ティヴァーチェ・シルハディア(Tivache Silhadia)とは、
八霊神の一柱にして、風を司る
風霊神(ふうれいしん)である。
ティヴァーチェという名は女性型であり、男性型では
トルナッツェ(Tornattse)となる。
愛称は
ティーヴァまたは更に縮めて
ティー。
概要
八霊神の一柱で、その
魂は純粋な風
霊素から成る。
八柱の中では最も幼い外見をしているが、八霊神の祖である
ネクルーエルに次いで生まれた神であり、思考パターンが最も"人間離れ"している。
アーク・イリスの全球を見渡せる驚異的な視覚能力を有する。視力以外の五感は聴覚が若干強い以外は"人並み"であり、極度に視力に依存しているため、目を潰されると機動性が著しく低下する。
踊りまわることを好み、広い場所や気に入った景色を見つけるとそこで踊りだす。しかし彼女の踊りは嵐となるので、大抵の場合周囲にはひどい被害が及ぶ。
外見
明るい緑色の長い髪を背中で束ねている。虹彩も深い緑色で、能力のためか、常に目を見開いている。
服装はどんなときも一定ではないが、おおむね画像のとおり着物のような衣装を着ている。
普段は前髪に隠れて見えないが、額に風の紋章(
霊素参照)がある。
容姿は幼く、外見年齢は10~11歳程度と思われる。身長は140cm程度である。ただし、八霊神の化身の外見は人間の容姿のように固定されたものではなく、その気になれば大人や老人の姿になることも、もちろん男体化することもできる。ティヴァーチェ曰く、女児の姿が最も動きやすいらしい。
フラムティと言っていることが逆である。
外見が幼いのは、風霊素由来の無邪気さ・幼さの体現であるともいえる。
半神態になると髪と目、そして紋章が明るい緑に輝き、弱い旋風に覆われる。前髪が逆立って額の紋章が見える場合がある。
神獣態は翼長20mにも及ぶ大鷲。外見は大鷲だが、風を纏い、音速を超えて飛行できる。人間態の衣装の袂は、神獣態の翼を模していると思われる。
性格
風の
霊素が司る
楽観と
冷酷をそのまま体現したような性格であり、自由奔放、天真爛漫、無私無欲、とにかく俗世とは無縁な性格をしている。
人の姿をし人語で会話するが、その性質は限りなく野生動物に近い。彼女にはいかなる法律も倫理も意味を成さず、ただ自分への利害や自然の赴くままに行動する。彼女は弱者に厳しいが、それは
無邪気ゆえの残酷さである。
人によってはティヴァーチェを子供だと侮って近づくが、彼女自身はあくまで"子供のように振舞っているだけ"であり、大抵の場合悪意は見透かされる。
ただし、基本的に彼女は無邪気の象徴であり、子供の味方である。彼女は無知な子供に自然の雄大さと脅威を教え、成長を促す。子供たちはやがて成長し、彼女のもとを離れて大人になる。ティヴァーチェは不変の存在であるため、彼女自身は大人にならない。かつて子供だった者達は、いずれ彼女の存在を忘れる。彼女も、人の顔や名前を長く記憶することはない。
口調は女性時も男性時もあまり変わらない。一人称は「ぼく」だったり「わたし」だったり、分体ごとに個体差がある。
能力
風霊神の固有能力として、
グローブスコープと呼ばれる視覚を持つ。
グローブスコープは、連続した大気の流れを"視る"能力であり、これによりティヴァーチェは
地球の大気中であればいかなる場所も見通すことができる。彼女の視界に入らないのは、大気の通らない海中、地中、密閉された空間の内部などである。グローブスコープで認識できるのは物体の形状、動き、硬さなどに限られ、色や模様といった情報は認識できない。使用中は通常の可視光に基づく視覚は遮断され、逆に可視光を見る場合グローブスコープは使えない。
風
霊素の持つ"順応"の性質に関連して、如何なる状況や状態にも瞬時に対応する
超適応(ウルトラダプテーション)という能力も持っている。
八霊神の分体は普通の人間とそう変わらないため病気や毒で死ぬことがあるが、ティヴァーチェの場合はそれらにすぐに適応し耐性(抗体)を獲得するため致命的にはならない。あるいは未知の機械や装置に初めて触れる際、特に説明を受けなくても数分程度でその使い方を理解できる。獲得した耐性や経験は分体が死ぬと失われるので、新たに生まれるたびにリセットされる。
彼女は卓越した風の魔法使いでもある。大気を自由に操り、天候を操作する。彼女が踊ることは、すなわち嵐の到来を意味する。その様をして誰が名づけたか華嵐の舞姫と呼ばれる。
神霊具
ティヴァーチェの神霊具は2個1対の武器である。彼女が自ら戦う場合は刃渡り70cm弱のいびつな刀「シルハソード」を使う。
他の神霊具にもいえることだが、名前へのこだわりはあまりないらしい。他の形態の場合も、風を意味する「シルハ(Silha)」に続けてその武器の種類を示す語を繋げた名前になる。
- 初段階能力:加速
- 思考速度、反応速度、運動速度を高速化する。能力を使った側の主観では周囲の時間がゆっくり流れ、自分だけが"通常の"速度で動けるように見える。ただし、耐久力自体は強化されないため、加速状態で壁などにぶつかれば甚大なダメージを受けるし、そもそも高度な加速状態では空気との摩擦によって動作が大きく制限される。加速能力を最大限に活用するなら、空気抵抗への対策と自身の耐久強化が必須となる。
- 二段階能力:大気操作
- 周囲の大気を操る。ある程度の距離なら離れた位置でも操作できる。竜巻を起こしたり、真空刃を飛ばしたりできる。小規模であれば天候を操ることもできるが、開けた場所でないと使えない。大気操作能力を使って、進行方向の大気をどかすことで、自分への空気抵抗をゼロにできる。真空に耐える必要はあるが、理論上は音速を遥かに超えて移動することが可能となる。
- 三段階能力:切断
- 刀が触れた物質を原子レベルで分解する。命中すれば防御を許さず、加速に特化した性能もあって回避も困難であり、ひとたび動き出せば必殺級の威力を誇る。
風の神霊具は前述のとおり双剣・双刀の形を取り、2個1対で完成形だが、片方だけで使うこともできる。特にティヴァーチェが好んで使うシルハソードなどは人間が片手で扱うには少々大きく重い。ティヴァーチェがそれを軽々しく扱えるのは、元々高い身体能力を、さらに
闘気によって強化しているためである。実用上は同じ形で刃渡り25cm程度の「シルハナイフ」のほうが扱いやすい。
最終更新:2018年11月24日 12:32