中学二年――7月EX

【中学二年 ―― 7月EX】

京太郎「(ふぅ…まさか機関の正体があんなに強大な組織だったなんて…)」

京太郎「(幾らこの俺でも分からなかったぜ…)」

京太郎「(まさか世界の大多数は既に機関によって支配され、首相たちも傀儡でしかないなんてな…)」

京太郎「(これは大きな大事件だ…まさかこんな事実をモブβが一人で抱え込み…そして一人孤独に戦っていただなんて…


京太郎「(真実を知った俺達が何とかしないと…!)」

京太郎「(…ま、そんな妄想の話はともかく、今日から合宿だな)」

京太郎「(監督が言うには今回もサプライズゲストがあるみたいだけど…まぁ、きっとろくでもないんだろうな)」

京太郎「(少なくとも去年の小鍛治プロに何人か再起不能にされかけたし…)」

京太郎「(きっと監督の事だから去年に負けず劣らずやばい相手を連れてくるはずだ…)」

京太郎「(今からでも内心びくついているけど…でも…)」

京太郎「(仮にもエースである俺が逃げてちゃ様にならないよな)」

京太郎「(どんな化物が来るのかは分からないけど…でも…)」

京太郎「(エースとして恥じない打ち方をしないと)」












【合宿場】

京太郎「はー…ん…」ノビー

モブα「ぐっ…身体中に金縛りの悪魔が…これが機関の攻撃か…!」

モブβ「だ、だからそれは人前で軽々しく言う事じゃないって…!」カァ

京太郎「はは。でも、やっぱりバスの長距離移動ってのはどうしても疲れが残るよな」

モブα「そういう同志ゼロはまったく疲労が見えていない訳だが…」

京太郎「ま、俺は一年から合宿漬けな訳だし…ある程度、慣れたよ」

モブβ「慣れるものなのか…」

京太郎「あぁ。ま…流石に一週間ずっとバスで移動とかになった時には色々とやばかったけどな」

モブβ「それ最早、エコノミー症候群になるレベルじゃねぇか…」

モブα「監督ってかなり無茶な予定立てるからなー…やはりかの女も混沌魔王が放った悪魔が憑いているのでは…」

郁乃「ん?私が悪魔って?」ニョキ

モブα「う、うわあああああ!?」ビックウ









京太郎「あ、監督。女子の方は合流出来たんですか?」

郁乃「あれ~?京太郎君だけ驚いてくれへんの~?」

京太郎「監督の神出鬼没さにはもう慣れました」ハァ

京太郎「…それより憧は…」

郁乃「大丈夫やで~。レギュラーの子とはちゃんと仲良ぉ出来とるみたい~」

京太郎「…そうですか。良かった」

郁乃「そんなに心配ならうちに着いて来ればええのに~」

京太郎「んな事出来る訳ないでしょうに。俺は男ですよ」

郁乃「え~?でも、お化粧してかつらかぶったらちゃんと女の子にみえるで~」

京太郎「そもそも仮定がおかしいですってば…」

郁乃「じゃあ、試してみる?」

京太郎「誰もそんな事言ってないですからね!!!?」









郁乃「ちぇ~…面白そうやったのに~」

京太郎「はいはい。そういうのはモブβで遊んで下さい」

モブβ「ちょ…なんで俺に飛び火させるんだよ!?」

郁乃「ん~…モブβ君はちょっとこう…イメージとちゃうなぁ…」

モブβ「なんで俺、ダメ出しされてるの!?」

モブα「ま、気にすんなよ。そういう時もあるって」

モブβ「そしてなんでお前はこういう時だけ真顔に戻るんだよ!!!」

郁乃「で、モブβ君、それより話元に戻してええ~?」

モブβ「えぇ!どうぞ!是非とも話を元に戻して下さいよ!!」ナミダメ

京太郎「で…話とは?」

郁乃「あ、女子の方も合流したし、そろそろサプライズゲストの人と顔合わせしようかな~って」

京太郎「あぁ、そうですね。こっちもまだ移動だけでそんなに疲れてないですし」

モブα「それはお前だけだっての…」

郁乃「そっかそっか。じゃあ、こっちやで~」









京太郎「(しかし…結局、顔見せまで隠し続けるなんてな…)」

京太郎「(一体…どんな人なんだろう?)」

京太郎「(監督は俺にも縁があるような人みたいな言い方してたけど…)」

京太郎「(でも、俺が縁のあるゲストになるような人なんて…殆ど居ない気がするんだけど…)」

京太郎「(やっぱり去年と同じく…小鍛治プロか?)」

京太郎「(それは…なんつーか…嫌だなぁ…)」

京太郎「(いや、別に小鍛治プロそのものはしっかりしてて良い人なんだけどさ)」

京太郎「(ただ…あの人と打つと潰れそうになるっていうか…)」

京太郎「(まだ完璧にトラウマを克服出来た訳じゃないし…)」

京太郎「(…そもそもやえ先輩なしであの人と戦いたくない)」

京太郎「(だから…頼む…小鍛治プロは…小鍛治プロだけは…)

京太郎「って…あれ?」





晴絵「」ヒョコ

「え…おい、アレ…まさか…」

「まさか…いや…え…?マジ…?」

郁乃「はいはーい。静かに~」

郁乃「じゃあ、紹介するで~」

郁乃「今回の合宿のサプライズゲストは、赤土晴絵プロや~」ドヤァ

晴絵「やぁ、どもども~」

京太郎「…え?」

「ほ、本物だ!本物の阿知賀のレジェンドだ!!」

「福岡の実業団で活躍してるんじゃねぇのかよ!!」

「やっべ!サイン!サイン貰わないと!!」

「あ、握手!握手してください!!」

京太郎「………ぇ?」








京太郎「…なぁ、憧」

憧「…うん?」

京太郎「…俺の目の前にレジェンドが見えるんだけど…これって夢か?」

憧「…大丈夫よ。あたしも見えてるから」

京太郎「そっか…そうなのかぁ…」

憧「うん…残念だけど…そうなのよね」

京太郎「じゃあ、やけにレジェンドが人気なのも俺の気のせいじゃないんだな…」

憧「まぁ、うちは阿知賀にも近い地域だしね」

憧「特にリアルタイムで麻雀見てた世代も多いし…」

憧「ある意味、去年の小鍛治プロよりかは知名度高いんじゃないかしら」

京太郎「そっかー…」





晴絵「あ、二人とも。やっほ」

京太郎「…やっほじゃねぇよ…お前、仕事は!?」

晴絵「抜け出して来ちゃった」テヘペロ

京太郎「はぁ!?」

晴絵「あ、大丈夫。お休みもらったってだけだから」

京太郎「お休みってお前…」

憧「…大丈夫なの?本当は首になったりしてない?」

京太郎「もしかして虐められてるのか!?」

憧「辛かったら阿知賀に戻ってきて良いんだよ…!」

晴絵「あんたら私の事なんだと思ってるのよ…」

晴絵「一応、実業団になって有給くらいはあるし、オフだってあるんだから」

晴絵「そんなに無理したりしてないから大丈夫」ポンポン






京太郎「…つか、そんな貴重なオフの日に何でここまで来てるんだよ…」

晴絵「そりゃ…まぁ、可愛い教え子たちの成長を確かめる為?」

京太郎「そんなもんインターミドルみてれば分かるだろ」

京太郎「俺も憧もチーム戦だけど出場決まったんだし…」

晴絵「うん。それはそうなんだけど…ちゃんと顔を合わせて話したかったのと…ついでに」

晴絵「二人がさらに強くなるアドバイスを…ね」

京太郎「え?」

憧「ん?」





郁乃「じゃあ、赤土さん約束どおりに~」

晴絵「…はい。じゃあ一時間ほどこの二人借りますね」

京太郎「え?いや…レジェンド?」

晴絵「ん?」

京太郎「強くなるって…どういう事だよ」

憧「そ、そうよ。確かに強くなれるなら嬉しいけど…でも…」

京太郎「今更アドバイスだけでどうにかなるレベルじゃないだろ」

晴絵「…そうだね。ふたりとも同年代に比べると大分強くなったし」

晴絵「特に京太郎はインターミドル出場もあって成長著しいから」

晴絵「一つのアドバイスだけじゃ…どうにもならないんだと思う」

晴絵「…でもね」

晴絵「そんな二人だからこそ…私が伝えられるものもあるんだよ」

京太郎「…伝えられる…もの?」

晴絵「そう。ま…何はともあれ…一局やりましょ」

晴絵「百聞は一見にしかず…何事も一回見れば…分かるでしょ」



>>+2京太郎(雀力7+能力補正15)+22
>>+3憧(雀力6+能力補正10-能力補正(京太郎)15)+1
>>+4晴絵(雀力15-能力補正(京太郎)15)0































>>京太郎115 → 赤土晴絵の能力発動 →71
>>憧25 →赤土晴絵の能力発動 → 23
>>晴絵4

京太郎「(…なんだ…これは…)」

憧「(ハルエの打ち方そのものは…私達に似てる)」

京太郎「(鳴きをメインに組み立てて、速攻を仕掛けてくるのが主なスタイルだ)」

憧「(だけど…これは…何?)」

京太郎「(…レジェンドがツモ進める度に…俺達のツモが悪くなる)」

憧「(まるで鳴く度に運を吸い取られていくみたい…)」

京太郎「(ひたすら…裏目っていくこの感覚は…気味が悪いな)」

京太郎「(小鍛治プロ相手みたいに…和了れない訳じゃない)」

京太郎「(だけど…まるで俺たちの手までレジェンドに作られているような…妙な居心地の悪さがあって…)」

京太郎「…ツモ。1000・2000」

京太郎「(…これだって本当は満貫以上狙えたはずなのに…いつの間にかこんな安手に…)」

京太郎「(一体…どうなっているんだ…?)」


>>+2京太郎(雀力7+能力補正15)+22
>>+3憧(雀力6+能力補正10-能力補正(京太郎)15)+1
>>+4晴絵(雀力15-能力補正(京太郎)15)0































>>京太郎83 → 赤土晴絵の能力発動 39
>>憧69 → 赤土晴絵の能力発動 67
>>晴絵78

京太郎「(…ダメだ。今回は…さっきよりも遅い…!)」

京太郎「(まるで縛られているみたいに…手が進まない…!)」

京太郎「(ちゃんと鳴けているはずなのに…俺の想定してる和了役からどんどん遠ざかって…)」

京太郎「(近道だったはずの道が塞がれて…遠ざかっていていく…!)」

京太郎「(…なんだなんだ…この薄気味悪さは…)」

京太郎「(まるで…蟻地獄に囚われているようなこの感覚は…)」

晴絵「…ロン。5200だね」

京太郎「あ…っ」






晴絵「どうだった?」

京太郎「…すっげー気持ち悪かった」

憧「…うん。京太郎とはまた違った意味で好きに打たせてもらえなかった感じ」

京太郎「あれって…レジェンドの所為か?」

晴絵「うんうん。それを感じ取れたら一人前だね」

晴絵「アレこそ私が編み出した48の技の一つ…!晴絵スペシャルだよ!!」ドヤァ

京太郎「晴絵スペシャル?」

晴絵「うん。他にも晴絵バスターとか晴絵マッスルとか色々あるよ!」

憧「よく分からないけど、ハルエが適当なのは分かった…」

晴絵「えー…?スペシャルって格好よくない?」

京太郎「いや、格好よくはないと思うぞ…」

晴絵「うぬぅ…これがジェネレーションギャップか」

憧「って言うかハルエのネーミングセンスがないだけでしょ」ズバァ

晴絵「ぐふっ…」









京太郎「で…アレはなんなんだ?」

晴絵「うぅ…弟子たちが苛めるよぅ…良いんだ…私なんて所詮、影でレジェンゴ呼ばわりされるのがお似合いなんだ」イジイジ

晴絵「あーぁ…灼ならこんな時一杯、褒めてくれたのにな…素直じゃない生徒ばっかりで私寂しいな」チラッ

京太郎「…うぜぇ…」

憧「ハルエ、流石にそれは格好悪いよ」

晴絵「う…だ、だってだって!久しぶりに会って格好良い所見せたのにふたりとも対応がセメントだし…」

憧「…はいはい。ハルエは凄かったよ」

京太郎「ま…結局、一位になられたしな。実力の差は認めるしかないよ」

晴絵「ふふん!もっと私を褒めると良いよ!」ドヤァ

京太郎「きゃーはるちゃんさいこー」ボウヨミ

憧「はるちゃんすてきー」ボウヨミ

晴絵「ふふふーん」ドヤヤァ








晴絵「うん。じゃあ、気分も良くなったしそろそろ本題に入ろうか」

京太郎「やっとか…」

晴絵「アレは早い話、流れを断ち切る事に特化した打ち方だね」

京太郎「流れ…ねぇ…」

晴絵「あ、その顔は信じてないな」

京太郎「そりゃまぁ…な。流れなんてそんな非科学的な…」

晴絵「オカルト持ちのアンタが言うんじゃないの」ペシッ

京太郎「いて…っ!まぁ、そうかもしれないけど…」

晴絵「それにそういうのを味方につける雀士っていうのは本当に質が悪いんだよ」

晴絵「それはインターミドルで不動峰のエースと戦った京太郎には分かるでしょ?」

京太郎「まぁ…そうだけど…」

晴絵「それに…今の京太郎にはこの打ち方は必要じゃない?」

京太郎「っ…!」





晴絵「…青山の江藤って子に勝たなきゃいけないんでしょ?」

京太郎「…あぁ」

晴絵「だったらこの打ち方は覚えておいて損はないよ」

晴絵「私もあの子は未知数だけど…だからこそ対応出来る札は増やしておいた方が良い」

晴絵「それにこれは京太郎の今の打ち方に+αするものだから…」

晴絵「すぐとは言わなくても慣れる事は難しくないはずだよ」

京太郎「そう…か?」

晴絵「そうそう。憧も…何となく分かるでしょ?」

憧「…うん。起点となってるのは鳴き…だよね」

憧「だからこそ、それを多用するあたしと京太郎を呼んだんだね」

晴絵「そう。阿知賀のレジェンドの持つ門外不出の技術の一つだよ」

晴絵「今日はこれを二人に覚えていって貰う」

京太郎「って今日だけかよ!?」

晴絵「そうだよ。だって、私も一応、プロだし…あんまり時間ないしね」

晴絵「それに一応、講師として来てる以上、二人にばかり構ってはいられないし…」

晴絵「だから…ここからはスパルタで行くよ!」

晴絵「二人も私の生徒なら…全力でついてきなさい!!」



>>+2
00~30 無理でしたのー
31~60 基礎は覚えた
61~99 習得できた
ゾロ目:完全習得
※雀力やその他スキルは効きません





































>>基礎は覚えた

京太郎「ぐふっ…」

憧「あぁ!京太郎…!」

晴絵「あちゃー…やっぱり感覚で打つ京太郎には難しかったかー…」

京太郎「あはは…星がキラキラしてる…あれは流星かな?違うよな…流星はもっとばぁーと」

憧「し、しっかりして京太郎!あ、あたしすぐにお水汲んでくるから」ダッ

晴絵「あらあら…ホント、健気なんだから」

京太郎「あはは…うふふ…ふふ…」

晴絵「…ふぅ。ほら、いい加減、正気に戻りなさい」ペシッ

京太郎「あいたっ!!ってハッ!?」

晴絵「戻ってきた」

京太郎「…あぁ。なんか狭苦しい場所に閉じ込められてた感じがしたけど…」

晴絵「ま…戻ってこれたようで何よりよ」クスッ

晴絵「まぁ憧も行っちゃったし…ちょっと休憩しよっか」

京太郎「…ん。そうだな…」





京太郎「……」

晴絵「……」

京太郎「(つっても会話なんてそう続くもんじゃねぇんだけどな)」

京太郎「(さっきまではあんなに明るかったのに、今は口を閉ざして…)」

京太郎「(まぁ、オーバーヒートした俺の事を気遣ってくれているだけなのかもしれないけどさ)」

京太郎「(でも…何となくそれだけじゃないと思うのはレジェンドの顔がうかない所為か…)」

京太郎「(まるで何か思いつめたような…後悔しているようなレジェンドに…俺は…)」


>>+2
00~50 レジェンド、何かあったのか?
51~99 なぁ、戻ってきたのは本当にそれだけなのか
※男気により+8されます



































>>なぁ、戻ってきたのは本当にそれだけなのか

京太郎「なぁ、戻ってきたのは本当にそれだけなのか?」

晴絵「えっ…ど、どうして?」

京太郎「俺達の指導の為…ってのは分かるよ」

京太郎「分かるし…すげー有難い」

京太郎「でも…それだけの為に…わざわざ合宿にかこつけて来るか?」

京太郎「俺達に指導したいだけなら普通に会いに来れば良いだけの話だろ」

京太郎「それなのに…どうして合宿なんだ?」

京太郎「何か…理由があったんじゃないのか?」

晴絵「……」







京太郎「…今なら憧もいないしさ、俺で良ければ…聞いてやるよ」

晴絵「でも…」

京太郎「格好悪いとかだったら気にするなよ。そもそも俺はレジェンドの泣き顔だって見てるんだ」

京太郎「今更、泣き言の一つや二つ聞いたくらいで幻滅なんてしねぇって」

晴絵「…ふふっ」

京太郎「…ん?」

晴絵「ちょっと見ない間に…またフォローの仕方が上手になっちゃって」

京太郎「そりゃレジェンドより大人だからな」

晴絵「え?それどういう意味?」

京太郎「少なくとも精神年齢では勝ってる自身がある」

晴絵「えー…生意気」

京太郎「悔しかったらもうちょっと歳相応の落ち着きとか色気を身につけてみろよ」

晴絵「ぬぅ…」







晴絵「…私…ね」

京太郎「うん」

晴絵「…麻雀…凄く楽しい」

晴絵「実業団に行けて…沢山の人と打てて…毎日、充実してるよ」

京太郎「…おう」

晴絵「でも…でも…ね」

晴絵「やっぱり…たまに思うの」

晴絵「もし、予定通り阿知賀で就職してたら…どうなってたのかなって」

晴絵「皆に麻雀をちゃんと教えられていれば…どうなっていたんだろうなって…」

晴絵「京太郎の活躍を見る度に…どうしてもそう思うの」

京太郎「…俺の?」

晴絵「…うん。京太郎はどんどん強くなっていってる」

晴絵「同性の同年代相手ならほぼ敵なしってくらいに」

晴絵「でも…私だったらそんな風に育ててあげられただろうかって…」

晴絵「私だったら京太郎をどんな風に育てただろうって…そんな風に思って…」











晴絵「…ごめんね」

京太郎「ん?」

晴絵「私、京太郎に背中押されたのに…まだこんな風に悩んで…」

晴絵「ウジウジして…情けなくて…」

晴絵「赤坂さんに申し出たのも…実は私の方なの」

晴絵「もしかしたら…私が居た日常を見れるかもしれないから」

晴絵「あのまま阿知賀に居た頃の世界を見れるかもしれないから…」

晴絵「…だから…私…」

京太郎「……」


>>+2
00~50 そんなの誰だって同じだろ
51~99 俺だって…そうだ

































>>俺だって…そうだ

京太郎「俺だって…そうだ」

晴絵「え?」

京太郎「俺だって…阿知賀に進学していたらって…よく考えるよ」

京太郎「憧じゃなくて…しずと一緒に阿知賀に通って…鷺森にからかわれて…玄がまた馬鹿な事やって…」

京太郎「宥さんがフォローして…和が呆れて…そんな日常を…想像した事くらいある」

晴絵「…嘘」

京太郎「嘘じゃねぇよ。つか…レジェンドは俺をなんだと思ってるんだ」

京太郎「…俺はまだまだ弱っちい…背伸びしたがりなガキのまんまだよ」

京太郎「選ばなかった先の事をまったく考えないくらい…自分の選択に責任取れる奴じゃない」







京太郎「だから…さ。俺はレジェンドの気持ち…分かるよ」

京太郎「自分が選んだのとは違う先を垣間見れるのなら…そりゃ…どうしても気になるよな」

京太郎「俺でもきっと…同じように監督に頼み込んでいたと思う」

晴絵「…」

京太郎「だから、そんな風に気にすんなよ」

京太郎「誰だって人に背中押されただけで迷い全部吹っ切れる訳じゃないんだ」

京太郎「やってる内に迷ったり後悔したりするのが普通だろ」

京太郎「それを情けないなんて言う奴はきっと真剣に何かをやった事がない奴だ」

京太郎「自分の大事なものを天秤に掛けるくらい…何かに打ち込んだ事のない奴だ」

京太郎「だから…そんな奴の事気にするなよ」

京太郎「レジェンドは…立派にやってるよ」

京太郎「プロとしても社会人としても…んで…俺たちの師匠としてもさ」





晴絵「…はぁ」

京太郎「ん?」

晴絵「なんていうか…もう…敵わないなぁ…」

京太郎「何がだよ」

晴絵「…いや、なんで京太郎って私の欲しい言葉をくれるのかなって…」

京太郎「そんなもんレジェンドが分かりやすいからに決まってるだろ」ズバァ

晴絵「う…ひ、酷い…」

京太郎「…ま、強いて言うなら…俺もレジェンドの教え子だからな」

京太郎「鷺森や憧ほどじゃねーけど…付き合いも長いし」

京太郎「何が欲しいかくらいは分かるよ」

晴絵「…そっか」





晴絵「じゃあ、これは?」ンチュー

京太郎「…なんだ?それ?」

晴絵「え?なんで分からないの!?」

京太郎「分かるか!!」

晴絵「京太郎のキスが欲しいって顔してたのに!!」

京太郎「知るかよそんなもん!!つか分かってもやるか!!」

晴絵「えー今なら熟れ熟れのプロ雀士のファースト・キスが貰えるんだよ?」

京太郎「要らねぇよ…」

晴絵「やーん♪照れなくても良いから良いから!」

京太郎「ちょ!やめ…こっち来んな馬鹿!!」

晴絵「良いではないか良いではないか~♪」

京太郎「よくねぇってこら…ば、馬鹿どこ触って…!!!」























憧「…京太郎?何やってるの?」

京太郎「え?」

晴絵「…あっ」
















【System】
須賀京太郎はスキル【反転世界(基礎)】を手に入れました
このスキルは【トップ】にかかる【+補正】をそれを【-へと反転】させるスキルです
ただし、相手の【補正後コンマ】が自身の雀力以下でなければ発動せず、また反転させる最大値は【自身の雀力/2】までです
最終更新:2013年10月14日 12:59