122 ◆900QUquaoo


 全ての始まりを告げる宴の開演は過ぎた。
参加者は何故自分たちが殺し合いに巻き込まれたかは把握していない。
知っているのはおそらく始まりの化身であるキュゥべぇだけ。
十人十色、様々な参加者が繰り広げる殺戮劇場は始まっている――。

そう始まっている。


「何故君はワープしないんだい……首領パッチ」


「拙者……不器用ですからぁ!!残念!!」


消えていったはずの参加者が未だに残っていた。
支給もされていないはずの着物にギターを持ったオレンジの生物がそこに居た。
ギターを鳴らし片足を謎の台座に上げカツラの髪を靡かせ光を浴びる。


「これが世界のギターじゃああああああああああ松本おおおおおおおおお」


彼が鳴らすギターは神秘を帯びた生命の福音!!
何もない空間に緑が!花が!自然が!熊が!ありとあらゆる生命が生まれていく!!
鳥は歌い、花は踊り、熊は狩りをやめる――そう世界は平和への一歩を確実に歩み出す!!

「この空間に生命を発現させるとは流石ハジケリスト……でもこの空間は僕達の支配下にある」

キュゥべぇの発言と共に世界の色は再び何もない空間へと逆戻り。
豊かな自然は簡単に消えてしまった。

「すまんなパチ夫……俺ムーミン谷で寝なきゃ」

「熊……一人にしないでええええええええええええ!!!!」

悲劇の連鎖を巻き起こすバトルロワイアル――早くもその牙を見せる。


「もう十分楽しんだろ?何でこんなことやってんだよウサギイヌ」


「まったく君みたいなハジケリストは一生理解できそうにないね」


着物もギターも消えていた。そしてふざけていた空気もついでに消えていた。
殺気を全開にさせた首領パッチの周囲は緊張の空気で張り詰めている。
これに対しキュゥべぇも――いや感情のない彼は何を感じ取ったか分からない。
だが不可能を可能にするハジケリストが存在することはたしかである。
故にこの場では何が起こるか書いている本人でも把握しきれないのだ――。

「君は一体何者なんだ?」


「それは……」


言葉を溜める。
人間誰だって真実を話す時は一瞬の迷いが生まれてしまう。
本当に言っていいのか、相手は傷ついてしまうのか、自分を保てるのか。
そんな気の迷いが首領パッチを襲い長考の時が只管と流れる――訳もなくページをめくると見開きで大き叫ぶ感じに言い放つ。


「馬鹿だからわっかりませーっん!!」

手を揺らし舌と目を飛び出し驚けた顔で叫びキュゥべぇの周りをぐるぐると回る金平糖。
やがてのその速度は音速を越し誰の眼にも追えない速度へと到達――そのままキュゥべぇに殴りかかる。

パァン!

軽快な音を響かせキュゥべぇ爆散!

「ところてんみたいに破裂したーーーーーー!?」

ぐちゃぐちゃとその体を飛び散らし死と言うなの無の世界に逝くキュゥべぇ。
男首領パッチ、若き身でありながら殺人に手を染める。


「そんな……ただ駆逐したいだけなのに!やっくんに会わす顔がないわ!!」


「心配はいらないさ、僕達にはたくさんの個体があるからね」


「おかわり一丁!!」


突然現れた新たななキュゥべぇもすぐにこの世を去る。
男首領パッチ、開始早々あちら側の存在を二度殺す――流石はハジケリストと言ったところか。


「もう君に理解を求める事を諦めるよ」


「そうかウサギイヌ……でも俺は諦めない!絶対このふざけた……って体が消え始めてるー!?いい所なのに!?」


キュゥべぇは考えることを止め首領パッチを会場へ送る事にした。
そもそも何でコイツは消えていないんだ、いい加減にしろ、議論するぞ。
足から消えていくが男首領パッチ、人よりも短いため消えるのに時間は掛からない。


「やいウサギイヌ!お前みたいなインチキマスコットは流行らねえからな!流行語なんて死んでしまえ!!」


それでも歯を食いしばり叫ぶハジケリスト。
無論ただの八つ当たりであり、特に意味は、感情のまま叫んでいるだけだ。
今にでも刺が飛び出してキュゥべぇを殺さんばかりに尖っている。


「そうかい……精々楽しみにしているよキングオブハジケリスト」


こうして首領パッチは遅れて殺し合いの会場へ転送される。
残ったのは請求書だけだった――


「僕が払うのかい?」






暗い会場の何処かで愛を叫ぶ――




「やっくんがいないのおおおおおおおおおおおお!!!!」





【首領パッチ@ボボボーボ・ボーボボ】
 [状態]:健康的な肉体
 [装備]:
 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
 [思考・行動]
  基本方針:ハジケようぜ!!



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最終更新:2013年09月11日 10:39