乃の思い出が3つになりました。
高鴨穏乃の好感度が5(2+3)増えました。
高鴨穏乃の現在の好感度は12です。
最終更新:2013年09月21日 15:11