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日常×日常=非日常  ◆900QUquaoo



 心地良い風が頬をなぞりその冷たい感覚が己の神経を尖らせる。
囁かれて揺れる衣服、ゆらりゆらりと靡く頭髪。
ここが南のリゾートならどれだけ良かっただろうか。
体で風を、自然を月が見守る今宵の空で感じるも自体は思うよりも、想像することが難儀な状況だった。
心で感じる普段の生活には似合わない特別な突発的に発動してしまった出来事。
嗚呼……これは一体何と説明するのか。

殺し合いは日々の日常にとってそれは強すぎる禁断のスパイスだった。

生き抜いていく中で必要な技術という物が存在する。
それは使役する者によって形を変えてはいるが最終的な終着点に変わりはない。
金銭を稼ぐ、学問、運動能力、会話能力、指導技術……誰しもが生き抜く上で何かしらと戦っている。
そのような生活に溺れている者達が殺し合いと言う禁忌に触れてしまったら。
適応する人間は生き抜く術を模索するが悲しい事ながら世界の理は、人の性の多くは違う。
日常では感じられない狂気に押しつぶされ多数の人間は己の保身を考え外部との接触を断つ。

一人を処分すれば己が助かるなら迷わず他人を処分する。

必死に逃げ隠れ救援が来るまで……例えその過程で他人が死すするとしても。

見ず知らずの他人とこんな状況で助け合うなど一部の人間にしか行えない。
それは恥じることではない、寧ろ本能に従ったあるべき姿である。
故に狂気は人を狂わせ、悲しい事に感動的な劇場を繰り広げる。


この劇に招かれた者は決して観客などではない。
役者として集められた惨劇に色を付ける立派な主役たちだ。
その生き様がどんなに悲惨なものだとしてもそれを笑うことなど、侮辱するなど許されない。
一人はみんなのために――そして一人は一人のために鮮やかで多彩な色を染め上げていく。


此処に一人風を感じる少女もまた劇場を染め上げる一人の役者。
少女はどうして役者に選ばれたのか、それはあの白い生物にしか……あちら側にしか分からないだろう。
多数の役者が【どうして自分が選ばれたのか】と思うのは当然だと考えるべき。
中には心当たりがある奇妙な役者も存在するだろう。
そして彼女は後者に分類される――確定ではないが心当たりは隅に存在している。
始まりの儀式の進行役を務めた生物を彼女は知っている。
忘れられない、忘れることなど、忘れたくても忘れられない。

深い絶望に一瞬の淡い希望を掴ませより深い絶望を与える悪魔の存在を。

選んだ希望の対価も知らずに契約を結び栄光の生活を手に入れた。
しかし全ての現象の調整が――絶望が塗られ栄光の輝きは一瞬の、絶望の引き立て役となった。

名を佐倉杏子――魔法少女の使命を背負う悲しき少女がこの殺し合いと言う劇場に招かれていた。

とりあえず状況を把握、出来る限りの努力をするべくバックから名簿を取り出す。
この時点でおかしい。
別におかしくは無いかもしれないが質量的にバックの中にこれらの物を詰めるのは無理な話。
まあインキューベーターが関わっているなら不思議な話ではないのだが。
自分の名前を確認し再度参加者である自覚をする。
そして適当に目についた名前を呟きながら通し見をしていく……。


「軍曹に伍長って事は軍人か?ならこいつらが働けば……名前が信用出来ないか。
そう言えばキュゥべぇが話している時に壁で遮らえていたけど隣に居たあの男は何処に……って考えても分かんないね。
ヘッポコ、ところてん、魚雷……ははっ……くだらねえ」


全てが日本語で書かれているため外国人は本名かコードネームか判断できない。
だがこいつらはきっと日本人だろう。
こんな名前存在するのだろうか?親の顔が見てみたい。
もしくはドラマなどの役名……それにしてもおかしいが。


軽くため息をつきやれやれと言った表情をするも置かれている状況に変わりはないので気分を切り替える。
知っている名前がある。
鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやか、巴マミ、上条恭介の五人。

鹿目まどか。
魔法少女にはなっていないがその素質はキュゥべぇ曰く最強の存在らしい。
暁美ほむらは彼女を異様に保護し、さやかの親友で、マミの後輩。

暁美ほむら。
全くのイレギュラーな存在な魔法少女。
……でも悪いやつではない。


美樹さやか。
こいつは本当に何なんだろうな。
自分でも分からない……ただほっとけなかっただけの話で済むのかな。
上条恭介と一緒に居られたら良かったのに――。


巴マミ。
始まりであって憧れであり目標【だった】存在。
その姿は既にこの世から消えている――。


「あたしが生きているならマミの奴も生きていてるのは不思議じゃない……って事かいキュゥべぇ?」


無論この場にインキューベーターはいない。
疑問と言う物はどうしても抑えられるものではない。
例え回答が来なくても、話し相手がいなくても口から漏れてしまう。
そして、もしかしたら、もう一度。
巴マミに出会えるかもしれない、そんな希望の光が心に差し込む。


「マミがいればもしかしたら……さやかを助けることが出来るかもしれない!」


あの時の自分がこうしてここに居るのなら。
死んだ自分が居るのなら。
さやかは魔女のままかもしれない、人の姿に戻っているかもしれない。
どちらにせよ精神状況は安定しているはずもないので理解しているあたしが助けるしか無い。
そして暁美ほむら、鹿目まどか、上条恭介、そして巴マミが揃えば今度こそ本当にさやかを助けられるかもしない。
二度目の生を授かったならばこの生命は自分の好きな様に使わせてもらう。


「あの、ちょっといいか……な?」


だからあたしはこの殺し合いに屈したりはしない。

現れたのは白い髪の杏子と同じくらいの少年である。
彼もまたこの殺し合いに呼び出された一人の存在であり勿論心当たりなど無い。
故に情報が欲しいこの状況で危険がある可能性もあるが杏子に接触してきた。
殺意が剥き出しでもないため杏子は話を聞いても大丈夫という判断を己の中で下す。


「いいけどまずは名前でも名乗ったらどうだい?」


「そうだね……えっと……へ、ヘッポコ丸って言います」


「ッッッ!!!」


(ねえ神様、二回目の人生だからってこれは違うと思うよ!)


ヘッポコ丸の名乗りを聞き素早く顔を下に隠す杏子。
危険な状況で真面目な少年が話してはいけない単語が飛び出し緊張が一瞬で途切れる。
先ほど名簿を見た時ふざけた名前だとは思ったがまさかこんな正体だったとは。
普通の少年であり顔も十分整っている――名前がアレだが。


「そっか……あたしは佐倉杏子よろしくね……っ」


続けて相手の名前を言おうとしたが寸前で止める。
やはりこの名前はおかしい、相手には申し訳ない話だが。

「あー……とりあえず」

知り合いである名前をヘッポコ丸に教え情報共有する。
悪用される可能性があるがヘッポコ丸は今のところ不審なところがないので教える。
無論悪用するような奴なら倒せばいいだけの話。

ヘッポコ丸は言われたまどか達の欄をマーカーで色を付けながら今度は自分の仲間の名前を教える。
正直自己紹介の時点で笑われるのは覚悟していたし、ビュティの時みたいに恥ずかしかった。
そしてボーボボや天の助の名前を聞いて更に体をプルプル震わせる杏子の姿が瞳に映る。


(ビュティと似てる声……それにこんな関係ない子も……許せない!)


自分たちを巻き込むのは十中八九毛狩り隊の仕業だろう。
あんな意味不明な白い生物何て正に戦ってきた相手だ、疑う余地もない。
名簿を見たら知らない名前ばかり。
関係ない人もいれば、各地で毛狩り隊と戦う戦士やハジケリストかもしれない。
ならば戦士を集い仲間たちと悪を打倒するのが今とるべき行動である。


(殺し合い……バトルロワイアル……小説の再現でもしたいのか?)

ヘッポコ丸は日々強さを求める若き戦士である。
故にその探究心はありとあらゆる戦いの歴史を欲す。
かつて読んだ書物の中に殺し合いを題材とした作品が……あったはずだが思い出せない。


「で、これからあんたはどうすんだい?」

「そうだね。あそこにある小学校に行って他の人を探そうと思う」

「たしかに人はいるかもね……危険人物だったら?」

「俺が杏子さんを守る」

「お、おう……」


真剣な眼差しでこんな言葉を言われるのは悪い気はしない。
若干顔を赤らめる杏子だが直ぐに気を持ち直し再度確認する。
(あたしはキュゥべぇをもう信用は出来ない……だったら魔法少女を信じてみるさ)
かつて夢見た愛と勇気が勝つストーリーを今からでも追いかける――。


「それと……呼びにくいかもしれないけどヘッポコ丸……
へっくんって言うアダ名はあるけど……」


「そっか、まあそれならな……あたしは杏子でいいよへっくん」


言った直後に恥ずかしくなり歩き始める杏子。
ビュティを思い出し絶対に帰る決意をしたヘッポコ丸。

決して交わることのない二人が何の因果が出会い巻き起こす劇はどんな色を映し出すのか。
それぞれの日常は常人とはかけ離れている非現実だが本人にとっては大切日々。
名前と関係者の名前しか話していない簡単で薄い自己紹介。
だがそれだけのやり取りでも危険な人物ではないと言うことを証明していた。

守りたい存在、会いたい存在がある限り人は前に進める。

「――食うかい?」

「これはボンタン!……杏子バックから何か出でるよ?」

言われて見てみるとバックの中で何か動く物体があるのを確認。
とりあえず強く床に叩きつけ正体を炙り出そうとするとまずはダンボールに詰まったボンタンが質量を無視して出てくる。

(魔法だしな)

(まあこれぐらい普通だな)


そして次に出てくるのが間桐桜の生き血を最初に吸った刻印虫である。


「「うわあああああああああああああ!!!!」」


こうして殺し合いの幕が開き上がる。


喜劇が悲劇か――台本のない舞台に舞い降りた役者次第である――。




【E―2/小学校付近/一日目深夜】
【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
 [状態]:健康、通常状態
 [装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れなし)
 [道具]:基本支給品一式、箱詰めボンタン@ボボボーボ・ボーボボ、刻印虫@Fate/Zero
 [思考]
  基本方針:とりあえず知り合いと合流してから考える
  1:うわあああああああ
  2:へっくんと学校に入り散策
  3:知り合いと合流したい
4:キュゥべぇは許さない 
 [備考]
  ※死亡後参戦
  ※ヘッポコ丸の交友関係を知りました。


【ヘッポコ丸@ボボボーボ・ボーボボ】
 [状態]:健康
 [装備]:
 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
 [思考]
  基本方針:仲間と合流して毛狩り隊を倒す
  1:うわあああああああ
  2:杏子と一緒に仲間を探す
  3:杏子は守りぬく
4:みんな大丈夫かな……(色んな意味で)
 [備考]
  ※サイバー都市編以降からの参戦。
  ※杏子の交友関係を知りました。
  ※毛狩り隊の仕業だと認識しています。


【箱詰めボンタン@ボボボーボ・ボーボボ】
ダンボールいっぱいに詰まったボンタン。
相手に投げつければ君も真拳使いの仲間入りだ!!


【刻印虫@Fate/Zero】
見た目がグロテスクな間桐家が使役する虫。
間桐桜の精気を一番最初に吸った個体である。



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