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「鼻毛使い」と書いて「プリキュア」と読ませたい…」(2013/09/11 (水) 11:53:49) の最新版変更点

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**「鼻毛使い」と書いて「プリキュア」と読ませたい… ◆wYOF3ar91U 「ゲロゲロ! これは敵性宇宙人の仕業でありますか!? おのれ謀ったなキシリア!! 既に冬樹殿の捕虜である我が輩が、この上捕虜になるとは不覚の極み!」 バトルロワイアルに召喚されたケロン軍・軍曹であるケロロは窮地に立たされていた。 それは最後の一人しか生き残れないバトルロワイアルに参加させられた、と言うだけに尽きない。 ケロロはケロン軍の地球(ペコポン)侵略を担当する小隊の隊長を務めている。 その地球侵略の責任者が、敵性種族に捕われて、 しかも持っている装備の尽くを奪われている。 軍法会議に掛けられれば、死刑は免れない状況なのだ。 「……………………て、敵陣への侵入工作成功であります! 我が輩は引き続き、作戦続行するであります!!」 自分の中でとりあえずの問題解決を行ったケロロは、支給されたデイパックの中を改める。 そして取り出したのは一枚の紙片 書き並べられた名前の羅列から、すぐに参加者の名簿だと判った。 「ふ、冬樹殿に夏美殿も捕虜となっているでありますか!? しかも我が小隊員がタママ以外全員参加してるし!!」 名簿に在る名前は、ケロロを驚かせるに充分な物だった。 ケロロたちが居候……もとい捕虜収容されている日向家の二人、冬樹と夏美。 そして自分の小隊を構成する隊員ギロロ伍長、クルル曹長、ドロロ兵長の三人。 自分に近しい者が五人もバトルロワイアルに参加させられている。 その事実を確認したケロロは―――― 「――――うんまあ、こいつらが居れば何とでもなるんじゃねーの?」 すっかり安心しきっていた。 ケロロ小隊の機動歩兵ギロロ伍長。 ケロロ小隊の作戦通信参謀クルル曹長。 ケロロ小隊の暗殺兵(アサシン)ドロロ兵長。 幾多の星間戦争で活躍したこの三人が居れば、敵性種族がどれだけ周到な仕掛けをしていようが、 バトルロワイアルからの脱出も容易だろう。 だからケロロは現状にも余裕を持って当たることができた。 それはもう余裕綽々だった。 「そうなると我が輩はすることがないでありますなぁ……作りかけのガンプラ持って来てれば良かったんだけどね~。 いやいや! 敵陣に侵入しておきながら手ぶらで帰ったら、隊長としての沽券に関わるであります! ここは一つ、何か地球(ペコポン)侵略に繋がる手柄を立てて隊長としての箔を付けておきたい所でありますなぁ……」 「……か、蛙が喋ってる…………」 「そうそう、蛙が喋るから帰ーえろって……あれ? あらあ!? ゲロッ!! 我が輩が見えているでありますか!!?」 気付かぬ内に地球人の接近を許していたケロロ。 まだ冬樹か夏美と同年代くらいの少女が、ケロロを見て驚いている。 しかし少女がケロロを見ることはできないはずなのだ。 「ア、アンチバリアが効いていないでありますか!?」 少女に見付かったケロロは、慌てて頭に付いている星の模様を回す。 そうすることによって任意の相手以外から姿を隠すことができるのだ。 「よう見たら蛙とは違うなあ……もしかしてキャンディみたいな妖精の仲間なんか?」 しかしどれだけ星を回しても、少女は変わらずケロロを見ている。 ケロロは知らぬことだが、アンチバリアは主催側の施した制限によって使用不能になっていた。 「……でもこいつ侵略がどうとか言ってたし、もしかして悪者ちゃうんか?」 「ゲロッ!!? いやいや、我が輩はちょいと発育過剰でおちゃめなただのカエルであります! 決してガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長・ケロロ軍曹とは縁も所縁も無いであります!」 「ほんまに侵略宇宙人かいな!?」 「ど、どこからその情報をリークしたでありますか!?」 「あんたやあんた」 少女の巧みな誘導尋問によって、侵略宇宙人であることが露呈したケロロ。 火急の事態にうろたえるケロロだったが、やがて居直ったように、 不敵な笑いを浮かべる。 「ゲロゲロリ、こうなれば口封じするまでであります! 地球(ペコポン)人の一人や二人、隊長は伊達じゃない!!」 遂にその本性を表したケロロ。 ケロロは不敵な笑みを浮かべながら、じりじりと少女に近付いて行く。 侵略宇宙人に迫られた少女は――――戦いの構えを取った。 「上等や! 宇宙人か何か知らんけど、うちが退治したる」 得体の知れない宇宙人が相手でも、少女は怖気づくことは無かった。 何故なら少女は侵略者と戦うことが、これが初めてではない。 少女は人々を脅かすバッドエンド王国と戦う伝説の戦士・プリキュアの一人。 キュアサニーへと変身する少女、日野あかねなのだ。 あかねはプリキュアに変身するためにスマイルパクトを取り出そうとする。 (……あれ、スマイルパクトどこなん!?) しかしどれだけ懐を探っても、スマイルパクトが見付からない。 このバトルロワイアルにおいてスマイルパクトは、持ち主から一旦取り上げられて、 その後支給品として持ち主に支給される。 従ってあかねのスマイルパクトも、いつも持っていた所にではなく、 デイパックに入れられて、あかねに支給されていた。 (あかん、スマイルパクトが見付からへん!) 「覚悟するであります!」 「ちょ、ちょっと待ってぇな!!」 「待ちなさい!!」 「ゲロッ!!?」 あかねに襲い掛かろうとするケロロ。 そこへ掛かる制止の声。 律儀に止まったケロロは、声の方向を見る。 そこには後光を浴びた人影があった。 「五つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!!」 「え!!? プリキュアが助けに来てくれたん!!?」 プリキュアと聞いて、あかねもまた期待を込めてそちらを見る。 そこには確かに、胸に大きなリボンを飾り、フリルの付いた短いスカートの、 華美な衣装で着飾った、大きなアフロヘアーのサングラスを掛けた三十歳前後の男が居た。 「このプリキュアが来たからにはもう大丈夫だ」 「どこがプリキュアや、どこが!!! おっさんやないかい!!!」 思わず声を上げてツッコミを入れるあかね。 しかし男は構わず、二人に近付いて来る。 「俺は七代目鼻毛真拳伝承者、ボボボーボ・ボーボボ。そして鼻毛真拳を極めし者は鼻毛使い(プリキュア)と呼ばれている」 「呼ばれるかー!! 何人聞き悪いこと言っとんねん!」 「俺が来たからにはもう安心しろ。後は俺が引き受けよう……映画の宣伝を」 「……映画の宣伝?」 全国東映系映画館で  プリキュア オールスターズ EX  世界をつなぐ☆鼻毛の絆 大ヒット公開中 「みんな、絶対見に来てくれよな!!」 「見に行くかー!! そんなもん全国公開するか!」 「ペ、地球(ペコポン)人が一人から二人になった所で高が知れているであります!」 「あ、そう言えば宇宙人の相手しとったんや」 ケロロがボーボボに飛び掛る。 ボーボボは棒立ちの状態でそれを見ている。 そのボーボボのアフロが、まるでボトルの蓋のごとくに割れ開いた。 「アフロが開いたー!!」 アフロの中には空洞が広がっていた。 そしてその中に居るのは、二匹のリス。 「リス夫さん、このままじゃ殺されるわ! 早く逃げて!」 「駄目だ! ここで僕が逃げたら地球は侵略されてしまう! リス美さんこそ早く逃げるんだ!」 「え? わ、我が輩のことでありますか?」 「アフロの中でリスが喋っとる……」 困惑するケロロとあかねを余所に、リス夫とリス美の会話が続く。 「安心してリス美さん。せっかく静岡の工場に就職することになったんだ、僕はこんな所で死ぬつもりは無いよ!」 「そんな! ここでリス夫さんが死んだら、ガンプラの生産ラインが止まっちゃう!!」 「えぇ!! こ、このリスが静岡の工場でガンプラを生産しているのでありますか!?」 ガンダムのプラモデル。通称ガンプラ。 それはケロロが最も愛する物である。 「そ、そんなガンプラを創っている人……じゃないリスを、我が輩は殺せないであります……」 余りに理不尽な状況に立ち尽くすケロロ。 しかしその隙に、ボーボボは既にケロロ迎撃に動いていた。 その両手足は微動だにせずとも、鼻毛を伸ばしていたのだ。 「鼻毛が伸びとるー!!!」 「鼻毛真拳奥義 鼻毛激烈拳」 ボーボボから伸びた鼻毛が鞭のようにしなり、ケロロを殴打した。 「ゲ、ゲロォ~!!!」 鼻毛の一撃を受けて宙を舞うケロロ。 その攻撃の速度と威力はプリキュアであるあかねをも驚かせる物だった。 「す、凄い。ほんまに鼻毛真拳なんてあるんや……」 「フッフッフ……ならばこの鼻毛を捕らえてしまえば、その鼻毛真拳は使えないであります!!} 地面に倒れ伏しながら、なおも不敵な笑いを浮かべるケロロ。 その手にはボーボボの鼻毛の先が握られていた。 「そしてこの鼻毛を引っ張って、千切ってやるのさー!!」 乱暴に鼻毛を手繰り寄せるケロロ。 鼻毛は遂にボーボボの鼻から離れた。 そしてその先には『3等』と書かれていた。 「おめでとー! 3等には、ボーボボ人形をプレゼント」 自分を象った人形を差し出すボーボボ。 「胸のボタンを押すと、喋るよ」 『アキナスヲヨメニクワスナ。アキナスヲヨメニクワスナ』 「時折、山田の臭いも放つよ」 「や、山田?」 「鈴木の従兄弟の山田を知らないのか! お前!」 「そ、そんな人形に釣られるケロン軍人ではないであります!」 「え~! この人形、三体集めればジェットストリームアタックするのに」 「超欲しいでありまーす!!!」 ジェットストリームアタック。 その素敵な響きに完全に釣られたケロロは、ボーボボ人形に飛び掛る。 しかしその眼前に三本の鼻毛が列を作って待ち構えていた。 「そんなに欲しいのならくれてやる……鼻毛真拳奥義 ジェットストリームアタック」 鼻毛の三連撃を受けて先ほどより更に遠くへ吹き飛ばされたケロロ。 宇宙人をすら寄せ付けないボーボボの戦闘力は、 掛け値なく、プリキュアに匹敵する物だ。 「強い……戦い方は完全にふざけてるけど、こんなに強い人がおったんや……」 「鼻毛真拳伝承者の俺が居る限り、地球を侵略することは不可能だ」 決然たる態度で言い放つボーボボ。 そこにはプリキュアであるあかねの目から見ても、強者のみが放つことが出来る風格が有った。 確かにボーボボは言動こそ不条理極まりないが、その肉体を見ると鍛え上げられた物だ。 そしてその鋼の肉体を覆うのは、動物の皮をそのまま使った、 まるで古代の奴隷が着たような簡素な衣服。 更に両手首と両足首には、手錠と足錠が嵌められている。 肩から下げられた襷には『ケロン軍歓迎』と書かれている。 その上、背中から掲げられた白旗には『地球全面降伏』と書かれていた。 「侵略されとるー!!!」 ボーボボの身を包んでいたのは、頭のてっぺんから足先まで完全に侵略完了ルック。 あまりに突然の変貌振りに、あかねも動揺を禁じ得ない。 あかねはボーボボの服を触って問い質す。 「って言うか、何時の間に着替えたん?」 「地球人が気安く触るんじゃねー!!」 「きゃあっ! 何するねん!」 あかねの手を乱暴に払い除けるボーボボ。 そしてボーボボは、涙ながらに語る。 「……だってあたし、身も心もケロロ軍曹に侵略されちゃったんだもん」 「だから何時の間に……」 「ゲロゲロリ、さすが我が輩であります。知らない内に一人侵略していたとは」 「ぶ、無事やったんかい……」 再びあかねに迫るケロロ。 そしてケロロと肩を並べてボーボボもあかねに迫る。 あかねは今度こそ、味方の居ない状況に追い詰められていた。 (しまった。ツッコんでる間に逃げればよかった!) 「行けーい、ボーボボ! 地球(ペコポン)人に目に物見せてやるのだ!!」 「イエッサー!!」 プリキュアに変身していないあかねは、ただの中学生に過ぎない。 即ちボーボボが繰り出す鼻毛真拳に対抗し得る手段は持っていないのだ。 「鼻毛真拳奥義 鼻毛革命(レボリューション)」 炸裂するボーボボの鼻毛真拳。 反応すらできないあかね。 鼻毛真拳を喰らったケロロは、今度は空中を錐揉み回転して飛んだ。 「ゲフッ、まさか侵略された振りをして我が輩の油断を誘うとは……我が輩の、負けであります」 自らの敗北を悟り大地に墜落するケロロ。 「……だってあたし、蛙嫌いなんだもん」 涙を流すボーボボ。 「…………あかん、ツッコミ切れへん…………」 最早呆れるしかないあかねだった。 「我が輩の負けである以上、潔く地球(ペコポン)人の軍門に下るであります……」 戦いに敗れ、自分がボーボボに叶わないと悟ったケロロは、 項垂れながらそう言った。 そんなケロロの肩に、ボーボボは手を置く。 「ケロロ、俺とお前は全力で戦って決着を付けた。だから俺とお前は、もう強敵(とも)だ」 「ゲロッ、この我が輩を友と呼んでくれるでありますか!?」 「もう、当たり前じゃないのこのお馬鹿さん♥」 「ハハッ、こいつ~♥」 「「アハハハハハハハ♥」」 「ははは…………まあ何にしても丸く収まった……んかなぁこれ?」 まるで浜辺の恋人同士のように、手を繋ぎ合ってはしゃぎ回るケロロとボーボボ。 話に付いていけないながらも、それを呆れながら見つめるあかね。 しかしあかねは気を取り直して、ケロロとボーボボに話し掛ける。 自分がしっかりしなければ話がまともに進まない。 そんな使命感にも似た思いを、今のあかねは抱いていた。 「それで……お二人はこれから、どうしはるつもりなんですか?」 「俺は毛の自由のために戦う」 「け、毛の自由って言われても……」 「あのキュゥべえからは、毛の自由を弾圧する毛狩り隊と同じ物を感じる。鼻毛真拳継承者として許す訳にはいかん。 このバトルロワイアルを潰して、あのキュゥべえも倒す」 「我が輩も敵性宇宙人の策に嵌って戦うつもりは無いであります! バトルロワイアルを脱出して、日向家に帰還するであります!」 二人の行動方針を聞いて、あかねはとりあえず安堵する。 二人とも殺し合いをするつもりは無い以上、協力はできるからだ。 あかねもまた殺し合うつもりは無い。 色々な意味で不安はあるが、とりあえず二人と同行するのが賢明だと判断した。 「うちは日野あかねって言います。うちもバトルロワイアルから脱出したいし、三人で行動したらどうでしょう?」 「ああ、良いだろう」 快諾するボーボボ。 ケロロとつけものもまた頷く。 こうしてあかねとケロロとボーボボとつけものの四人は同行することとなった。 「ただしつけもの、テメーはダメだ」 「えー! なんでー!?」 しかし突然つけものを拒絶するボーボボ。 それに納得がいかず、つけものは疑問を呈する。 当然だろう。 日本の代表的な箸休めにして、食卓の彩り。 今やごはんには欠かせない存在とさえ言えるつけもの。 そんな自分が省かれるなんて、納得のいくはずが無かった。 「だってお前、参加者じゃないじゃん」 冷酷な事実を突きつけるボーボボ。 しかしその一言で、つけものは全てを悟った。 (そうかおいら、投票で通らなかったもんなあ) つけものは霧となって消えて行った。 「行くぞケロロ! あかね!」 「了解であります!」 「ちょ、ちょっと待ってえな! 今の手足の生えた喋る漬物なんやったん!? 何で消えたん!? あれはあのままでええの!!?」 余りの不条理な展開に、疑問を呈するあかねだが、 ボーボボとケロロは構わず歩き始める。 何もかも腑に落ちないあかねだが、渋々後を追うことにした。 (あかん、うち一人ではツッコミも間に合わん……はよ、うちの仲間と合流したい……) こうして世界を異にする三人が同行を開始した。 三人が歩むのは過酷なバトルロワイアル。 あかねはバトルロワイアル以上の不安を抱え歩き始めた。 【C-4/山岳地帯/一日目-深夜】 【ボボボーボ・ボーボボ@ボボボーボ・ボーボボ】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3  [思考・行動]   基本方針:毛の自由のためにバトルロワイアルを潰してキュゥべえを倒す   1:ケロロとあかねの二人と同行する  [備考]   ※参戦時期は不明です。 【C-4/山岳地帯/一日目-深夜】 【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3  [思考・行動]   基本方針:バトルロワイアルを脱出して、日向家に帰還する   1:ボーボボとあかねの二人と同行する   2:同じ小隊及び日向家の者と合流したい  [備考]   ※参戦時期は不明です。   ※アンチバリアは使用不能です。 【C-4/山岳地帯/一日目-深夜】 【日野あかね@スマイルプリキュア!】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:スマイルパクト@スマイルプリキュア!、基本支給品、ランダム支給品0~2  [思考・行動]   基本方針:バトルロワイアルを脱出する   1:ツッコミ切れん……   2:はよ仲間と合流したい……  [備考]   ※参戦時期は不明です。
**「鼻毛使い」と書いて「プリキュア」と読ませたい… ◆wYOF3ar91U 「ゲロゲロ! これは敵性宇宙人の仕業でありますか!? おのれ謀ったなキシリア!! 既に冬樹殿の捕虜である我が輩が、この上捕虜になるとは不覚の極み!」 バトルロワイアルに召喚されたケロン軍・軍曹であるケロロは窮地に立たされていた。 それは最後の一人しか生き残れないバトルロワイアルに参加させられた、と言うだけに尽きない。 ケロロはケロン軍の地球(ペコポン)侵略を担当する小隊の隊長を務めている。 その地球侵略の責任者が、敵性種族に捕われて、 しかも持っている装備の尽くを奪われている。 軍法会議に掛けられれば、死刑は免れない状況なのだ。 「……………………て、敵陣への侵入工作成功であります! 我が輩は引き続き、作戦続行するであります!!」 自分の中でとりあえずの問題解決を行ったケロロは、支給されたデイパックの中を改める。 そして取り出したのは一枚の紙片 書き並べられた名前の羅列から、すぐに参加者の名簿だと判った。 「ふ、冬樹殿に夏美殿も捕虜となっているでありますか!? しかも我が小隊員がタママ以外全員参加してるし!!」 名簿に在る名前は、ケロロを驚かせるに充分な物だった。 ケロロたちが居候……もとい捕虜収容されている日向家の二人、冬樹と夏美。 そして自分の小隊を構成する隊員ギロロ伍長、クルル曹長、ドロロ兵長の三人。 自分に近しい者が五人もバトルロワイアルに参加させられている。 その事実を確認したケロロは―――― 「――――うんまあ、こいつらが居れば何とでもなるんじゃねーの?」 すっかり安心しきっていた。 ケロロ小隊の機動歩兵ギロロ伍長。 ケロロ小隊の作戦通信参謀クルル曹長。 ケロロ小隊の暗殺兵(アサシン)ドロロ兵長。 幾多の星間戦争で活躍したこの三人が居れば、敵性種族がどれだけ周到な仕掛けをしていようが、 バトルロワイアルからの脱出も容易だろう。 だからケロロは現状にも余裕を持って当たることができた。 それはもう余裕綽々だった。 「そうなると我が輩はすることがないでありますなぁ……作りかけのガンプラ持って来てれば良かったんだけどね~。 いやいや! 敵陣に侵入しておきながら手ぶらで帰ったら、隊長としての沽券に関わるであります! ここは一つ、何か地球(ペコポン)侵略に繋がる手柄を立てて隊長としての箔を付けておきたい所でありますなぁ……」 「……か、蛙が喋ってる…………」 「そうそう、蛙が喋るから帰ーえろって……あれ? あらあ!? ゲロッ!! 我が輩が見えているでありますか!!?」 気付かぬ内に地球人の接近を許していたケロロ。 まだ冬樹か夏美と同年代くらいの少女が、ケロロを見て驚いている。 しかし少女がケロロを見ることはできないはずなのだ。 「ア、アンチバリアが効いていないでありますか!?」 少女に見付かったケロロは、慌てて頭に付いている星の模様を回す。 そうすることによって任意の相手以外から姿を隠すことができるのだ。 「よう見たら蛙とは違うなあ……もしかしてキャンディみたいな妖精の仲間なんか?」 しかしどれだけ星を回しても、少女は変わらずケロロを見ている。 ケロロは知らぬことだが、アンチバリアは主催側の施した制限によって使用不能になっていた。 「……でもこいつ侵略がどうとか言ってたし、もしかして悪者ちゃうんか?」 「ゲロッ!!? いやいや、我が輩はちょいと発育過剰でおちゃめなただのカエルであります! 決してガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長・ケロロ軍曹とは縁も所縁も無いであります!」 「ほんまに侵略宇宙人かいな!?」 「ど、どこからその情報をリークしたでありますか!?」 「あんたやあんた」 少女の巧みな誘導尋問によって、侵略宇宙人であることが露呈したケロロ。 火急の事態にうろたえるケロロだったが、やがて居直ったように、 不敵な笑いを浮かべる。 「ゲロゲロリ、こうなれば口封じするまでであります! 地球(ペコポン)人の一人や二人、隊長は伊達じゃない!!」 遂にその本性を表したケロロ。 ケロロは不敵な笑みを浮かべながら、じりじりと少女に近付いて行く。 侵略宇宙人に迫られた少女は――――戦いの構えを取った。 「上等や! 宇宙人か何か知らんけど、うちが退治したる」 得体の知れない宇宙人が相手でも、少女は怖気づくことは無かった。 何故なら少女は侵略者と戦うことが、これが初めてではない。 少女は人々を脅かすバッドエンド王国と戦う伝説の戦士・プリキュアの一人。 キュアサニーへと変身する少女、日野あかねなのだ。 あかねはプリキュアに変身するためにスマイルパクトを取り出そうとする。 (……あれ、スマイルパクトどこなん!?) しかしどれだけ懐を探っても、スマイルパクトが見付からない。 このバトルロワイアルにおいてスマイルパクトは、持ち主から一旦取り上げられて、 その後支給品として持ち主に支給される。 従ってあかねのスマイルパクトも、いつも持っていた所にではなく、 デイパックに入れられて、あかねに支給されていた。 (あかん、スマイルパクトが見付からへん!) 「覚悟するであります!」 「ちょ、ちょっと待ってぇな!!」 「待ちなさい!!」 「ゲロッ!!?」 あかねに襲い掛かろうとするケロロ。 そこへ掛かる制止の声。 律儀に止まったケロロは、声の方向を見る。 そこには後光を浴びた人影があった。 「五つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!!」 「え!!? プリキュアが助けに来てくれたん!!?」 プリキュアと聞いて、あかねもまた期待を込めてそちらを見る。 そこには確かに、胸に大きなリボンを飾り、フリルの付いた短いスカートの、 華美な衣装で着飾った、大きなアフロヘアーのサングラスを掛けた三十歳前後の男が居た。 「このプリキュアが来たからにはもう大丈夫だ」 「どこがプリキュアや、どこが!!! おっさんやないかい!!!」 思わず声を上げてツッコミを入れるあかね。 しかし男は構わず、二人に近付いて来る。 「俺は七代目鼻毛真拳伝承者、ボボボーボ・ボーボボ。そして鼻毛真拳を極めし者は鼻毛使い(プリキュア)と呼ばれている」 「呼ばれるかー!! 何人聞き悪いこと言っとんねん!」 「俺が来たからにはもう安心しろ。後は俺が引き受けよう……映画の宣伝を」 「……映画の宣伝?」 全国東映系映画館で  プリキュア オールスターズ EX  世界をつなぐ☆鼻毛の絆 大ヒット公開中 「みんな、絶対見に来てくれよな!!」 「見に行くかー!! そんなもん全国公開するか!」 「ペ、地球(ペコポン)人が一人から二人になった所で高が知れているであります!」 「あ、そう言えば宇宙人の相手しとったんや」 ケロロがボーボボに飛び掛る。 ボーボボは棒立ちの状態でそれを見ている。 そのボーボボのアフロが、まるでボトルの蓋のごとくに割れ開いた。 「アフロが開いたー!!」 アフロの中には空洞が広がっていた。 そしてその中に居るのは、二匹のリス。 「リス夫さん、このままじゃ殺されるわ! 早く逃げて!」 「駄目だ! ここで僕が逃げたら地球は侵略されてしまう! リス美さんこそ早く逃げるんだ!」 「え? わ、我が輩のことでありますか?」 「アフロの中でリスが喋っとる……」 困惑するケロロとあかねを余所に、リス夫とリス美の会話が続く。 「安心してリス美さん。せっかく静岡の工場に就職することになったんだ、僕はこんな所で死ぬつもりは無いよ!」 「そんな! ここでリス夫さんが死んだら、ガンプラの生産ラインが止まっちゃう!!」 「えぇ!! こ、このリスが静岡の工場でガンプラを生産しているのでありますか!?」 ガンダムのプラモデル。通称ガンプラ。 それはケロロが最も愛する物である。 「そ、そんなガンプラを創っている人……じゃないリスを、我が輩は殺せないであります……」 余りに理不尽な状況に立ち尽くすケロロ。 しかしその隙に、ボーボボは既にケロロ迎撃に動いていた。 その両手足は微動だにせずとも、鼻毛を伸ばしていたのだ。 「鼻毛が伸びとるー!!!」 「鼻毛真拳奥義 鼻毛激烈拳」 ボーボボから伸びた鼻毛が鞭のようにしなり、ケロロを殴打した。 「ゲ、ゲロォ~!!!」 鼻毛の一撃を受けて宙を舞うケロロ。 その攻撃の速度と威力はプリキュアであるあかねをも驚かせる物だった。 「す、凄い。ほんまに鼻毛真拳なんてあるんや……」 「フッフッフ……ならばこの鼻毛を捕らえてしまえば、その鼻毛真拳は使えないであります!!} 地面に倒れ伏しながら、なおも不敵な笑いを浮かべるケロロ。 その手にはボーボボの鼻毛の先が握られていた。 「そしてこの鼻毛を引っ張って、千切ってやるのさー!!」 乱暴に鼻毛を手繰り寄せるケロロ。 鼻毛は遂にボーボボの鼻から離れた。 そしてその先には『3等』と書かれていた。 「おめでとー! 3等には、ボーボボ人形をプレゼント」 自分を象った人形を差し出すボーボボ。 「胸のボタンを押すと、喋るよ」 『アキナスヲヨメニクワスナ。アキナスヲヨメニクワスナ』 「時折、山田の臭いも放つよ」 「や、山田?」 「鈴木の従兄弟の山田を知らないのか! お前!」 「そ、そんな人形に釣られるケロン軍人ではないであります!」 「え~! この人形、三体集めればジェットストリームアタックするのに」 「超欲しいでありまーす!!!」 ジェットストリームアタック。 その素敵な響きに完全に釣られたケロロは、ボーボボ人形に飛び掛る。 しかしその眼前に三本の鼻毛が列を作って待ち構えていた。 「そんなに欲しいのならくれてやる……鼻毛真拳奥義 ジェットストリームアタック」 鼻毛の三連撃を受けて先ほどより更に遠くへ吹き飛ばされたケロロ。 宇宙人をすら寄せ付けないボーボボの戦闘力は、 掛け値なく、プリキュアに匹敵する物だ。 「強い……戦い方は完全にふざけてるけど、こんなに強い人がおったんや……」 「鼻毛真拳伝承者の俺が居る限り、地球を侵略することは不可能だ」 決然たる態度で言い放つボーボボ。 そこにはプリキュアであるあかねの目から見ても、強者のみが放つことが出来る風格が有った。 確かにボーボボは言動こそ不条理極まりないが、その肉体を見ると鍛え上げられた物だ。 そしてその鋼の肉体を覆うのは、動物の皮をそのまま使った、 まるで古代の奴隷が着たような簡素な衣服。 更に両手首と両足首には、手錠と足錠が嵌められている。 肩から下げられた襷には『ケロン軍歓迎』と書かれている。 その上、背中から掲げられた白旗には『地球全面降伏』と書かれていた。 「侵略されとるー!!!」 ボーボボの身を包んでいたのは、頭のてっぺんから足先まで完全に侵略完了ルック。 あまりに突然の変貌振りに、あかねも動揺を禁じ得ない。 あかねはボーボボの服を触って問い質す。 「って言うか、何時の間に着替えたん?」 「地球人が気安く触るんじゃねー!!」 「きゃあっ! 何するねん!」 あかねの手を乱暴に払い除けるボーボボ。 そしてボーボボは、涙ながらに語る。 「……だってあたし、身も心もケロロ軍曹に侵略されちゃったんだもん」 「だから何時の間に……」 「ゲロゲロリ、さすが我が輩であります。知らない内に一人侵略していたとは」 「ぶ、無事やったんかい……」 再びあかねに迫るケロロ。 そしてケロロと肩を並べてボーボボもあかねに迫る。 あかねは今度こそ、味方の居ない状況に追い詰められていた。 (しまった。ツッコんでる間に逃げればよかった!) 「行けーい、ボーボボ! 地球(ペコポン)人に目に物見せてやるのだ!!」 「イエッサー!!」 プリキュアに変身していないあかねは、ただの中学生に過ぎない。 即ちボーボボが繰り出す鼻毛真拳に対抗し得る手段は持っていないのだ。 「鼻毛真拳奥義 鼻毛革命(レボリューション)」 炸裂するボーボボの鼻毛真拳。 反応すらできないあかね。 鼻毛真拳を喰らったケロロは、今度は空中を錐揉み回転して飛んだ。 「ゲフッ、まさか侵略された振りをして我が輩の油断を誘うとは……我が輩の、負けであります」 自らの敗北を悟り大地に墜落するケロロ。 「……だってあたし、蛙嫌いなんだもん」 涙を流すボーボボ。 「…………あかん、ツッコミ切れへん…………」 最早呆れるしかないあかねだった。 「我が輩の負けである以上、潔く地球(ペコポン)人の軍門に下るであります……」 戦いに敗れ、自分がボーボボに叶わないと悟ったケロロは、 項垂れながらそう言った。 そんなケロロの肩に、ボーボボは手を置く。 「ケロロ、俺とお前は全力で戦って決着を付けた。だから俺とお前は、もう強敵(とも)だ」 「ゲロッ、この我が輩を友と呼んでくれるでありますか!?」 「もう、当たり前じゃないのこのお馬鹿さん♥」 「ハハッ、こいつ~♥」 「「アハハハハハハハ♥」」 「ははは…………まあ何にしても丸く収まった……んかなぁこれ?」 まるで浜辺の恋人同士のように、手を繋ぎ合ってはしゃぎ回るケロロとボーボボ。 話に付いていけないながらも、それを呆れながら見つめるあかね。 しかしあかねは気を取り直して、ケロロとボーボボに話し掛ける。 自分がしっかりしなければ話がまともに進まない。 そんな使命感にも似た思いを、今のあかねは抱いていた。 「それで……お二人はこれから、どうしはるつもりなんですか?」 「俺は毛の自由のために戦う」 「け、毛の自由って言われても……」 「あのキュゥべえからは、毛の自由を弾圧する毛狩り隊と同じ物を感じる。鼻毛真拳継承者として許す訳にはいかん。 このバトルロワイアルを潰して、あのキュゥべえも倒す」 「我が輩も敵性宇宙人の策に嵌って戦うつもりは無いであります! バトルロワイアルを脱出して、日向家に帰還するであります!」 二人の行動方針を聞いて、あかねはとりあえず安堵する。 二人とも殺し合いをするつもりは無い以上、協力はできるからだ。 あかねもまた殺し合うつもりは無い。 色々な意味で不安はあるが、とりあえず二人と同行するのが賢明だと判断した。 「うちは日野あかねって言います。うちもバトルロワイアルから脱出したいし、三人で行動したらどうでしょう?」 「ああ、良いだろう」 快諾するボーボボ。 ケロロとつけものもまた頷く。 こうしてあかねとケロロとボーボボとつけものの四人は同行することとなった。 「ただしつけもの、テメーはダメだ」 「えー! なんでー!?」 しかし突然つけものを拒絶するボーボボ。 それに納得がいかず、つけものは疑問を呈する。 当然だろう。 日本の代表的な箸休めにして、食卓の彩り。 今やごはんには欠かせない存在とさえ言えるつけもの。 そんな自分が省かれるなんて、納得のいくはずが無かった。 「だってお前、参加者じゃないじゃん」 冷酷な事実を突きつけるボーボボ。 しかしその一言で、つけものは全てを悟った。 (そうかおいら、投票で通らなかったもんなあ) つけものは霧となって消えて行った。 「行くぞケロロ! あかね!」 「了解であります!」 「ちょ、ちょっと待ってえな! 今の手足の生えた喋る漬物なんやったん!? 何で消えたん!? あれはあのままでええの!!?」 余りの不条理な展開に、疑問を呈するあかねだが、 ボーボボとケロロは構わず歩き始める。 何もかも腑に落ちないあかねだが、渋々後を追うことにした。 (あかん、うち一人ではツッコミも間に合わん……はよ、うちの仲間と合流したい……) こうして世界を異にする三人が同行を開始した。 三人が歩むのは過酷なバトルロワイアル。 あかねはバトルロワイアル以上の不安を抱え歩き始めた。 【C-4/山岳地帯/一日目-深夜】 【ボボボーボ・ボーボボ@ボボボーボ・ボーボボ】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3  [思考・行動]   基本方針:毛の自由のためにバトルロワイアルを潰してキュゥべえを倒す   1:ケロロとあかねの二人と同行する  [備考]   ※参戦時期は不明です。 【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3  [思考・行動]   基本方針:バトルロワイアルを脱出して、日向家に帰還する   1:ボーボボとあかねの二人と同行する   2:同じ小隊及び日向家の者と合流したい  [備考]   ※参戦時期は不明です。   ※アンチバリアは使用不能です。 【日野あかね@スマイルプリキュア!】  [状態]:健康  [装備]:なし  [道具]:スマイルパクト@スマイルプリキュア!、基本支給品、ランダム支給品0~2  [思考・行動]   基本方針:バトルロワイアルを脱出する   1:ツッコミ切れん……   2:はよ仲間と合流したい……  [備考]   ※参戦時期は不明です。 *時系列順で読む Back:[[]] Next:[[]] *投下順で読む Back:[[スーパーヒーロー大戦EX プリキュア×12th]] Next:[[ネコとカナヅチは使いよう]] |GAME START|ボボボーボ・ボーボボ|:| |GAME START|ケロロ軍曹|:| |GAME START|日野あかね|:|

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