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己の道 ◆M3ZabKCP7w




「まさか、こんなことに巻き込まれるとは」

 開けた小山の頂上にて、そのような場所には似つかわしくないスーツ姿の金色の髪の人間が一人、呟きながら天を仰いでいた。
 特徴として中性的な美形と言うところであろう。男性とも女性とも取れる見た目であるが実のところれっきとした女性である。

 「聖杯戦争に……参戦もせずに、このようなことに!」

 しかしその美しい顔も今は醜く歪んでいる。その原因は怒り。己の意思を無視した召集、そしてその内容にあった。
 『バトルロワイヤル』奇しくもそれは、彼女の存在する理由ともなっている『聖杯戦争』に酷似したものである。しかし大きな違いが存在していた。

 「まさか……聖剣が奪われるとは」

 戦うことに関しては彼女はそれほど気にしてはいない。彼女の怒りには唯一無二の信頼に足りる武器、聖剣エクスカリバーを奪われていることにあった。

 「代わりにあるのがコレとは」

 そして代わりに今彼女に手にあるのはデイパック。そのみすぼらしさに、数多の戦場を駆けてきた彼女であっても沸々と怒りが湧き上がってきているのだ。
 しかし、いくらか時間をかけることで冷静さを取り戻す。今の現状、キュゥべえという生き物の言葉を信じるならばこの場には彼女を含めて七十名の人間がいることになる。
 そして、そこからたった一人の生き残りになることへの根拠の無い困難さを彼女は感じていた。

「今は何をするにも情報が不足していますね」

 取り合えずとしてキュウべえから支給されたデイパックの中身の確認を行った。

 「確かに、あのキュゥべえが言っていたものが入って……! これは!」

 確認したのは基本支給品とランダム支給品。その一つを見て彼女の顔は驚愕に染まったのだ。

 「見間違えるはずが無い! 無毀なる湖光(アロンダイト)……まさか」

 それを見た瞬間、彼女は支給品の名簿を開き、参加者名の確認を行った。
 だがそこに彼女の望む名は無い。ただ理解できる名は三つあった。

 「キリツグにライダー、そしてバーサーカー……」

 書かれていた名を確認し、彼女は再び考え込む。アロンダイトがランダム支給品として自分の手元に来ていることからエクスカリバーも同じであることが高い。
 ならばランスロットも同じような立場にいると予測できる。

 「サー・ランスロット、あなたは……」

 名簿にある名の中でランスロットの可能性があるのはライダーとバーサーカーである。ランスロットがどちらであるのかは今はまだ確かめるすべは無いのだが、ある種の予感めいた不安を感じ無駄にランスロットの存在にとらわれてしまっていた。

 「っ! 今のは!?」

 だがその思考も近くから聞こえてきた悲鳴によって中断される。
 声の種類はまだ成人していない少女のもの。

 「あっちか!」

 彼女、セイバーの名でこのバトルロワイヤルに参加させられた存在は、友の剣を持って声のする方へと走っていった。







◇  ◇  ◇






 「あれは!」

 木々の間を駆け抜けて僅か十数秒でそれを見つけた。
 それは昔よく見た光景、強者が弱者に襲い掛かるものに酷似したものであった。

 「はあああああああああ!」

 セイバーは持っていたデイパックを投げ捨て、魔力によって作りあげた白銀の鎧を即座に纏い、少女に振り下ろさんとする刃を受け止める。

 「あなたは?」

 その少女はセイバーに驚きの表情を向ける。
 セイバーはその少女を見て、特に戦闘訓練も受けておらずさらに魔術の素養も無いと感じ取った。
 無力な無辜の民。セイバーは少女をそう判断した。

「すぐに引きなさい!」

 少女はその言葉に従い襲い掛かった存在から距離をとり間にセイバーを挟む。
 セイバーは目の前の存在に注意を向ける。

 「人間認識、人間認識」

 四つ手の人形。その異形な存在に気を引き締める。

 「即刻斬殺」

 その言葉と共に四つの手に刀を持った機械人形である日和号はセイバーに襲い掛かった。

 「はぁっ!」

 数合打ち合いセイバーは目の前の存在の実力を理解した。「今のままなら時間はかかるが負けは無い」と。

 「大丈夫ですか?」
 「問題ありません。時間はかかりますが……下がっていてください」

 少女の言葉にセイバーは問題ないと返す。実際問題ないのでセイバーに焦りは無い。

 「そうですか」

 そのたった一言。それだけでセイバーは凄まじい悪寒を覚え咄嗟に体をひねる。

 「なっ!」

 その瞬間、銃弾がセイバーの鎧にあたった。

 「何を!」
 「人形殺法・竜巻」

 そして一気に形勢はセイバーに不利になった。

 「人形殺法・旋風」
 「くう!」

 セイバーに襲い掛かる四刀四腕の人形は攻撃の手を緩めることは無い。
 そしてそれは少女も同じである。

 「人形殺法・突風」
 「やめ! ぐあ!」

 そして、人形からの攻撃を捌く中での少女からの銃撃は防ぎきれず、ついに二発が右足に命中した。
 少女はそれで満足したのか落ちていたデイパックを拾い即座にその場を立ち去った。
 残されたセイバーは圧倒的不利になってその場に残された。
 足を負傷したことによる踏ん張り、踏み込み、移動、その全てに支障が生まれたのだ。
 例えセイバーであっても今のままでは目の前の人形に勝つことは至難の業であった。

 「まさか、私が、こんなことで」

 セイバーは己の迂闊さに歯噛みしながらも、必死に状況の打開を模索し続ける。たった一人の生き残りが決まるまでの殺し合いの場にいることを忘れていた自分を罵倒したい気持ちで一杯になった。

 「っ! ランスロット……」

 おそらくこの場のどこかにいるであろう友の名を呟く。

 「ここで倒れる不甲斐ない王を」
 「KUーーKUKKUKKUKKUKKUKKU!」

 聞いたことの無い独特な高笑いとともにそれは突っ込んできた。
 二頭の牛が引く戦車。それが雷撃が地面を焦がしながらセイバーと人形の間に割り込んだのだ。

 「とりあえずは邪魔だ」

 その声に自分を助けてくれたのかだと困惑しながらも理解できた。

 「すまない、あなたは、はぁぁぁぁぁ!?」

 そして目の前の存在を見て素っ頓狂な声を上げた。よく分からない人型の何か。セイバーはそうとしか見えなかった。

 「くーっくっくっくっくっくっ、面白そうな人形だな」

 だがそれはセイバーの声を気にせず目の前の人形にのみ注意を払う。
 そして両者の間に割って入らせた二頭立ての戦車を巧みに操作し人形の頭に素早く飛び移る。

 「ここをこうして……」

 人形の頭に手を突っ込み、そして次の瞬間その人形は目を閉じて力なくその場に倒れ伏した。

 「ふぅ、さーてさて。楽しい楽しいお話の時間だ。準備はいいかいお嬢ちゃん」

 そう言いながら宇宙人、クルル曹長はセイバーに対して不敵な笑みを向けた。




【G-4/山頂付近/一日目-深夜】
【セイバー@Fate/zero】
 [状態]:右足に走行困難なダメージ
 [装備]:アロンダイト @Fate/zero
 [道具]:なし
 [思考・行動]
  基本方針:????
  1: 情報交換
 [備考]
  ※ 聖杯戦争来日直前より参戦

【G-4/山頂付近/一日目-深夜】
【クルル曹長@ケロロ軍曹】
 [状態]:健康
 [装備]:ゴルディアスホイール @Fate/zero
 [道具]:基本支給品 ランダム支給品0~2 微刀・釵@刀語
 [思考・行動]
  基本方針:????
 1: 情報収集
 [備考]
  ※ 参戦時期は不明
  ※ 微刀・釵のセイバーと打ち合った損傷は無視できる程度です









◇  ◇  ◇







 「はあ、はあ。支給品のひとつがはずれだったけど結果的に悪くは無かったかな」

 少女は山を駆け下りながら先ほどのことを思い返すように呟く。 

 「絶対に、絶対に生きて帰るからね」

 肉食獣を思わせる笑みを浮かべながら少女、我妻由乃は夜の闇に消えていった。











【G-4/山中/一日目-深夜】
【我妻由乃@未来日記】
 [状態]:疲労(軽微)
 [装備]:ベレッタ 10/15(予備弾薬三マガジン)@魔法少女まどか☆マギカ
 [道具]:基本支給品×2 ランダム支給品0~3
 [思考・行動]
  基本方針:生還
  1: ユッキーユッキーユッキーユッキー
 [備考]
  ※ 参戦時期は不明




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