中学二年――12月ペア大会

【中学二年 ―― ペア大会】

京太郎「(さてと…そのペア大会当日になっただけれど…)」

京太郎「(上はガチプロから下は高校生くらいまで結構いるなー)」

京太郎「(ただ、流石に小学生まではいないみたいだし…もしかしたら俺が最年少かもしれない)」

京太郎「(一応、実力的にはそこそこなつもりだけれど…)」

京太郎「(プロ相手に確実に勝てるってほどじゃないからな…)」

京太郎「(やえ先輩の足を引っ張らないように頑張っていかないと…)」

やえ「…須賀」

京太郎「あっはい!」

やえ「ほら、ジュース」

京太郎「あ、ありがとうございます!」

やえ「…また緊張してるのか?」

京太郎「いやー…あははは…」

やえ「まったく…団体戦なんて何時もやってるだろう」スッ

京太郎「いや…まぁ…出来ればやえ先輩に格好良いところ見せたいなって」

やえ「…ふぇっ!?」カァァ

やえ「い、いきなり人前で何を言うんだお前は!!」









京太郎「え?」

やえ「そ、それは…勿論、私だってそう言われるのは吝かじゃないけれど…」モジモジ

やえ「こ、これから初戦が始まるって言うのに言う事じゃない!」

やえ「私の集中をかき乱してどうするつもりなんだ…っ」カァァ

京太郎「え…あ…す、すみません…」シュン

京太郎「でも、俺にとっては一番、お世話になった先輩ですし…立派になった姿を見せなければと…」

やえ「…え?」

京太郎「え?」

やえ「…あぁ…なるほど…そういう意味か…そういう意味なんだな…」ズーン

京太郎「え…あれ?やえ先輩…?」

やえ「…いや、昨日の事もあって少しは進展したと思っていた自分に腹が立つ…」

京太郎「えっと…す、すみません…」

やえ「理由も分かっていないのに謝るな馬鹿…」カァァ






やえ「よし…こうしよう」

京太郎「え?」

やえ「次の卓はプロ二人と高校生一人だ」

やえ「流石に本戦ともなればプロ達も手加減はしないだろう」

やえ「私では正直、飛ばないようにするのが精一杯かもしれない」

やえ「だけど…もし…もし…この卓で私がプラス収支で終えられたら…」

京太郎「…終えられたら?」

やえ「私と…つ…つ…つき…」カァァ

京太郎「…月?」

やえ「つきあ……て」


ピンポンパンポーン


やえ「…あぁ!もう!!」

やえ「…もし、+収支なら…須賀の事、下の名前で呼ばせてもらうからな!」

京太郎「え?」

やえ「うるさい!拒否権は認めない!!」マッカ

やえ「とにかく…い、行ってくるから!大人しく待っていろ!!」

京太郎「あ…は、はい…」


>>+2やえ(雀力8+能力補正20)28
>>+3プロ1(雀力12+能力補正24)36
>>+4プロ2(雀力12)※特殊能力持ち
>>+5女子高生A(雀力7)7






























>>やえ 37
>>プロ1 46
>>プロ2 108
>>女子高生A 31


やえ「(くっ…やはりプロは一筋縄ではいかないな…)」

やえ「(こっちが聴牌するよりも先に…プロ2が聴牌濃厚…)」

やえ「(しかも、避けようにも現物がない…)」

やえ「(半荘しかないだけに出来るだけ責めて行きたいが…まだ判断材料が少なすぎる…)」

やえ「(やっぱり…ここは…出来るだけ降りるしか無いな…)」

A「え、えっとぉ…」スッ

プロ2「それロンだ。悪いな」

A「はぅぅ!?」

やえ「(あ…危なかった…)」

やえ「(あの牌…ツモ次第だけど次できろうと思ってた…)」

やえ「(Aが先に出してくれて助かったな…)」


>>+2やえ(雀力8+能力補正20)28
>>+3プロ1(雀力12+能力補正24)36
>>+4プロ2(雀力12)12※特殊能力持ち
>>+5女子高生A(雀力7)7































>>やえ 88
>>プロ1 90
>>プロ2 57
>>女子高生A 107  → プロ2の能力発動(-60) → 47


プロ2「(さて…どうやら嬢ちゃんが聴牌してるみたいだけど…)」

プロ2「(ここで嬢ちゃんに和了ってもらう訳にはいかないんだよな)」

プロ2「(悪いけど…あんたのチームは実力が一段落ちてるんだ)」

プロ2「(後半戦になるとあのインターミドルチャンプも出てくる事だし…長期戦は考えたくない)」

プロ2「(後半戦で出来るだけ早く終わらせる為にもあんたの点棒は削っておきたいんだ)」

プロ2「(だから…悪く思うなよ…これも…プロとしての仕事の一環なんでな…)」ゴッ

女子高生「(あれ…いきなり手が遅く…さっきまで満貫狙えそうだったのに…)」トン

プロ1「ロン」

女子高生「はぅぅ…」

やえ「(…くっ…)」

やえ「(何も…出来ない…何もさせて貰えなかった…)」










やえ「…すまない」

京太郎「何を謝ってるんですか。十分ですよ」

やえ「だけど…私…三位で…」

やえ「殆ど和了れなくて…」

京太郎「プロが二人いるのに振り込まなかっただけでも上出来ですって」

京太郎「それにぎりぎりでしたけど…+収支だったじゃないですか」

やえ「…え…あ…本当だ…」

京太郎「…もしかして忘れてたんですか?」

やえ「ぅ…その…対局中は頭が一杯でな…」

京太郎「はは。やえ先輩らしいです」

やえ「ぅー…」カァァ

京太郎「ま…大丈夫ですよ」

京太郎「これくらいの点差なら…俺が何とかしてみせますから」

京太郎「だから…安心してやえ先輩は後ろで見てて下さい」

やえ「…うん。頼んだぞ、須賀」

京太郎「…違いますよ。下の名前で呼んでくれるんでしょう?」

やえ「あ…っ」パァ

やえ「き…京太郎君…」

京太郎「はい」

やえ「後…お願い…ね」

京太郎「…おまかせください」


>>+2京太郎(雀力9+能力補正19+土壇場5) 33
>>+3プロ1(雀力12-能力補正(京太郎)19)-7
>>+4プロ2(雀力15-能力補正(京太郎)19)-4
>>+5女子高生A(雀力7)※特殊能力持ち





































>>京太郎 107
>>プロ1 63 → 特殊能力発動(-30) →33
>>プロ2 24 → 特殊能力発動
>>女子高生A 41 → 特殊能力発動(-40) → 1

※プロ1の特殊能力
 相手からの-補正を受けている場合、それを+へと変換する
 ただし、+に出来る範囲は自身の雀力の1/4まで

※プロ2の特殊能力
 判定コンマで自身が最下位か3位の場合、発動した特殊能力を全て-へと変換する

※女子高生Aの特殊能力
 前半戦で和了れなかった分だけ自身に+10の補正をかける
 最下位だった場合、さらに補正コンマを二倍にする

京太郎「(さて…予選とは違ってやっぱりかなりガチだな)」

京太郎「(プロ1も2も怖いし…さらに女子高生Aも油断出来ない)」

京太郎「(全員何かしらの特殊な能力を持っているのが伝わってくるからな…)」

京太郎「(だが…お互いがお互いを牽制して能力が上手くかみ合っていないらしい)」

京太郎「(なら…その合間を縫うのはそれほど難しい事じゃない)」

京太郎「(俺は玄や宥さんとだって何度も打っているんだ)」

京太郎「(その時のあれ具合に比べればこれくらい…)」

京太郎「ツモ。満貫だ」

>>+2京太郎(雀力9+能力補正19+土壇場5) 33
>>+3プロ1(雀力12-能力補正(京太郎)19)-7
>>+4プロ2(雀力15-能力補正(京太郎)19)-4
>>+5女子高生A(雀力7)7※特殊能力持ち


































>>京太郎 68
>>プロ1 63 → 特殊能力発動(-30) → 33
>>プロ2 8 → 特殊能力発動
>>女子高生A 63 → 特殊能力発動((-40) → 23

京太郎「(…なんだろうな…この感覚)」

京太郎「(普通に打てているし…勝てている)」

京太郎「(勿論、それは嬉しいし…有難い)」

京太郎「(だけど…だけど…こんな…ものなのか?)」

京太郎「(アンタ達は…プロなんだろう?)」

京太郎「(有数ってほどじゃないけど…それでも麻雀で金を稼いでいる人たちなんだろう?)」

京太郎「(それなのに…こんなレベル…なのか?)」

京太郎「(本戦ともなれば手加減しているなんて事もないだろうに…)」

京太郎「(これだったら江藤の方がよっぽど強かった)」

京太郎「(あいつと打ってた時の方が…よっぽど辛かった)」

京太郎「(なのに…なのに…プロがこんなレベルじゃ…俺は…)」

京太郎「(…いや、今…それを考えるのは…意味ない)」

京太郎「(それよりも…やえ先輩の分まで…俺は背負っているんだ)」

京太郎「(折角プロ相手に食らいついてくれたやえ先輩の為にも…ここは…)」

京太郎「ツモ。2000・3900」










やえ「京太郎君…お疲れ様」

京太郎「あ…やえ先輩」

やえ「…どうかしたのか?少し…疲れているように見えるが」

京太郎「いえ…大丈夫です」

京太郎「それより…疲れているように見えましたか?」

やえ「あぁ。疲れているというか…失望してるように見えた」

京太郎「そう…ですか」

やえ「…何かあったのか?」

京太郎「いえ…その…大した事ではないんですが…」

やえ「ん?」

京太郎「少し…目標を見失ってしまって」

やえ「…目標?」

京太郎「…はい」





京太郎「俺…プロは凄い相手だと思っていました」

京太郎「皆、小鍛治プロのように絶望的で…まだまだその差は開いてるんだって」

京太郎「でも、こうしてアマチュアの大会とは言え、プロと打って…勝てている自分がいて…」

京太郎「ただでさえ…俺自身…行き詰まりを感じているのに…俺…」

やえ「…京太郎?」

京太郎「俺…さっき…初めて…麻雀をつまらないと思いました」

やえ「え?」

京太郎「俺の知ってるはずの麻雀は…すげー楽しくて…辛いけど面白かったはずなのに…」

京太郎「俺…さっき…わかったんです…」

京太郎「…俺はコレ以上強くなれないって…ここが行き止まりなんだって…」

京太郎「コレ以上やっても強くなれなくて…それなのに…プロと戦えてしまって…」

京太郎「でも…小鍛治プロのような化物には敵わなくて…」

京太郎「俺…どうしたら…良いんでしょう…」

京太郎「俺…これから何を目指して…麻雀をやっていけば良いんでしょうか…」







やえ「…そう…だな」

やえ「…私には…すまない。お前の気持ちは分からない」

やえ「私はもうお前に勝てるほど…強くはないからな」

やえ「さっきの対局だってプロ相手という事もあって一杯一杯だった」

やえ「いや…さっきだけじゃなく…殆どそうだ」

やえ「私は殆ど勝つ事で頭がいっぱいで…そんな悩みは持ったことがないし…考えた事もない」

京太郎「…すみません」

やえ「いや…良い」

やえ「だけど…一つだけ言える事がある」

京太郎「言える…事?」

やえ「…あぁ。お前の世界は狭いって事だ」

京太郎「…狭い?」

やえ「世界にはまだまだ多くのプロがいるし…アマでも恐ろしいほど強い相手がいる」

やえ「ましてやお前には江藤って言うライバルがいるんだろう」

京太郎「…はい」

やえ「だったら、お前がここで立ち止まるのは彼に対しても失礼な話じゃないのか?」

やえ「リベンジすると…そう誓われたんだろう」

やえ「だったら…お前がするべき事は一つだ」

やえ「彼の期待に応えられるように…無駄でも切磋琢磨し続ける事」

やえ「例え彼に失望されたとしても、やれるだけの事はやったんだとそういえるように努力する事じゃないのか?」

京太郎「…」









やえ「それでも…お前が立ち止まってしまうと言うのならば…」

やえ「…私がお前を倒してやる」

京太郎「え?」

やえ「私は凡人だ。お前のようにプロと五角以上に戦える才能も能力もない」

やえ「だが…お前が麻雀をつまらないというのであれば…頑張っても無駄だと言うのであれば…」

やえ「私がそんな事はないと証明してやる」

やえ「努力は才能でも何でも…超えられるのだと」

やえ「お前のように麻雀を詰まらないという奴くらいは倒せるんだとそう証明してやる」

京太郎「…やえ先輩…」

やえ「だから…顔をあげろ。須賀京太郎」

やえ「お前には私がいる。どんな事になっても…私がお前を停滞と退屈から引きずり上げてやる」










京太郎「…すみません、俺…」

やえ「気にするな。初めて壁にぶち当たって不安になる気持ちも分かるさ」

やえ「(…まぁ、その壁があまりにも遠かった訳だけれどな)」

やえ「(そもそも…ここまで初心者のような気持ちで来れた方が異常なんだ)」

やえ「(一体…京太郎の伸び代が…『本人が意識していない伸び代が』どれだけあるのか…私には想像もつかない)」

やえ「(…だけど…それでも…)」

やえ「(私はこいつの事を放ってはおけない)」

やえ「(こんな風に…悲しそうな顔をするこいつを…放っておけるはずがないんだ)」

やえ「(多分…この道は辛く険しいものなんだろう)」

やえ「(だけど…それでも…こうして大口を叩いた以上…へこたれる訳にはいかない)」

やえ「(何時か京太郎に勝てるように…私も腕を磨かなければ…な)」

やえ「(…うん、あの蛇はちょっとこわいけど…それくらい京太郎君の為なら我慢出来るもん…)」













【System】
小走やえの思い出が10になりました
小走やえの好感度が12あがりました
現在の小走やえの好感度は73です



須賀京太郎の雀力が1あがり、カンストしました。
コレ以降、部活の選択肢をとっても無意味となります
代わりに仲間の雀力をあげる事が出来るようです
ペア大会は三回戦で対戦相手が飛ばされ、三位落ちで敗退しました
























須賀京太郎は…のようです
最終更新:2013年10月20日 18:22