小学4年生――7月

【小学4年生――7月】

京太郎「(夏だ!)」

京太郎「(夏休みだ!!)」

京太郎「(でも、ぼっちだ!!!)」

京太郎「(…うん。まぁ、高鴨も新子も家の手伝いで忙しいしな…)」

京太郎「(こうして一人ぼっちになる」のは正直、予想してた)」

京太郎「(だから…まぁ、他にも友達作らないとダメなんだけどさ…)」

京太郎「(なんつーか…高鴨と新子と一緒にいるのが楽すぎて…学校ではその気になれないっていうか…)」

京太郎「(それに、高鴨たちと一緒にいるとこう…男たちから変な目で見られるんだよなぁ…)」

京太郎「(からかわれたり絡まれたりはしないけど…こう壁を感じるって言うか…)」

京太郎「(かと思うとたまに羨ましそうに俺を見る事もあるし…なんなんだろうな、アレ)」

京太郎「(ま…そんな事はどうでも良いか。それよりも問題は…今の俺が暇で暇で死にそうだって事だ)」

京太郎「(宿題?そんなもの8月に入ってからやれば余裕だろ大丈夫大丈夫いけるって)」




京太郎「(一人でゲームするのもなんか寂しいしなぁ…)」

京太郎「(やっぱりここは久しぶりに探検するべきかな)」

京太郎「(大分、阿知賀に慣れたとは行っても、それは良く行くところだけだし)」

京太郎「(まだ旅館の方とか商店街の向こうとかは行ってないんだよなぁ…)」

京太郎「(最初に高鴨に紹介されてそのままだし…行くだけ行ってみようか)」

京太郎「(さて…まずどっちから行こう…?)」



>>+2
末尾偶数:旅館の方に行ってみよう!
末尾奇数:商店街の向こうに行ってみよう!
ゾロ目:???遭遇





























>>商店街の向こうに行ってみよう!

京太郎「(よし。まずは商店街の向こうに行ってみるか!)」

京太郎「(えっと…確か阿知賀唯一のボウリング場があるんだっけ?)」

京太郎「(ボウリングなんて殆どやった事ないし、小遣いも使い果たしてるけど…)」

京太郎「(まぁ、中で涼んでるくらいなら文句は言われないだろ)」

京太郎「(よし。そうと決まればパジャマを着替えて…っと)」

京太郎「ちょっと出かけてくるわー」

京太郎母「はーい。夕飯までにはちゃんと帰ってくるのよー」

京太郎「分かってる!」




京太郎「(という訳でやって来ましたボウリング場)」

京太郎「(えっと…なんて書いてあるんだアレ…?)」

京太郎「(英語なんて読めねぇよ…)」

京太郎「(でも、なんかボウリングのピンが出てるし、ここで良いんだよな)」

京太郎「(つか…思いの外、マジで熱い…)」

京太郎「(やばい…冗談のつもりだったけどちょっとマジで涼みたいかも…)」

京太郎「(つっても…金はないし…どうしようか…)」

??「…ねぇ、君」

京太郎「えっ?」

??「うちに何か用?」




京太郎「あ…いや…その…」

京太郎「(またこのパターンか!!)」

京太郎「(いや…まぁ入り口の前でキョロキョロしてたらそりゃ不審がられるだろうけどさ!!)」

京太郎「(だからって、最初に話しかけてくるのが関係者なのはどうしてなんだよ…!!)」

??「ボウリングしたいの?」

京太郎「え…あ…お、お金…なくて」

??「…冷やかし?」ジトー

京太郎「い、いや…そ…その…」メソラシ

??「…まぁ、いっか。ほら、おいで」

京太郎「…え?」




【鷺森レーン】

京太郎「(で、あれよこれよと言う前に連れ込まれた訳なんだけど…)」

京太郎「(結構、人がいるなぁ…)」

京太郎「(大体、中高生が殆どで大人はいないけれど)」

京太郎「(まぁ、夏休みって行っても平日だし当然か)」

京太郎「(寧ろ、こんなに意外と盛り上がってるのにびっくりしたくらいだ)」

京太郎「(まぁ…この辺りじゃ遊べる場所って言ったらここか、カラオケくらいだもんなぁ…)」

京太郎「(人がそこそこ多いのも当然か)」

??「…ねぇ」

京太郎「ふぇ!?あ、い、いや、違うから!こ、今回は別に人が少ないとか馬鹿にしてないし!!」

??「何言ってるの?」クビカシゲ

京太郎「あ…ぅ…」カァ




??「クスッ」

京太郎「う…わ、笑うなよぉ…」

??「ごめん。ちょっと可愛かったから」

京太郎「かわっ!!」カァァ

??「あ、勿論、悪い意味じゃないから」

京太郎「良い意味の可愛いってなんなんだよ…」

??「そのまんまの意味だけど?」

京太郎「お、男が可愛いとかばっかじゃねぇの!!」

??「そう?可愛いものは可愛いと思うけど」

??「少なくともさっきの君は可愛かったよ」

京太郎「う…う…うぅぅ…」



京太郎「(こ、こいつ…新子とは違う…)」

京太郎「(こいつにからかってるつもりはない…本心だけを口にしてるんだ)」

京太郎「(表情の変化は少ないけど…こいつは本気で俺の事を可愛いって…そう思ってる)」

京太郎「(だからこそ…なんか…すっげぇやりにくい…)」

京太郎「(新子とはまた違う意味で…俺の苦手なタイプだ…)」

??「どうかした?」

京太郎「な、何でもねぇよ!!」

??「そう?なら良いけど」

??「後…ほら、こっち」

京太郎「え…あ…」

??「子ども用のレーン。これなら無料だから、好きなだけ遊んで良い」

京太郎「いや…子ども用って…これ…」

京太郎「(幅50cmくらいで長さも1mもない…)」

京太郎「(…ピンも5本だけでそれも空気で膨らますタイプだし…)」





京太郎「赤ん坊用の間違いじゃね?」

??「え…そう?」

??「結構、中高生にも人気だよ」

京太郎「それってネタ的な意味だと思う」

??「ネタ?」

京太郎「冗談とか悪ノリとか…そういう感じ」

??「そっか・・・そうなんだ」

??「…私、たまに遊んでたのにな…」ポソッ

京太郎「(…今のは聞かなかった事にしてやろう)」

??「でも、流石にお金なしで他のヤツをやらせてあげる訳にはいかないよ」

??「うちだって商売だし…サービスすると不公平になっちゃうから」

京太郎「いや、分かってるよ、それくらい」

京太郎「そもそも外から見てたのも涼ませて貰えないかなーって思ってただけだし」

??「…なんだ。つまり本物の冷やかしか」ジトー

京太郎「う…ま、まぁ…そんな感じ…」




??「ふーん…」

京太郎「わ、悪かったよ。でも、もう出て行くから…」

??「…待って」

京太郎「え?」

??「君は涼みたいんでしょ」

京太郎「そう…だけど…」

??「じゃあ、私も君も幸せな方法が一つある」

京太郎「え?」

??「ついでだし…ここでちょっとアルバイトでもしてみない?」

京太郎「は?」

京太郎「い、いやいやいやいやいや」

??「…どうしてそこまで嫌がるの?」

京太郎「いや、だって、おかしいだろ」

京太郎「初めて会った相手をバイトに誘うとか何考えてるんだ」

??「一応、色々考えてる」

??「最初は変だったけど、今は私相手にも物怖じしてないし」

??「ハキハキした話し方するから客受けも良さそう」

??「何より何だかんだ言って真面目そうだし、良いかなって」

京太郎「う…いや…でも…」




京太郎「そもそも…小学生使って良いのかよ」

??「私も小学生だし」

京太郎「実家の手伝いと一緒にするなって」

??「そんなに嫌?」

京太郎「嫌って言うか…まぁ…」

??「あんまり暇な訳じゃないけど、中は涼しいし…外にいるよりも快適だと思う」

??「それにちょっとくらいならお小遣いも出すし、暇してるなら手伝って欲しい」

京太郎「(こ、小遣い…)」

京太郎「(確かに…それは欲しいっ!)」

京太郎「(夏休み始まったばっかりで調子に乗って使い果たしたし…)」

京太郎「(欲しいゲームだってそろそろ出るからな…)」

京太郎「(本当に良いのか気になるけど…でも、暇してるのは事実だし…)」

京太郎「(…暇つぶしくらいには…なるかな)」

京太郎「…分かった。でも…あんまり期待すんなよ」

京太郎「俺、バイトとかした事ないんだからな」

??「大丈夫。それは見れば分かる」

京太郎「そんな奴誘うなよ…」





??「じゃあ、こっちに来て。やる事説明するから」

京太郎「了解。ま…一度乗ったんだし真面目にやるよ」

??「ん。期待してる」





京太郎の仕事ぶり

>>+2
00~30 ミスが目立った
30~60 初めてにしてはそこそこ出来た
61~99 意外な才能を発揮した






























>>ミスが目立った

京太郎「うぇあ!」

京太郎「いぇあ゛ああ」

京太郎「う゛あ゛ぁぁあいっ!!」











??「君は何処のドジっ子ヒロイン?」ジトー

京太郎「め、面目ない…」シュン





??「まぁ…良いけどね。ミスは多かったけど、真面目にやってくれてたのは知ってるし」

京太郎「本当ごめん…」

??「いいってば。小学生誘った私にも責任があるし」

??「それより…ほら」

京太郎「え?」

??「お小遣い。あげるって言ったでしょ」

京太郎「い、いや…でも、俺、ミスばっかりで…」

??「良いから。受け取っときなさい」

京太郎「…う…ありが…とう…」

??「うん。で、出来れば今度、それを使って遊びに来てくれると嬉しいな」

京太郎「…また来るよ。絶対」

??「期待してる。それじゃね」

京太郎「…あぁ。それじゃ…」













【System】
??との思い出を一つ手に入れました。
須賀京太郎はデメリットスキル【意外とドジっ子?】を手に入れました。
最終更新:2013年09月21日 14:45