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運命 -destiny-」(2013/09/11 (水) 11:18:08) の最新版変更点

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***運命 -destiny- ◆EKhCqq9jsg  人を殺す方法。    絞殺、人間の首を締め上げて殺すこと。  銃殺、銃火器類を使って相手の急所に発砲し出血多量或いはショック死させて殺すこと。  撲殺、拳や鈍器などの硬いものを使い、脳震盪や内蔵出血させて人間を殺すこと。  刺殺、鋭利な物体を使い内臓器官にダメージを与えて殺すこと  轢殺、車や電車などの車輪でひき殺すこと。    とこのように、簡単に例を上げてもこれだけの方法がある。  100人の殺人事件の被害者がいたとしたら、全員別の殺され方していても何らおかしくはない。  それだけ人を殺す方法は山ほどあるということだ。    しかし、そんな幾重にもある人殺し方法も全て共通していることがある。  それは全て『人を殺せる身体を持っている』と言う事だ。  いくら人を殺したいと思っていても、脚が無ければ車に乗れず  物品を揃えるのも難しいし、目が見えなければ殺す相手を判別できない。    そして、腕が動かせなければ首を絞めることも、鉄砲を持つことも、鈍器を装備することも  ナイフを手にすることも車を運転することも出来ない。    身体的なハンデを持つものは、余程の精神力や体力や知力がない限りは殺す相手に  逆に反撃されかねない、それくらい人殺しには不向きだということだ。    さて、そこで問題。 『殺し合い』呼ばれるルール無用のデスゲーム時に、身体が不自由であり、  かつ精神力も体力も知力も人並みしかないものはどのような運命を辿るのか?    誰かが助けてくれる?   奇跡や魔法のおかげで身体が五体満足になる?  超能力に目覚める?    正解は……   ☆ ☆ ☆ 桜見タワーが聳え立つ、そんな歓楽街の一つの道で、一人の少年が松葉杖を腕に通しゆっくりゆっくりと進んでいる。  その少年は肩に鞄をかけて、苦しい顔を浮かべている。    彼の名前は上条恭介。  裕福な家庭に生まれ、ヴァイオリン演奏が年齢の割に習熟している以外は  何ら普通の中学生と変わりない。    いや、変わらなかったというのが正しいか。  有望なヴァイオリニストと将来を約束されていたそんな少年に悲劇が襲う。  交通事故。  名ヴァイオリニストへのレールから弾き飛ばされる不慮の事故は、彼の両手腕と指の自由を奪っていった。  事故後、残ったのは現代医学では到底治す事が出来ない、大きな大きな障害だけ。    絶望以外の言葉が思いつかない。  生きがいであるヴァイオリン弾きを封じられ、生きる意味を半ば失っている。    そんな最中に無理強いされる殺し合い。  これは誰もが彼に同情せざるを得ない状況だ。    上条恭介はこの場所に移され、何を思う前に行動することを選択した。  自由が効かない身体にムチを打つように、一歩一歩タワーに向う。  誰かに会えるかもしれない、そんな淡い期待を込めて。    しかれども開始してからずっと動かしていた身体についに限界が来た。  道のど真ん中で倒れる訳にはいかない、何とか建物側へと向かう。  そうして建物の近くへ行くやいなや、背中の鞄をすり落とし、建物へ背中から寄りかかりへたり込む。   「身体が動かないのに殺し合いって…… 死ねってことかよ……」    近くに誰もいない。  弱々しく独り言をボヤく上条恭介。    そう言えば鞄の中には何かあるのではないかとも考えた。  だがもう彼に動く余裕など無い。  下を向き目を瞑りながら、ただ時間が経つのを待っているだけだった。   ☆ ☆ ☆ ガサゴソと何かを漁る音が聞こえる。  その音に気づいて目を開き顔を上げる上条恭介。  どうやら自分は少し意識を失っていたらしい。    上条恭介が見上げるその先には、どこかのスポーツチームのユニフォームを着た、  白髪の大男が背中に背負いながら恐らく自分の鞄を漁っていた。   「むう、どうしてこんなガキには良さそうな物がこんなに入って、天才の俺には碌でもない物ばかりなのだ……」    大男は鞄の中身ついて一人愚痴っていた。  どうやら上条恭介の鞄の中身は『良さそうなもの』がたくさん入っているらしい。   「ん……? 貴様生きていたのか」    意識を取り戻した上条恭介の視線に気づいたのか、白髪の大男はそんな上条恭介に声をかける。  とりあえず立ち上がろうとするが、脚も腕も、そして指も十分に動かせない上条恭介は  何とか壁を使って立ち上がろうとする。   「ん~? 貴様身体が動かせんのかあ~?」    そんな様子を見て白髪の大男は上条恭介が動く前に口を開いた。   「ごめんなさい…… 礼儀が悪いですよね」    裕福な家庭故の躾の良さか。  話をするのに地べたに座りながらは流石に態度が悪いと正そうとするのだが  上手く立ち上がれずにまた、座り込んでしまう。  ちなみに平和な世に生まれたものの常か、上条恭介は今、人を疑うことを考慮していない。   「イッヒッヒ! 坊主貴様は運がいいぞ! この天才のアミバ様は貴様の支給品でとても機嫌がいい!  だから特別に、貴様の体を治してやろうじゃないか!」 「え……体を治すって……? そんな簡単なこと言わないでください! 僕の身体は…… 指と腕は、絶対に治らないですよ!」 「まあ見てろ…… この天才のアミバ様に不可能はない、秘孔を突けば一瞬よ!」    体を治してやる。  そんな言葉を放ちアミバは不敵な笑みを浮かべ、鞄を地面に落とし上条恭介へと近づく。  上条恭介は嘘だろと一蹴したいものの、どうやら秘孔という方法なら一縷の望みがあるらしい。  ならば任せて見せよう、どうせ普通にしていても治らないのだから。     「腕の不随を治す秘孔は…… ここだ!」  アミバの指が上条恭介の身体へとめり込む。 直後   「アガァ!!」    激痛。これ以上もない激痛。  そんな激痛が上条恭介の全身巡り巡る。  奇怪な声を上げ、泡を吹き、痙攣が始まった。   「ん? 間違ったかな?」  アミバは頬に手をつきながら、泡吹き暴れる上条恭介を眺める。   「あ~、すまんすまん、こっちだったかな?」  暴れる上条恭介に、アミバはもう一度指で秘孔を正確に突く。   「アガァカァ゙カァ゙ガァガァガァアァカァ゙ァガァガァガァガァガァカァカァ゙シァゲァルァ!」    爆散      上条恭介であった肉片が四方に散らばる。  それを見てアミバは、少し首を傾げる。  まあいいか、最初は死んでいると思ったのだから本当に死んでもいいだろうと開き直り、  上条恭介の鞄と自分の鞄の両方を拾い上げその場を後にするのであった。     ☆ ☆ ☆   「イッヒッヒ…… コイツはいいモノだな!」    上条恭介が爆散した場所より少し先の飲食店内。  六人がけの席に座り、先ほど入手したアイテムをもう一度見定めていた。    アミバに支給されたランダム支給品は、2億円が入ったアタッシュケースと縦縞模様のユニフォームの二点。  一方上条恭介に支給された支給されたものは、詳細名簿と呼ばれる緊急回避道具と首輪探知機のニ点。  ユニフォームはともかくお金に関してはケツを拭く紙にもなりゃしない時代から来たアミバにとっては  ハズレ中のハズレアイテムだった。  そんな中偶然にも出会ったもう一つの支給品鞄。 「やはりこの天才のアミバ様には天も味方しておる」    アミバは一人自画自賛をし、一先ず名簿と詳細名簿に目を通す。  憎きケンシロウやトキがいるのはもちろん、知らない仲ではないジャギや上司であるラオウは既に確認済みだ。   「イッヒッヒ! この殺し合いに最後に残るのはこのアミバ様よ!!」  アミバは情報と言う面から優位に立つために、詳細名簿を熟読するのであった。   ☆ ☆ ☆ おわかり頂けたであろうか。  上条恭介と呼ばれる一般人は無様にも殺されてしまった。  彼に少しでも奇跡や魔法を信じていたら、或いは絶対に生き残るという執念があったならば、  もしかしたらアミバを打倒出来た未来もあったかもしれない。  でも死んでしまった。  なぜなら上条恭介は力がなかったから  精神力も体力も知力も、異常事態であることを踏まえても全く働かなかった。    力のないものは、それだけで罪。    それが殺し合い。  それが死。    奇跡も、魔法も、有りはしない。   【上条恭介@魔法少女まどか☆マギカ 死亡】 【E-2/西部、建物内/一日目-深夜】 【アミバ@北斗の拳】  [衣装]:横浜DeNAベイスターズのレプリカユニフォーム@現実  [状態]:健康  [装備]:詳細名簿@アニロワEX  [道具]:基本支給品一式×2 二億円が入ったアタッシュケース@現実        [思考・行動]  基本方針:天才の俺が最後まで生き残る。  1:情報収集  [備考]  ※死亡後からの参戦です。    ※上条恭介の肉片はE-2南部に散乱しています。 *時系列順で読む Back:[[]] Next:[[]] *投下順で読む Back:[[直球勝負もいいかげんにしろ!]] Next:[[地獄とは神の実在なり]] |GAME START|アミバ|:| |GAME START|&color(red){上条恭介}|&color(red){GAME OVER}|
***運命 -destiny- ◆EKhCqq9jsg  人を殺す方法。    絞殺、人間の首を締め上げて殺すこと。  銃殺、銃火器類を使って相手の急所に発砲し出血多量或いはショック死させて殺すこと。  撲殺、拳や鈍器などの硬いものを使い、脳震盪や内蔵出血させて人間を殺すこと。  刺殺、鋭利な物体を使い内臓器官にダメージを与えて殺すこと  轢殺、車や電車などの車輪でひき殺すこと。    とこのように、簡単に例を上げてもこれだけの方法がある。  100人の殺人事件の被害者がいたとしたら、全員別の殺され方していても何らおかしくはない。  それだけ人を殺す方法は山ほどあるということだ。    しかし、そんな幾重にもある人殺し方法も全て共通していることがある。  それは全て『人を殺せる身体を持っている』と言う事だ。  いくら人を殺したいと思っていても、脚が無ければ車に乗れず  物品を揃えるのも難しいし、目が見えなければ殺す相手を判別できない。    そして、腕が動かせなければ首を絞めることも、鉄砲を持つことも、鈍器を装備することも  ナイフを手にすることも車を運転することも出来ない。    身体的なハンデを持つものは、余程の精神力や体力や知力がない限りは殺す相手に  逆に反撃されかねない、それくらい人殺しには不向きだということだ。    さて、そこで問題。 『殺し合い』呼ばれるルール無用のデスゲーム時に、身体が不自由であり、  かつ精神力も体力も知力も人並みしかないものはどのような運命を辿るのか?    誰かが助けてくれる?   奇跡や魔法のおかげで身体が五体満足になる?  超能力に目覚める?    正解は……   ☆ ☆ ☆ 桜見タワーが聳え立つ、そんな歓楽街の一つの道で、一人の少年が松葉杖を腕に通しゆっくりゆっくりと進んでいる。  その少年は肩に鞄をかけて、苦しい顔を浮かべている。    彼の名前は上条恭介。  裕福な家庭に生まれ、ヴァイオリン演奏が年齢の割に習熟している以外は  何ら普通の中学生と変わりない。    いや、変わらなかったというのが正しいか。  有望なヴァイオリニストと将来を約束されていたそんな少年に悲劇が襲う。  交通事故。  名ヴァイオリニストへのレールから弾き飛ばされる不慮の事故は、彼の両手腕と指の自由を奪っていった。  事故後、残ったのは現代医学では到底治す事が出来ない、大きな大きな障害だけ。    絶望以外の言葉が思いつかない。  生きがいであるヴァイオリン弾きを封じられ、生きる意味を半ば失っている。    そんな最中に無理強いされる殺し合い。  これは誰もが彼に同情せざるを得ない状況だ。    上条恭介はこの場所に移され、何を思う前に行動することを選択した。  自由が効かない身体にムチを打つように、一歩一歩タワーに向う。  誰かに会えるかもしれない、そんな淡い期待を込めて。    しかれども開始してからずっと動かしていた身体についに限界が来た。  道のど真ん中で倒れる訳にはいかない、何とか建物側へと向かう。  そうして建物の近くへ行くやいなや、背中の鞄をすり落とし、建物へ背中から寄りかかりへたり込む。   「身体が動かないのに殺し合いって…… 死ねってことかよ……」    近くに誰もいない。  弱々しく独り言をボヤく上条恭介。    そう言えば鞄の中には何かあるのではないかとも考えた。  だがもう彼に動く余裕など無い。  下を向き目を瞑りながら、ただ時間が経つのを待っているだけだった。   ☆ ☆ ☆ ガサゴソと何かを漁る音が聞こえる。  その音に気づいて目を開き顔を上げる上条恭介。  どうやら自分は少し意識を失っていたらしい。    上条恭介が見上げるその先には、どこかのスポーツチームのユニフォームを着た、  白髪の大男が背中に背負いながら恐らく自分の鞄を漁っていた。   「むう、どうしてこんなガキには良さそうな物がこんなに入って、天才の俺には碌でもない物ばかりなのだ……」    大男は鞄の中身ついて一人愚痴っていた。  どうやら上条恭介の鞄の中身は『良さそうなもの』がたくさん入っているらしい。   「ん……? 貴様生きていたのか」    意識を取り戻した上条恭介の視線に気づいたのか、白髪の大男はそんな上条恭介に声をかける。  とりあえず立ち上がろうとするが、脚も腕も、そして指も十分に動かせない上条恭介は  何とか壁を使って立ち上がろうとする。   「ん~? 貴様身体が動かせんのかあ~?」    そんな様子を見て白髪の大男は上条恭介が動く前に口を開いた。   「ごめんなさい…… 礼儀が悪いですよね」    裕福な家庭故の躾の良さか。  話をするのに地べたに座りながらは流石に態度が悪いと正そうとするのだが  上手く立ち上がれずにまた、座り込んでしまう。  ちなみに平和な世に生まれたものの常か、上条恭介は今、人を疑うことを考慮していない。   「イッヒッヒ! 坊主貴様は運がいいぞ! この天才のアミバ様は貴様の支給品でとても機嫌がいい!  だから特別に、貴様の体を治してやろうじゃないか!」 「え……体を治すって……? そんな簡単なこと言わないでください! 僕の身体は…… 指と腕は、絶対に治らないですよ!」 「まあ見てろ…… この天才のアミバ様に不可能はない、秘孔を突けば一瞬よ!」    体を治してやる。  そんな言葉を放ちアミバは不敵な笑みを浮かべ、鞄を地面に落とし上条恭介へと近づく。  上条恭介は嘘だろと一蹴したいものの、どうやら秘孔という方法なら一縷の望みがあるらしい。  ならば任せて見せよう、どうせ普通にしていても治らないのだから。     「腕の不随を治す秘孔は…… ここだ!」  アミバの指が上条恭介の身体へとめり込む。 直後   「アガァ!!」    激痛。これ以上もない激痛。  そんな激痛が上条恭介の全身巡り巡る。  奇怪な声を上げ、泡を吹き、痙攣が始まった。   「ん? 間違ったかな?」  アミバは頬に手をつきながら、泡吹き暴れる上条恭介を眺める。   「あ~、すまんすまん、こっちだったかな?」  暴れる上条恭介に、アミバはもう一度指で秘孔を正確に突く。   「アガァカァ゙カァ゙ガァガァガァアァカァ゙ァガァガァガァガァガァカァカァ゙シァゲァルァ!」    爆散      上条恭介であった肉片が四方に散らばる。  それを見てアミバは、少し首を傾げる。  まあいいか、最初は死んでいると思ったのだから本当に死んでもいいだろうと開き直り、  上条恭介の鞄と自分の鞄の両方を拾い上げその場を後にするのであった。     ☆ ☆ ☆   「イッヒッヒ…… コイツはいいモノだな!」    上条恭介が爆散した場所より少し先の飲食店内。  六人がけの席に座り、先ほど入手したアイテムをもう一度見定めていた。    アミバに支給されたランダム支給品は、2億円が入ったアタッシュケースと縦縞模様のユニフォームの二点。  一方上条恭介に支給された支給されたものは、詳細名簿と呼ばれる緊急回避道具と首輪探知機のニ点。  ユニフォームはともかくお金に関してはケツを拭く紙にもなりゃしない時代から来たアミバにとっては  ハズレ中のハズレアイテムだった。  そんな中偶然にも出会ったもう一つの支給品鞄。 「やはりこの天才のアミバ様には天も味方しておる」    アミバは一人自画自賛をし、一先ず名簿と詳細名簿に目を通す。  憎きケンシロウやトキがいるのはもちろん、知らない仲ではないジャギや上司であるラオウは既に確認済みだ。   「イッヒッヒ! この殺し合いに最後に残るのはこのアミバ様よ!!」  アミバは情報と言う面から優位に立つために、詳細名簿を熟読するのであった。   ☆ ☆ ☆ おわかり頂けたであろうか。  上条恭介と呼ばれる一般人は無様にも殺されてしまった。  彼に少しでも奇跡や魔法を信じていたら、或いは絶対に生き残るという執念があったならば、  もしかしたらアミバを打倒出来た未来もあったかもしれない。  でも死んでしまった。  なぜなら上条恭介は力がなかったから  精神力も体力も知力も、異常事態であることを踏まえても全く働かなかった。    力のないものは、それだけで罪。    それが殺し合い。  それが死。    奇跡も、魔法も、有りはしない。   &color(red){【上条恭介@魔法少女まどか☆マギカ 死亡】} 【E-2/西部、建物内/一日目-深夜】 【アミバ@北斗の拳】  [衣装]:横浜DeNAベイスターズのレプリカユニフォーム@現実  [状態]:健康  [装備]:詳細名簿@アニロワEX  [道具]:基本支給品一式×2 二億円が入ったアタッシュケース@現実        [思考・行動]  基本方針:天才の俺が最後まで生き残る。  1:情報収集  [備考]  ※死亡後からの参戦です。    ※上条恭介の肉片はE-2南部に散乱しています。 *時系列順で読む Back:[[]] Next:[[]] *投下順で読む Back:[[直球勝負もいいかげんにしろ!]] Next:[[地獄とは神の実在なり]] |GAME START|アミバ|:| |GAME START|&color(red){上条恭介}|&color(red){GAME OVER}|

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