【ホワイトデーのお返しをとりあえずホワイトチョコにしといたらブチギレられたりするから気を付けろマジで】



京太郎「いよいよ今年度も終わりだな……来月からはプロ三年目か」

京太郎「うーん、来年度の目標は来年度の目標として……とりあえずはホワイトデーだよな」

京太郎「手紙は漸く……多すぎて5000から先は数えてなかったけど」

京太郎「知り合いの分はちゃんと返さないとな」


京太郎「……うーん」

京太郎「返すって言っても、どうしたらいいんだ?」

京太郎「去年はあんまりそれどころじゃなかったから、チームの皆を誘って食事って感じだったよな」

京太郎「……」

京太郎「……こういうときはハギヨシさんだよな」

京太郎「友チョコのお返しの催促をしてると思われないように気を付けないと」

京太郎「よし!」


京太郎「あ、もしもし……ハギヨシさんですか?」

ハギヨシ『おや、京太郎。……どうしましたか?』

京太郎「実は――」


ハギヨシ『なるほど、ホワイトデーのお返しですか』

京太郎「今までそんなに貰って来なかったり、貰ったとしても高校大学はファミレスで奢りとか……」

京太郎「去年はちょっといいとこのレストラン、みたいな感じだったんで……どうしたらいいんだろう、って」

ハギヨシ『……ふむ』

ハギヨシ『お聞きしますが、そのチョコの中に……高価なものや手作りのようなものは?』

京太郎「いくつか……ありましたね」

ハギヨシ『なるほど』

ハギヨシ『……義理ですか』

京太郎「義理じゃないですか?」

京太郎「社会人にもなって、チョコ渡して告白――とか考えにくいですし、別にメッセージカードもなかったんで」

ハギヨシ『判りました』

ハギヨシ『その場合は、やはりお菓子でお返しでよろしいのではないでしょうか?』

京太郎「いいんですか、本当に?」

ハギヨシ『付き合っている恋人同士なら三倍返しを期待することもあるでしょうが、恋人でないのならばそれもあまりありません』

京太郎「確かに……周りにそんな感じの人はいませんね」

ハギヨシ『なら、お菓子で』

ハギヨシ『ただ……この際の値段も三倍――二倍~五倍くらいがベターではないでしょうか』

ハギヨシ『お返しを指定されているなら、それに沿ったものとあと何か一つを気持ちで』

京太郎「なるほど、なるほど」

ハギヨシ『京太郎くんの手料理を気に入られている方は?』

京太郎「いますね」

ハギヨシ『なら、その方には手作りでもよろしいかもしれませんね』

京太郎「了解です」


ハギヨシ『ただ、覚えておいて欲しいのは――』

ハギヨシ『衣様が? 判りました。ただいま向かいます』

京太郎「あ、じゃあ切りますね」

ハギヨシ『申し訳ありません』

ハギヨシ『手短ですが――返すのは、クッキーがよろしいかと』

京太郎「クッキーですか? ……判りました」

ハギヨシ『では、失礼します』

京太郎「お休みなさい、ハギヨシさん」

ハギヨシ『お休みなさい、京太郎くん』


京太郎「……よし、じゃあ作るか」

京太郎「お菓子作りは分量を正確に……あんまり得意じゃないんだよな、こういうの」

京太郎「形は……麻雀牌とか、あんがい面白いかもな」

京太郎「よし!」


 ・
 ・
 ・


京太郎「なんとか作った。それに自信作だ!」

京太郎「ただ、ミスったし……結構数が足りないかもな」

京太郎「でも、もうスーパーも閉まってるよな。さすがに」

京太郎「うーん」

京太郎(待てよ……前に確か……)

京太郎(確かあれは駅の近くにあったから……よし、買ってくか)

京太郎(迷惑かけてるしな。手作り以上で返した方がいいよな、絶対)


 ◇ ◆ ◇


京太郎「あ、智紀さん。これ」

智紀「別にいいって言ったのに」

智紀(既に脳内で京ハギのたっぷりホワイトデーが開催されてるから)

京太郎「……!?」 ゾクッ

京太郎「何か今、寒気が……」

智紀「風邪?」

京太郎「そうかも……まあ、走れば治るから大丈夫ですよ」

智紀「……体育会系の走れば治る理論は本当に判らない」

京太郎「骨折以外なら何とかなるんですよね、何故か……」

智紀「アルコールも?」

京太郎「走れる程度なら走れば二日酔いにならないですね」

智紀「……」


京太郎「おはようございます」

数絵「おはよう」

竜華「おはよーさん」

怜「おはよ」

やえ「おはよう」

菫「いい朝だな」

京太郎「……って、なんで怜さんが!?」

怜「非番やから」

京太郎「……非番なのに、ここに?」

怜「りゅーかの太股でリフレッシュしに」

京太郎「なるほど……。……って、平然と部外者が入り込んでるのかよ!?」


竜華「だってもう、京太郎くんの主治医みたいなもんやないか」

京太郎「いや……俺はそこまで怪我は……」

京太郎「というか、主治医が必要だと思われるぐらい俺って怪我してるのか!?」

数絵「今更じゃないの?」

菫「今更だな」

やえ「アクションなんかやるからでしょ」

怜「ぼっこぼこやな」

京太郎「……酷くないですか?」


怜「それとも……京太郎は、私が来るのがそんなに嫌なんか?」

京太郎「思い付きで変なツボを押されるのを好ましいと思えれば」

怜「なんや、うちが居てもええってことやな」

京太郎「今のどこにそんな言葉がありましたか?」

怜「あんまり大声出さんといてな……うち、病弱やから」

京太郎「あなたみたいに元気な病人はいませんよ」

怜「……」

京太郎「……」

怜「りゅーかぁ、京太郎が虐めるー」

京太郎「ちょっと!?」

竜華「駄目やん、京太郎くん。怜虐めちゃ」

京太郎「どこからそう思ったんですか!? 神眼あるのに!?」

怜「恋は盲目って言わん?」

京太郎「言いますけど……って、まさか……俺に……!」

怜「それはないな」

菫「それはないだろう」

数絵「それはないでしょ」

やえ「どうしてあると思った」

竜華「たはは」

京太郎「ホワイトデーって男の心を寄ってたかって殴る日だったんですね。失望しました」


 ・
 ・
 ・


淡「テルー、暇だねー」

照「うん」

照「お菓子まだかな」

淡「ねー」

照「今日は人を脅せばお菓子を貰える日って聞いた」

淡「本当!?」

尭深(それはハロウィン。しかもちょっと違う)

淡「あの雑誌、あてになんないなー」

照「雑誌?」

淡「う……ま、まあ雑誌は雑誌だよ?」

照「……」

尭深(バッグに忍ばせた女性雑誌――ホワイトデー特集ですね、判ります)


京太郎「おはようございます」

照「おはよう」

尭深「おはよう……京太郎君」

淡「なに、こんな朝から何の用?」

京太郎「あー」

京太郎「この間のお返しって奴でな」

照「待ってた。お腹が空いたらすぐお菓子」

京太郎「ははは……」

淡「……で、な、何? その……お返しって?」

京太郎「最初はクッキーでも――って思ったんだけど、なんだか色々迷惑かけただろ?」

淡(クッキーは――友達でいましょうーだったよね、確か)

京太郎「だから、色々考えたんだよ」

京太郎「で、これにした」

淡「バッグ……?」

京太郎「照さんにも、これ」

照「……ありがとう」

京太郎「この間のあれ――で、迷惑かけちゃいましたし」

京太郎「番組の方も(明らかに俺の方が迷惑かけられてるけど)、色々と助けられることの方が多いんで」

淡「……」

照「……」

京太郎「確か、前にそれを可愛いって言ってたよな? ショッピングに行ったとき」

京太郎「どうせなら、照さんと色違いで――って思ったけど、駄目だったか?」

淡(……覚えてたんだ)

京太郎「ん?」

淡「ううん、なんでもないっ」

京太郎「そうか?」


尭深(二人とも、スリングバッグを受け取っていた)

尭深(バレンタインのお返しにバッグ。それも、前に欲しいと言ってたやつ)

尭深(これはポイント高いですね)

尭深(……これを題材に京セラで一本描けそうだ)

尭深(ふふふ、腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐、ふふふ)


淡「まー、きょーたろーにしてはセンスがあったんじゃないのー?」

淡「んふふ~♪」

照「京ちゃん、ありがとう」

京太郎「いえいえ」

照「……で、お菓子は?」

京太郎「あー、バッグの中に入ってます」

照「そう。ありがとう。お腹が空いてた」

京太郎「ははは……」

京太郎(朝飯食べればいいのになぁ)


誠子「ただいま戻りましたー」

京太郎「どうも、お邪魔してます」

誠子「あ、どうも」

京太郎「これ……この間のお返しです」

誠子「うん? ありがとうな、わざわざ」

京太郎「いえいえ、そりゃ今日は男の心を袋叩きにする日じゃなくて男がお返しする日ですから」

誠子「……何かあったの?」

京太郎「後で聞いてもらえます?」


淡「見て見て、せーこ先輩! これ、きょーたろーからー!」

誠子「へぇ……」

誠子「って、私のと違いすぎないか?」

淡「だってー、私ってばプロ100段ですからー」

淡「~♪」

京太郎「前、この二人にはやっちゃいましたから……」

誠子「あー、ゴミ箱ダンク事件か……。流石にあれはなぁ」

京太郎「……申し訳なかったです」


誠子「それにしても二人ともお揃いかぁ」

京太郎「この二人なら仲がいいからって思ったんですけど……駄目でした?」

誠子「いいんじゃないか? 二人とも、色違いのマシュマロスリングバッグだし」

京太郎「ならよかった」

淡「……ん?」

淡「……んんん?」

淡「“マシュマロ”……スリングバッグ……?」

照(お菓子お菓子……あった)

照(高級そうな袋だな、これ)

照(中身は――――)



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../ ∧ヽ.  |::::/.      i > _  ̄ . r  ./.  // i:/         /.:/i_
.i  ∧ヽ  |:/       丶    ̄    /  /  レ         /.:// ヽ


◇ ◆ ◇


憧「はーい」

憧「京太郎からの宅配便かぁ」

憧「……なんだろ?」

憧(クッキーなら『友達でいましょう』、マシュマロなら『お前なんて大嫌い』)

憧(それで……)

憧(って、メッセージカードが入ってる)

憧(何々……『開ける前に電話してくれ』?)

憧(……なんだろ)

憧(ま、まさか……!)


憧「もしもし、京太郎ー?」

京太郎『よ、憧……』

憧「……どうしたの、なんか息も絶え絶えだけど」

憧(耳元で京太郎の荒い息とか、落ち着かないってレベルじゃないんだけど……)

京太郎『ホワイトデーってさ』

憧「うん」

京太郎『男がお返しする日でもなくて、男の心を寄ってたかって殴る日でもなくて……』

京太郎『男を物理的に寄ってたかって殴る日だったんだな。すげー勉強になった』

憧「……だ、大丈夫?」

京太郎『ああ……なんとか』

憧「お返し……開けてもいい?」

京太郎『おう。気に入ってくれると嬉しいけど……』

憧「えっと、これは――」

憧「ネックレス……?」

憧「すごい……綺麗……!」

京太郎『……気に入ってくれたみたいだな、よかった』

憧「これ、高かったんじゃ……?」

京太郎『あー』

京太郎『高校生のときから今までの、お返しの分。まとめてな』

憧「そう……」


憧(カルティエ……)

憧(し、しかもこれ……カルティエのキャンディチャーム……!)

憧(ど、どうしよう。こんなに高いの、本命の女の子も中々貰えないよね?)

憧(し、しかもキャンディって――キャンディって、つまり……!)

憧(きょ、京太郎ってばあたしのことを……!)

憧(し、しかもこれ象の形ってことは――まさか、まさかまさかまさかアイツ、あ、あああああああたしのことを!? あたしのそこを!?)

憧(ば、バレンタインデーにできたら12月24が誕生日になっちゃうけど……ホワイトデーならどうなるの!?)

憧(~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっ)

憧(ふっきゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅうううううう!?)


京太郎「聞いてるか、憧?」

憧「あ、あたしの準備はいいわ! つ、作るわよ!」

京太郎「何をだよ!?」



新子憧――→『その後誤解を解かれる』『思い返して死にたくなる』『でも嬉しくてベッドで枕に顔をうずめてバタバタしたりネックレスをかざしてみたり』

須賀京太郎――→『ボコボコにされる』『クッキー・キャンディ・マシュマロの意味を理解する』

大星淡&宮永照――→『貰ったマシュマロスリングバッグが小型犬用のキャリーバッグとしって再度京太郎に詰め寄った』

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最終更新:2014年04月05日 21:13